日本の世帯数の推移は?
今日も「日本の世帯数の将来推計から住宅需要を読み解く」を、お送りしていきたいと思います。
国立社会保障・人口問題研究所が5年に1度発表しているデータです。
将来世帯世帯数の将来推計で、去年に日本の人口の将来推計の発表が既にされていて、少し遅れて世帯の推計が出ました。
都道府県のデータも毎年出るのですが、全国の合計だけが今出ています。
毎回出るのですが、都道府県は遅れています。
これは国勢調査も含め、大体そうですね。
色々と少し遅れが出ますね。
内田:様々な都道府県のデータを足せば出るということではないのですね。
吉崎:半年ぐらい後で出ます。
今回の推計は「2020年の国勢調査に基づいた2024年度推計」ということです。
これをちょっと間違えないでほしいですね。
前回の推計は「2015年の国勢調査に基づいた2018年推計」でした。
前回は3年で出ていましたが、今年は4年かかって出ています。
内田:なぜでしょうか?
コロナなど、何かやっぱり色々あったのでしょうか…
吉崎:例えば地価公示だって3月20日ぐらいに出る時もあれば、今年は3月26日と遅かったですよね。
何かがあったのでしょうね。
では、前回の推計と今回の推計の比較をしながら、少しお話をしてみようかなと思います。
一人暮らしが増える?
前回2015年の国勢調査に基づく2018年推計では、日本の世帯数のピークは2023年に5,417万世帯ぐらいであろうと推計されていました。
それが頭(ピーク)だろうと推計されていましたが…
今回の最新の推計ではすでに2020年の確定値です(国勢調査済みの確定推計ではなく、改定値です)
正しく言うと国勢調査など、全部一応推計なのです。
1・2・3・4・5とカウントした訳ではないので、推計ですが、2020年の確定値が5,570万世帯なのです。
つまり前回の推計よりも、2023年にピークを迎え、5,400万台だったと…
すでに2020年でもう超えちゃったのです。
後は減ってしまい、5,740の推計がピークになり今回の推計のピークは2030年の5,773万世帯と随分先に伸びました。
5年ごとに遡っていけば、出す度に伸びてきています。
それってどうなのでしょうか…
吉崎:これはシンプルに世帯数がどうのこうのの伸びの話は1つだけです。
ひとり暮らし、単独世帯の方々が想像以上に増えてきています。
内田:そうですね。
思ってる以上に独り暮らしの人が増えていますよね。
それは離婚する人もいれば、結婚しない人もいれば奥さんを亡くしちゃったり…
吉崎:晩婚化もあり色々と理由がありますが、独り暮らしの人が増えてきています。
平均の世帯の人数は2020年に2.21人、それが2033年には初めて史上初めて二人を割り込んで1.99人は2050年には.192人になります。
単独世帯のひとり暮らしは現在38%です。
それが、2050年には44.3%です。
ちなみに少し細かいのですが…
単独世帯は1980年の時には19.8%、約2割です。
1985年は28%と増えています。
そんな感じで30%を超えるのが20年を超えたあたりです。
2000…5年と10年の間なので、2008年や2009年くらいでしょうか?
そこで3割を超え、今が38%くらい。
40%を超えるのが2025年、まもなくですね。
40%を超えるずっと増え続け、2050年には44.3%の世帯がひとり暮らしです。
100世帯のうち44世帯がひとり暮らしですね。
現時点では1番多いですが、これからも1番多い世帯類型世帯の形は「ひとり暮らし」です。
次に、夫婦のみが20%。
よくあるのが、夫婦と子供さんで世帯というイメージ。
家族という感じですが、現在は25%です。
ちなみに、1980年の時は何%くらいあったと思いますか…?
42.1%だったんです。
つまり、年金など色々な平均世帯のモデルケースは両親と子供のようになっているのです。
今の日本のモデルケースの暮らしですからね。
内田:しかし、極端に変わりましたね…
吉崎:2050年の時はちょっと一人暮らしで44.3%の家族がいる。
子供と御両親ですね。
21.5%ですから、ダブルスコア以上ですからね。
内田:いろんなものが何か変わりそうですよね。
離婚が増えてきている日本
最近、離婚が増えたという話をしますよね?
離婚が増えて、世帯には様々なパターンがありますが…
お母さんかお父さんと子供ですよね。
お母さんと子供が世帯で、お父さんと別れるとしましょう。
お父さんは単独世帯になります。
一人親と子世帯という世帯、これがずっと増えているのです。
80年代以降は6%弱くらいですが、今は9割ぐらいもまだ増えています。
しかし、この先は増えません。
熟年離婚など、子供が巣立った後にそうすると違う形になりますよね。
吉崎:夫婦のみなので、要はお子さんがいないカップル。
これは置き換えると、まだ結婚したて、もしくは子供を作らない方。
これはあんまり変わりません。
既に変化が起こったのは、おじいちゃんとおばあちゃんと一緒に住むパターン(3世代の方)です。
「その他の世帯」と言いますが、これは80年代にはやっぱりざくっと2割ありました。
今は7.7%です。
全然こう考えたら離婚の世帯はちょっと増えるけれど、その後また減ってくる。
今とは変わらないぐらいの2050年で、その他の世帯もそんなに変わらず、ちょっと減るかな?という感じです。
夫婦のみの世帯も、ほぼほぼ横ばい。
圧倒的に違いが出てくるのは、夫婦とご先祖の世帯がとても減ってきています。
そして、一人暮らしはすごく増えます。
44%は一人で暮らすわけです。
さらに、2050年の男性の高齢者で一人暮らしの6割は未婚だそうです。
内田:笑ってはいけませんね…
吉崎:未婚なので、一度も結婚しない人ということです。
65歳が高齢者なので、65歳以上で一度もしなかった人が6割6分。
一人暮らしで住んでいる人の残りは奥さんと離婚もしくは奥さんに先立たれたというパターンですが…
いずれかが4割です。
内田:日本の住宅はみんなワンルーム的な感じなのでしょうか…
ある意味、昔はウサギ小屋的なことを言われましたが…
吉崎:本当にそんなのばっかりになってしまいますよね。
そのぐらい需要にマッチしているということです。
だからすごくリッチに暮らす32平米ぐらいの広さがあれば、大体10畳と10畳プラスでキッチンが取れます。
内田:今のファミリータイプの造りも随分変わり、トリオ向けの間取り的な…
贅沢な造りになって、もしくはちっちゃいみたいじゃないと。
吉崎:これはもう目に見えてそうなっていきますね。
覚えていますか?
毎回データがズレているので、これからズレたら凄いですよ。
このペースでズレたとしたら、単独世代が5割いくかもしれないということです。
このズレ加減でいくと、マンション500家であったら半分ぐらい一緒ですね。
内田:もっと早くもっと多くみたいな形になりますね。
これから投資する人は、そういう対象しか考えちゃダメですね。
吉崎:長期目線でしたら、多分そうでしょう。
内田:マンション投資は長い目線ですから。
吉崎:これだけ過ぎないと思う数字が出ていても、それ以上に早いペースで進んでいて、それ以上に多くなってきています。
男性の50歳時点で未婚率は3割くらいでしょう。
女性ももう2割ぐらいですから。
結婚は人の自由ですが、住宅事業のあり方は絶対に変わりますね。
内田:生きる上でやっぱり住居はすごく大事なので、ちょっと変わってくれないと困りますね。
※ 本記事はラジオNIKKEI第1「5時から”誠”論 NEXT」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2024年4月22日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています