投資家調査の結果
今日は月1ゲストの週です。
ココザス代表取締役CEO安藤義人さんです。
よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
内田:さて、今日は「投資に関わる利回り」についてお話しいただこうと思います。
1つ調査結果が発表されていますので、これもちょっと参考にしていただければと思います。
第50回不動産投資家調査というのが行われまして、その結果が発表されています。
例えば、期待利回りの動向は各アセットで低下と横ばいが混在する結果となっているということで、オフィスとか住宅であるとかいろんなものが出てるんですよね。
吉崎:投資家調査。
これは日本不動産研究所が半年に一度行っている調査で、最新は今年の4月分の調査が5月の29日に発表されたものです。
レンダーさんというお金を貸す人、アセットマネジメント会社や商業銀行さんとかにアンケート調査をして、期待利回りという「皆様が投資をする際あるいはお金を貸す際に、どれぐらいの利回りを期待してお金を投資しますか、あるいは貸しますか」というのがキャップレート、期待する利回りということです。
実際は取引利回りというのは別にあります。
これぐらい利回り欲しいよね、だけど実際は少しそれより高かったりするよね、というところです。
収益性が横ばいとすると、期待利回りが下がっている状態はつまり不動産価格が上昇している状況にあります。
その逆も然りで収益が一定とするならば、期待利回りが上がってくれば不動産価格は下がっているということになります。
現在の状況でいくと、東京都心のオフィスビルで丸の内とか日本橋とかあたりだと、3%台の前半。
丸の内だと3.2%ぐらい。
賃貸住宅でいくと、ワンルームタイプで見れば東京の城南エリア、これは恵比寿とか渋谷に電車で5分10分で行けるとこですが、3.8%。
城東エリアでも3.9%程度で横ばいで、これはもうオフィスも賃貸住宅もともに史上最低の水準。
調査以来では最低水準が続いているということで、そういう意味では不動産投資熱は全国5全国のデータに出ていますけれども、全国的にそもそもどのエリアも史上最低水準にある。
つまり最高に高い状態にある。
内田:そうですね。
高止まりまで上がっているかもしれないというところです。
吉崎:この中で苦戦していたのが宿泊特化型ホテル、つまりビジネスホテルですね。
これも大分というか、もうコロナ前を超える低さになっています。
内田:インバウンドとかで盛り上がってますからね。
安藤:供給過剰と言われた物流施設も今は下がり始めてきているということで、日本中の全アセットクラスですべて横ばいか、もしくは低下中というのが現状ということになります。
吉崎:つまり適切な利回りって何なのか?ということですね。
株式投資で配当利回りで適切ってどれぐらいでしょうか?3%ぐらい2%ぐらい?
内田:そうですね。
それを基準にして高いか低いか。
吉崎:不動産の場合は、収益物件の場合は収益還元法という計算をします。
投資収益性収益金額 割る 利回り= 収益価格と言うように、収益還元法に基づく不動産価格と計算しますので、どれぐらい利回りが適切なのかっていうのは価格にも大きな影響を及ぼしてくる。
その目安となるのがこのキャップレートということになります。
だから他の物件、例えば安藤さんはモンゴル不動産のことを時々お話されます。
ココザス社では太陽光投資とかもやられていますので、それぞれの1つの目安というと利回りってどんな感じなのかというのを今日はお話していこうと思います。
投資の比較にはご注意を!
色々投資商品が世の中にはありますが、実物資産は目に見えるようなものですね。
他にも色々、さらに細分化していくと沢山あるわけですが、よくうちに問い合わせが来るんですね。
例えば、資産形成チャンネルという弊社のYouTubeチャンネルの中で不動産の話をしますと、都心部の不動産は先程の吉崎さんのお話のとおり、ものすごく利回りは下がってきている。
それは物件価格が上がってるからです。
得られる収益はそこまで上がっていません。
これは、物件価格ほどは変わってないということです。
そうなるとやはり利回りは下がってくる訳なんですけれども、例えば都心部のワンルームマンションとかで表面利回りが4%台のものもあります。
そういう話をすると、「それだったらS&P500などのアメリカのインデックスを買った方がいいよね」みたいにコメントが盛り上がっていて。
それに対して丁寧にお返しをしていくんですけれども、そもそも比較するのはちょっと違うと思います。
片や不動産投資というのは、手金をあまり使わずに銀行さんからお金を融資していただいて自己資金をほとんどかけずに持つことができて、そこで利回りが得られるという話になります。
一方金融商品というのは、持っている余剰資金を自分から出さなければいけないので、その上で確か過去の平均でいうと利回り7%ぐらいですかね。
商品性が絶対違うので、この利回りという言葉は結構危険だなって私は思っている。
投資するものによっては同じにしちゃダメよってことなんですね。
安藤:全く違うと思います。
だから何をベースに考えるかで、その出た手金に対しての利回りを考える。 例えば1,000万に入れたお金でにそれに対しての利回りがくらいなのかと考えると、株式とかと似たような考え方になるってことだよね。
安藤:そうですね。
吉崎:1億に対しての利回りではなくて。
安藤:そうですね。
1,000万円だから金融商品を買えばそのお金は当然全額金融商品に変わってしまいますけど、1,000万円の頭金で9,000万円のローンをお借りして1億円の物件を購入してというふうになってくると、1億円の物件でもろもろ差し引くと年間で200から300万円ぐらい残ったりするので、そうすると1,000に対して残る金額でいうと金融商品だと7%、70万円でしかない。
でも不動産だと200万円か300万円に残ってるっていう話になるので、何に対する利回りかっていう吉崎さんの言葉がすごく適切ですよね。
吉崎:それでみないと例えば全額キャッシュで買った不動産の場合はイコールで考えられますけど、手金ゼロで、最近減ってきたフルローンでやると、諸経費の話を退けて考えれば利回り無限大だからね。
安藤:そういうことですよね。
極端な話ですけど、1円も使わずに年間数100万円が生まれるって考えると同等比較ができないよねと。
後、もう1点注意すべきポイントとして、例えば債券とかでリターンが2%ですというと、あんまり面白くないっていう話をされる方も結構居ます。
内田:ある意味安全資産的な位置付けになりますよね。
安藤:ただ、100入れたものが10年後も100だったとします。
だとすると2%が10年間積み上がって120まで増えてます。
100が戻ってくるのであれば、全部プラスなわけだから1つありだよね、と思うんですね。
他でいうと太陽光利回りが10%ぐらい行くんですよ。
まあ、表面と実質っていう利回りでまた変わってきますけど、表面10%ぐらいですと。
ただですね、10年間運用して100%なので全然債券よりも儲かってると思っちゃいますよね。
良い話に見えるんですけれども、その投資した元の太陽光の設備自体は劣化していくので、10年後の再販価格って下がってるんですよ。
そのもの自体が価値が下がって。
債券でいうと100入れたものを100のままですというふうに比較してましたけど、100が50まで下がってますと考えると、実はそんなに増えてないよねっていう話も言えるので、買って最後売却する出口まで含めて利回り計算をした方がいいですよね。
吉崎:クーポン債とそうじゃないのは全然違うんでね。
債券ではクーポン債なんで。
よく安藤さんに頼まれた講演会でも1回喋ったことありますけど、「こういう営業マンを見たらわかってない営業マンですよ」という見分け方がありまして、「債券の0.5%とかっていう利回りなんてやめておいた方いいですよ。不動産投資だったら4%ぐらいいけます。」というような人です。
これだと全然ものが違うので、このことを言ってくる営業マンはわかっていない人ということがわかります。
営業マンだって見分け方でしょって話をしたことがあります。
安藤:よく話されてますね。
提案する側がそれ言っちゃダメだよね。
吉崎:ダメですね。
ずっとずっと取得すべき対象が全く違うんで。
安藤:そういうことを言ってるプロの方がいるから、ウチの資産形成チャンネルのコメントで、こうですよって書いてくるのかもしれないですね。笑
内田:そうですね。
だから本当にこう短い期間じゃなくて、長い期間を考えながら、その時の出口をしっかりと見据えた上での数字にちゃんと変えていかなきゃいけない。
安藤:なので、今インカムゲイン的な毎年の利回りが2%だ4%だという話になってますが、100で買ったものが150で売れる。
つまりキャピタルゲインも取れるのであれば、その50%を10年の保有期間で終わって年間5%乗せられるってことですよね、所有期間利回りでいうと。
この辺をまず根本を勉強していくことが投資でかなり大事なんじゃないかと思いますね。
投資の基本
その投資するものによっても全然違いますし、また自分で出すお金に関しても違いますから、人によって全然変わってくるってことになりますよね。
某大学で僕は金融工学を大学院とかでやってましたけど、一番最初の授業はそれそれからですかね。
もうまず金融とか投資ファイナンスの原理原則はここから始まる。
教科書の最初に書いてある。
吉崎:基本のキ。
とにかくこれがわかってない人多すぎる。
ここをここからが全ての始まりだから、金融は。
安藤:それ分かってないと利回りが10%だからいい商品みたいに見えてしまうのですね。
内田:数字にだからごまかされちゃダメよってことね。
安藤:そうですね早々に大事ですね。
内田:今日はこの商品だったらこれぐらいを目安にってところまで行きたかったんですけど、今日行けなかったので、またちょっと次回いろいろとこれだったらこれを目安にっていうのを考えていただいてね。
吉崎:不動産は結構でもはっきり出てます。
アセットクラス別に出てますから。
内田:プラスじゃあ安藤さんに他の金融商品も含めて。
吉崎:そうですね。
モンゴルがどれぐらいなのかも聞きたい。
安藤:話したいんですが時間が…。
内田:では次回、安藤さんの登場の回にさせていただこうかと思います。
※ 本記事はラジオNIKKEI第1「5時から”誠”論 NEXT」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2024年6月3日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています