不動産投資の利回りの仕組み
今日のテーマは「不動産投資の失敗しない利回り水準と、利回りの仕組み」です。
少し難しそうですね。
まずは仕組みから知らないと駄目ですものね。
初歩的な話になりますが、入ってくる賃料。
住宅は家賃と言いますが、非住宅もの(オフィスや店舗など)は賃料と言います。
なので「このオフィスの賃料は幾らか?」と。
家賃は家の賃金ですから。
なので、ここでは不動産全般でいうものは賃料で統一します。
内田:これは家も入っているという事ですね?
吉崎:もちろん、家も入っております。
これも初歩的な話なのですが、大事な事なので言いますと「年間賃料の12倍=年間収入」です。
内田:1か月分を12ヶ月倍ですよね。
吉崎:賃料って基本的に1か月設定なのです。
年賃料ってあまりないですよね?
色々なリストを見て「ここは2週間賃料で良い」等はないでしょう?
賃料は何故か月単位という、当たり前のようで不思議な話です。
「月賃料×12ヵ月が年間の賃料」これが収入です。
これを買った金額や投資した金額等にかけた金額で割ると利回りになります。
これはグロス利回り(表面利回り)と言って、表向きの利回りという事です。
裏向きの利回り
裏もあるのですね?
裏もあります。
“真実の”という意味で、ネット。
(ネットを「正味」と訳した人は凄いですよね…!)
これはグロスから様々な管理費や税金などの経費を引いたものです。
ちなみにローン分はローンそのものの額ではなく、ローンの利子分だけです。
ローンそのものは物件に対しての返済ですから、経費とは関係ありません。
これらを引いたものが正味の利益、ネットです。
これはネットオペレーティングインカム、NOIと略します。
NOIが今の数字になります。
それを投資した金額、或いは購入した金額で割ると「NOI利回り」という利回りになります。
大体このNOI利回りで見る事が多いのですが、今それがどれくらいの値が正しいのかどうか。
キャップレートという話を冒頭でしましたが、期待利回りと呼ばれるものです。
今の数字はNOI利回りや表面利回り(グロス利回り)です。
そもそも物件そのもので状況も違えば立地など色々違います。
例えば船橋の物件であれば5%くらいが正しいのかどうか、7%の方が良いのかどうか等、誰も正しい事が分からない。
ただし、色々なシンクタンクや大学の研究所などが「この辺りはこれくらいですよ」という指標を出しています。
城南エリアの場合は?
これは目黒区や世田谷区、渋谷や恵比寿へ電車で15分圏内、徒歩10分以内、ワンルームだったら築5年未満の25平米から30平米くらい、という風に基準を決めています。
それくらいだと、今どれ程の期待利回りでやっているのか?というデータがあります。
例えば最新の10月調査分(11月下旬に発表された)のデータですが、ワンルームの東京城南は3.9%の利回りです。
前回が4.0%フラットだったので、-0.1ポイント下がっているということです。
ファミリータイプでは4.0%が期待利回りです。
これは期待利回りで「これくらいあれば良いなあ…」という事です。
それを目安に高い低い等の、先程は築5年未満と言いましたが、ようはの物件でピカピカの物件です。
なのでそこと比較して「この物件は少し築年数が経っているので、4%超えても仕方がないかなぁ…」など、そういうような判定をしていく訳です。
取引利回りとは
では実際にどう取引されているのか?
取引利回りというものがあります。
これは単なる「今はこれくらいですよ」という数字です。
現実の数値ですね。
吉崎:そうですね、現実です。
先ほど言った城南エリアのワンルームで、先ほどと全く同じ条件の一棟もの。
ワンルームなのだけれども、棟の単位で売買されているものは3.6%で、かなり低い数字です。
日本不動産研究所の最新のデータで話すと…
札幌は5.0%、仙台5.1%、横浜4.3%、名古屋4.7%、京都4.8%、大阪4.5%、神戸4.8%、広島5.2%、福岡4.7%です。
殆どが5%を切っていると…
さらに半年前調査と比べて横浜と大阪は横ばいです。
それ以外の八都市は全部マイナスで、つまり利回りが下がっているという事です。
それくらい投資熱が高まっているという状況にあります。
今のがワンルームタイプのお話です。
ファミリータイプも同じように、大体の想定が50平米〜80平米くらい。
先程の城南エリアでいくと目黒区、世田谷区、渋谷や恵比寿へ自転車で15分と、決めた範囲、枠の中でどれくらい利回りがあるか?
これはネットでもダウンロードできますので、そういうものを見て目安にして頂ければ良いのではないかという風に思います。
内田:そういう事をしっかりとチェックする事が失敗しないやり方という事ですね。
放送局 :ラジオNIKKEI第1
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※ 本記事はラジオNIKKEI第1「吉崎誠二の5時から“誠”論」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※2022年12月19日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています