太陽光の出口はどうすればいい?
投資家の方から太陽光を手放す時の出口について問い合わせがきました!
・売却先にはどのようなところがあるのでしょうか?
・売却する時に何を準備すればいいのでしょうか?
資産形成チャンネルでも太陽光に関して何本か記事・動画をアップしてきました。
不動産と同じようにどのような書類が必要なのかというようなことを教えてほしいとのことでした。
太陽光発電投資は売却を検討される方がまた増えてきたと思っています。
当然、FIT制度が始まったばかりの頃はこれから数十年持っていくわけですから…
売ることをあまり考えていなかったり、取引量も少なかったわけです。
早い方は保有してから10年近くになる方もいますしね。
ココザスも売却のお手伝いをしていますのでノウハウが溜まってきています。
結論を伝えると…
動画で確認したい方はこちら
売却はどこに頼む?
何が同じかと言うと、不動産も売ろうと思った時どういうやり方をしますか?
まずは業者さんに連絡だと思いますが、どの業者に連絡すればいいかはすぐ出てこないですね。
そうですよね。
不動産の仲介会社はたくさんありますので、良し悪しはありますが、話を持ちかけると売却活動が進むと思います。
太陽光に関しては業者数が少ないですが…
まず理解していただきたいのが、買取業者と仲介業者の2社に分かれます。
これが不動産と全く一緒だということです。
不動産を売る時も全く同じ流れで、要は買取業者に買ってもらう場合のメリットは現金化が早いことです。
即金で2000万円となったら業者が出してくれます。
その後どうするかというと、当然ですが買取そして再販をします。
買取再販の業者なわけです。
なのでどうしても仲介をしてもらうとマーケットに比べると金額が下がりがちなのです。
2000万円という例を出しましたが、仲介だったら2200万円で決まっているものが2000万になってしまう。
金額はあくまでもイメージです。
その2000万円で購入した業者は2200万円で販売をしていくことで利益になります。
相場が2200万円なのであれば、当然ですがそれより安い金額じゃないと買い取ってくれません。
その分早いのがメリットだと思います。
これが不動産と全く一緒です。
仲介に関しては仲介業者に手数料を支払います。
不動産で言うと約3%と思ってください。
3%なので例えば2200万円で売ろうとすると、66万円プラスいくらで税金などいろんな話がありますが、おそらく70万円ぐらいで売れると思います。
70万円を仲介手数料としてお支払いするということですね。
手数料も考えると同じ2200万円でも買取業者より仲介の方が高く売却できてお得ですね。
差分で考えると200万円-約70万円=130万円お得だったという話にはなりますよね。
ですが、仲介の場合、結局次の個人投資家にダイレクトで2200万円で売るわけです。
それを繋いでもらうイメージですが、売れるまでに時間がかかる可能性があるのがネックとは思います。
買取業者の場合その場で業者が買うけれど、仲介業者の場合はそこから探すからですね。
そういうことです。
2200万円で買ってくれる方を探すので、すぐ決まらないのです。
不動産と1点違うところは、太陽光の場合、FIT期間が20年間と探す時間がかかればその分短くなり金額に影響がでます。
もし、探すのに12ヶ月たったとすると、20年のうちの1年は5%分じゃないですか。
そうすると一旦そのFIT期間が終わった後、売電収入が入りますがもし入らないと仮定するとFIT期間が決まってる以上寿命が縮まると思ってください。
2200万円で買うのは残FIT期間があっての2200万円だという相場なので、時間が経つと落ちていきます。
そうすると結局あまり差がなく、買取業者の方がいいようなケースもあります。
なので、一概には言えません。
不動産も同じことが言えます。
ただ太陽光と不動産の1番の違いはその寿命っていう概念が太陽光の方がより厳しくあるということですね。
一長一短があるのでまずは相談してみるということですね。
そうですね。
インターネットで太陽光の業者を調べてもいいですし、ココザスが買取か仲介のお手伝いをすることもできます。
相談する時に必要なもの
相談したいとなった時は何を準備したらいいですか?
一番大事なことはこれまでの売電収入です。
まず、FITに関する情報が知りたいと思うので設備認定通知書を持ってきてほしいです。
設備認定通知書というのは、経済産業省に設備申請した際に交付される書類で、これが売却の際には必ず必要になります。
あとは、直近1年間の売電実績が求められることが多いです。
長ければ長いほうがいいですが、最低でも直近1年は必要ですね。
最低1年は欲しいですね。
これが査定金額に直接影響します。
昔から言われていることですが、出力制御が多かった年の翌年に売却を試みると、金額が下がってしまうことがよくあります。
そのため、出力制御の影響を受けた年を持っている場合は、少し待った方が良いかもしれません。
売電収入が良かった年の実績をもとに値付けしてもらう方が良いと思います。
直近1年分の実績はマストとなりますので、確認が必要です。
また、太陽光受給契約確認書というのは、電力会社との契約書で、FITの価格(21円、18円、14円など)や売電開始日、売電終了日も確認できます。
この3つが、FITに関する主な書類です。
さらに、土地に関する書類も必要です。
土地が賃貸借地であれば、賃貸契約書、購入している場合は固定資産税の納税額や評価証明書が求められます。
土地の価格がどれくらいかということですね。
それがわかれば査定が可能です。
また、借地の場合は年間賃貸料を確認する必要があります。
借地契約書を提出していただければ、すぐにわかります。
土地の情報、つまり設備が設置されている場所の住所がわかれば、査定は十分に可能です。
売却金額がどれくらいになるか、自分が求めている金額に合うかを判断することが重要ですね。
売却時に注意すること
冒頭で言いましたが、売却にあたって業者は複数ありますし、最初に聞いた話と違うことを言うこともあると思います。
売却に際して注意すべき点はありますか?
なるほど、まず一番注意すべき点は、消費税還付を受けている個人の方です。
特に、現在が課税事業者か免税事業者かを把握しておく必要があります。
消費税還付を受けるということは、課税事業者として届け出を出して、消費税を支払っている立場になっているということです。
消費税を多く支払って、還付される額が翌年に返ってくる仕組みです。
仮に、税抜きで2000万円、消費税200万円で売却する場合、消費税200万円を受け取ることになります。
この200万円は、国税に納めなければならないのです。
消費税は間接税と言われ、受け取った額と支払った額の差額を納付する仕組みですので、課税事業者であれば消費税納付義務があります。
たとえば、2000万円の税抜き価格で2200万円で売れた場合、消費税分を納めることになりますので、免税事業者に戻してから売却することが重要です。
これは本当に注意すべき点です。過去に売却時にそのような問題が発覚したケースもあり、1年延期することになったこともありました。
ですので、課税事業者と免税事業者の確認は必ずしてください。
次に、OM(運転・保守管理費)というメンテナンス費用についてですが、大体、年間12万円〜15万円程度で年払いをしている方が多いと思います。
支払い直後に売却するのは損になりますので…
月額の分割払いを提案しても、業者が受け入れてくれることは少ないかもしれませんが、交渉してみる価値はあります。
メンテナンス費の支払いタイミングには注意してください。
さらに、売却時の仲介手数料にも注意が必要です。
宅建業者の通常の手数料は3%程度ですが、太陽光の売却の場合、明確な基準がないことが多いです。
そのため、仲介を依頼する際には、最初に手数料の金額を確認しておくことが大切です。
これを曖昧にしておくと、後々トラブルになる可能性があります。
買い取りの場合は、金額が決まっているためスムーズに進むことが多いですが…
仲介の場合は、決めていないと手間がかかったので100万円くださいと後から請求されても話が違うじゃないですかということになるのです。
高く売りたい場合は仲介も良いですが、ケースバイケースなのでどちらがいいかははっきり言えません。
売りたいと思っている方はいきなりさっき言った書類を集めるのも面倒だと思うので…
まずはゆるくご相談いただくのがいいかと。
いろいろな会社にまずは相談してみて、仲介でやってもらえるのか買取でやってもらえるのかを聞くといいと思います。
決して買取がいいって話ではありません。
安く買い叩かれちゃうこともあるので。
どうしても業者は安く仕入れたいからというのを考えると両方聞いて決めるのがいいと思っています。
もう1つ注意点は節税効果を得ている人です。
消費還付っていう意味の税ではなく所得税の話です。
定率法とかも使えるし17年っていう法定耐用年数の話ですかね。
そういうことですね。
例えば2200万円のうち、2000万円が設備、200万円が土地のようなバランスじゃないですか。
この2000万円のところを定率法と言って1年目、2年目、3年目と最初のうちにバーっと落ちていきます。
設備事体は17年です。
中古で購入されている場合は、経過年数引けるのでもっと短いですね。
なのでおそらく最初の頃は節税効果を得ているはずなんですよ。
つまり減価償却費を計上してきたはず。
太陽光を売却した時どういう形になるのかっていうと譲渡税がかかってくる譲渡所得なんです。
長期譲渡・短期譲渡はどっちがいいの?
これは不動産と同じということですね。
同じですね。
考え方としては不動産と全く一緒で5年以上所有しているかどうかで長期譲渡、それより短い場合は短期譲渡っていうような形になります。
そうなると長期譲渡で売るべきなんですね。
ざっくり20%なのか40%なのかと税率が倍になります。
不動産もそうです。
なので5年以内に売るのはよほどの理由がない限りはやるべきではないと思います。
これは個人でも法人でも一緒なんですか?
法人の場合は全部が法人税での扱いになるので、実行税率で言うと23〜34%の間になるので…
もちろん法人も税引き前利益が800万円以上なのか未満なのかといろんな話がありますが、なんだかんだ実行税率30%ぐらいいくので、20〜40%の辺のどこかにくると思います。
法人だと短期長期は考えなくていいということですね。
そういうことです。
資産管理会社で持ってる方はいつ売却してもいいと思います。
個人名義で消費税還付を受けている方が多いのかなと思うのですが、その場合、5年間持ちましょうと。
買った日から丸5年、365日×5年みたいな話ではなくて…
税金が発生してくるんですが、減価償却費を積んでるじゃないですか。
そうすると2000万円の設備のところっていうのがだんだん下がっていきます。
帳簿価格が下がるということですね。
確定申告してるのであれば残存の資産の額がちゃんと出てるはずですから。
これが1000万円まで減っている時に2200万円で売って設備が2000万円となると…
1000万円の部分が単純に減価償却をしたものが再度払わなきゃいけない話になります。
勘違いしてる方は残債と比較して利益という方は多いですよね。
そうなんですよ。
残りのローンの額がいくらだからとか計算している人がいますが、そうじゃありません。
会計上の簿価です。
いくらでバランスシートに積まれてるのかを数字で見なきゃいけません。
だから残債と同額で売却した場合は手残りがなく利益がなさそうに見えるじゃないですか。
利益っていう言葉は、要は会計上の利益というのが適切な言葉なので…
今の例で言うと1000万円ぐらい利益が出ます。
見えないところでこの1000万円に対し税金が20%なのか40%なのかかかってきます。
長期譲渡になった場合まず1000万円の譲渡益から50万円が控除できます。
50万円は外すことができる。
950万円の部分これをですね1/2することができて950万円を2つに割ると475万になって、この475万に対して20%かかるっていう話なので100万円いかないくらいになります。
断然長期の方がいいですね。
個人の方は絶対長期譲渡で売るべきですよ。
控除のステップっていうのがあります。
これが短期の場合はこの1/2の部分がなくて50万円控除できるだけだから950万円に対してしかも40%で…
それを考えた時に今残債がいくらだから売れるのではなく同時に会計上で利益がいくら出そうなのかこれを考えなければいけません。
盲点ですが、業者がここまでの税率の知識がないケースが多いです。
売ってからこれぐらいかかってっていう相談がきても後の祭りです。
我々が同行できる話ではないので売る時に税金をちゃんと計算しなきゃいけないです。
それを業者にお願いしてもできないケースや間違ったアドバイスを受けるケースがあります。
この間違いの責任、損失はあなたに来てしまうよという話なので…
それも含めてちゃんとしたところに相談するといいと思います。
近隣住民への説明が義務化されている
2024年の4月から経産省が太陽光に対するルール変更を行って名義変更の手続きを行う時、つまりあなたが売主だったとすると次の買主か変わるわけですけども近隣住民へ説明会もしくはポスティングが義務付けられました。
実際やらなくても細かいエビデンス求められるわけではないので変な話、バレるバレないみたいな話で言うとバレないんじゃないかなとは思うんですね。
実施したと言いながら実施していない業者に仲介をお願いしてもやったことのエビデンスは取れないんですよ。
なのでちゃんとやってるかどうかを絶対確認して欲しいです。
少し前の記事・動画でもメガソーラーがルールを守っていなくて200機ぐらいFIT認定されなくなるというような話もありましたよね。
ソーラーシェアリングのニュースですね。
決まり事としてあるわけだから多分バレないでしょうとかではなくて…
やらなきゃいけないことはやらなきゃいけないんですよ。
自分は売却するからいいやという話ではなくて次の所有者さんが困るわけですよ。
指摘が入ったりした時に絶対揉めますからね。
「売った人に説明していたのではないか?」という話になります。
やはり、仲介を頼む場合は、どの会社がどこまで対応しているのかをしっかり確認した方が良いですね。
注意すべき点はいくつかありますので、改めてここにまとめておきます。
これらの要素を抑えて売却活動を進めていく、投資として始めてるから1円でも高く売る努力をしていくということなんですけども…
結局、不動産を売るときと同じで、どの会社に相談するかが全てだと思います。
その中で、うちに声をかけていただければ、細川がしっかりとサポートさせていただきます。
ありがとうございました。