日本の深刻な人口減少問題
今日は「進む日本人の人口の減少」について、さらに深掘りしていきたいと思います。
先ほど世帯数の話、将来の世帯数の話をしましたが…
今回の話は今の現状の日本の人口動態という意味ですね。
先ほどの世帯数で「単独世帯が増える」そして「高齢の50代60代70代の単独世帯が増える」と。
ちなみに「未婚者が増える」ということは、賃貸住宅需要がすごく伸びるということです。
内田:そうですよね…!
しかも小さいサイズの…
吉崎:少し大きめのお一人様の1LDKや2DKでコンパクトシリーズの数は増えることが確実視されてくるということです。
この人口が減るという内容でいうと…
まず冒頭で総務省が12日に発表した人口推計でいくと(これは毎年、年に一回発表されています)、10月1日時点の数字ですね。
日本の総人口は1億2350万2,000人で-59万5,000人と13年連続マイナスでした。
これも外国人を含む人口なのです。
内田:そうなのですね。
吉崎:この人口は、日本人だけで見れば1億2,119万3,000人で、なんと83万7,000人死んでいます。
59万5,000人が減っていると書いていますが…
経済誌の日本経済新聞では、日本人だけ見れば83万7,000人で、この差が14万2,000人です。
この分が何と言いますか…外国人のプラス分になるということになります。
人口の増減には社会増減と自然増減があります。
社会増減というのは、日本国全体で見れば外国に行っていた日本人が戻ってきた等です。
あるいは外国に留学に行った、あるいは外国人が日本に移住した。
こういうのが社会増減になります。
しかし、やはり圧倒的に数字のウエートが高いのは自然増減です。
これは出生数と死亡者数の差です。
出生者数はずっと減少が続いています。
75万8,000人です。
2023年では前年より4万2,000人減ですから、42,000人減りました。
ということは、2022年の時は80万人弱ぐらいいたということですね。
80万ジャストぐらいあった。
4万人ずつ減ったとしたら、2024年10月時点では70万人ぐらいだから4万人ずつ減っていくと…
内田:そうですよね。
こういう比率で見ると、4万人ってどんどん大きくなっていきますよね。
吉崎:単純にいくと、出生率が後4年で60万人ぐらいになるとか…
この亡くなった方は一方で、過去最高です。
過去最高と言いますが、実は細かく言うと戦争中のデータがないらしいのです。
戦後のデーター戦前も含めて戦間がよく分からないというのはあるみたいです。
そういうのがあるので、ちょっとそこはおいておき…
過去最多の159万6,000人の方が亡くなった。
この差を計算すると、83万7,000人ということです。
去年よりも12万6,000人多いのですが、自然減少分だけで色々調べてみたら、堺市がちょうど83万人です。
新潟市が81万人、佐賀県は81万人なので結構大きな都市が1個無くなったのです。
政令指定都市は70万人以上でしたかね?
それがなくなるという感じです。
毎年それは、すごい問題ですよね…
それで団塊の世代が後期高齢者になってきているので、死亡者数はこの先増えるあるいは少なくとも今の程度ぐらいはいくという風に見込まれています。
主な出生者数が今4万人出てどんどん減っていくと…
毎年80万から90万人ずつ人口が減ります。
そう遠くない先に、1年間に100万人ぐらい人口が減る。
内田:加速するとは、そうですよね…
高齢社会ですから。
吉崎:2050年ぐらいになると、1億を切ります。
2070年には約8,700万人になるというのが見通しです。
この中で少子化対策はすごいしているのですが、今のところ、仮にうまくいったとしても少なくとも何年間もかかるのではないでしょうか?
簡単ではないという話です。
都道府県別に見てみると…
もう1つ、婚姻率が下がれば当然、日本社会はいま婚外子は認められていませんので…
そうすると、事実上そこの婚姻数が増えない限り、出生者数は増えてきません。
一応そういう問題があります。
都道府県別に見れば、47都道府県で増えた県は東京だけです。
4.8万人の増加です。
全国に占める割合は11.3%と46の都道府県はマイナスです。
人口の上位は2位が神奈川県、3位 大阪府、4位 愛知県、5位 埼玉県、6位 千葉県となっています。
1都3県に占める割合はなんと約3割です。
なので10人に3人は一都3県ということです。
帰省ラッシュがなくなると言われてから帰省しない子供も20年ぐらいすると、首都圏で生まれたことばかりになることでしょうと…
それはいい機会かなということで…
生産者人口が増える割合があるのは1都3県。
滋賀県、沖縄が6割を超えるだけで、生産者人口も減ってきています。
つまり、こう考えると不動産投資者が不動産事業を1都3県プラス大阪府や愛知県、福岡県などの限られたエリアか地方都市の中心街に限られてくるのです。
今の人口の動向を見ていると、ますます超高齢化社会が進む一方で、人口の集中が進んできています。
それは首都圏・大都市圏、そして地方の中心地へ進んできてるというところになります。
今の15歳未満の人口11%、65歳以上の人口30%、75歳以上の人口16%ということで、15歳未満が11%で65歳以上は30%はいますから。
内田:支えきれませんね…
吉崎:これで世界ダントツの老齢化指数トップですからね。
そんな日本でも東京や首都圏には人が集まっていきます。
内田:そうですね。
吉崎:というようなのが日本の現状なのではないでしょうか。
地方の中心部、首都圏、関西圏、福岡や札幌あたりに人がどんと集まってるのが現在の日本です。
内田:投資対象は絞りやすいかもしれませんが…
それだけの物件が本当に集まってくるということを考えれば、そこには物件数がある程度必要なのかもしれませんね。
吉崎:不動産価格がますます上がるでしょうね。
内田:そうか…集中しちゃいますものね。
それほどたくさんはいらないかもしれないけど、全体で考えればでも集中する。
だから、そこには必要という。
吉崎:富も人も何もかもが集中すると言っているのが日本の現状でしょうか。
※ 本記事はラジオNIKKEI第1「5時から”誠”論 NEXT」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2024年4月15日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています