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人口減少と不動産投資について|吉崎誠二の5時から“誠”論 2023年1月30日放送

  • #不動産投資
吉崎誠二の5時から誠論

ー ワクワク人生 COCO the Styleとは?
ラジオNIKKEI第1で放送中「吉崎誠二の5時から“誠”論」の番組内コーナー。
人生100年時代を豊かで「ワクワク、生きる」ためには一体どうすればいいのか?
結婚・お子様の誕生・転職・リタイア・住宅購入など、個人のライフイベントを充実させるヒントをリスナーの皆様と一緒に探していく時間です。

人口減少と不動産投資について

人口減少と不動産投資について
内田
内田

今日は「人口減少と不動産投資について」です。

吉崎
吉崎

なかなか奥深いですね。
これは社会学的要素と金融的な要素、両側面から考えていかなければならない事ですよね
もう確実に、現時点で日本国では人口減少が始まっている。
ただ、想定ほど早くはないのですよ。

内田:そうなのですか?

吉崎:ゆっくり目な感じです。
それともう1つ、コロナで止まったけれども、外国から移動してくる方が多いという事もあります。
人口減少は想定よりも減ってきている一方で、世帯数は現時点でもまだまだ増えてきています

内田:世帯数が増えてきているということは、一人暮らしの人が増えてきているという事ですね?

吉崎:その通りですね。
単独世帯と呼びますが、単独世帯の方々が増えてきていて、現時点でも35~36%くらいは単独世帯です
2040年には4割くらいになると言われております。
ある10世帯のマンションがあれば、うち4部屋は一人で住んでいると、いう様な世の中にもう少しでなるという事ですね。

それで、人口の減少が進むと不動産価格が下がるのか?というと、実はそうでも無くて…
これはイコールでは無いのです。
下がる所は下がるけれども、上がる所は上がる、というのがこれまでのパターンです。
つまり人口が減少してくると、色々な所に住んでいた方々が集まるようになってくる

内田:そうですよね。
地方自治体もインフレを保つのに大変ですものね。

吉崎:そうですね、なので集まってくる。
北海道の札幌の地価が高くなった話を以前にお話した事がありますが、9月に出た基準地価の上位10個ほどは全て札幌やその周辺でした。
札幌などは典型的ですね。
北海道の色々な所から、中心地である札幌に集まってきていて、札幌の住宅価格が物凄く上がってきている、と。

内田:そうですよね。
だって、私は年を取ったとしたら病院に行ったりとか、銀行に行ったり、スーパーに行ったり、大体は家の近所で済ませたいですもの。
移動する手段がやはり難しくなってきますから…

吉崎:同じように、移動する手段も勿論ですが、2階と1階の行き来がしんどくなってくる。

内田:階段は嫌ですよ…

吉崎:そうすると、高齢化社会が進めばマンションが売れ易くなる

内田:エレベーターもありますしね。

吉崎:たまにメゾネットのマンションがありますけれども、基本的には1つの階ですよね。

内田:そうすると、二階建てという様な戸建てではなく、マンション?

吉崎:中心地集中。
マンションや平屋的な住居に集中する、ということが起こってくる

2013年以降からのマンション価格の上昇、大都市部を中心に上昇してきているのが明らかに、首都圏でも1.7倍くらい、札幌でも1.8倍くらいになっています
その一方で、戸建ては多少上がっておりますけれども、少ししか上がっていませんからね。

人口が減る=不動産価格が落ちるはイコールではない

人口が減る=不動産価格が落ちるはイコールではない
内田
内田

今は空き家問題なども、これからどんどん深刻化してくるという風に考えられますしね。

吉崎
吉崎

もちろん空き家もそうですが、都市部の戸建ても大して上がっていないですよね。
逆に戸建てを手放して、都心のマンションに住みたい。

内田:戸建ては、暮らすという意味でも少し大変になりますが、管理するという面でも大変になりますものね。

吉崎:例えば、東京ではあまり雪は降りませんが、仮に雪が降ったとして、屋根など雪下ろしをしなければならないし…

内田:無理ですよ。
これだけ寒くて水道が凍ったとかでも、もうどうしたら良いのかよく分からなくなってしまいます。

吉崎:私の実家でも、この間寒かった時も水道管に何か巻いて暖かくするのだと言っていましたけれども…
そういう事もやらなければならないし、80歳を過ぎたお爺さんがやっている訳ですから、大変だということですよ。

内田:防犯なども問題になったりしますしね。

吉崎:そういう事もあって、マンションの価格が上がっているのは、タワマン人気だとかそういう事も確かにありますが、この側面もあるのですね
人口が減ってきて、高齢化社会になってきているから「マンションの方が住み易い」というのがある。
なので「人口が減る=不動産価格が落ちる」というのはイコールではないのですね

内田:集中する所は集中して値段は高くなるけれども、もう値段が下がり始めたら止まらない所もあるということですね?

吉崎:そういうことですね。
誰もそこを使わなくなってくる、と…
国も、そういう誰も使わなくなった物凄く山奥の所で、相続ももう必要無いとなると、新しい法律を出して「そこを国が受け取ってあげるよ」「国に帰属しても良いよ」という法律を作ったのです
そうでないと、放置された土地ばかりになってしまいますから。

内田:そうですよね、逆に危ないですものね…
迷惑も掛かりますし…

吉崎
吉崎

そういう一方で、地方へ移住する方も増えてきている。
リモートワークなどが進んで、地方へ住もうという方が増えてきていて、デュアルライフをする方も増える。

そういう東京まで、あるいは大阪まで、車や電車で1時間半や2時間で移動できるような所にも拠点を持ち、二拠点生活をする方も増えてきている
そういう需要が起こってきているのだけれども、とは言え、東京や大阪や福岡に出てくるのにもっと掛かる様な所はそういう対象外になってきている。

特別な魅力がある、例えば景色が綺麗とか、海が近いとか、温泉があるとか、そういう所は二拠点生活の対象になり得るのだけれども…
一方でそういう観光の目玉みたいなものが無い所は中々苦戦してくる、そういう様な状況になっていると思いますね。

内田
内田

そうすると、これから二極化のような事が更に進んでしまうという事ですよね。

吉崎
吉崎

かなり進むと思いますね。

自分の自宅もですし、投資用の物件を買う際も、そういう場所を選ばなければならなくなってきています。
それはイコール「東京のど真ん中の物件を買おう」ということだけでは無いのです。
それは別に地方でも良いのだけれども「真ん中辺りを買おう」という事です。

内田:駅近だったり、スーパーだったり、病院だったり…

吉崎:地方に行くと、駅では無くとも大きなショッピングモールの側が人気だったりします。
そういう意味では、要はその地方の良い感じのエリアがあって、そのエリアを買おう。
それか、景色が良かったり、海が見えたり、温泉があったり、暖かかったり、そういう特別な魅力があるような所です。
ニセコとか凄く上がっていますからね。
そういう別の魅力がある所を買わないと「この先は厳しい状況が待っている…」という事ですね。

内田:そうですね。
もしここから「私、不動産投資してみたいわ!」という様な事になるのだとするならば、そういう所をしっかり選んで買わないと厳しくなりますね。

吉崎:もう目利き力が勝負になってきますね。
しかし目利きも「単なる駅が近いから!」ではない、目利き力です。
長期的な住宅着工戸数の推移などを見ていても、昭和42年、1967年以降日本は平均ずっと100万戸を超える数が建てられていて、ピーク時には200万戸を超える家が建てられていました。
しかし2022年1年間分、11月までの数字から算出すると85万戸くらいしか建てられていない。
この先、恐らくあと10年もしないうちに1年間で建てられる新築住宅は70万戸くらいと言われていて、さらに減る。
そんなに建ててどうするのだ議論が以前あったのだけれども、別に国がそういう政策をしないまでもなく、勝手に減ってきているのです。

国の政策が云々かんぬん、建ててどうなのだとか、凄く昔は言われていたのですが…
放っておいても今すごく減ってきた、という様な状況になっているということですね。

内田:それが現在の現状、そして未来に続いていくという事ですね。

吉崎:これのポイントは「人口減少=不動産価格の下落」
これは全くイコールでは無いということ
です。

内田:全てがそうでは無く、ただ極端になるということですよね。

吉崎:そういうことですね。

吉崎誠二の5時から“誠”論
放送局 :ラジオNIKKEI第1
放送日時:毎週月曜日〜水曜日 17:00~17:50
※ 本コーナーは毎週月曜日のコーナーです
番組公式サイトはこちら
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※ 本記事はラジオNIKKEI第1「吉崎誠二の5時から“誠”論」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2023年1月30日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています

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