不動産投資のタイミングとは
今日は「不動産投資のタイミング」について。
少し幅広いですけれどもね。
不動産投資をいつするか?
不動産投資を始めたタイミングは、多くの方々は2013年の金融緩和政策が5月から低金利誘導政策が始まり、それから半年から1年経ったくらいから広まったのですね。
過去を振り返ってみると、1980年代後半から90年代頭のバブル期の時は、不動産投資というよりも、リゾートマンションを買ったり、自宅を買ったりですね。
あとは完全に金融機関が一体となったプロの方々がホテルを買ったりだとか、そういう様な世界の不動産投資。
内田:少し身近ではない所で、色々と動いていたのですね。
吉崎:それで、2005〜2008年辺りの「ミニバブル期」と呼ばれていた時は、所謂ファンドやREITと呼ばれる様な…
REITもファンドです が、それが色々と台頭してきて、それに関わる様な方々が結構買われた。
そして、2000年代前半には、投資用のマンションがたくさん売り出された、という事もあります。
不動産投資を始めたタイミングを色々な方に聞いてみると、2000年代の前半、2000年からリーマンショックが始まる2007年、2008年くらいまで、というのがまず1つです。
それともう1つが、2013、2014年くらいから現在に至る流れです。
そう考えると、2つありますね。
1つは金融政策で、低金利で誘導されている時と、もう1つが周りの皆が買っている時。
内田:ある意味、株も人気投票みたいないわれ方をしますが、不動産もその様な感じで、皆が興味を示してくるから価格も動いてくる、という。
買うタイミングは?
それこそ(年齢が高い人かどうか知りませんが…)NTT株。
300万円くらいで出ていたじゃないですか?
まだ私が当時高校生の頃ですよ。
うちは父親が最初にNTT株を…
吉崎:そういう様な事と同じで、皆が買うから株価が上がっていくというのもあります。
ただその様な時に良いものが出てくるのを待とうとか、あるいは「利回りが〜、この条件が〜等」と言っていたら、大体そういうものはすぐに売れてしまう訳で。
そうすると、そういう時には中々良い物件が巡ってこないのです。
更に、ここ最近はありませんが、昔でいうと、先ほど言ったバブルがあり‥
2000年、2001年辺りでITバブルがあり、2005年〜2008年にミニバブルがありました。
上がったり下がったりを繰り返していた時期でいうと、下がってくると融資環境は悪化してきますので、貸す側が貸してくれなくなり、条件が厳しくなる。
内田:そうか。
だから株だと「麦わら帽子は冬に買え」と言われますよね?
吉崎:初めて聞きました。
内田:本当ですか…?
その方が季節外れで、安く買えるからと。
そういう事なのかな?と思っていたら、逆に不動産の場合はそういう時期は駄目だという事ですよね?
融資環境が悪くなってしまうから。
吉崎:そうです、借り難いのですよね。
内田:では、上がってきたらどんどん逆に高値追いをしていく様なイメージでしょうか?
吉崎:そうなっているのですが、その中で「下がり難い物件をどう探すのか?」という事なのです。
「このエリアは下がり難いのではないか?」あるいは「希少価値が高いのではないか?」と思ったものが出た時に…
それは人それぞれのご判断ですので、どのエリアがとか、例えば虎ノ門が良いかどうかは分からないですが(虎ノ門は絶対に良いとは思いますけれども)
そういう「ここに出れば!」というものがあれば、買えば良いと思います。
自分の中でこの辺りで、この条件で、というものがピタっと合うものがあれば、それがもう買う時のタイミング、という時ですよね。
売りのタイミングは難しい
一方で、難しいのは売るタイミングです。
何でも売りって難しいですよね…
吉崎:株と同じですよね。
今日の日経平均幾らくらい、今日は31,000円を超えたのですよね?
内田:はい、回復して終わりました。
吉崎:“33年ぶり”と出ていましたね。
そう言いながら、この頃色々な番組を聴いていると、そろそろ売りポジションという様な人もいますけれども、少しくらいしかとれていないですね。
内田:少し売りで入ったら踏まれてしまう、という様な平均になっておりますからね。
吉崎:株式とか見ていたら、まだもう少し上がりそうですものね。
今の不動産を見ていても、まだ上がりそうな雰囲気が沢山あるのではないですか?
だから売るタイミングというのはまた中々難しい。
売るタイミングって、どうなのでしょうね…
内田:売るタイミングはどんな風に考えるのですか?
吉崎:1つは需要と供給のバランスが崩れ始めた時です。
空室率が上がっている時ですね。
これは最近でいうと、J-REITで、物流REITが少し下がった時期があったのですけれども…
あれは、REITのうち、特にマルチテナント物件の空室が若干増えたのです。
建てすぎではないのか?高速道路を走っていたら物流倉庫ばかりではないか?という様な流れになり、要は需給のバランスが崩れてきている。
物流倉庫は今まだやはりダボついているみたいですので、そういう様な需給のバランスが崩れる時。
これは賃貸住宅でも同じパターンですね。
「最近、自分の家の近所に沢山建ってきたな」という時。
内田:そういう肌感覚で良いのですか?
吉崎:これは不動産屋さんに「最近客付き良いですか?」と聞けば教えてくれると思いますよ。
もう1つが、やはり急に買う人が減るタイミングは、金利が一気に上がった時ですから、金利が上がりそうな時ですね。
今の日銀の状況を見ていると、恐らくイールドカーブ・コントロールを先に弄ると思います。
なので、イールドカーブ・コントロールをこの後1回、恐らく年内か年明けかに弄る可能性が少しある。
まぁそこまでは良いでしょう、と。
それを一度、二度、フリーにする。
指しオペしなくなる様なタイミングになると、次はもう政策金利を上げるしかカードが残っておりませんので、そこまできた時は少し考えてみてもいいかもしれない、という時だと思います。
ただ、今のムードは中々政策金利を上げるムードではないので…
そうするとまだ日経平均側は35,000円まで行くのではないか?という様なムードと同じで、不動産投資もまだ、少なくとも2023年5月では“まだまだ売りタイミングはもう少し待っても良いかも?”という所でしょうかね。
内田:しかも、日本はインフレというものを目の前に突き付けられてきていますよ?
そうすると、やはり何か「現物資産に…」となるのではないですか?
だから金であったり不動産であったり等、まだまだこれから注目されるものの1つではありますよね。
インフレになるともう1個あるのですよ。
インフレになると、確かに金利が上がりますが、一方で、インフレになると必ず家賃が遅れて上がりますからね。
家賃が上がれば、結果的に、高い金利で借りていたとしても、今が相当低いので高いといってもたかが知れておりますが、その分を補えるくらいの家賃が取れる可能性がある。
今、お給料も上がり始めているのではないですか?
これが継続していくかまだ分かりませんが、お給料が上がってくると、多少高い家賃でも払える様になりますよね。
それがまた加速させていくという事ですよね。
吉崎:その循環に入ってくれば、多少金利が上がったとしても、家賃の分が…ここに時差がある事を待てるかどうかがあるのですが、待つ事ができるならば、持っていても良いかもしれません。
となると、資産の組み替えはされた方が良いと思いますね。
「そろそろココよりもこちらに替えようかな?より良いものに替えようかな?」とか、より大きなものに替えようかなとか…
先ほど話した様に「ワンルームよりも1LDKの物件に替えようかな?」とか。
こういうものがあっても良いと思いますが、不動産投資そのものをすべて1回切るというような事は、ここから数か年は現実的ではないかな?という気はしますね。
内田:日本の場合は、金利の変動というのが1番大きな売りのタイミングになる可能性は勿論ありますが、そんなにぐんぐんと上がっていくものではないでしょうから…
タイミング等はあまり考えずに、良い物件が見付かった時が、買いたい時、買うタイミング。
逆に、それがまた少し悪化してきていたりとなると、それが売りのタイミングになってくる。
吉崎:なので、今良い物件の定義を自分の中で持っておく事ですね。
買い替えのタイミングはもう1個ありまして、メンテナンスが始まる時期というものがあります。
これは何度も番組でも話しましたが、築15年〜20年くらいになると、色々なものが壊れたりしますよね。
エアコンが壊れたとか、給湯器が壊れたとか、ガスコンロが壊れたとか…
そういうタイミングの少し前くらいに売ると、言い方はあれですが、そのツケは次の購入者に回す、という事になります。
内田:「コラコラ!」と言いたい所なのでしょうけれども…
現実はそういうものなのでしょうね。
放送局 :ラジオNIKKEI第1
放送日時:毎週月曜日〜水曜日 17:00~17:50
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※ 本記事はラジオNIKKEI第1「5時から“誠”論」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2023年5月22日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています