ワンルームマンション投資はなぜ「やめとけ」と言われるのか?背景を解説


よくネットで「不動産のワンルームマンション投資はやめといた方がいい」という記事や動画を結構見ますが、社長はどう思いますか?「ワンルームマンション投資をやるやつはバカだ!」「カモにされているだけ!」みたいな発信がありますが… 実際どうなんでしょうか?

不動産業界にいた経験からお伝えしますが、ワンルームマンション投資は一概に悪いものではありません。
実際に「やってよかった」と満足している人もいれば、残念ながら“カモ”になってしまう人がいるのも事実。
大切なのは、その違いがどこから生まれるのかを知ることです。
本記事では、ワンルーム投資が「やめとけ」と言われる背景や、失敗しやすいポイント・誤解されやすい論点を、業界経験者の視点でわかりやすく解説します。
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空室リスクは高い?本当に怖いのは立地と管理体制


空室リスクは怖いですよね…このリスクは物件の立地やエリア選定次第で大きく変わります。
「ワンルームマンション投資は空室リスクが高くて危ない」とよく言われます。確かに、入居者がつかなければ家賃収入はゼロ。住宅ローンだけが残り、投資としては致命的です。
実は、東京都心部の空室率はほとんどありません。
例えばココザスの管理物件で言うと、賃貸管理と言って多くの物件をオーナーさんから預かっていますが、入居率は98%ぐらいです。
昨日もとある不動産会社の方と打ち合わせをしていたのですが、その会社は東京で2万部屋ぐらい管理してるけれど、入居率は99.7%。
入れ替えのタイミングでほんの数部屋だけ空室という状態です。

実態より恐れられている感じはしますね。

あとは地方。地方都市も、都市部から外れるとよくないですね。
同じ福岡でも「天神」は単身者向けの入居が早いのに対し、「北九州」では空室が長期化しやすいという例もあります。
そういうように同じエリアの中でも市によって違うことはあります。
つまり、空室リスクの本質は“ワンルームだから”ではなく、“立地と需要”に依存しているのです。
- 駅近・都心エリアを選ぶ(できれば徒歩10分圏内)
- 単身者需要の多いエリア(大学・オフィス街周辺など)
- 管理会社の入居率実績を事前に確認する

利回りが低すぎる?節税・保険効果まで含めた“本質的な価値”とは


結論、利回り重視ならやめておいた方がいいです。
ワンルームマンション投資を否定する意見でよく挙がるのが、「利回りが低すぎるから割に合わない」というものです。
売主物件で購入すると新築ワンルームで表面利回り3.5%など、びっくりするぐらい低い利回りがあるのです…
利回りから金利を差し引いた値をキャップレートと言いますが、3.5%の物件を2%の金利で組んでしまうと1.5%しか残らない。
ここに修繕積立金、管理費などを控除すると1%を切る。
だったら「債券を買っておけばいいじゃない?」と思う方もいるでしょう。
しかし、この投資は毎月のキャッシュフローを目的にするものではありません。本質は別のところにあります。
高年収者にとっては「節税+保険」という視点

ワンルームマンション投資は、特に年収が高い方にとっては税金対策としての意味合いが強いのが特徴です。
保有して5年ぐらいで減価償却を多めにとって、課税所得を大幅に下げる。
ここで得られる利益の方が圧倒的に大きいんですね。
持っている物件は私が死亡してしまった時にまずは配偶者(結婚してない場合は両親)に、残債がなくなって法定相続人にそのまま相続されるんですよ。
つまり遺族年金として、物件がそのままプレゼントされるんですよ。
・ 減価償却によって所得税・住民税を抑える
・ 毎月多少のマイナスがあっても、税控除の恩恵で実質プラスになることも
・ 団体信用生命保険(団信)付きローンによって、死亡時にはローンが完済され、物件が遺族に無借金で相続されるという保険的
このように、利回りという単一指標だけで判断すると見誤る可能性があります。

「キャッシュフローが毎月マイナス2万円なのに、やるのは本当におかしい!」と言ってる人もいますが…
「いや、税金も加味して考えるべきでしょう?」というのが私の考えです。
利回り重視なら他の投資を選ぶべき
逆に言えば、毎月の収益を目的とするのであれば、中古アパート投資やREITの方が利回りは高く出やすいです。
・ 毎月の利益を得たい → 他の投資が向いている
・ 税金を抑えたい・保険代わりにしたい → ワンルーム投資が有効
このように目的によって「利回りの低さ」がデメリットになるかどうかは変わります。
【判断基準】
・やめた方がいい人
→ 利回りだけを見て判断している人
・やってもいい人
→ 節税・相続・保障などもふまえて、総合的に判断できる人
利回りが低いという声は確かに事実ですが、それが即「やめとけ」に直結するとは限らない。自分の目的と照らし合わせて判断することが重要です。

そういうシミュレーションを作れる業者さんも少ないし、そんな効果が得られるって事知ってる消費者の方も少ないかもしれないですね…

世の中のワンルームマンションへの風当たりの強さは、そういう人が発信しているのかな?と思います。
家賃が下がるのは本当?「下落リスク」を誤解しないために


「家賃が年々下がるから、結局儲からない」といった意見も、ワンルームマンション投資をやめるべき理由としてよく挙がります。

たしかに、物件が古くなるにつれて家賃相場が下がる可能性はあります。これは投資である以上、ある種当然のリスクです。
ドルを買おうと思ったら、例えば円高になったら円ベースで資産が減るリスクがあるとか。
「そりゃそうですよ!」みたいな話であって、何事にもリスクがあると思います。
家賃の下落リスクは確かにあるんです。
でも、実際はどうでしょうか…?

家賃って下がるんですか?

古くなってくると安くなるんじゃないかなと…?

細川さん、本当に住んでいる家の家賃が下がったことありますか?
数十年単位でいったら1万円ぐらい家賃が下がったりはありますけれども…
家賃が上がることはあっても、下がったなんて話は聞いたことがないですよね。
ある程度適正な家賃の物件を買えば下がる幅は限定的です。
何がリスクと言われているかというと、最初に家賃が高すぎる設定の物件を買うと後々に下がってしまうということです。
押さえなきゃいけないポイントは、新築で家賃が非常に高く設定されている物件を購入した場合は確かに5年後に1万円下がるというリスクはあります。
新築時に高すぎる家賃設定には注意
リスクが顕在化しやすいのは、プレミアム価格(=新築プレミアム)で賃料が設定されている物件を購入した場合です。
例えば、同じエリアの築10年物件の家賃相場が12万円なのに、新築で14万円に設定されている場合、数年後には家賃が相場に合わせて下落するのは当然といえます。
【対策としては】
- 新築でも、周辺中古と大きく乖離しない家賃水準の物件を選ぶ
- そもそも中古で、家賃が下がった後の安定水準の物件を買う
このように、「家賃は必ず下がるもの」と捉えてシミュレーションすれば、致命的なリスクにはなりません。
家賃下落リスクは“読みやすいリスク”

不動産投資におけるリスクの中でも、家賃下落は事前にデータや相場から予測可能な“コントロールできるリスク”です。
東京・港区などの都心部では築10年以上経っても高い賃料水準を維持しているエリアもあり、場所選びと家賃設定の妥当性が鍵となります。
【判断基準】
・やめた方がいい人
→ 「将来も今の家賃が続く」と楽観している人
・やってもいい人
→ 家賃が下がる前提で投資計画を立てている人
家賃下落は避けられないかもしれませんが、“予測できるリスク”として戦略に織り込めば、大きな問題ではありません。

例えばうちのオフィス(東京都港区芝)の周辺でいうと、10年ぐらい経った築浅デザイナーズマンションの家賃相場は多分12万ぐらいなんです。 この辺で作った物件が最初家賃14万円で賃貸出してたとすると「10年後には2万円下がるんじゃないかな?」ということは予想できますよね。 もちろん新築だからちょっと高いのですが… プレミアムがのってるけれど、中古の10年ぐらい経ってる物件とそこまで乖離していない新築を買えばいいと思うし、あとは最初から家賃が落ちてる中古を買えばいいんじゃないの?と。

そう考えると、十分向き合っていけるリスクですね。

売却益は出ない?むしろ利益が出た実例と、失敗するパターンの違い


「ワンルームマンションは売却しても儲からない」という声もあります。

たしかに、高値で購入した物件を安値で手放すケースでは、損失が出ることもあります。ただ、それは「どこで・いくらで・どのような条件で買ったか」が原因であって、ワンルームマンション自体が必ず損する投資というわけではありません。
実際に売却益を出している人も多い
この10年くらいで区分マンションを買った人は全員数百万円単位で最後には利益を出しています。
賃料が上がる=物件価格が上がっている。
東京はすごく上がってるので、そういう意味では非常に上がってきた現状があると思います。
ここ10年の都心部の価格上昇局面では、以下のようなケースもありました。
例)ローン残債1,500万円/売却価格2,000万円 → 500万円の売却益
保有中の収支で100万円ほど持ち出していても、差し引き400万円のプラス
というように、着実に利益を出しているケースも少なくありません。
都心のワンルーム価格は、賃料に連動する「利回り(キャップレート)」で評価されるため、家賃が下がりづらい=価格も安定しやすいという構造があります。
大事なのは「相場より高く買わない」こと
売却益が出ない失敗パターンの多くは、以下のようなケースです
- 相場より数百万円高く新築物件を購入
- 家賃設定が高すぎる(=収益性が低く見える)
- 早期売却によるローン残債が大きいままの売却
これらを避けるためには、
- 価格の妥当性を確認する
- 近隣の家賃・売買価格を事前にリサーチする
- 長期保有を前提とした資金計画を立てる
という対応が効果的です。
【判断基準】
・やめた方がいい人
→ 相場を調べず、営業任せで購入する人
・やってもいい人
→ 価格妥当性を自分でチェックできる人
売却益を期待するなら、購入時の価格・立地・家賃の適正性がすべてを左右します。
その判断ができるかどうかが、「やめるべきか」の分かれ道です。
ワンルームマンションの価格は今後どうなる?
今後はどうなるのか?みたいなところで言うと、誰も分からないんですけれども…
ワンルームマンションは大きく下がることはないと思います。
元を辿ると入居者の賃料がいくらなのか?ここによって物件価格ってほぼ決まります。

先ほども言いましたが、細川さんは今住んでるマンションの家賃が10%下がるイメージって沸きますか? あり得なくない?

そうですね。
結構長く住んでますけど言われたことがないですね…

下げてくれないけれど、住みますよね。 それどころか、都心部だったりすると当たり前に上げてくる。
私は結構法律に詳しいので戦うんですよ。
(「この人は相手しちゃいけないリスト」に私は入ってるけども…)
多分周りはどんどん要求を呑んで家賃が上がっていっている。
という状況の中で不動産価格が下がるっていうのはあんまりイメージがつかないですよね。
とはいえ、ものすごくコロナで高騰したので少し落ち着くかな?という気はしてます。
中長期で見たら東京の物件は下がらないですよ。
他ローンに影響するって本当?住宅購入を視野に入れた戦略が重要


「将来マイホームを買いたい人は、ワンルームマンション投資をすると住宅ローンが組めなくなる」 このような懸念も、「やめておけ」と言われる理由の一つです。

結論から言えば、住宅ローンに影響する可能性はありますが、“絶対に組めなくなる”わけではありません。
多くの営業マンの方はあまり先々のお客様の人生のことを考えないで提案する方っていうのもいるので…
ちゃんと知識を付けていただきたいです。
住宅を買いたのであれば、投資用のマンション投資はやめた方が得策です。
かといって、住宅ローンが組めないわけではないのですが。
投資用物件が2件あって、その後に住宅ローンを組もうとすると使える金融機関の幅が狭まります。
結果、金利が高くなってしまいます。
住宅ローン審査にどう影響するのか?
金融機関は、ローン審査時に「年収に対する総負債の割合(返済負担率)」を重視します。
投資用ローンをすでに組んでいると:
- 年収の一部がすでに他の借入返済に使われていると見なされる
- 金融機関によっては、借入が多い人に対して融資枠を縮小する
- 使える銀行の選択肢が限られる・金利が高くなる などの影響
そのため、住宅購入を視野に入れている人は、投資用ローンのタイミングと金額に注意が必要です。
たとえば:
- 「まず住宅を買ってから、投資を検討する」
- 「投資は1件だけにして、住宅購入後に2件目以降を考える」
このように事前に設計すれば、住宅ローンへの影響を最小限に抑えられます。

「ワンルームマンションが悪い!」ではなくて、何の目的でやるかだと思うんです。
【判断基準】
・やめた方がいい人
→ 住宅購入時期が近いのに何も計画していない人
・やってもいい人
→ 投資と住宅の優先順位を整理し、金融機関と相談できる人
「ローンに影響が出るからやめとけ」と一括りにするのではなく、目的と順序を明確にすれば、住宅も投資も両立可能です。

「はなから家族に残すための保険。
そして自分の年収が非常に高くて、税金支払いが気になるなって言ってる方の節税。
これが目的の方からするとワンルームマンション投資って最高!ってなってます。
ワンルーム投資に「向いている人」「やめた方がいい人」の違い
ワンルームマンション投資は「やめておけ」と言われることもありますが、実はすべての人に当てはまるわけではありません。
重要なのは、「自分がこの投資に向いているかどうか」を見極めることです。ここでは、やめるべき人と、投資しても良い人の特徴を整理します。
▼やめておくべき人の特徴
以下のような方は、ワンルームマンション投資に向いていない可能性が高いです。
- 短期的に儲けたいと考えている人
→ この投資はキャピタルゲインを狙う短期型ではなく、基本は長期保有型です。 - 投資知識がなく、「不労所得=楽して儲かる」と誤解している人
→ 管理や収支の理解、税務の基礎など、ある程度の知識が必要です。 - 将来マイホームを買いたいが、資金計画が曖昧な人
→ 投資用ローンが住宅ローン審査に影響するため、事前設計が不可欠です。
▼投資しても良い人の条件
逆に、以下のような条件に当てはまる人は、リスクを理解した上で前向きに検討できるタイプです。
- 年収が高く、節税効果を活用したい人
→ 減価償却を活かして所得税・住民税を下げるメリットがあります。 - 長期視点で堅実に資産形成したい人
→ インカム(賃料収入)+将来的な相続・保障を視野に入れた投資として適しています。 - 団体信用生命保険(団信)による保険代替効果を重視する人
→ 死亡時に借金がなくなり、物件が家族に残る点も魅力です。 - 信頼できる業者と相談しながら、適切なシミュレーションができる人
→ 数字やリスクを正しく理解し、現実的なプランを立てられる人には適しています。
自分がどちらのタイプに近いかを見極めることが、「やる・やらない」の最初の判断基準になります。
利回り重視派はアパート投資も検討すべき?それぞれの特徴を比較


ワンルームマンション投資は、節税や保険効果を重視する人に適していますが、「とにかく毎月のキャッシュフローを最大化したい」という人には向いていません。 そのような利回り重視派におすすめなのが、一棟アパート投資です。
ただ、ワンルームマンション投資は年収500万円ぐらいから始められますが、アパートは1,000万円ぐらい必要です。
(1)複数戸から賃料が入るため、キャッシュフローが大きくなる
(2)管理の自由度が高く、戦略的な運用が可能
(3)ただし、初期費用・融資ハードルが高い
例:物件価格5,000万円なら、自己資金500万〜750万円が必要(10〜15%程度)
(1)年収500万円前後から始められる
(2)自己資金が少なくてもスタート可能
(3)小さく始めて不動産投資の仕組みに慣れるという利点
ワンルームマンション投資は自己資金がほとんどいらないけども、アパートは物件価格の10%から15%ぐらい初期費用がかかったりします。
つまり1,000万円単位だったりするんですよ。
「本当にできるの?」って考えた時に、まずはワンルームマンションで不動産に慣れて、5年経って売却して少し利益を出して、そこからアパートに乗り換えようみたいな方が非常に多いです。
このように「何のために資産形成をやるのか?」と目的を考える。
これ次第で打つべき手は変わってきますね。
どちらを選ぶべきかは「目的」と「資金力」で決まる
- 【ワンルーム向き】
→ 節税したい、保険代わり、投資初心者で少額から始めたい - 【アパート向き】
→ 利回り重視、収益重視、ある程度の資金と経験がある

物件選びに迷ったら、プロに相談して“納得できる選択”をしよう
ここまで読んでみて、「なんかワンルームマンション投資も悪くないかもな」「でも、物件選びとかよく分からないな…」って思った方、正直けっこう多いと思うんです。
特に営業トークで紹介されてる物件が、
「本当に良いやつなのか?」「自分に合ってるのか?」
そういう判断って、なかなか一人じゃできないんですよね。
大きな買い物の前に、もう一人信頼できる人に話を聞くって、冷静な判断をする上で超重要なんですよ。
- この物件は買ってもいいか?
- 自分にワンルーム投資って合ってるのか?
- 他の選択肢のほうが良いんじゃないか?
なので、
「ちょっと不安かも…」
「誰かに聞いてみたいけど、ガツガツ営業じゃない人がいいな」
って思ったら、ぜひ気軽にココザスを使ってみてください。
資産運用は「目的次第」。情報を鵜呑みにせず、自分に合った選択を
投資にはさまざまな考え方があります。
「ワンルームマンション投資はやめておけ」という声もあれば、「やって良かった」という人もいます。
大事なのは、誰かの意見ではなく、自分自身の目的に合っているかどうか。
ネットの情報をそのまま信じるのではなく、今の自分にとって最適な手段を見極めることが、資産運用を成功させる第一歩です。
迷ったときは、誰かに相談して“自分で納得できる選択”をしていきましょう。