本日のテーマ
不動産投資に取り組むのであれば、一棟不動産(アパート)がいいという話をよく聞きます。
一棟不動産のメリットやデメリットはどういったところか?を教えていただきたいです。
区分マンション、ワンルームマンションではなくて一棟不動産ですね。
木造のアパートもあれば、鉄筋コンクリートで造られているSRCのマンションもあります。
金額も本当にバラバラになりますが…
今日は区分マンションとの比較を中心に話をしていきましょう。
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アパート経営(一棟不動産投資)の4つのメリット
まず、メリットの話からいきましょう。
メリット(1)キャッシュフローがプラスになる
それは毎月お金が入るということですよね?
そうです。
私が思う本当の意味での不労所得を作りたいのであれば、ワンルームではなくて一棟収益のアパートを買う以外にはないんじゃないかなと思います。
ローンで組んでもキャッシュフローが出るような…
そうです。
木造の埼玉とか千葉の辺りで、築年数が古くなると5,000万円から8,000万円ぐらいの金額でアパートが買えます。
もちろん現金一括で買うこともできますが、現金一括で買う人なんていません。
だって不動産のメリットは、土地の評価があって不動産の価値があって、銀行がお金を貸してくれる。
つまりレバレッジを効かせられる。
これが不動産投資の1番の醍醐味なわけなので、現金では買わないですよね。
そこに保険などもついてくるわけですもんね。
団体信用生命保険、略して団信(だんしん)とも言いますけど…
ローンを組んでいる時間中に、ローンの名義人が死亡してしまったり何か重大な事故に遭ってしまった場合に残りの残債がなくなる保険です。
この団信は一棟不動産(アパート)の場合、付いていないケースが多いのです。
区分不動産とはまた違うのですね。
一部、付けられる銀行もありますけど、付いていないケースが多いですね。
ワンルームマンションの場合は必ずセットという場合がほとんどですが、一棟の場合はより投資・運用に近いので保険的な商品ではないんです。
本当にプロの投資家が運用していくみたいなね。
なので、保険も付けることはできるけれども大体は付けずに実質利回りを上げていく選択をする方が多いですね。
メリット(2)利回りが高い
都内の区分マンションだと、どれぐらいでしたっけ?
今は新築だと4%切っていて、3.8%とかそれくらいなんですよ。
アパートの一棟不動産はどれくらいになるのですか?
これもピンキリになりますが、この前に川口で仲介した物件は7.3%ぐらいだったかな。
まあぼちぼち利回り高いですよね。
他にも地方で築古となると、うちが仲介した物件で13%ぐらいの利回りの物件がありました。
千葉のアクアラインを渡って房総半島の方なんですけども、その辺りで13%ぐらい。
都心部の区分マンションを買うよりはよほど利回りが高いですよね。
それが即ち、先ほど言ったキャッシュフローにも繋がってきて実質利回りが区分よりも高いのでその分収益が残るという話になります。
空室リスクは不動産投資にとってつきものですよね?
1番のリスクと言われるものですよね。
そうですよね。
メリット(3)空室リスクが分散できる
5,000万円で都内のマンション(2L)を買って貸し出すとするじゃないですか?
入居者の方が出た場合、家賃収入が止まりますよね。
では、2Lのマンションと同じ金額の5,000万円で5部屋に分かれているアパートを買いました。
その5部屋のうち1部屋、入居者が出た(退去)とします。
収入はどれぐらい減りますか?
5分の1がなくなる。
1回入居者が出たとしても5分の4、つまり80%は入居しているよねという話なのです。
何が言いたいのかというと、同じ金額を投資しているのにリスクヘッジができていない。
分散が出来ていないものと、分散が出来ているもの、という風な2つに分かれるわけです。
より分散をしていきたいのであれば一棟収益のアパートの方がいいと思います。
メリット(4)節税効果
ワンルームマンションは大体鉄筋コンクリートで、耐用年数47年。
そのため節税効果は薄い物件が多いのです。
片や、一棟収益のアパートは木造でかつ築古だったりするのです。
木造はそもそも法定耐用年数が22年なので、鉄筋コンクリートの47年よりも木造の22年の方が短い期間で償却できる。
つまり毎年の減価償却費用として計上できる金額が増える。
イコール節税効果が大きいという話です。
先ほど言ったようにそれが築古だったりするともう22年よりも短いのですよね?
そうです。
区分マンションでも言われるメリットとして節税がありますが、一棟収益の木造の方がもっと節税効果ありますよ!という話になってきます。
アパート経営(一棟不動産投資)の3つのデメリット
逆にデメリットもあると思いますが…
どういったものがありますか?
デメリット(1)初期費用が高い
まず1つ大きな点としては「そもそも取り組める対象の方が少ない」のです。
区分マンションの場合、東京の都心部でも築10年くらい経っていたら金額が2,500万円ぐらいまで落ちてたりするわけですよ。
この2,500万円の物件を買うのと…
アパートの場合は5,000万円、8,000万円など、そもそも金額が違うわけです。
だって部屋数が1つなのか6つなのかとかで全然違うわけですから。
なので、取り組む金額が大きいということは結局ローンを借りるわけです。
金融機関の支援をいただく時にローンを組む名義人の属性を見ます。
属性というのは年収や資産背景だったり、こういったものを見た上で「あなたにはローンを出しますよ、出しませんよ」と金融機関がジャッジをする。
「属性が高い方以外は出しませんよ!」ということを金融機関が明確に決めているのです。
なので、取り組める方がそもそも少ないよねという話もデメリットかなと思います。
取り組める方が少ないというのは、資産背景がそれなりに必要になってくるよという話なのです。
フルローンと言っても、8,000万円の物件で丸々8,000万円のローンを出してもらうことは、ほとんどできません。
初期費用が結構かかるのですね?
そうなんですよ。
なんとなく物件価格の10%くらいは現金がないと、そもそもやれないのです。
8,000万円の物件を購入するなら、1,000万円ぐらいないと…
それくらいないと、そもそも土台に乗れないのです。
例えば金融機関が90%しかローンを出してくれないのであれば、7,200万円のローンを出してもらって、残りの800万円が支払いですよね?
それだけではなくて、その物件を見つけてきてくれた不動産の仲介会社に8,000万円の3%(約240万円)の仲介手数料もかかります。
それ以外にも取得した時の不動産取得税が翌年度までにはかかってくると思います。
諸々考えていくと大体物件価格の10%〜15%ぐらいの現金は用意しておかないと…
そうでないと取り組もうという検討すらもする意味がないですね。
参入障壁としては、結構高いのですね。
そうなのですよ。
なので本当の意味での不労所得は少ないですと言いましたが、簡単に不労所得はやっぱり作れないのです。
今まで一生懸命働いてきたとか、お金をためてきたという、その資産背景や年収。
これをべースに金融機関はローンを出してくれるよという話なので。
一つ目はデメリットというよりは「そもそも取り組むハードルが高いですよ」という話になります。
デメリット(2)売却が大変
先ほど、参入障壁が高いという話をしましたが、参入障壁が高いということは、取り組む人の数が少ないということですよね。
つまり、一棟収益を持っているあなたが売却をしようとしたときに、手を挙げる方の数っていうのは?
少ないですね。
そうなのです。
区分マンションに比べるとよっぽどターゲットの数が少ないんですね。
ということで流通の数自体がやっぱり減ってしまう。
ここが1つの問題点とは言えますが、良い物件であればいくらでも手を挙げる人がいます。
まあそうですね。
欲しい人はいっぱいいるということですよね。
金融機関からの評価を受けている方(買える方)はいくらでも物件を買いたいので。
そういう意味ではターゲットの数は少ないんだけども、良い条件であれば十分買ってもらえるっていうのはありますが…
金額も大きくなりますし、売却をする時に不動産の仲介会社にお願いすると思いますが、協議しなければいけない内容も区分マンションに比べるとよっぽど多いんですね。
なのでそういう意味では「売ろう!」と思って1ヶ月後に現金ができるかと言うと、もう少し時間をみてもらった方がいいかなと思います。
ただ「では、どれぐらいの期間で売れるんですか?」という、こういう質問は愚問です。
なぜなら自分が持っている物件を、次の方に利回り7%の物件として売りますと。
表面利回りで分かりやすくしていきましょう。
「表面利回り7%で売ります」ということであれば、今だと多分売れます。
今は表面利回りで6%とか、都心部だと4%という条件になってきてますので…
「7%で」ということであれば、売れるんですよ。
ただ利回りを6%ぐらいで売りたいとなると…
つまりなるべく自分が高値で売って、売却益を多く欲しいということ。
これで粘ろうとすると数ヶ月かかるかもしれません。
結局は相場商品なので、いくらの値付けにするかによって売れるまでの期間が決まってきます。
そこも含めて仲介会社とのすり合わせをしていかなければいけないのです。
そのため、誰でも簡単に取り組めるよねっていう話ではないかなと思います。
デメリット(3)維持していくのに手間がかかる
部屋数が多いからでしょうか?
そうですね、単純に部屋数が多い。
では自分が持ってるアパートが6部屋だったとしましょう。
その6部屋は同じタイミングで入居者が住んでくれてないですよね?
新築だったら「いっせいのせい!」で、6人が同じ時期に入居(スタート)しますよね。
ただ、2年で出る人もいれば4年住んでいる人も出てきて、バラバラになってきますよね。
その時の情勢によって、例えば繁忙期って言われている1月、2月、3月だったら強気な家賃設定しても入居者は入るのですよ。
なので、1部屋目〜6部屋目まで家賃もバラバラなんです。
間取りも違うかったりする。
となると単純に管理項目が大きくなります。
そのばらばらなものに対して原状回復費用が入所者の入れ替えの時にかかります。
10年、15年経ったらエアコンの故障が発生します。
(機械なので、故障の時期もバラバラです…)
というようにもう単純に管理項目が多い。
これを5棟30部屋持ってたとすると、大変になってきますよね?
それぐらい持ってる方はどういう風な運用をしてるんですか?
管理系のソフトを契約している方もいます。
正直それぐらいの規模までだったら、Excelで月に1回ぐらいは必ず家賃の動向を見て…
全てをオーナーがやるのではなくて、賃貸管理をやってくれる会社に管理をお願いするんです。
入居者とのやりとりは全て管理会社がやります。
この管理会社の選定をしっかりして、パートナーに任せっきりではなく自分もしっかりと色々と管理をしていく。
管理会社に任せっきりにしていたら今入居者がついてる家賃が適正かどうかも分からないですよね?
不労所得じゃないんですよ。
さっき不労所得って分かりやすい言葉を使いましたが、皆さんやっぱり自分でやっているのです。
ビジネス、もう仕事ですよね。
ビジネスオーナーですね。
不動産賃貸を行っている事業を自分で運営してるみたいな感覚です。
それを従業員にお願いする感覚で、賃貸管理会社に指示だったり打ち合わせをしながら一緒に高めていくという作業が発生します。
色々と手間がかかるのが、大きなデメリットなのかなと思います。
一棟不動産投資がオススメな人はどんな人?
どんな方が一棟の不動産投資に取り組むのが良いと思いますか?
ベストなのかという話で言うと、今日ここまでこの記事を見られてる方ですね…!
この時点で「そんなの興味ないです」や「難しくて何を言ってるのか分かりません」と言ってる方はアパートを持っても失敗するので、やらない方がいいです。
逆に言うと、ここまで記事を見ていただいている方は出来そうだと思うので、アパート経営やった方がいいです。
ただ、ハードルが高い。
では、物理的にどういう方がやれますか?というと、金融機関の話ですね。
これは間口を広げている金融機関の条件としては年収が700万円以上、3年連続で700万円を超えていること。
プラス保有資産として、先ほど言った物件価格の15%は保有しているなど…
こういった条件を用意している銀行が実際あります。
もっと年収が高くて、1,200万円以上でないといけないという銀行もあったりします。
違いは何か?というと、金利など色々な融資条件が変わってきたりする。
1つ大きなバーを言うと、700万円年収があるというのであれば土台に乗ってきます。
もし「取り組みたいな」とか「勉強していきたいな、いずれやることになるだろうな」こういう風に思われてる方はこの動画をもう1回見直していただいた上で…
LINEから連絡をいただければ「今こういう条件の物件がありますよ」など、具体的な非公開物件の紹介とかもできます。
良かったら、気軽にお問い合わせいただければと思います。
最近多いパターンは区分マンションを2件、3件、4件買って一回手放して利益を確定する。
そしてローンがすっきりした後に一棟物にチャレンジするという方がものすごく増えています。
結局行き着く先はアパート経営なんですよ。
そのアパートを5棟、10棟買っていくと、仕事をリタイアしても不動産管理業だけで回していけるようになっている方が多いです。
今回は「一棟収益物件の投資に関する触りの話」をさせていただきました。
ありがとうございました。