調査報告書で株価が乱高下──その背景に何があったのか?

レボリューションの調査報告書が出ていました。前にヤマワケステートの件でもこのメディアで取り上げましたし、ネットでも結構騒がれていましたよね。社長、調査報告書ご覧になりましたか?
報告書には目を通してます。
80ページ以上あり、なかなか読み応えのある内容でした。
株価もちょっと上がったみたいで。
変な動きですよね。なんで上がるのか、よく分かりません。
いつ報告書を受領したのか具体的な日付は書かれていませんが、「受領に関するお知らせ」という書面で、2025年7月14日の8時半にリリースがでています。

その日の株価はどうだったんですか?
前営業日、つまり7月11日金曜日の終値が68円でした。それで、8時半のリリースを受けて9時には69円で取引が成立しています。

そこまでは大きな変化じゃないですね。
ただ、その後1時間後の10時には99円まで上がっていて、約30%株価が上昇しているんです。
午後には少し下がりましたが、15時の時点ではまた99円まで戻っていました。その後はずっとダラダラと下がって、3カ月くらいは60円台をうろうろして、ほとんど動きがなくなりました。
つまり、この調査報告書が一つのきっかけになったということですか?
そうですね。出来高が少ない、つまり取引が少ない株に対して、何か材料が出ると株価が大きく動きやすくなります。
この記事をアップする頃には、たぶん60円ぐらいまで落ちてるんじゃないですかね。
そもそもこのレボリューションとは、どんな会社なんですか?
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騒動の裏にいた“影の会長”とは?レボリューションを支配した実力者の正体

前の記事をご覧いただければある程度話してるんですが、いわゆるヤマワケさんの会社です。
投資界隈ではかなり有名ですよね。

「実質利回り10数%〜20%相当で、キャピタルゲインとインカムゲインが得られる」とか、そういう不動産投資商品を出してた会社ですよね。
そうです。
ヤマワケエステートの親会社である「WeCapital」が、その「ヤマワケ」というサービスをやっていて、さらにその WeCapital の親会社にあたるのがレボリューションという会社です。
スタンダード市場に上場していて、証券コードは8894。
元々は「原弘産」という会社名だったのが変わって、オーナーも変わった、そこそこ歴史のある会社です。
ヤマワケエステートって、本田圭佑さんがCMやってた会社ですよね。
はい。
我々のように不動産業界に近いところにいる人間からすると、1年前ぐらいに彗星のごとく現れた不動産クラウドファンディングでした。

高利回りで、でも短期で償還される商品です。それ自体は別に変な話じゃないんですよね。
3カ月で償還すれば、例えば年利10%でも実際には2.5%の負担で済みますからね。開発資金として調達して、しっかりと償還して、またお金を集めてというのを繰り返していた。
でも最近になってちょっと遅延がでてきてるという話で。
ああ、隈研吾さんが設計した札幌の物件ですね。
そう、前回の記事で取り上げました。売却直前で契約が白紙になってしまって、投資家さんに待っていただいている状況。
今はどうなっているのか正確には覚えていませんが、そんな事態が起きていました。

その親会社がレボリューションなんですよね。
はい。数カ月前に問題になって、メディアでも取り上げられました。
NewsPicksさんで「レボリューションヤマワケ騒動」という動画が公開されていたり、田端信太郎さんというインフルエンサーがかなり突っ込んだインタビューをしていました。
そのインタビューでは、元社長の方が答えていて、レボリューションの裏には大株主である「美山さん」という方がいて実権を握っていると。
その人が悪いんだというような主張を、 WeCapital の元社長だった松田さんがしていたんですね。
つまり、松田さんは「自分はもう経営には関わっていないけど、美山さんという大株主が実際は指示を出していたんだ」というような話をしてたわけですね。
美山さんは会長とか社長というポジションには就いていないけど、実質的に経営の実権を握っていたと言われている。
そういう背景も、今回の調査報告書で明らかになっているんですよ。
その報告書って、80ページ以上あるやつですよね?

そうです。実際どうだったかというと、松田さんの言っていたことが概ね合っていたというのが結論です。
調査報告書が暴いた衝撃の実態──経営の舞台裏で何が起きていたのか

あ、そうなんですね。じゃあ、松田さんが言ってた「会長室があった」とか、そういう話も?
はい。
上場企業であるレボリューション社において、会長という肩書きが正式には存在しないのに「会長室」というものがあって、そこで権力を持っている人物がいた、というのが調査報告書でも事実として書かれていました。
それ、なかなかインパクトありますね。
さらに、日常的なLINEでのやりとりもあったそうで、松田さんがWeCapitalのトップとして、レボリューション社の社長に対して親会社の大株主として強く指示を出していたと。
つまり、経営にかなりの影響力を持っていたということが、全面的に裏付けられている内容でした。
なるほど。じゃあやっぱり、形式的には関与していないけど、実態としては関与してたということなんですね。
そのとおりです。報告書の中でも、その点がしっかり認められていましたね。
あとは株主優待、クオカードの件。これが一番の発端なんです。
株主優待のクオカードを廃止した理由についてですね。
そのクオカードを廃止するということに関して、会社側の説明が事実ではなかったと、松田さんは主張しているんです。
これも報告書の中で指示があったと記載されているので、基本的に松田さんが言っていたことは、ある程度正しいとされています。
ネットでは松田さんの言っていることに対して、「嘘じゃないか」との意見も多かったですが、調査報告書を見る限り、松田さんの主張の多くは事実だったということになります。
企業統治が機能しないレボリューション社──ガバナンス欠如の深層

視聴者の中には、「ヤマワケ」の商品に投資している方も多いと思うんですが、そういう方からすると、こういう遅延の兆候があったというのは結構怖い話ですよね。
前の記事でも話したとおりなんですが、ヤマワケさんがとか、レボリューションがとか、そういう話って株式投資をしている以上、ある程度リスクとして受け入れないといけないんです。
今回の調査報告書でも一番のポイントは「ガバナンス」の欠如なんです。
ガバナンスって…なんか美味しそうなフルーツみたいですね?(笑)

(笑)フルーツではないですよ。
企業統治のことです。
ちゃんと企業があるべき形で運営されているか、株主が取締役を選んで、取締役会がきちんと機能しているかをチェックする仕組みのことですね。
つまり、ルールが機能しているかどうかの話なんですね。
そうです。それが全然できていなかったと。
美山さんという方は経営陣ではないんですよ。

知らないおじさんが会長気取りで社内にいたってことですか?
株主ですからね。でも、株を持っているだけでは、できるのは取締役の選任ぐらいのはず。
例えば細川さんがトヨタ自動車の株を大量に買ったとして、トヨタ本社に「細川会長室」を用意してもらうって、おかしいですよね?(笑)

おかしいですね、それは(笑)
さらに、子会社や関連会社の社長にLINEで指示を出したり…そんなことができる状態だったというのが異常なんです。
これはもう、ガバナンスが機能していない状態=無法地帯みたいなものです。
でも、レボリューションってもともと株価100円ぐらいでしたよね?

今の2倍ぐらいの位置にいた時期もあって、時価総額で言うと100億〜200億円ぐらいの会社でした。そういう規模の会社だと、大株主が相当な権力を持っているケースも珍しくないんですよ。
つまり、ガバナンスが効いていない会社って、実は他にもたくさんあるんです。
だから、株式投資をするなら、そういった背景も理解した上で臨むべきだと思います。
なるほど。
それと、不動産クラウドファンディングは別の話です。
そもそも匿名組合への出資なので、最悪ゼロになっても仕方がない。
そういう前提の商品だということは、このメディアでも何度も言ってきました。
だから、ヤマワケさん個人が悪いというより、リスクのある商品に対して、ちゃんと理解して投資する必要があるということですね。
そうです。リターンが10%とかあるなら、それがゼロになる可能性もあるというだけの話なんです。

では今回の件を踏まえて、レボリューション社は今後どうしていくつもりなんでしょう?
調査報告書を受けて、これから改善していくという話になるでしょうけど、さすがにもう目立ってしまいましたたからね。
あの「会長室」的なものは、なくさないとまずいでしょう。
まだ存在してるんですか?
あるみたいですね。もしそれをやりたいなら、レボリューションの社長なり代表取締役に正式に就任して、株主に選任してもらった上で、経営に関与すればいい。
経営者でも従業員でもない人が会社の中にいて、会長室を持っているというのは、やっぱりおかしいですよ。
この辺は今後整備されていくんじゃないかと思いますが、あくまでこれは私見です。

これから中長期的に企業価値を高めていくには、まずはその美山さんという方の関与を見直す必要があるということですね。
そうです。
ここまで明るみに出ちゃったら、このままにはできないでしょうね。
最初に騒がれ始めたのって3カ月ぐらい前でしたよね?
はい。私はその頃からこの件を見てきて思っていたんですが、Wキャピタルの社長だった松田さん、別に悪いことをしているとは思っていなかったんです。
だって、会社はもう売却してるわけですよ。
今はもう社長じゃないんですもんね。

一応辞任という形ですが、実質的には解任されたようなものだと報告書にも書かれていました。
上場企業であるレボリューション社に会社を売却した形で、株式を親会社が持つことになり、その交換で松田さんがレボリューションの株を受け取った。で、それを売却した。
それによって株主が分散して、優待であるクオカードを渡す対象者が増えてしまった、という話なんです。
松田さんが株を売ったこと自体も、契約上でロックアップ期間などが定められていなければ、売却自体は問題ないんですよ。
仮に「2年間売れません」って契約があったら話は別ですけど、そういった縛りがなかった以上、手続き的には問題ない。
では、それは問題のある行為ではなかったってことですね。
私としては、どこに問題があるのかよく分かりません。
むしろ、松田さんはもう介入できない立場になっていて、親会社が株主優待のクオカードを導入の決定権を持っているのは、表向きはレボリューションの社長…もしかしたら、実際は“会長室”の人物かもしれませんけどね。

なるほど。その“会長”の意向が大きかったってことですね。
はい。それがガバナンス的にNGなんですけど、松田さんとしては、自分ではどうしようもできないところに行っちゃったと。
つまり、松田さんの唯一の失敗は、売却先を間違えたこと…?
正直、私もそう思います。
もし売却先が例えばオープンハウスグループだったら、一緒に頑張って成長していこうという方向で、こんな変なことにはならなかったかもしれません。
良いバイアウト、素晴らしいM&Aになって松田さんはどこかのタイミングで引いて、新しい事業を始めるなり、リタイアするなりって選択肢もあったでしょう。
でも、結果としては変な騒動に巻き込まれてしまった。
その騒動の責任は、レボリューション側の経営陣にあるわけですよね?
ええ。さらにややこしいのは、当時のレボリューション社の社長だった新藤さんという方も、実は何の権限もなかったんじゃないかという話。
NewsPicksの取材を見ると、新藤さん自身も株を自由に売れなかったそうですし、最終的にはこの方も社長を辞めているようですね。
結局は、“会長”が実質的にすべてをコントロールしていたと。

そうです。こういうガバナンスが効いていない会社に自社を売却するのは、企業のオーナーとしても非常に注意すべきことだと思います。
また、個人投資家の皆さんからしても、今回のようなケースは防ぎようがない。
自分が投資していたヤマワケというクラウドファンディングの運営会社が、突然上場企業のグループに入るなんて、普通は想定しないですからね。
それはもう、どうしようもないですね。
まとめ:ヤマワケエステートの未来は?投資家が今とるべき判断とは

株式投資とクラウドファンディング出資は全く別の話なので、それぞれのリスクを理解した上で、会社や経営陣の情報をちゃんと見て投資すべきです。
意外とね、Yahoo掲示板とか、2ちゃんねるみたいな場所に真実が書かれていたりするんですよ。
会長が存在するのか、いないのか…そういうこともちゃんとチェックすべきなんですね。
公式サイトには取締役の名前しかでてこないですもんね。
そうですね。ネットの噂、全部が全部信用できるわけじゃないけど、意外と大事な情報が隠れていることもある。
今後、レボリューション社がどう動くかは、まったくの未知数ですね。
資産形成チャンネルとしては、やっぱりヤマワケエステート、つまり「ヤマワケ」のサービスが今後どうなっていくのか、そこに注目しています。
松田さんが経営していた頃は、自分の子供みたいな事業だったから一生懸命育てていた。
でも、今はもう離れてしまってゴタゴタに巻き込まれてるわけで、たまったものじゃないと思いますよ。
今後はレボリューション社の運営次第、ということですね。

はい。だから私は一旦「様子見」じゃないかと思っています。
投資家としても、不安な時期ですよね。
はい。 レボリューション社の株価も低迷していて、これからちゃんと経営が回復していくのか、それともさらに悪化していくのか。 それによって今後の投資判断も変わってくると思います。
つまり、今すぐ投資するより、もう少し様子見てからでも遅くないと。
はい。例えば札幌のプロジェクト、熊谷さんが設計した物件が今どうなっているのかも、また調べてみたいと思います。
今回は、「ヤマワケエステート」と、その運営会社「Wキャピタル」の親会社であるレボリューション社の調査報告書についてお話ししました。
また別の記事でお会いしましょう。ありがとうございました。
