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「また粉飾決算…」創建エース上場廃止の裏側とは?

社長、以前記事でオルツの粉飾決算の話を取り上げました。 今回も別の上場会社が粉飾決算を行い、上場廃止になったというニュースを見たのですが、最近多いですね。
オルツAIが粉飾決算を行い、ついに上場廃止となりました。 本記事では、調査報告書の内容やIPO審査の問題点をもとに、「なぜ見抜けなかったのか」「投資家はどう対応すべきか」を解説しています。
2024年末に上場し、AIスタートアップとして注目を集めたオルツ。 本動画ではオルツ事件を通じて、決算書の読み解き方や投資リスクの見抜き方を徹底解説します。
昔から一定数ありますよね。
上場会社の株式を買うことは1つの投資手段ですが、こうした事案はたまったものではありませんよね。
よく分からない会社の株は買わなければいいです。例えばプライム市場の上場企業で同様のことが起きるかというと、あまり起きません。
とはいえ、ニデック(旧日本電産)も体制処理が不適切だったという話でしたね。もしかしたら上場廃止になる可能性も含めて。

今日取り上げたい話は、「創建エース株式会社」という東証スタンダードに上場していた会社です。建設リフォームとか、一般的な建設会社です。2025年6月時点で管理銘柄に指定され、2025年8月19日の同社リリースで上場廃止が決定し、上場廃止日は2025年9月19日とされたようです。

正式に上場廃止となったのですね。
詳細は同社リリースに記載があるため、必要に応じて編集で補足しておきます。行っていたのは売上の架空計上です
売上の9割が架空取引? 驚きの循環取引スキーム

以前の記事でも触れましたが、架空計上ということは実際の売上が振るわなかったということですよね。
実際には業績が振るわず、売上のほとんどに実態がなかったということです。粉飾の対象期間は2022年から2024年頃です。 売上は約100億円計上されていましたが、その約9割が架空取引だったとされています。
ほとんど売上がないですね。

そうなんです。84.7%が架空と認められ、該当する売上は約73億円です。そうなると当然ですが、最終利益が黒字から赤字に転落します。 虚偽記載であり、実態のない取引だったということです。
数年にわたり行っていたとのことですが、発覚しないものなのですね。
この件は比較的早く発覚しており、遡ると2023年6月に不正を行った経営陣が一斉に退任していますね。そして2024年10月には証券取引等監視委員会が立ち入り検査を実施しています。

スタンダード市場上場企業がなぜ? 粉飾発覚までの経緯を追う

怪しまれていたってことなんですかね。
2025年3月に調査委員会が設置されています。こんな流れですね。あんまり隠せてないですよね。決算書ベースで言えば、1期、2期後には発覚するため、発覚は早いです。
どのような手口だったのですか?

本当によくあるパターンなんですけど、グループ会社とかが何社かあったりするみたいで、創建エースの子会社を使って元請け会社から仕事を受けるんですね。
受けた仕事を下請け業者に発注しますが、受注・発注ともに実際には存在せず、書類上の売上になっていました。
契約書だけで架空の受注・発注を行うと資金が動かないため、すぐに発覚します。
そのため子会社など資金を動かしやすい会社間で売上を計上したり、知人の会社に売上計上への協力を依頼したりします。
結局、資金を循環させていくんですね。 売上と原価を計上して、利益が立って営業利益が残るっていう仕組みなんですけど、いつかは発覚する。

ただ、単にお金を出してくれるんだったら、それは本当に売上ですよね。

例えば「細川さん、お願いです。うちの会社を黒字にしたいので、発注してください」と依頼し、10億円の工事を受注したとします。でも、細川さんがお金に余裕があって「いいですよ、差し上げます」と言ったら、それは売上になりますよね。
そうですね。そうだったということですか?
いや、そうならないですよ。 本件で言うと、10億円を恵んでくれる人なんていないじゃないですか。
絶対いないです。
取引先1社に売上の90%依存…リスクの兆候を見抜けるか

業績が悪いとなると、戻さなきゃいけないわけです。「どうやってそのお金作るの?」という話になるわけです。どこかで資金の流れがいびつになり、発覚します。一度やると抜け出せなくなります。 長期間続けて、5年、10年発覚しないケースもありますが例外的ですね。

ただ基本的には発覚します。典型的な循環取引って呼ばれるようなやり方ですね。
結局このような状況では、特定の1社、2社に売上が偏ります。オルツだってそうだったじゃないですか。
そうですね。創建エースも2022年からの1年間で、売上が50億円に届かないくらいだったんですが、とある1社の売上が約40億円あったそうです。つまり、90%近くが1社に偏っていたということです。
特定の一社に売上が偏っているということが起き始めると、どこかで綻びが出て監査法人に発覚するんですよね。
そうです。今回も当然、上場企業です。スタンダード市場に上場していました。
そのため、監査法人が適切に監査していれば、すぐに発覚するはずです。
しかし、発覚が遅れた理由は分かりますか?

今回で言うと、上場企業でありながら、わずか2名のスタッフしかいない個人の会計事務所が監査をしていたようなんですよね。
入金確認や、現場を見に行くといったことをきちんと行っていれば、架空取引は見抜けるわけです。
しかし、今回の監査は上場企業の監査基準として全く機能していませんでした。
これが大きな問題点ですね。
知らない会社には投資するな?中小型株に潜むリスクと見抜き方

実は「創建エース」というのは倒産時の社名であって、元々は全く別の名前の会社だったんです。 何度も社名を変更しています。その時点でちょっと怪しいですよね。 以前は「中小企業ホールディングス」、「クレアホールディングス」、「東方グローバルアソエツ」などの社名でした。
かなり社名が変わっていますね。
社名が変わり続けているのは明らかにおかしいですよね。 そこで気付けたかもしれないというのと、やはり特定取引先への依存度が高いというのが問題ですね。

その会社がダメになったら一気に崩れる、ということですからね。 例え自治体などの安定してそうな取引先だったとしても、経営リスクが高すぎるので好ましくないということになります。

その辺をどうやって見抜くかという話ですが、そもそも創建エースの時価総額はおそらく数十億円前半の小規模な会社ですから、こういった小さな会社に投資するのはやっぱり難しいですよね。
なんでこんなことが起きてしまったんでしょうか?
黒字に見せたい、儲かっているように見せたい、投資家に成長を示して株価を上げたいという、いわゆる経営や株価のプレッシャーがあったんでしょう。上場維持コストだって年間1億円とかかかるわけで、「何のために上場してるのか?」という話ですよ。

ほとんどのケースでは、赤字プレッシャー、成長企業を演じるプレッシャー、銀行からお金を借りたい、お金が借りられないと給料も払えない、といった理由があります。
いわば自転車操業ですね。
うまくいってない証拠です。こういうことって数年に1回は起きてしまいます。

だからこそ、株式投資に携わる皆さんには「よく分からない、知らない会社には投資しない」ということを意識してほしいですね。
上場企業でも粉飾決算の可能性がある、という前提で投資することが大切です。
そのために大事なのは、決算書を読む知識だったり、ビジネスモデルや計画を見る力が大切だと思います。

このチャンネルの他の記事でもその辺について色々アップしていますので、ぜひそちらもご覧いただき、学んでいただければと思います。
今日は以上になります。 ありがとうございました。
