東京都知事選を受けて
今日は「小池都知事再選と住宅政策」についてということです。
さあ選挙が終わりましたよ。
NHKの番組で昨日7時58分ぐらいからやってますね。
吉崎:8時ジャストには小池都知事が再選決定ということで、最終的に全て開票が終わった時には295万票ということです。
次が石丸伸二さんで165万票を得たかな。
蓮舫さんが120幾つという感じで、蓮舫さんが3位だったというところですね。
まず、政策の前にですね。
今回、もともと現職の都知事が負けた例はないということもあって、小池さん側が勝つんではないかと見られていました。
しかし、かなり早い段階から蓮舫さんが立候補を表明していたこともあって2強対決かという雰囲気でしたが、蓋を開けてみたら全然そんな感じではありませんでした。
2位じゃダメな政治の世界
まず首都東京は有権者数もかなり多く、人口で見ても一千数百万人いる中で、世界中の都市ランキングを見てもかなり上位の都市であります。
吉崎:そして都知事の影響力は首都圏全体のみならず、日本国にも影響を及ぼします。
国の状況がどんどん弱くなっている日本に対して、やっぱり強くなろうぜっていうムードがあると思うんですね。
円安で円安くなってきている、日本は弱くなってきているんじゃないの?と。
そういう中で蓮舫さんが昔、事業削減をした時にスーパーコンピューターに対して「2位じゃダメなんですか」と言ったことがありました。
僕はずっと今もやっていますけれども経営コンサルティングという立場でやってきて 、基本的に一番以外は勝てない。
トップ以外は他とあまり変わらなというのがビジネスの世界では当たり前で、やっぱり「2位じゃダメなんですか」というのは、世界でトップのスーパーコンピュータを作るということに対する全く的外れの削減だったんだと思います。
とても的外れの発言でしたが投票も一番じゃないといけないので、やはりあれはかなり間違いだったのではないかと思います。
内田:企業だって一番にいるから、価格競争やいろんなところで勝てるわけですよね。
吉崎:株価なんかを見ているとそうじゃないですか。
我々はこういう番組や色々な番組を日経ラジオがやってるから、多分一番じゃないとダメってのはみんな思っている。
内田:今回の選挙で分かったんじゃないですか。
一番じゃなきゃダメっていうことを。
吉崎:選挙はトップ以外は通らないんだけど、それでもやっぱり首都東京はそういうような見方をしている人が多いと思うんですね。
そういう人がある程度多くて、しかし反小池さんもいると思うので、その票は蓮舫さんに流れることはなく次の石丸さんに流れたのでは。
特に若い方々はお若い40代の彼に投票がいったということだと思いますね。
内田:いろんなSNSでも映像が流れてきましたよね。
吉崎:一番じゃないとダメだというところがまず一つ目の話。
小池さんの子育て政策は効果アリ?
もう1つが、小池さんは環境大臣もやっていたこともあって緑や海をテーマにするなど、環境云々が好きですよね。
吉崎:子育て政策とかそういうこともお好きだけど、環境政策も好きです。
で、子育てとか子供のことでいうと東京の出生率は初めて1を切ったという報道がありました。
これは合計特殊出生率が1を切ってるという話で、出生した数割る15歳から49歳、いわゆる厚労省が決めている子供を産もうとする年齢という実数を見れば、これは1を超えてきているということで、小池さんがこれを訴えていた結果だと思うんだよね。
数的には東京都で生まれる人が一番多いわけで、そこに対してかなり手厚い政策をしている。
ここで横綱なんて言わなくても余裕で勝ったんだろうけれども、言っても良かったと思いますね。
今はないんだけど、「子供ファースト」とか何かやってるけれども、かなり色々な打ち出しをしてきていますので、ジワジワ効いてきていると思います。
さらに結婚のマッチングなどもすると言ってますので、結構進めています。
内田:区でやってる場合もありますよね。
どうなる住宅政策
極め付けに、小池さんは日本で初めて住宅に東京都内の一戸建てを含む新築住宅に太陽光パネルの設置を義務付ける制度を打ち出しました。
吉崎:これが2025年からなので1年切っていますね。
内田:もうすぐですね
吉崎:東京都として1,500億円の基金を創設してかなり税金も突っ込んで、東京の家と家の屋根には太陽光パネルを付けるぞというふうになってくる。
もちろん、今日のこの夏もクーラーをガンガンつけて、そこで電力が足りなくなりますよね。
それを補う。
これからAIとか搭載したら、余計に電気必要になりますからね。
吉崎:それで集合住宅にもう義務付けをしようということになっているので。
そうすると飛行機は南風の場合、都内の池袋新宿渋谷品川を通過しながら降りていきますけど、南風の場合は東京は屋根がずっとピカピカ光っているという風景が見えるようになりますね。
東京ってすごく光ってるぞ…と(笑)
多分、良いかどうかの議論は置いておいて、それはそれで僕は東京の1つの特徴になってくるかもしれないと思うんです。
環境エネルギー政策はうまくいく?
この政策の是非は多分10年後とか20年という単位で問われるんだと思いますけれども、その時に本当に環境エネルギー喚起政策がうまくいったとなれば、すごく褒められる政策だと思いますね。
吉崎:だけれども、ものすごいこれはパワーをかけないといけない。
あともう1回ぐらい都知事をしないと頓挫する可能性もあると思う。
短期じゃダメなんです。
もう1つ短期でダメの理由は、20年後とか30年後でパネルって廃棄しなきゃダメなんです。
持たないですよね。
内田:これだから、本当はそこまでを考えた政策にしなきゃいけない。
吉崎:そうなんです。
多分やり始めて数ヶ年経って動き始めたら、その他の政策を打ってくると思いますけど、それが一番の注目だと思いますね。
上場しているインフラファンド、太陽光ファンドですね。
ああいうのを見ていても、そこが今パネルをどうするんだという問題がいっぱい出てきていますので。
あの辺の動向を見ながらこの政策を変えていくものかもしれません。
これは都の担当の局長みたいな人、環境局長を女性がやっていて、すごく肝入りでこれをやってるんです。
批判するメディアも多いので色々なこと言われるんでしょうけれども、かなり脱炭素の効果もあるみたいですし。
まあここはお手並み拝見ということでしばらく様子を見て、それから評価するっていう方が良いんじゃないかなと思いますね。
内田:そうですね。
吉崎:もう1つ都知事の話題で言いたいのは、マンション管理のこと。
これは国交省の範疇ですけれども東京都に一番多いですから、マンション。
住む割合も東京都がトップですから圧倒的でしょう。
それを考えた時に都として何かここにも政策を小池百合子さんに言ってほしいなと切に願っています。
※ 本記事はラジオNIKKEI第1「5時から”誠”論 NEXT」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2024年7月8日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています