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アメリカ3社連続で大型上場!IPO市場が好転してきた?日本・米国のIPOの違い

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アメリカ3社連続で大型上場!IPO市場が好転してきた?日本・米国のIPOの違い

2023年9月中旬頃…
「米市場で、1週間の内に3社が大型IPOをした!」というニュースで盛り上がりました。

IPOを行うと新たに株式が公募されたり、上場前に株主が保有している株式が売り出されます。
このIPO株は「利益を上げやすい」と人気のようですが、今回ニュースになっていた米国3社のIPO後の株価を見ていると、ぐっと下がっているようです…

IPO株は買うべきかどうか?ニュースを見ながらわかりやすく解説していきます。

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世界のIPO市場が好転してきた?

世界のIPO市場が好転してきた?
安藤
安藤

最近ニュースを見ていて「世界のIPO市場が非常に盛り上がってきているな」ということを感じるのですが…
細川さんは、ニュースを見ていますか?

細川
細川

まぁ…なんとなく…
見たかもしれないですね…?

安藤
安藤

全然分かっていない感じがしますね(笑)

細川
細川

ちなみにですが「IPO市場」というのは何でしょう…?

安藤
安藤

IPOというのは「Initial Public Offering/イニシャルパブリックオファリング」の略で、ココザスも目指していますよ

「はて?」という感じですね…?
日本語で言うと…

「新規公開株」や「新規上場する」
細川
細川

では、上場市場が伸びてきているということですか?

安藤
安藤

そういうことです。

株を投資家に売り出し、証券取引所に登録をする(=上場をする)ことです
例えばココザスが上場した場合、世の中の誰しもがココザスの株を買えるようになるということですね。

このIPO株は、昔から結構人気です
日本のIPO株は人気なので、まず抽選をすることになります

「ココザスが上場します」となった場合、それが発表されるので「◯月◯日〜◯月◯日の間にエントリーができますよ」と…
大量のエントリーがきて、投資家の需要に応じて初値と言って、最初の株価が決まります。

ただ公募価格という「1株1,000円でやりますよ」というのがまず決められます。
それに対して「1,300円」などで初値がつくと、IPOした瞬間に株を売却すると…

30%の利益をさっと確定できるのです。

なので日本のイメージだと、IPOというのは「抽選が当たれば必ず儲かる!」と言っても過言ではないぐらい、上がる傾向にありました

2022年のIPO市況を振り返り

安藤
安藤

しかし、そのIPOは実は2022年は非常に苦しい年だったのです

細川
細川

2022年には何かありましたっけ…?

安藤
安藤

1番大きいところで言うと1月、2月あたりからのロシアウクライナ紛争。

あとはアメリカが急激な円安になりました。
これも2022年の出来事なんですよね。
今ドル円のチャートを見ると、2022年1月は115円でした。

細川
細川

今は140円半ばぐらいですよね…?

安藤
安藤

本日の撮影日(2023年9月22日)は148円です。
また円安になってきていますね…

115円だったものがその年の年末時点でいくらになったか?と言うと、136円ぐらいです。

また今年も、ひたすら円安が続いている。

そういう為替市場の混乱がありました。

その大元にあるのは米国の利上げです。
基本的には金利が上がるということは、株式が暴落するということです
アメリカ市場全体が暴落して株を誰も買わなかったということが起きました。

こうなると、そもそも「IPOをしたい」と思う新興企業が少なくなりますよね

細川
細川

それはなぜでしょうか?
「誰も買ってくれない」ということですか?

安藤
安藤

そうです。
株の売り出しというのがIPOの目的なので、いい株価がつきません。
なので時期を見計らって景気が回復してからIPOを入れるということもあります。

実際、2022年は株式市場。
特に最近でいうとIT系の銘柄が新規上場することが多いわけなのです

テクノロジー系の銘柄が上がる市場はNASDAQと言いますが、NASDAQは2022年頭には確か、約70ドルぐらいをつけていました。
その値が5月ぐらいに約50ドルぐらいまで、30%ぐらいまで割り込んでいました。

年末は60ドルぐらいで着地しましたが、いずれにしても年始からすると15%近く下がった。
2023年に入ってからもズルズルとNASDAQが下がり、現在も約50ドルぐらいまで下がっています。

細川
細川

去年下がったところまで下がっていると…

安藤
安藤

そうなのです。

なので、米国マーケットは今は厳しくて
こんな状況だとIPOを見送る会社が増えますし、上場したとしても変われないわけです

2022年のIPOマーケットは厳しかったと言いましたが、
世界のIPOがどれぐらい厳しかったかと言うと、前年比で…

件数としても45%ぐらい下がりました。

IPOの時に株を売り出して調達をしますが、この調達額に至っては前年比で60%ぐらい下がったのです。
これはとてつもない暴落ですよね…

細川
細川

半分以下ということですよね。

安藤
安藤

2021年と比較すると、とてつもなく冷え込んだのが2022年のマーケットです

それでも、コロナ前の2019年に比べると少し増えているぐらいで、要はコロナ前に戻ったという感じなのです。
コロナ中が異常に株高で、マーケット全般がものすごく買われていました。
当然、そこで生じた新興企業もどんどん上場させていったのです。

動画で確認したい方はこちら

2023年の市況はどうなる?

2023年の市況はどうなる?
安藤
安藤

2023年どうなるかと言うと、正直、現時点で言うと調達額で言っても前の年よりまた35%ぐらい下がっています。

細川
細川

そうなると…
今、IPO市場はまだ冷え込んでいるということでしょうか…?

