金融不安について
先週くらいまででしょうか?
金融不安の様な、金融システム不安等と私は言いましたけれども…
シリコンバレーバンクなどですね。
内田:そうです。
少しもやもやした感じで、相場の頭を抑えた様な格好もありましたが…
個人投資家の皆様に与えた影響を、今日は考えていこうかなと思いますが、安藤さんどうでしょうか?
お客様の中でも、その様な声が結構聞かれたり、ちょっとした変化等感じられましたか?
そうですね。
シリコンバレーバンクと、後その次の週くらいのクレディ・スイスの問題と、色々と報じられていましたので。
更に、そこからまた続くのではないかと言われていた時は、少し様子見マインドが強かった感じはあります。
ただ、やはり買う方は常に物件を探していて、結局買っている、多分買う体力があると、そういう話だと思います。
総論としては正直あまり、今のところは影響が無いなと。
内田:安藤さんの会社では色々なものを取り扱っている訳ではないですか?
そうすると、不動産だけでは無く、他の金融商品の様なものもあるとするならば、それの違いって何かありましたか?
安藤:例えば、金融商品仲介業の様な会社でいうと、株式だったり、投資信託を扱っていたりする訳なのですが、そこは少し様子見が強いなとは思います。
吉崎:日本の株はそんなに悪くはないですものね。
内田:そうですね。
少し落ちる場面もありましたけれども、戻ってきました。
吉崎:トピックスも、日経平均も、どちらも良いですよね。
ただ、先行きがどうなるか分からないので、一旦様子見とか、少し銘柄の入れ替えを、という様な動きはあると思います。
金融は少し様子見というのが実際あるな、という感じがしています。
ただ不動産に関しては、例えば一棟の収益もののアパート等は、節税目的で購入される方も居たりしますので、結局投資する側のニーズ次第なのかな?という気がするのですよね。
「海外の話だ!日本では無い!」というのもあるのかもしれませんけれども、吉崎さんはどうですか?
どんな風に周りの変化の様なものを感じられましたか?
まず、アメリカの2つの銀行の事実上の破綻というのと、クレディ・スイスは少し違う。
同じ位置づけにするのは良くなくて、それぞれの個別要因があるという事です。
クレディ・スイスの場合は元々良くないと言われていたのですが、ただ処理の仕方がそれぞれ違っていたのだと思うのです。
クレディ・スイスの場合はAT1債、劣後債に対する扱いを事実上バツにして、本来劣後債よりハイリスクであるべきエクイティーを助けたという事ですよね?
内田:そこに動揺が走りましたよね。
吉崎:その事によって、クレディ・スイス全体の倒産を防いだ、という事なのですけれども…
本来は長々とやってきた会計の歴史、会計のルールを無視した、無視してでも潰さなかった、という事ですから「逆にルールを無視するのか?」という動揺が走った。
こういう事をすると、例えばこの間のWBCも、トーナメントを変えてみたり。
「アメリカの為にルールを変えるのか?」みたいな。
内田:確かに少し驚きますよね…
吉崎:それと同じ事です。
「ルールを変えた」という事ですよね?投資のルールを変えた。
そういう意味では、ルールを変えた事に対する動揺はあったと思いますが「今回に限り」という様な感じでしたので、動揺も収まりつつあるのかな?と。
日本の現在の金融機関の状況を見ても、多少警戒はしつつも、殆ど大きな変化は無いという感じだと思いますね。
内田:「警戒はしつつも、今後の行方を見ながら」という事で…
これ以上あまり冷え込むという動きは、今は無いと。
吉崎:この先は分からないですよ?
ただ、現状その様な雰囲気は無いという事ですよね。
この後の日銀総裁が、今週変わりますよね。
それで、その後の日銀の金融政策決定会合、その2回目くらいからどうなるのかな?と。
内田:そういう意味では、今後の金利の行方というものを見ていかなければいけませんから、その辺りもどうでしょうか?
不安視されていませんか?
お客様など少し今見ておこうかな、とか。
安藤:様子見の方もいらっしゃいます。
それは多分3月に始まった事でもなく、少し前から様子を見ていた方は動きが少し弱くなっていたという事はあると思うのですね。
買う方、買える方は買っていますし…
現状は不動産も様子を見ている人が多い
例えば不動産の中でも、ロードサイドの結構大きな土地を、例えば戸建て用地を開発する業者様に卸すという様な。
こういう部分に関してはもう数か月前から結構様子見モードはありました。
ただ、そのでき上がった建売住宅をエンドさんが買うという所でいうと、普通に動いています。
どういうニーズで買うのか?というところで、少し変わってくるのかなと思います。
ロードサイドの物件、戸建て用地なんて、そういう戸建て業者さんが買いまくっていますからね。
一方で、様子見の人も居るし、買いまくっている業者も居るし、ひとつ前のコーナーもお話しましたよね。
安藤:「業者にもよる」ですよね。
吉崎:業者の今後のビジネスの展開、資金余力、金融機関との付き合い状況、そういう事によって変わってくるので、全体間が今様子見かというと全然そんな事は無いと思います。
変わらず、という様な感じですかね。
ただ先ほど言った個人の方は若干様子を見ているなという様な感じはします。
業者と個人の違いはありますか?
安藤:自宅購入は少し、東京都心部等でいうと高すぎるのではないかといって、売っている人の方が(売り相談の方が)弊社では多く入っております。
吉崎:それはデータを見ていても、その傾向にありますよね。
内田:自分の家と投資だと、また全然考え方が違ってきますものね。
タイミングも。
吉崎:自宅は少し今は様子見の方が増えてきたな、と。
安藤:確かに住宅はそうですね。
内田:それも今後の価格を見ながら動くかどうしようか?といった感じなのでしょうかね。
吉崎:安藤さん、ココザスでは自宅用の物件の御紹介もしているし、投資用の物件も子会社でやっておられますよね?
なので両方の様子が分かると思いますが、両方で若干温度感が違う気がしていますね。
安藤:それでいうと、実際数字として住宅は少し落ちている感じはあります。
内田:そういう感覚を番組でお話していただけると、市況に絡んできて面白いですね。
吉崎:そうですね。
ココザスは、住宅・投資用不動産・金融商品もやっているので、全般的に見られる感じがしますよね。
ショックが起きる前に見ておきたいこととは?
しかし、今回の事はショック級の大きな下落にはならなかったという感じですが…
歴史的に「◯◯◯ショック」というものが、ありますよね?
そういう時は、我々投資家はどういう風な対処をしていけば良いのかな?といつも思うのです。
安藤さんはこの辺りはどういう風にお考えですか?
これも正直、商品によるかなという所があります。<> 例えば不動産の価格がすぐに半分に暴落するのか?というと、それは絶対に無いのです。
絶対というのは、あれなのですけれども…
ただ、株式等は個別銘柄でいったら落ちたりするではないですか?
なので、自分のポートフォリオが何によっているかによって、対応は全然変わってくると思うのです。
例えば株式等でいうと、私の実体験として「ストップ安で数日売られています」という時に、そこに乗って売ってしまったら少し反発してしまう、という様な経験はよくありました。
内田:自立反発ってありますものね。
安藤:もう何日間か寝ていたら少し戻しておこう、みたいな。
結構ありませんか?
内田:そうですね。
安値で売って高値で買う、という理想とは逆のパターンはありますよね。
だから、そういう時ってどうしたら良い…寝る?
吉崎:ゴルフをする。
内田:ちょっと一旦離れて、冷静になる、みたいなものも必要ですから。
安藤:ショックの内容にもよりますよね。
自然災害系だったりとか、一時的なものというのでしょうか…
金融システムが崩壊などでなければ、ある程度戻ったりはしますよね。
しかし、今の流れは全体感で見れば、コロナ禍があって、一回止めた。
止めると、堰き止める訳ですから、堰を上げると水がばっと流れる。
それが、需要が一気に増える。
需要が一気に増えると、経済学上でいくと需給のバランスが崩れて、値段が絶対に上がる。
供給が追いつくのが後になりますから、一旦は上がる。
それが一時的なものだと思っていたら、一時的では無くて…
結構それに乗じて色々なものが上がったという様な流れ、この波が今はずっと大波できていたわけです。
これが小波になるタイミングが何時なのか?それを見定める局面にきていて、今回の、色々な金融機関の崩壊等も、要は波の影響。
波で船が転覆したという様な、あまり良くない事ですが、そういう様な流れですよね。
そういう意味では、その小波になるタイミングをどう捉えるか。
日本は海外ほど大波が無い、という状況ですよね。
この状況で見ておくべき指標とは
そういうのは「これだけを見ておけば判断できそう」という様な、ポイントは無いでしょうか?
不動産投資はキャップレートがまず重要だと思います。
キャップレートを構成する要素としての金利。
それが、需要が一気に増える。
大手企業等がやっているIRR(内部収益率)の各社がどれくらいの投資判断をするのか?という数字辺りを見ておくと、不動産やビッグプロジェクトの投資基準がそこら辺で分かります。
そういった辺りを追いかけておくと、市況は大方見えてくると思いますね
内田:安藤さんも何かこれだけを見ておくと良いというものはありますか?
安藤:吉崎さんがいったキャップレートは、結局投資家さんとしては絶対に見るべき指標かなという風に思っています。
あと、吉崎さんがプロとして色々な数字を取っていると思うのですけれども…
それも、一般の投資家さんも見るべきだと思っています。
どれくらいの頻度でどういうチェックをしていくべきでしょうかね?
吉崎:やはり、少なくとも季節に1回。
ものによっては2ヵ月に1回、という様な感じだと思いますね。
内田:分かりました。
是非、この辺りを参考になさってください。
吉崎:じゃあこの辺りをまた深堀していきましょう!
どれくらいの頻度で見るべきか、頻度論を行いましょうか。
内田:そうですね。
次回もお聞きしていただきたいと思います。
放送局 :ラジオNIKKEI第1
放送日時:毎週月曜日〜水曜日 17:00~17:50
※ 本コーナーは毎週月曜日のコーナーです
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※ 本記事はラジオNIKKEI第1「5時から“誠”論」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2023年4月3日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています