マイナス金利解除!REIT市場はどうなる?
マイナス金利解除ということで…
今回は「REIT市場の見通しについて」お話ししていきます。
急に戻りつつあるREIT相場ですが…
指標を見ると+ 0.03%ですね。
今日25日、1日だけ見ればほぼほぼ横ばいな感じでしたが…
先週はすごかったですよね。
全銘柄すべて上がるというような…
内田:階段を駆け上がっていくような感じで…
吉崎:REIT指数だけを見れば、3月13日が1657.57ポイントがなんと、本日の終値ベースで1827.34ですか…
すごいですよね。
一気に上がったっていう感じですかね。
まず落ち込んでいた状況は、段階的に2021年・2022年に米国金利がずっと上がっていた中で、アメリカの金利も4%台や5%台もありました。
比較的、機関投資家の方々のお金は、エリート全般論でいくと…
大体この60銘柄になりますが、65とか70ぐらい機関投資家が持っているのです。
そうすると、スポンサー企業が持っていない部分は安定的な利回りが大体4%ぐらいあります。
平均すると低かった時でも3%台半ばぐらい上がりました。
そうするとこれだけ日本国債が低かった0.何%かしかない感じでしたので…
なので、昔はそのお金がREITに流れましたよね。
その後、日米の金利が上がってきたこともあり、米国債の方は金に流れて…
内田:金利がやっぱりそっちのほうが高いですよね。
吉崎:高いですよね。
さらにボラティリティーですが、要は確定債券の場合は確定利回りですから。
一応、その時点においては保有するという前提でしゃべれば、そう考えた時に「こちらの方が安定感があるよね」と見なす訳です。
内田:マーケットも大きいですし…
吉崎:REITの場合は多少値動きが半年ほぼ約束されたという感じかな?
配当はありますが、それは一応確定された債券である米国債の方にお金が流れていた。
それがずっと続いていました。
そして、年が明けました。
そして、どんどんどんどん日本株がいい感じになってきました。
年が明けてしばらくすると、その中で「株に乗り遅れるなみたいな!」という雰囲気があり…
「日本株もきているぞ!」みたいな感じで、日本株に流れていきました。
という中で4万円を超えて、日本株が高いなということが1つ。
もう1つが、3月19日の金融政策決定会合でマイナス金利の解除になり「金利が上がるかな?」と思いきやたいして上がらなかった。
長期国債(10年国債)もほぼ動かなかった。
ある程度すごく上がった時は日銀は買うぞ!と言ったということで…
利払いに対する不安が一気に解消されました。
そんな中で「そのうち米国債も3回下げる」と言ってますから、下がるかもしれません。
REITがとても安かったので、みんな買いましたよね。
大体、ここ半年の流れはこの感じでしょうね。
内田:結局、金利に期待感がある方へある方へ…
お金が向かっていくわけですよね。
吉崎:REITは大体3.5〜4.3、4.4ぐらいの間ぐらいで動くので…
それと米国債の金利はどうなのか?
それとも借り入れの状況、今回は金利の状況がそんなに国債金利が上がらなかったということで…
借り入れ比率は5割を切っています。
それで長期固定に変えている人も多いのです。
割安感があって「意外と安定感あるかもね」ということに気付いてしまったのでしょうね。
視聴者の反応は?
視聴者さんからコメントをいただきました。
日銀が買わないって言うてからの方が値動きがいいという謎展開のJREIT
一応リスクはあります。
REITは日銀からずっと買っていませんでしたが、ここ最近2007年か2008年から買いますと言ってから、しばらく買っていましたから。
その分があるので、どっかでそれを放出する可能性は否定できませんよね。
日本のREITのネガティブなところを言うと…
アメリカで言うと太陽光もあればデータセンターもあれば、何かまだまだあまり世の中に広まってないようなインダストリアル系の不動産に結構REITがあるのです。
それが、日本にはあんまりないのです。
内田:やっぱり後追いの感じにはなっていますね…
吉崎:元々、オフィスと商業ホテル、レジデンシャル、そして途中から物流が出てきたというような感じで…
これらの単体もしくは組み合わせのREITがほとんどです。
特に最近は組み合わせREITばかりですね。
内田:そうなのですね…!
吉崎:そうすると見えないのです。
なかなか状況が見えないのはリスクヘッジとも言えるのですが…
見えないことは、逆に言うとわかりづらさもあるのとイコールです。
レジデンシャルREITは良かったのですが、下げが少なかった。
オフィスは人がいない、ホテルのインバウンドは少ない、商業施設も客が少ないと考えると…
レジデンシャルは大して影響はなかった。
人が急に解約した訳でもないですし…
内田:なかったと思いますね。
混ぜちゃうとそれらの影響がわかりにくいですね。
管理するポートフォリオとしては安定感があるかもしれませんが…
吉崎:そういうことなのです。
これは日本のREITの安定安心感という意味ではプラス要因です。
内田:尖った方がいいということも、もちろんいいですが…
吉崎:僕はそう思いますね。
それを組み合わせた方が、やりやすいんじゃないかな?と思います。
内田:いくつかのREITを組み合わせ、自分でポートフォリオをすると…
吉崎:ETFなどではありますが…
そういう上場センスはありますが、自分にあってもトヨタを買って三菱UFJか何か買っているじゃないですか?
「ファーストリテイリングが来ている!」というのも、ああいう感じを自分でREITの中でもやっていく。
その中でいいポートフォリオを作れるんじゃないかな?と思います。
REIT市場の今後の見通し
今後の見通しですが…
これは日米の金利差は大きいと思いますが、多分まだ上がり余地は結構あると思います。
価格上昇ということです。
REITでというのも、内部倍率っていうのを見ていいでしょう。
これがPBRと同じですね。
1倍を超えている銘柄が増えてきましたが、それでもまだ3分の2以上は1倍以下です。
解散価値が高いということになるので、そういう意味でもまだまだ上昇余地はあります。
平均的に見たらまだ1倍を切っていますので…
ここが1倍になるぐらいまでは上がっても全く不思議じゃないという状況です。
それと同感性と言いますが…
得た収益、ー使った経費を外に残した利益の90%以上を配当に回すことによって、法人税をREIT法人は免除されています。
配当が9割を超えているということです。
株でいうと、そういう魅力をもっともっと知ることができれば、多くの方々が投資するんじゃないかな?と思います。
もっと知名度が上がってくれば、まだまだ伸びる余地はあると思います。
知名度が上がらないとダメですね…
吉崎:ダメだと思います。
内部倍率がこんな低い何か地銀みたいなんすばっかりで地銀に失礼ですね。
内田:その地域ではちゃんと根付いてますからね。
吉崎:「株式市場における金融商品として」ということです。
そこがもっと魅力をわかってくれれば上がってくるんじゃないかなと思いますね。
※ 本記事はラジオNIKKEI第1「5時から”誠”論 NEXT」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2024年3月25日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています