視聴者さんから質問をいただきました。
社長の意見を聞きたいです。
新社会人になり会社から財形貯蓄と持株会を進められていますが、取り組んだ方がいいですか?
▲視聴者さまよりご質問
大手の会社には財形貯蓄制度などがありますよね。
持株会についても上場企業など、結構やっているところがあります。
新卒で入ったフレッシュな方々が、日々頑張って仕事をしてくれていますが…
ココザスのような非上場企業は、そういう制度を充実させているところがあまり多くありません。
一方、上場企業に関しては様々な制度がありますので…
それらを会社の総務部から紹介されることがあると思います。
「財形貯蓄」は言葉では聞いたことがあると思いますが、実は3種類に分かれています。
どのようなものがあるか、聞いたことはありますか?
「積み立て期間が違う」などでしょうか?
期間ももちろん違いますが…
「何のために財形貯蓄をしていくか?」という点が違います。
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財形貯蓄とは?
主な分け方は下記の3種類です。
2:財形の年金
3:財形住宅
一般財形は、3年以上の期間で給料から天引きされていきます。
勝手に貯金されていくようなイメージで、会社を通じて積み立てていくものです。
目的は問わないものなので、引き出せば自由に使えます。
預金の金利が高かった時は、勝手に天引きしてくれてそれが複利で増えていく状態でしたので、良かったです。
二つ目が財形年金。
これは読んで字のごとく、年金の受け取りができるという話です。
55歳未満の方で、5年以上給与天引きで給料から勝手に控除され、会社を通じて積み立てされていきます。
そして、60歳以降に年金として受け取りが可能になります。
これについても「いま取り組む人がいますか?」という風に思います。
昔はiDeCoやNISAの税制優遇の仕組みがなかったので(少なくとも知られていなかったので)こういった財形年金や企業型DC・確定拠出年金で老後の自分の生活資金を貯めていたわけです。
ですが、いまとなっては他に選択肢がたくさんあります。
なので「財形年金をやっている人・やろうとしています」という相談もあまり来ませんね。
三つ目が財形住宅です。
リフォームや持ち家を買うための資金を積み立てる財形の種類があり、これも賃金からの天引きです。
貯金ができない人にはいいと思います。
私もいくつか積み立て系の投資をやっていますが、
あの感覚は良いですよね。
いままでに、40代半ばの方で「新卒から20年以上財形を貯めて、数100万円になっています。」という方に会ったことがあります。
ですが、その時「もうやめましょう。下ろしなさい。」と言い、別の投資を促しました。
なぜ私が強くそういう風に言ったかというと…
その方は「もう十分に蓄えがあり、なくなってもいいお金がたくさんあります。ですがもっとお金増やしたいです。」と言いました。
それであれば戦い方が変わってくるのです。
企業型のDCとiDeCoが併用できるようになりました。
その方はiDeCoもやっていたので、老後に十分お金が入ってくることがもう決まっています。
プラスアルファ「手元の現金を動かして、今の生活をより豊かにしたい」ということになると…
「財形をやっている場合ではない」という話になります。
「NISAの枠の中で、個別銘柄の株式投資をやりましょう」など…
あとは、1,000万円単位で動かせる方でしたので、うちのグループでヘッジファンドをやっていたと思います。
「そういう運用がいくらでもできます」ということですね。
初めて社会人になって無駄遣いしないように、預金として数年間やる程度ならいいのでしょうか?
うちは新卒に「お金は全部使え!投資なんてするな!」と言っていますよ。
では、お金を何に使えばいいのですか?
飲み食いに全部使います。
自分を追い込むということですか?
違います(笑)
体験や経験などに投資することで、知識がついてきたり一生ものの人脈ができるのです。
22歳が「貯金します」というと、月2万円や3万円ですよね?
2万円3万円の貯金をして、何になりますか?
「NISA枠で積み立てしましょう!」と言ったら、老後に2,000万円になります。
それは、その通りです。
ですが、それは30歳になってから始めればいいじゃないのでしょうか?
40歳からでもいいのです。
体験や経験にとにかく投資をして、自分の力をつける。
自分の力がついたらどうなりますか?
仕事に反映してくるのではないでしょうか?
そうすれば、収入が上がりますよね。
少し大げさに言いましたが、税制優遇の仕組みなどはフル活用して、最低限の積み立てはやります。
ですが、基本的に無理して貯めることはしないでいいのです。
うちが大きな会社になって、諸々その仕組みを作ったとしても…
財形の貯蓄は絶対に提案しないでしょう。
財形貯蓄のメリット・デメリット
メリットとしては強制的に預金ができるところですか?
財形貯蓄の利子があり、そこに対する課税の優遇措置がありますが、微々たるものです。
なのでメリットはあんまりないかと…
逆にデメリットはあるのですか?
金利が低いですよね。
これはデメリットというよりも、メリットが少ないという話です。
貯金をしていても、お金がそもそも増えないという話なのでやる意味がないというのがデメリットです。
あとは、引き出しや解約の時に総務部などと連携するのが、デメリットになるとも思います。
会社に自分の資産状況の細かなところまで知られるのは、とても嫌じゃないですか?
ちょっと嫌ですよね…
少し恥ずかしい…じゃないですけど…
運用以外の部分でデメリットはありますか?
「リターンが金利が0.何%です」と言われたら、やっている意味ありませんよね?
財形貯蓄の中でも保険型の商品だったりすると、元本割れするようなものもあります。
その辺りはしっかり見て選ぶというのが大事になってくると思います。
社長としては財形貯蓄はオススメしませんか?
別にやる必要はないと思います。
他にいくらでも選択肢はありますので、紹介しますよ。
持株会はやるべき?
「持株会」もよくあると思いますが、どう思いますか?
持株会は絶対にやった方がいいでしょう。
色々な経験にお金は使わなくていいのですか?
経験にお金を使った上で、持株会もやりましょう。
持株会は、その企業に勤めていることにより会社の株式を買える制度です。
そこにボーナスのような特典があるわけです。
例えば「100株を買うのであれば110株になって渡されます」というような…
大体10%が多いのですが、スゴいことだと思います。
という物理的な、合理的メリットが1つあります。
もう1つは、そもそも自分が働いてる会社ですよね?
一生懸命頑張ってお金が欲しいわけです。
部門の業績が良くなったのでボーナスが出ます。
これも一時的なものとしてはいいですね?
でもボーナスを貰って、細川さんは「パーっと飲みに行くか!」と言って飲みに行って…
ボーナスが無くなりますよね?
社長に「使え!」と言われてるので…
自分の頑張りで、その会社の株価が上がっていくという風に考えていただきたいのです。
従業員1万人、売上げ1兆円の会社で、自分が今年頑張った1,000万円がどのように会社の業績にヒットしているか?
なかなか見えづらいかもしれませんが…
一生懸命仕事をすることで会社の業績が上がり、業績が上がると自分が持っている会社の株の価値が上がる。
会社がダメになるように仕事をしている人はいませんものね。
本来いないはずです。
そう考えると、会社の業績が上がったらいいとみんな思って仕事してると思いますし、するべきです。
その頑張りが直接あなたのリターンとして返ってくるというのが「自分の働いてる会社の株を持つ」ということです。
これはいい仕組みだと思っています。
ここ10年、株価は非常に堅調です。
「日経平均が4万円を超えました」というニュースもこの前ありました。
日本企業の業績はいいので、それが株価にちゃんと影響を与えています。
なので、この10年間で持株会をやっていた方はすごく資産を増やしてる方が多いです。
私は上場企業でセミナーや勉強会をやっています。
その中で、「どういった投資をやっていますか?」という話をすると、9割ほどの方が持株会をやっていますね。
結構やっている方が多いのですね…!
私が企業研修をやるような会社は、おそらく組合や人事・総務部などの役員クラスの方の意識が高いのだと思います。
従業員が一生懸命仕事をし+プライベートを良くするために「自分の人生を豊かにするために投資をやりましょう」というようなマインドがあるから、社外のうちにわざわざ声をかけてくださるわけです。
逆にそのようなリテラシーが低い会社は、持株会をやっている人の割合が5割を切ったりしています。
手元の資金は、基本的に投資も含めて全部使った方がいいのです。
「貯金をやめましょう」ということです。
ここに積み立て、ここに積み立てとたくさんやって、残ったお金も人と会ったり、大切な人とどこかに行ったりして、こういうお金に使っていく。
そのうちの1つとして非常に優先順位が高いのが持株会です。
ただし、これは上場企業の場合の話です。
気をつけてください。
中小企業は倒産する可能性がどの会社にもあります。
「10年後に生き残ってる会社は10%ない」という話があるわけですので…
自分の勤めている会社が伸びると感じていて、持株会の制度が新設された場合は、是非検討してみてください。
本日のまとめ
財形の話から持ち株の話になりましたが…
資産全てを会社に投資するのは全く持って人生のリスクヘッジができていません。
時間という大切な資産を多くの人が会社に投資している。
これだけでもバランスが悪いのです。
それ+お金の資産のほとんどもその会社に投資するというのは、愛があって素晴らしいのですが…
ポートフォリオ分散としては良くありません。
「バランスはちゃんと考えてください」というのは前提としてありますが…
従業員持株会はやった方がいいというのが、総論になります。
財形は、昔の金利が高かった時であれば成り立った話ではあります。
しかし、制度としてブラッシュアップされていませんし国や銀行が別に直そうとも思っていませんよね?
それよりは国がいま一生懸命やっているiDeCoやNISA…
そういう新しい仕組みをやっていった方がいいと思うので、財形は別に検討する必要ないのでは?と思います。
こういった話をうちのFPが日々相談にのっています。
無料相談という形で色々アドバイスすることもできますので、LINEからお気軽にお問い合わせください。
今回は「財形貯蓄と従業員持株会」をテーマにお届けしました。
ありがとうございました。