令和6年の地価公示が発表されました…!
今日は「令和6年度の公示地価、地価公示について」解説をいただこうと思います。
3月26日に地価公示法に基づく公示地価が発表されました。
毎年3月20日過ぎでしたよね。
内田:結構、曖昧ですね。
吉崎:そうなんです。
これは曖昧なんですよね。
路線区は7月に絶対に出ます。
「20日頃」に出るということですが、コロナの時は28日と、ギリギリ年度末で…
それまでに原稿をいっぱい頼まれているわけです。
内田:やきもきしますね…
「まだ今日も出ないのか?」と…
吉崎:そうなんですよ…
間に入っているような代理店さんから「まだでまだですよね、まだですよね」と電話がかかってきて…
というのは置いといて、今年の地価公示ポイントをいくつかしゃべりましょう。
日本経済新聞をはじめとして、多くのメディアがバブル期以降の2番目の大きな伸びと書きました。
1991年は約11%ぐらい伸びたのですが、全国全容と平均で今年は2.3%です。
確かにバブル崩壊以降2番目の伸びだったのです。
しかし11%と2.3%はとても違っており、2番目の伸びだと…
ここの細かい数字を比べると、全国の全容と平均で2.3%です。
あとは住宅地 2.0%、商業地 3.1%です。
3大都市圏で見れば…
東京:3.4%は、住宅地、商業地で5.6%です。
特に商業地の回復度合いが高いですね。
内田:やっぱり商業地が戻ってなかったから…?
吉崎:住宅地の方が伸び率の戻りは早かったのですが、商業地は少し遅かったのです。
商業地は伸び率がやっとコロナの前ぐらいに戻ったというのが今回の感じですね。
そして大きなポイントは、地方圏の特に地方圏のその他のところを見てください。
地方圏のその他、これは4大都市です。
福岡、仙台、札幌、広島の4つを除いた地方圏ですね。
この地方圏がここしばらくでは最も高かった。
これは多分バブル崩壊以降では一番高かったと思います。
内田:なるほど…
結果広がってきたよ!ということでしょうかね。
吉崎:波及してきたよというのがポイントですね。
二つ目のポイントは…?
二つ目のポイントについてお話しましょう。
「バブル崩壊以降、2番目の伸びだよ!だけど知れているよ!」
「地方圏がすごい伸びてきたよ!それが波及してきたよ!」というのが二つ目のポイントです。
地方圏の波及具合、都道府県別に地価の変動率を見ると…
住宅地商業地共に29の都道府県でプラスとなっています。
プラスになった方が多かったということですね。
吉崎:去年が24で、去年のちょうど半々くらいでした。
住宅地は去年が24でしたが、今年は29です。
商業地は23が29で増えてるというところで…
地方に波及している状況がよく分かります。
それと都道府県別をもっと細かく見ると…
東北の6県分、秋田、青森、岩手、山形、宮城、福島全てプラスです。
住宅地を見ると、東北人口が減ってるのでしょうか?
内田:これは何ででしょうね…
吉崎:なんでだと思います?
何度かお話した記憶がありますが、街の真ん中に人が集まってきている話でしょう?地方でも…
例えば農村部から、秋田の真ん中に人が集まってきているとします。
農村部がそんなに下がると言っても元々低いのですが、町の真ん中に近かったわけです。
マンションなどが建ち、街に人が集まってくると、そこの地価が上がっていきます。
内田:主要な都市にもタワマンができたなど…
吉崎:秋田県は昔、全然マンションが建っていませんでした。
6年か7年か一切なかった中で、ここ最近建っています。
例えば、福井県新幹線が通った福井県。
今年は住宅地の地価は上がらなかったですが、商業地の地価は上昇しています。
これはどういうことか?とって言うと…
新幹線が通って駅前の再開発が行われました。
3階ぐらいから4階ぐらいまでは商業施設マンションというような、商業地にカウントされます。
そうすると、マンション効果もあり地価が上がっていきます。
ということで、地方への波及がかなり進んでいるな!というのがよく分かりますね。
内田:街のつくりが変わってきているわけですね。
コロナの影響は…?
吉崎:上がり加減がコロナの影響が大きかったのは、2021年の地価公示です。
公示1月1日時点の地価ですから、2020年3月28日に発表された地価公示は、コロナの影響前です。
なので2021年の数字が、コロナの影響が色濃く出た年になります。
そこでガクッと下がるのですが(マイナスになるのですが…)一旦それを無視すると、その前後からずっと伸びが続いてるわけです。
なので「伸びているな」という数字が続いて…
プラスの数字がずっと続いている年数でいくと、もう7年、8年続いています。
内田:「コロナを除けば」ですね。
吉崎:コロナの落ち込みを除けば続いているということは…
そんなに立地的には上がっていないけれども、ゆっくりだらだらじわじわ上がってきて、それが波及している。
というのが、現在の地価の上昇の度合いになる状況です。
これはどういうことかというと、仮に万が一不動産価格の市況が悪化したとしても、下落した時も多分その勢いよくは下がらないと思います。
内田:じわじわ上がってきたからですか?
吉崎:そうです。
バブルの時は10ずつぐらいぼん、ぼん、ぼん、ぼん!と上がりましたから。
異常な上がり方で、リーマンショック前後のミニバブル期でした。
東京なんかでいうと8%上がっていますから、それは大きかったわけです。
落ちる時も激しく落ちますが、今回のように「次はじわじわじわじわと長くなるな」と。
上がる場合は仮にネガティブな状況が起こったとしても場所によりけりでしょうが…
全国的にバブル崩壊の時のように一気に落ちる可能性は極めて低いと思います。
今後の見通しは?
今までの日本の歴史の中であんまりじわじわ上がってきていて…
そう思ってあんまり見なかった気がします。
60年代、70年代はそうですよね。
そういう昔は半値、それで1985年以降、85〜86年はバブル経済に上がっていくっていう感じになりました。
それよりか前は数の伸びが割と続いてた感じですから…
内田:何でしょう?
経済の構造がちょっと変わってきていますから。
じわじわじわっと上がってきた60年代で、その後ぼんと跳ねたわけじゃないですか?
今回はじわじわと上がってきて、またそういう風な動きをする可能性があるのでしょうか?
吉崎:どうでしょうか…
多分ですね、局所的には起こると思います。
それがニセコとかの例ですよね。
先ほどの宮古島も今回もランクインしました。
6位か7位に入っていましたが、かなり長い間です。
宮古島なんかは二十何%ずつ、ずっと上がっています。
局地的、技術的にはありますよ?
富良野や宮古島分など、リゾート地ばかりです。
内田:帯広や白馬もすごく…
吉崎:さらに言うとエリアが狭いのです。
本当に集中しているんですよね。
富良野や宮古島もそうですが、郊外の方へ行くと別にそうでもないのです。
スキーの華やかな場所が伸びていますよね。
内田:そうですね。
住宅地も商業地もまるきり同じですものね。
吉崎:商業地には触れていませんでしたが…
上位はPSMCのステーションがある、菊陽町と千歳。
「今度TFMの第2期第2工場に入るので、市長も喜んで歓迎いたします」と、それは喜びますよね。
工場ではバブっているみたいです。
機械工場ができたら、この後も多分…
しばらくずっとここが上位に来るのではないでしょうか?
内田:やっぱり人が動きますからね。
吉崎:当然人が動けば、そこにパン屋さんも必要で、蕎麦屋さんも必要だし、スーパーも必要だし、商業地が上がりますよね。
内田:局地的とはいいのか?
続くというのもまたすごいですね。
吉崎:工場は当然、もう続きますよね。
5年で撤退とかないでしょうから。
町ができてくるので、これはもうバブルとは呼べないという状況だと思います。
ざくっとこんな感じがポイントかなと思います。
※ 本記事はラジオNIKKEI第1「5時から”誠”論 NEXT」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2024年4月8日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています