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J-REITの投資ポイント-銘柄選びとNAV倍率|吉崎誠二の5時から“誠”論 2023年2月27日放送

  • #不動産投資
吉崎誠二の5時から誠論

ー ワクワク人生 COCO the Styleとは?
ラジオNIKKEI第1で放送中「吉崎誠二の5時から“誠”論」の番組内コーナー。
人生100年時代を豊かで「ワクワク、生きる」ためには一体どうすればいいのか?
結婚・お子様の誕生・転職・リタイア・住宅購入など、個人のライフイベントを充実させるヒントをリスナーの皆様と一緒に探していく時間です。

この記事の取材協力者

吉崎 誠二

不動産エコノミスト

吉崎 誠二

SEIJI YOSHIZAKI

不動産エコノミスト、不動産企業コンサルタント、CREビジネスコンサルタント
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーション、CREコンサルティング、などを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演。
また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演を毎年多数行う。

・レギュラー出演
 ラジオNIKKEI:5時から“誠”論(月~水:17時~)
 ラジオNIKKEI:吉崎誠二のウォームアップ 830(月:8時30分~)
 テレビ番組:BS11や日経CNBCなどの多数の番組に出演

URL: https://www.yoshizakiseiji.com/

銘柄選びの指標(1)配当利回り

銘柄選びの指標①配当利回り
内田
内田

今日は先週に続いて「J-REITの投資ポイント」についてです。
銘柄選びについてお話していただきます。

吉崎
吉崎

まず、株式の指標って何でしょうか…?

内田:PRとか、PBR?

吉崎:あとは配当利回り。
インカム狙いの側面が強いREITでは分配金利回りと言いますが、いわゆる配当利回りですね。
これを重視する方は結構多いですよね。

内田:そうですよね。
私も真っ先に分配金利回りを見てしまうかも…

吉崎:原資は賃料と、物件の入れ替えによる利益が分配金利回りです。
今日の終値ベースで行くと、全部の平均が4.09%。
1番低いのは2.23%で、1番高いので6.86%となっていますね。
ですが、低い利回りがいまいちで、高い利回りが良いのかというと、不動産、株でもそうですが一概にそうと言えるわけでもない、という事ですね。

内田:何となくですが、数字が低いと、安定したもの、少し安全性もあったりするのかな、等と思ったり。
それで、少し高いものになると、リスクも孕んでいたりするのかな、と勝手に…
これは分配金利回りだけでは無く、何となく、こういう指標とかだと思ってしまうのですけれどもね。

吉崎:そうですね。
私も大学院で金融工学というものをやっておりましたが、最初にリスクとリターンの関係を。
リスクリターン、つまりリターン(利回り)は、リスクが高ければリターンが高い
リスクの裏返しでリターンもあるのだと、あの有名な野口悠紀雄先生が講義されておられましたけれども。

内田:REITの場合も一緒でしょうか?

吉崎:そうとも言えないのではないか、という気がしますね。
やはりある程度、期待分がのっている、投資口価格が高くなっているものに関しては、当然分配金利回りがそこそこあっても利回りが下がる訳ですので。
株式の配当もそうではないですか?
低利回りの銘柄が、凄くリスクが低いかというとそうでもないですよね。

内田:確かに、そうでもないですね。

吉崎:それもあるので、一概には言えない
例えば23年2月末2月期決算ではこれくらいの分配金がありますよ、という風に、一応予定分配金は決まっています
なので予定分配金のままであったのなら、一応それは約束されている訳ですから。
そういう意味では、私もREIT投資は結構しますけれども…
REITの利回りが高いから少しネガティブかな、とはあまり思わないですね。

内田:高いのが魅力だったりする場合も結構ありますよね。
これの利回りって、やはり中身が何に投資しているのか、というのも凄く重要な訳ですよね?

吉崎:それは重要だと思います。

銘柄選びの指標(2)NAV倍率

銘柄選びの指標②NAV倍率
吉崎
吉崎

もう1つの指標でいくと、NAV倍率というものがあります
NAV、これはネットアセットバリューです。

その時の時価の不動産価格、例えばビルが10本入っております、というREITがあったとしたら、現在それが合計で100億円でした。
(東京にビルが10本あったら500億くらいですが、計算し易いように100億とします。)
それで、その内の50億円が負債とすると、実際の資産価値は50億円ですね。
これがネットアセットバリュー(NAV)です。
NAV倍率というのは、それを「投資口価格の一口あたりで割る」という事ですね。
これが、要は株でいうPBRです。
1倍がどうか、1を下回ると、言い方は悪いですけれども、解散して売ってしまった方が良いよ、という事で、PBRと一緒ですね
今、現状で見れば0.6%。
PBRで一番低いもので、昔は地銀で0.2%とかありましたから。
今は上がってきましたけれども…

内田
内田

今は見直されていますからね。

吉崎
吉崎

PBRで行くと0.6〜1.37%まである、と。
そうすると、低いものをいうとネガティブになるのであまり言いませんけれども、高い方でいうと星野リゾート等は1.37倍という事で、これは期待値ですね。

期待が高いので、その分高くなっている、という事で、その37%分、資産価値よりも上乗せされている、という事ですよね?
私はどちらかというと、分配金利回りが平均4.%程度、今4.09%なので、それとの比較を見ます
ただ、巨大REITを見ると、時価総額で見れば1番巨大なのは日本ビルファンドだと思います

内田:もう昔からあるやつですね。

吉崎:最古参ですね。
それが、今日で一口あたり976,000円です。
利回りが4.01%で、NAV倍率は0.97%です。
だいたい日本ビルファンドの数字が基準、という風に見ると1番分かり易いのではないかな、と思いますね
大型REITの上位全部をいくと、ビルファンドが4.01%。
次がプロロジスリート、これは物流REITですが、これが3.36%。
ジャパンリアルエステイト、これも三菱地所系の最初に上場したものですね。これが3.98%。
日本投資ファンド4.45%。
野村不動産のマスターファンドが4.3%。
ざっくりと4%前後なのですよね。
時価総額上位のREITだけを集めると大体4%程度ですから、4%を1つの目安にして…
それとNAV倍率の関係を見て行くと大体、今のREITの普通な感じ要はトヨタに投資する、大きいものに投資する、という様な

内田:大きくて、勿論時価総額が凄く大きくて安定している、という様なイメージが勝手にできてしまうのですが…
しかしこれだけの利回りが確りと確保できているのだな、というのは魅力ですね。

吉崎:これは10%を除いて、全部配当で返すという、一応J-REITのルールがあります
かなり多くの配当で返ってくるという事なので、REITはやはりある程度安定感もあります
値下がりの可能性がゼロとは言わないですけれども、利回りの事を考えると、巨大REITを入れて4%くらいはそんなに価格も大きくブレませんからね。

内田:ポートフォリオの一つに、と吉崎さんも仰っておられて、自分では直接投資できないものがありますからね。
星野リゾート等はやはりそうではないですか。

吉崎:そんな事を言えば、霞が関ビルとかね。

内田:そうなのですよ。
だから、そういうものを守っている気分で、投資をポートフォリオに入れる、というのも有効かな、と思ったりしますね。

吉崎:多分利回りだけよりも、NAV倍率との関係で見て行くのが1番良いのではないかと思いますね

内田:一つだけ「これで判断」というのではなく、関係性をしっかりと見ていく

吉崎:そういう意味では、分配金利回り4というのと、NAV倍率1というのを見て、上と下で考えれば良いのではないかと思いますね。

内田:ぜひ参考にしてみてください…!

吉崎誠二の5時から“誠”論
放送局 :ラジオNIKKEI第1
放送日時:毎週月曜日〜水曜日 17:00~17:50
※ 本コーナーは毎週月曜日のコーナーです
番組公式サイトはこちら
番組のアーカイブ配信はこちら

※ 本記事はラジオNIKKEI第1「吉崎誠二の5時から“誠”論」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2023年2月27日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています

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吉崎 誠二

不動産エコノミスト

吉崎 誠二

SEIJI YOSHIZAKI

不動産エコノミスト、不動産企業コンサルタント、CREビジネスコンサルタント
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーション、CREコンサルティング、などを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演。
また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演を毎年多数行う。

・レギュラー出演
 ラジオNIKKEI:5時から“誠”論(月~水:17時~)
 ラジオNIKKEI:吉崎誠二のウォームアップ 830(月:8時30分~)
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