安藤
安藤

そうなのです。

冒頭で少し盛り上がってきてるという話をしましたが、2021年〜2022年で60%調達額が下がりました。
その2022年〜2023年の現時点で、また35%ぐらい下がっています。
今はものすごくどんよりしたムードなのですが…

米国で大型上場が続いている…!

安藤
安藤

ここからが今日の本題になります。

最近、アメリカで大型上場が続いてるのです
1番大きくニュースで取り上げられたことは、我らが孫正義のソフトバンクグループが100%株を持つイギリスの半導体関連の会社で「Arm(アーム)」という会社があります。

そこがアメリカのNASDAQに上場しました。

最初51ドルで始まり、最終的には64ドル。
25%ぐらい株価が上がり初日の取引を終えました。
これがどれぐらい大きな会社かと言うと、時価総額は会社そのものの価値が9兆円ぐらいでした。

細川
細川

相当大きいですね…!

安藤
安藤

大規模な会社ですが、これだけ大型のIPOがちゃんと初値から25%くらい上げてるわけです。

こういうことが起きるとIPOマーケットにとっては非常にいい兆しです
でもこれは、1社で終わりませんでした。

他にもオンラインで食料品を配達するような会社で…

「インスタカート」という会社があります。

時価総額としては100億ドルなので、1.5兆円ぐらいの大きな規模で、一部株式を売り出しました。
そこは上場した日に12%ぐらい株価が上がっています。
これも好調なスタートだったのです。

このようにArmが上がって、インスタカートが上がって、その瞬間世の中に億万長者がたくさん出現してるわけです。
株を買った投資家というのも買った後も上がっているわけです。
これが立て続けに起きています。

もう1社、マーケティングの自動化みたいな仕事をしている…

「Klaviyo(クラビヨ)」という会社が同じく上場しました。

1週間で3社目の上場です。

上場して初日に株価が上回り、数百億円を調達できたというような形で、非常にいい流れで新規上場の銘柄が市場に上がっています
これで「完全に流れが変わるんじゃないか?」と言われています

IPO株は買えるなら買った方がいいの?

IPO株は買えるなら買った方がいいの?
細川
細川

そういう話であれば…
今後IPOの情報があった場合、買えるとしたら買った方がいいということでしょうか?

安藤
安藤

もちろんです。
IPOにエントリーできる機会があれば買った方がいいと思います。
ただ、楽観するのは少し禁物です。

はっきり言って先ほど言った3社も上場後、上げた株価を本日の撮影日時点(2023年9月22日)だと、全て吹き飛ばしていて…
上がったけれど、下がってしまっているのです。

株価は長く市場に上場してると大体安定してきますが、上がったばっかりでまだ10%くらい動くのです。

長い目で見なきゃいけない

なので必ずしも「すぐになんでもいいから買っていい!」という話ではありません

では、実際アメリカのマーケットで、IPOした会社を持つと、どれぐらい資産が増えているのか?
過去4年間で規模がとても大きかったランキング上位〜10社の銘柄を上場初日の株価と現時点の株価で比較すると、なんと50%ぐらい下がっています。

細川
細川

えぇ!買った方が損をするということですか…?

安藤
安藤

現状は長い目で見ると損をしているのです。

日本と米国の上場の違い

日本と米国の上場の違い
細川
細川

先ほどはアメリカの話でしたが、日本も同じでしょうか?

安藤
安藤

10社ランキングを作るとすると、そのうちの2社だけが上場時の株価よりも今の株価が高く、他の8社は全部負けています…

しかも負けてるというのは、もう50%くらい負けているわけです。

なので「アメリカのIPOは買うに値しないよね」という話になるのですが…
ただ日本企業の上場は、上場初日に上がるのです。

細川
細川

では、もうアメリカではなく日本を買っておけばいいということだと思うのですが…
何か違いがあるのでしょうか?

安藤
安藤

上場というのは、企業からするとビッグイベントですが、ここの仕組みが全然違います

日本企業は上場する時に主幹事の証券会社が市場に対して株を売るのですが…
なるべく多くお金を集めたいからという理由で、上場時の株価を安く設定する傾向にあります
ただ、企業側からするとなるべく高い金額で株を売りたいわけです。

細川
細川

そうですよね。

安藤
安藤

そこはすごく利益相反になるのですが
証券会社がいないと上場できないので、会社側経営陣というのは証券会社の言いなりになることが多いです。

下げられてるということは「本当はもっと価値はあるよね」と多くの人が思っている状態です
それぐらいの低い金額で上場するからこそ買ったらすぐ上がるんですよね

だから日本のIPOマーケットはプラチナチケットと言われてますが…
抽選券が当たったらたくさん買ったらいいんじゃないのかなと思います。
ただ、世界的に見ると「不当に安い価格で上場することはあまり良くないよね」というように言われています。
日本のマーケットも今後少しずつ是正されていくのでは?と思いますけどね。

今回、アメリカの大型上場が3社続いたということで、
ここから何を感じていただきたいかというと…

やはり投資家の需要が旺盛ということです。

これが冷え込み切っていたのが、この1年半ぐらい少しずつ復調していく
すでに上場している株式も含めて投資化マネーが入ってくるということになるので、株価が上がりやすくなるということでもあります。

細川
細川

みんながお金を使って「経済が回り始めた」というイメージでしょうか?

安藤
安藤

そうですね。

もっともっと盛り上がってくるかどうかを注視するべきなので
「このIPO銘柄を買う・買わない」という話ではなく…

もっとマクロな経済を見る1つの指標として、世界のIPO市場がどのようになるか?を追いかけておいた方がいいんじゃないかなと思います。

今回は「アメリカで1週間の間に大型上場が3社続いて、それらが一応全て成功という形で無事上場したニュース」について取り上げさせていただきました。

ありがとうございました。

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