不動産投資のリスクは?3つのシーンにおける11のリスクと対策

不動産投資は、一般的に「リスクの低い」資産運用であると言われています。確かに、株式やFXなどと比較すると、運用は安定しており短期的に膨大な損失を出すようなリスクは抑えられます。

しかし、不動産投資は最低でも数百万円、場合によっては億単位の資産を運用する投資。あまり勉強することもなく気軽に参入してしまうと、長期にわたりジワジワと後悔するようなことにもなりかねません。

不動産のリスクは購入前から発生し、運用中はずっと続いていくのはもちろんのこと、売却する場合はその時にも特有のリスクが発生します。

今回は「購入前」「運用中」「購入後」にシーン別に分け、不動産投資のリスクについて、合計11個のリスクと、その対処法について解説していきます。

結論として、全てのリスクを0にすることは不可能ですが、意識しておくことで軽減できるリスクは多くあります。

「売却時のリスク」で詳しく解説しますが、不動産投資はやめようと思った瞬間にやめられるものではありません。しっかりとポイントを抑えていただき、後悔のないような物件の選定・運用をしていただきたいです。

不動産投資:購入前のリスク

まず、不動産購入前にリスクについて見ていきます。ポイントは「高値掴み」をしないこと。どのような高値掴みのリスクがあるのかを見ていきます。

①瑕疵担保(かしたんぽ)に関するリスク

まず、購入した不動産に欠陥(瑕疵)があるという点がリスクとして挙げられます。問題ない物件だと思って購入したものが欠陥物件だったとすると、割高な買い物をしたことになります。

軽度な修繕で済むようなものであればまだよいのですが、場合によっては賃貸運用ができなくなる場合も。

新築物件であれば、「隠れた瑕疵」(通常では気づかない瑕疵)も含めて売主に保証させることも可能なので、ある程度安心できます。

中古物件を購入する場合、売主も個人であるケースも少なくないので契約上の取り決めが重要になってきます。仮に空き部屋の状態で売買が行われるようであれば、中をよく確認して精査することも大切です。

②高値掴みのリスク

次に、そもそもの物件購入価格が高く、良い利回りが得られないというケースも考えられます。たとえば、不動産の相場が暴騰している時に購入してしまったり、もしくは販売されている物件そのものに不当に利益が乗せられた物件である可能性も考えられます。

損な買い物とならないよう、市場動向と周辺相場、どちらもしっかりと把握しながら賢い買い手として動くことが求められます。

不動産投資:運用中のリスク

次に、運用中にどのようなリスクがあるのかを考察していきます。当然、運用している最中が一番多くのリスクを抱える場面です。

③空室に関するリスク

まず、不動産の収入源は入居者の家賃。空室の状態では家賃収入を得ることができません。とりわけローンを組んでいる場合、当然金融機関は「家賃収入が入ってこない」ことを理由に返済の猶予はしてくれないので、持ち出しでローン返済を行うことになってしまいます。

対策としては、入居者の不満による退去を出さないようアフターケアを行うこと、新規入居者募集に注力することなど、まず、不動産オーナーとして当然の努力が一つの対策です。また、管理会社が「サブリース」のような空室の際にも家賃を保証するプランを用意している場合、そちらの契約を結ぶこともリスク低減につながります。(サブリース契約をした場合、得られる家賃収入は下がる点にはご注意ください。)

④家賃滞納に関するリスク

入居者が家賃を滞納することで、家賃収入が得られないリスクも発生します。空室の場合と異なり債権としては存在していますが、少なくとも一時的にはキャッシュフローが悪化します。また、最悪のケース、夜逃げや債務整理により回収不能となる場合も考えられます。

対策としては、入居前に審査で滞納リスクの低い入居者を選定することが第一に挙げられます。加えて、サブリース等入居者が家賃を滞納した場合でも管理会社が入金を保証してくれる契約も複数存在します。

⑤家賃下落に関するリスク

家賃が下落することで、当初想定していた利回りが得られなくなるケースがあります。一般に物件が古くなればなるほど、家賃は下がりがちです。加えて、周辺の家賃相場が大幅に下落したり、入居者がつかず、自主的に家賃を下げたりといったことを余儀なくされるケースも。

家賃収入が下がれば当然利回りは悪化しますし、ローンの条件によっては月々の収支がマイナスになるおそれもあります。

対策としては、今後家賃が下がる可能性の高い(賃貸需要が減る可能性が高い)エリアの物件の購入は控えることと、高めの家賃設定をしても、入居者がつくようしっかりと日常のメンテナンスを行うことが大切です。

⑥修繕費用に関するリスク

不動産は建築して年数が経つと当然経年劣化していきます。何もなくても10年といったスパンでは修繕の必要性が出てくる箇所もあるはずですし、災害のダメージを受けるともっと短い期間で修繕の必要があるかもしれません。

物件のメンテナンスに際して、大幅な持ち出しが発生して収支が悪化したり、最悪のケース、修繕費用が足りず、必要な修繕が行えないといったことも考えられます。

物件の外部や共有部分に関する修繕は、オーナーが負担(区分投資の場合は、修繕積立金で対応)となるのは当然ながら、室内の修繕に関しても入居者の故意や重過失でなければ原則はオーナーの負担になります。

必要な修繕が行えなければ、既存入居者の退去や、新規入居者の募集が困難となることが想定され、空室リスク、家賃下落リスクなどとの悪循環にも繋がりかねません。

対策としては、自身で一棟所有するのであれば、修繕のための費用を積み立てておくことが重要です。区分投資であれば、修繕積立が行われるのである程度は安心ですが、修繕積立金の見積が甘くないか確認するなどの対応をすれば、さらにリスクが軽減されます。

⑦金利に関するリスク

金利リスクは、「変動金利型」のローン(市況に応じて金利が変動するタイプのローン)を組んでいる場合に限ります。金利見直しの際に上昇との判断が出た場合、トータルの支払額は当初の想定よりも上がることになります。

対策としては、金利リスクをまったく取りたくなければローンを組まずに自己資金で物件を購入すること、もしくは契約時の金利は上がりますが、固定金利でローンを組むことが挙げられます。

一方で、金利は景気と連動して設定されるため、金利が上昇するケースでは金融機関は景気の上昇を予想しています。それに乗じた入居者募集時の家賃の増額といった対応も不動産投資の醍醐味です。

⑧災害に関するリスク

地震、火災、その他の災害により物件が損壊したり、消失することもリスクとして考えられます。とりわけ、自然災害は発生そのものを阻止することはできないため、事前の対策が重要になってきます。

火災保険、地震保険等の損害保険でカバーしておくのも当然の対策にはなりますが加えて物件選定の際に、地理的な要因から災害発生のリスクがないかを検討しておくことも重要です。

また、地震への対策で言うと、中古物件を購入する際には、新耐震基準が適用されている物件かどうかなどの確認も重要になってきます。

なお、構造上最も地震に強いのはワンルームマンションなので、震災のリスクを抑えることが優先順位として高ければ、こういった軸で物件を選ぶのも有効です。

⑨事故物件リスク

入居者が事件、事故、自殺などの要因に物件内で亡くなった場合など、いわゆる「事故物件」となることもリスクとして挙げられます。

事故物件となってしまった場合、入居を検討している相手に対して当面の告知義務が発生するため、入居者の募集が困難になったり、家賃を大幅に下げざるを得なくなるなどの対応を余儀なくされるケースも。

事故物件となるリスクは残念ながら100%抑えることはできません。事件を防ぐ予防策としては、治安のよいエリアの物件を購入すること、セキュリティ対策の高い物件を購入することもが挙げられます。

こういった要素は、特に女性にとっては入居する物件探しの際に重要なポイントにもなるので、購入の際、選定基準にしておけば一石二鳥ですね。

また、入居の審査にあたって、トラブルが起きる可能性の低い入居者を選定することも重要な要素となってきます。一般には、高額な家賃を支払える層の方が事故物件率は低いようなので、家賃の高いデザイナーズマンションの購入なども対策として考えられます。

不動産投資:売却時のリスク

最後に、不動産を売却しその物件の運用を手仕舞いする場合でも、最後まで気を抜くことはできません。売却時に注意すべきリスクを2つご紹介します。

⑩市場リスク

まず、物件の売却価格が想定よりも安く、トータルで損失が出てしまうということが懸念されます。総合的な収支で考えたとき、マイナスとなっていたら投資成功とは言えないですね。

不動産全体の価格が著しく下落しているケースや、物件があるエリアの不動産の需要が低く、買い手がつかない場合、もしくは、物件を適切に管理しておらず、安い価格しかつかない場合などがあります。

対策としては、市場動向を見ながら売るタイミングを見定めることや、エリア、物件の選定、適切なメンテナンスなど一般的に当然とされる視点のみで問題ありません。物件選定の際や運用中も売却もシナリオの一つとして考えておけば大丈夫です。

⑪流動性リスク

最後に、不動産を現金化するのに時間がかかるといったリスクも考えられます。株式であれば売却から数日で現金化が可能ですが、不動産であれば、早くとも1か月、通常は数か月から長ければ年単位となることもあります。最悪のケースではそもそも買い手がつかないということも。

もし、何かの事情で現金が必要だから、と不動産の売却を考えた場合必要なタイミングまでに現金化が間に合わないというリスクも想定しなければなりません。

対策としては、やはり売却が困難となるような需要の少なそうなエリア、今後減りそうなエリアの物件への投資は避けるということと、そもそも不動産は現金化に時間がかかる資産であることを念頭に置いた上で資金計画を立てることが重要です。

まとめ

不動産投資はリスクが低いとは言っても、短期的に資産を失うようなリスクが低いという意味です。今回まとめてみた通り、不動産投資には入り口から出口まで様々な種類のリスクが付きまといます。

とはいえ、過度に恐れる必要はありません。どのようなリスクが存在するのかをしっかりと把握し対策を行っていれば安定した資産形成が行えるのも事実です。

ぜひ、今回学んでいただいた内容も参考にしながら、賢い不動産投資を行ってみてください。きっと、長期的な資産形成の心強い味方になってくれるはずです。

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