資産形成チャンネル

ネット証券の手数料無料化!新NISAに合わせた戦略?|SBI証券が1位の理由

  • #資産形成チャンネル

新NISAも始まり、株式の取引が増えてくるであろう2024年…
昨年はニュースで「ネット証券の手数料無料化」という文字を目にした方も多いのではないでしょうか?

しかし「手数料がないと証券会社は儲からないのでは?」「どうして手数料が無料にできるのか」と疑問に思う方も少なくないと思います。

大手と言われている「SBI証券」では、決算書に収益の内訳や他ネット証券との比較などを公表しており…
資料を見ると「どうして無料にしているのか?(できるのか?)」が見えてくると思います。

今回の記事では資料を解説するとともに、今後各社はどうしていくのか?という予測もお話していきます。

1万人が購読中!お金の知識が学べるメルマガ

1万人が購読中!お金の知識が学べるメルマガ

資産形成のコンサルティングや転職支援事業。
不動産会社の代表としても活躍する安藤が、お金・仕事・住まいの分野に特化した情報をお届けします。

<メルマガ購読特典>
ライフプランの考え方から、家計の見直しまで…
老後に向けた資産形成を考えるための「資産形成ガイドブック」をプレゼント中です!

メルマガ購読はこちら

ネット証券人気ランキング

ネット証券人気ランキング
細川
細川

ネット証券では手数料無料化にしているところが多いですよね?
手数料無料ということは、今投資をやるべきタイミングなのでしょうか?

安藤
安藤

「今まで売買手数料がかかっていたものをこれからなくします」と言っているネット証券会社があるという話だと思いますが…
今後ずっと無料だと思うので、いつやってもいいのでは?と思います。

ネット証券のマーケットはどんな風になっているのか?というと…
まず、断トツの1位がSBI証券です
グループ全体で1,100万口座ぐらい開いています。

2位が楽天証券
こちらも1,000万口座を超えており、SBIと楽天が競い合っている感じですね。

細川
細川

どちらもよく聞く名前ですね。

安藤
安藤

3位がマネックス証券。
220万口座超えたのかな…?と思います。
ドコモの出資を51%受け入れ、ドコモと組んでこれからやってくことになりましたよね。

ドコモの出資を51%受け入れ、ドコモと組んでこれからやってくことになりました

4位がau株コム証券で、160万口座。
5位が松井証券、150万口座。

SBI証券と楽天証券が2強という業界地図です。
この2社が最近「無料合戦」といいますか、ニュースを驚かせている状態です

SBI証券は2019年頃にネット取引の手数料を無料にしていくと宣言していました。
2021年の時点で、確か25歳以下の若手の国内の株式売買手数料をまず無料にしていたと思います。
若い年齢で制限をつけるというやり方をした。
若者のユーザーをガッと囲う施策を打ったのです。
昔からの宣言通り、2023年7月に発表したと思いますが「今後はもう全員無料です」と、なかなか業界に激震が走りました。

動画で確認したい方はこちら

ネット証券の手数料無料はいつまで続く?

ネット証券の手数料無料はいつまで続く?
細川
細川

手数料が無料なので、今のうちに投資を始めればいいのかな?という気になったのですが…
最初は無料化にしておくという、会社としての戦略なのかな?と…

安藤
安藤

サービスをリリースした最初だけ無料にしてユーザーを抱える。
これはフリーミアム戦略と言って、常套手段ですよね。

2000年前の金融ビッグバン手数料自由化があり、それ以降は手数料を自由に決められるようになり、自由競争になりました。
最初はみんな手数料をちゃんと取っていたのです

それを後から無料にするという話なので…
そこからまた有料にすることは多分あり得ないと思います。

先ほどの話の流れに戻りますが、SBI証券が2023年7月に無料にしました。
その後、8月31日に楽天証券も無料にしました。

これはなかなか決断に時間がかかったのですが…

楽天証券は証券単独での上場を当時考えていたのです。
楽天グループはキャッシュが苦しいので、楽天証券を上場させて持ち株の30%ぐらいを売却して市場で資金化したかった。
しかし、この無料化についていくとなると、今までのビジネスモデルがぶっ壊れてしまいます

細川
細川

今までそこから収益が取れていましたものね。

安藤
安藤

それが丸っとなくなるのです。
それを上場審査中に言うということは、相当ネガティブになります。
当然、SBI証券はそれを分かっているので、1枚も2枚も上手なのです。

相当ネガティブ

そのタイミングで無料化してきたのですから。

更に言うと、2024年1月からの新NISAに向けた動きです
NISA口座は1人1つしか開設できないので、それを取りに行くためのトドメの一撃を打った。

だけれど、楽天証券は上場を諦めて無料化についていく道を選びました
その代わり資金が持たないので、楽天証券の株式をみずほ証券に売却することで資金調達をしたという流れです。

その後は楽天としては別の手段で戦っていくと決めました。
なので、SBIが12月1日に米ドルと円の為替手数料無料化したのね。

SBIが12月1日に米ドルと円の為替手数料無料化

同じ日の午後に楽天も無料化にしましたので、そんな感じでどんどん競い合っているのです。

楽天も無料化
細川
細川

会社同士の戦争ですね…

安藤
安藤

使う側としてはスゴイ嬉しいといいますか…
ユーザーにとっては健全な競争になっているので非常にいいのではないでしょうか?

値下げ合戦はどこまで波及する?

値下げ合戦はどこまで波及する?
細川
細川

今はSBI証券と楽天証券の二大巨塔が競っているという話でしたが…
3位以下のマネックス証券など、他の証券会社はそれに対する策や動きは見せているのですか?

安藤
安藤

マネックス証券は創業者の松本会長っていう方が有名ですよね。
松本会長は結構前に公の場で「売買手数料の無料化が業界で当たり前になることはない!」と伝えています。

売買手数料の無料化が業界で当たり前になることはない!

どう考えても赤字になる部分があるわけなので「これは歪な状況になる」というようなことを発言しています

マネックス証券も全て手数料を取っているのか?と言うと、そうではありません。
NISA対象の国内株の売買手数料は無料にするなど、部分的に施策を今後も継続していったり…
アメリカ株の取引のサービスが結構強いので、そういったところで今アピールしているような状態です。

現時点では「手数料無料化についていく」ということは言っていません
ただ今後は検討していかなければいけないのでは?という風に市場としては見ています。

他にも5位の松井証券も新しく始まる新NISAで日本株や米株、あとは投資信託。
この辺の売買手数料を無料化することを発表しています。

日本株や米株、あとは投資信託

要は「NISA口座を自分のところで開いてくれたら無料になるよ!」と言っているのです
しかし、なかなか難しいですよね?

細川
細川

本当に口座の取り合いなのですね…

安藤
安藤

たった1つしか作れないNISA口座の取り合いをしているのです。
しかし、口座解説数が多いSBI証券や楽天証券に集まってしまうのです。

SBIは先手先手で手を打っていけていますが、松井証券もなかなか難しく…
無料化にはついていかない」と元々言っていますが、少しずつ無料の部分を作っていかないとユーザーが一気に流れるので。

その軌道修正をしながら苦しい経営をしていると思います。

SBI証券や楽天証券が手数料を無料にできる理由

SBI証券や楽天証券が手数料を無料にできる理由
細川
細川

SBI証券や楽天証券は儲けを取っていないということですか?

安藤
安藤

ナゼSBI楽天がこういった打ち手を打てるか?という話なのですが…
松井証券は営業収益が400億弱ぐらいの会社だったと思います。

なんと、そのうちの45%が株の売買手数料なのです

約半分、日本株の売買手数料の収入なので、これを無料にすると利益が半減するのです。

対してSBI証券は、そもそも営業収益が1,700億円くらいあります。
そのうちの11%だけが、国内株の売買手数料の収入なのです

断トツで儲けていますし、断トツで分散されているのです。
となると、とどういう手が打てるのか?という…
手数料収入を捨てて、とにかくNISA口座を全部自分のところで開いてもらえさすれば、他の商品でマネタイズができるという考え方なのです

細川
細川

窓口の商品といいますか…
ドアノック商材というイメージですね。

安藤
安藤

本当にそうですね。
「口座開設してくれればどうにでもなるよね」というような考えで戦うことができている会社とそうではない会社。
その違いが今相当苦しい差を生み出しているということだと思います。

細川
細川

半分を占められていたら、結構難しいですよね…

安藤
安藤

SBI証券のIRが出ていますが…
150億円くらいの収益があり、そのうちの11%だけが国内株式という話をさっきしましたよね?
では他にどんなビジネスがあるのか?と言うと、口座開設数はどんどん伸びています。

手数料収入もありますが、信用取引
要は株を借りてる形ですね、そういった取引も多いので、手数料が入ります。

他にもオプションの収益など、色々な手数料があるので別に1つのところに固執する必要がないのです。
FXの売買代金は「自分たちがトップです!」と…

「松井証券、マネックス証券、au株コム証券はこんなしかないんだよ!」というのをここまで見せつけています。

FXの売買代金は「自分たちがトップです!」

自社のIRの中に他者比較をガンガン出しているのです。
FXだけでも、66億円は儲かっていますね。

あとはIPO
企業は上場する時に証券会社が引き受けをするのですが、これでも手数料が相当取れます。
これもSBI証券がトップです。

「楽天証券、松井証券、マネックス証券、みんな頑張ってください!」というように「うちがトップだ!」というのを見せつけまくっていますね

IPOもSBI証券がトップ
細川
細川

だからこそできる施策なのですね。

安藤
安藤

インターネット証券各社のいろんな収益が見られるのですが…
結構バランスよく色々やっているのです。
%にしていますが、棒の長さはSBI証券がダントツです。
母数が大きい中でさらに分散させているということが言いたいのでしょうね。
「王者の戦略」という感じです。

細川
細川

「分散させる」という点は、我々の投資にも繋がるものがありますね。

安藤
安藤

彼らの事業ポートフォリオの分散は我々個人の資産運用でポートフォリオ分散するのと非常に似ていますね。
一部の売買手数料を失っても他の部分で取りに行こうと、自ら捨てに行った。
しかも他社の収益源になってるポイントを分かっているからこそ、そんなことをやるわけです。

細川
細川

SBIが一強になっていきそうな感じですが…
社長としては、今後動きがあると思いますか?

安藤
安藤

楽天は「楽天経済圏」でうまく囲い込んでる部分があり、相当頑張っていますよね。
SBIは収益で言うと、飛び抜け続けるのでは?と思いますが…
口座の数だと、楽天も頑張るんじゃないかな?と感じています。

対面の証券会社は今後どうなる?

対面の証券会社は今後どうなる?
細川
細川

ネット証券は手数料が無料という話ですが…
そうなると、対面の証券会社は手数料がかかりますよね?
そこの差が開いてしまうので、対面証券が更にキツくなるのかな?と思ったのですが、どうなのでしょう…

安藤
安藤

「そんなことは無いでしょう」というのが、私の回答です。
手厚いサービスが欲しい人はやっぱり一定数いるので、2極化していくと思います。

イメージとして、髪の毛を切る時にQBハウスでさっと10分、15分で切りたい人もいれば…
カリスマ美容師に切ってもらって、ブローやセットまでして欲しい人もいる。

百貨店もそうですね。

Amazonがものすごく安い金額で販売できるようになったからと言って、百貨店が潰れましたか?という話です。
逆に百貨店は外商と言って、お金持ちに専属の販売担当者がつくことによってすごく手厚いサービスを提供しています。
その外商部門が今では相当稼いでいると聞きます。

中途半端が全てなくなっていき、対面証券の中で手数料をがっぽり取れる会社は生き残ると思います
がっぽり取るか?無料か?のどちらかなのです。

多分、中途半端なサービスが市場に受け入れられなくなっていくのが今後の流れではないでしょうか

細川
細川

社長は自分の時間を大切にするので、手数料を払ってでも「対面派」ですものね?

安藤
安藤

面倒なので言われた通りにやりたいのです…
基本は任せたいので、私は対面証券の手数料は気にならないですね。

細川
細川

それ以上に得られるものがありますものね。

安藤
安藤

なので対面証券もそうですし、IFAもそうですね。
普通に売買時の手数料がかかりますが「だから良い」というものではありません。

ネット証券で1人でトレードして勝てている人にとっては、手数料無料は最高です。
しかし、そんな人は殆いません…

なので、自分がどういうトレーダーなのか?を考えた時に、自分で銘柄選定をしたくないのであれば、プロの力を借りなければいけない。
つまり、対面証券やIFAに任せなければいけないのです

「無料だから飛びつく」「無料だから始める」という考えの方もたくさんいらっしゃいますが…
それでは良くありません。

自分のライフスタイルや性格、価値に最も合っている手段を選びましょう。
「手数料がかかるので良くない!」「SBIが無料にしたから使うんだ!」ということをする必要はないのです

なので、マネックスの会長が言ってることは正しくて…
その分手数料をいただいて、手厚いサポートをしていく。

付加価値が得られるのであれば「手数料は喜んで払おうね」というのが、国民全員が持つべきマインドセットではないでしょうか

今回は「SBI証券、楽天証券が株式売買手数料を無料化にする」と宣言をしたので「ネット証券の業界がこれからどうなるのか?」を解説させていただきました。

ありがとうございました。

SAME CATEGORY

同じカテゴリの記事

RECOMMEND

この記事を読んだ人に
おすすめの記事

Page Top

1万人が購読している無料メールマガジン!
毎週読むだけでお金の知識が身につきます

メルマガを購読する