一棟アパート不動産投資とは
不動産投資のなかでも、一棟アパート不動産投資は資金に余裕があり高い収益を上げようとする方に人気です。
事業規模が大きいのでリスクを低減できる上に、経営の自由度も大きいので長期的に高い利回りを期待できるのが利点です。
最近では、老後の生活資金や相続対策で投資する方も多くなっています。
これに対して、アパートの区分所有投資では、少ない金額から手軽に始められるものの、投資対象が小規模で、空室となった場合のリスクを直接に受けてしまうので収益性は低くなるのが特徴です。
一棟アパート不動産投資のよくある失敗例
一棟アパート不動産投資は経営の自由度があり、高い収益性が期待できますが、投資の経験がない方や経験の浅い方にはハードルが高いのも事実です。
ここでは一棟アパート不動産投資のよくある失敗例を5つ紹介します。
(2)勧められた物件をそのまま購入
(3)入居者の入れ替わりが激しい物件を購入
(4)サブリース契約による失敗
(5)修繕が必要な中古物件を購入
(1)利回りが低い物件を購入
失敗例の一つ目は、利回りの読み違いによって、計算よりも利回りが低い物件を購入してしまうケースです。
不動産投資は利回り計算が重要と言われます。
利回りには次の2種類があるので簡単に押さえておきましょう。
不動産業者などから提案を受ける際に、利回りを高く見せるために、常に満室状態(つまり空室率0%)で計算されていないか確認しましょう。
事前の計算では、空室率に余裕を見ておくことが大切となります。
(2)勧められた物件をそのまま購入
失敗例二つ目は、不動産業者に勧められた物件を、よく考えずにそのまま購入することです。
不動産投資の専門家でもない限り、瞬時に物件の良し悪しを判断することは困難でしょう。
そんな時に頼りになるのは不動産業者ですが、意図的であるかどうかに関わらず、業者が売りたい物件の営業に熱が入ってしまうことはあり得ることです。
物件の契約時には、宅地建物取引士から物件に関する重要事項の説明が必ずありますが、結果として契約後に後悔することはあるようです。
後悔しないためには、次の点を確認しましょう。
・自ら現地へ行って立地条件を確かめる
・実際に信頼できるデータに基づき利回り計算を行う
また、不動産投資では購入時だけではなく、管理会社の選定ミスによる失敗にも気をつけましょう。
一棟アパートを経営していくには、物件購入を仲介する不動産業者とは別に、物件の管理会社を選ぶことが必要です。
購入者が自由に選べる場合もありますが、物件と紐づいていて他に選択の余地がない場合もあります。
不動産業者の勧める管理会社が全て悪いわけではありませんが、購入後に収益を上げるためには管理会社の存在が不可欠です。
購入する物件を決める際には、ぜひ条件の良い管理会社を選べないか注意しておきましょう。
(3)入居者の入れ替わりが激しい物件を購入
物件を選定する際には、入居者の回転率にも注意しましょう。
入れ替わりが激しいと、空室率が高まり家賃収入に影響します。
例えすぐに代わりの入居者が見つかるとしても、事務的なタイムラグにより空室が生じる可能性は否定できません。
長期的に入居者が安定している物件と比較すれば、入れ替わりの激しい物件との差は歴然としています。
また、入れ替わりの原因を究明することも必要です。
入居者トラブルによるものか、立地に関するものか、設備に関するものかなど理由はいろいろ考えられるでしょう。
どうしても取得したい物件であれば、事前に対策を考えておくことが大切です。
(4)サブリース契約による失敗
アパートの管理には、管理会社の存在が不可欠となります。
管理会社は個人で直接行うことが難しい業務をこなしてくれるので便利です。
管理内容は、入居者の苦情対応や建物の維持管理・家賃の徴収・入居者の募集など多岐に渡ります。
契約によっては、サブリース契約(さぶりーすけいやく)で一定の条件で家賃の保証まで行う場合があります。
ただし、保証する期間や金額については注意が必要です。
収入が全くなくなるリスクは減りますが、家賃の保証割合が月額の8割で数十年解除できない契約の場合、長いスパンで考えると大きな収入源となります。
事前に作成したキャッシュフロー表の前提条件を、常に満室で満額の家賃収入としていると、大きな差異が発生することになるので注意しましょう。
(5)修繕が必要な中古物件を購入
一棟アパートは新築時から10年程度経過すると、大規模修繕が必要になります。
中古物件を購入する際には、経過年数に注意して大規模な修繕が必要な状態かどうかを確認しましょう。
時期的にリフォームが必要な物件であれば、必要な費用に対して投資効果があるかどうか検討が必要です。
また、事前には想定していなかった工事が発生することもあります。
突発的な工事費が発生することにより資金繰りが悪化しないか、余裕を持ったシミュレーションも忘れないようにしましょう。
一棟アパート不動産投資の注意点
次に、一棟アパート不動産投資をする際の注意点を解説します。
(1)緻密なキャッシュフロー表を作成する
一棟アパート不動産投資には、緻密なキャッシュフロー表が必要です。
投資した資金を回収するには長期間かかるので、長期的な視点が欠かせません。
特に次の点について注意しておきましょう。
・経年による資産価値の低下割合
・大規模修繕費用の積み立て
・日常的な修繕費
(2)自己資金を含めた資金繰りに留意する
一棟アパート不動産投資の収入で最も大事なのは、家賃収入です。
空室により収入が想定以上に減ってしまうと、自己資金に頼らざるを得ない事態も考えられます。
初期は入居者がなかなか集まらない場合や、何年かして減価償却の効果が薄れ大規模修繕の必要性が高まると、手持ちの現金が一気に少なくなることはあり得るでしょう。
また、アパートローンの返済や税金などの管理経費の支払いが滞らないように、ある程度余裕を持つことも必要です。
一棟アパートは購入時だけではなく、購入後にも自己資金を含めた資金繰りに留意する必要があります。
(3)不安要素を洗い出す
投資を始める際には、考えられる不安要素を洗い出しておくことが必要です。
できるだけ想定外のことが起こらないように、事前に調査しておきましょう。
一例を挙げると次のようなものがありますが、地域や事情によってほかにも考慮しておくべきものがないか検討しておくと安心です。
必要な情報は、役所や専門家から話を聞くことも大切でしょう。
・地域の人口構成と将来予測
・競合物件の有無
・ローン金利の見通し
・周辺エリアの特徴と将来の変化
一棟アパート不動産投資に向いている人
最後に一棟アパートの不動産投資に向いている人を紹介します。
(2)金融機関の融資に通りやすい人
(3)事業規模を活かして管理会社に任せられる人
(1)土地を持っている人
自分の土地を持っている場合は土地を購入する必要がないので、一棟アパートの不動産投資に向いています。
使い道の決まっていない土地を持っていると、高い固定資産税を払い続けなければなりません。
更地に建物が立つと、固定資産税評価額が下がるので節税になります。
また、将来的に相続する場合にも有利です。
アパート本体やアパートが建っている土地の評価は、相続税法上優遇されます。
更地のまま相続したり、売却して現金を相続したりするよりも評価額が下がるので、将来的に節税になるのが魅力です。
それに加え、安定した家賃収入が見込めるため、アパートローンの返済が終われば老後資金の足しにもなります。
(2)金融機関の審査に通りやすい人
一棟アパート不動産投資は金額が大きいので、準備する資金の割合は金融機関からの融資が大きくなるでしょう。
収入が少ない若年層よりも、ある程度の年収や他に資産もある方が金融機関の融資を受けやすくなるのが事実です。
一棟アパート不動産投資は事業規模も大きいので金融機関の審査も厳しくなりがちですが、個人が保有する資産が大きければ融資へのハードルは下がります。
(3)事業規模を活かして管理会社に任せられる人
一棟アパート不動産投資は、事業規模を活かして少ない手間で経営を効率化できるかどうかが重要です。
個人で全ての経営を行うよりも、優秀な管理会社に任せて管理を行ってもらう必要があります。
区分所有や戸建てよりも高い収益性を活かして、かかる費用を規模のメリットで合理化し、高い利回りを実現できるように、管理会社の選定は特に注意して行いましょう。
管理会社へ支払う手数料の大小よりも、管理する内容についてしっかり確認した方が良い結果につながります。
まとめ
一棟アパート不動産投資は区分所有投資に比べて収益性が高いため、人気の投資法です。
今回はよくある失敗例を紹介しました。
事前に失敗例を把握し、失敗しないような対策を練っておけば、成功の可能性は高まります。
(2)勧められた物件をそのまま購入
(3)入居者の入れ替わりが激しい物件を購入
(4)サブリース契約による失敗
(5)修繕が必要な中古物件を購入
一棟アパート不動産投資は、非常に大きな額の投資になります。
不動産投資には分からないことも多く、自身で知識を身に付けることも大切ですが、疑問点を残さないよう信頼できる専門家に聞くことも大切です。
不動産業者ではない信頼できる第三者に相談して、 中立的な立場からアドバイスを受け広い視野を持って検討をしていきましょう。
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不動産投資を成功させるには、正しい利回りに関する知識を身につけ、適切な物件選びが大切になります。
利回りの高さだけで物件選びをしないなど、注意点もしっかりと理解した上で投資物件を検討していきましょう。
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