東京移住と地方移住のボリューム
以前リスナーの方々にアンケートを募集し、色々なメッセージもいただきました。
その中で「人生のターニングポイントを教えてください」というものがあり「転職で東京に来た事」という風に挙げて下さった方がいたのです。
なので今日は「東京移住で住まいの選び方、出来れば買い方」まで行けたら良いかなと思います。
東京に限らず、首都圏メインに移住する方々は年に40万人か50万人近く、年により多少違いますが、人口状態から見ているとそれくらいの数字が出ています。
大きなボリュームゾーンは18歳くらいか、19歳の進学。
次に就職、これが20代の前半くらいですか。
これが圧倒的なボリュームゾーンで、ここが1番人が多いという事ですよね。
10代後半か20代に来る方が1番多いゾーンですが…
もう1つ、30代手前くらいの方も結構多いのです。
内田:それが、今回挙げている転職という事になるのですかね?
吉崎:例えば「大学を出て大阪に転職しましたが、企業が変わるという事で、東京の会社に就職したので引っ越しします」というようなことですね。
昨今ですね、例えば東京に住んでいる方が、例えば熱海にとか、房総半島へ、のような移住というのは結構話題になっておりますが…
内田:逆ですよね。
東京に来るのではなくて、外に出て行く。
吉崎:言うまでも無く、圧倒的な数は首都圏に入ってくる方ですから、首都圏から地方に移住する方はやはり少ない。
もちろん大学を卒業した後に戻るという人も居ますので、一概には言えませんが…
ちなみに、大学進学で東京に来て東京からまた出身地に戻る、これは男子が多いです。
内田:そうなのですか?
吉崎:そうです、女子は少ない。
一方で、途中で就職でやってくる方々は女子が多いですね。
内田:では、結局女子が多い?
吉崎:一概には言えませんが、大体例年で、移住全体で見ていたら女子の方が多いですね。
私の地元は田舎で、自分の家が事業しているという友人が結構居たのです。
だから大学で此方へ来たとしても勉強して、実家に戻ってそこで事業を継ぐ、という人も男子の中にはいました。
そういうパターンもありそうですよね?
女子はやはり家を継ぐというよりは自分で…という事かもしれませんね。
仕事を見つけて、というパターンですね。
あと地域によっては「女性は戻ってこい」というような、少し封建的なものが残っている地域もあったりするので。
全部が全部とは言いませんが、日本国全体で見れば、首都圏への流入人口は女性の方が多い、というのはよく知られた事実です。
国土交通省が結構データを出していますが、それも理由は1つだけで、特に地方の中でも郊外は女性が望みたい仕事が少ない、という事ですね。
内田:そうかもしれないですね。
「だからこそ東京に行こう」と。
ライフスタイルに合わせた住まいの選び方
また、30代手前くらいでこられる方の多くは、最初に働いた会社に対する不満というか…
もう少し自分はワールドワイドに、もっと大きな仕事をしたい!というようなチャレンジの意味でこられる方が多いという風に言われています。
大学生の時はあまりやりたい事がなくて、そのまま世間的に良いとされる企業に就職したけれども、やりたい事がその中で見つかってきて、新たなチャレンジをする、というのもありですよね。
吉崎:ありですよね。
そういう時に、どういう所に住むかですけれども…
圧倒的に、進学の場合は学校の近くじゃないですか?
内田:便利ですものね。
親も安心でしょうし。
吉崎:私もいくつか投資用のマンションを持っていますが、大学の側は、やはりその大学の学生さんばかりです。
あとは就職でこられた方で、例えば虎ノ門で就職先が決まりましたとなっても、虎ノ門の側に住むって中々なくて…
内田:高くて住めない。
吉崎:住めないですよね。
なので、虎ノ門に通勤し易い、例えば日比谷線と銀座線、銀座線は比較的都心の真ん中を走っておりますけれども「日比谷線の何処かかな?」など、そういう所を選ばれるのではないかと。
学生の場合は大学の近所、就職の場合は沿線、というのが定番になってくる、という事です。
最初に住んだところに愛着が湧く
転職する場合って、20代後半になっていたりとか、あともしかすると30代くらいになっていたりだとか…
それ以上も居られるかもしれませんが、そうすると家族が居たりとか、家族が出来るかもしれないとか、そういう事もありますよね?
だから、最初の就職とは少し視点が変わってきていますよね。
そうですね。
ライフイベントによって変わりますが、よく言われている話があります。
例えば大学で渋谷の近くの大学に進学してきたとします。
学生が多そうですが、あの辺りの二子玉から三軒茶屋、桜新町とか、田園都市線の何処かに住むとします。
そうすると、その方々は就職してもその辺りに住みたがるし、結婚しても比較的その辺りに住みたがるのです。
内田:愛着があると違いますよね。
吉崎:意外と最初に住んだ所から中々出ないのですよ。
あるいは就職で、明らかにここからだと不便だという所で…
例えば住む場所が五反田に変わったとしましょう。
そうすると、その付近でずっと転々とする。
三茶付近と海部付近と、五反田付近と、二個しか住んでいませんとか…
「結局、この辺りにしか住んだ事がありません」という方がたくさんいらっしゃるとおもいます。
なので、比較的に人はそんなにダイナミックに動かない。
ある時は千葉の市川に住んで、ある時は池袋の辺りに住んで、ある時は大森に住んで、みたいな方は居ないという事です。
大体似たような所をちょこちょこと動くというのが、本当に、圧倒的に多数派だと思います。
では、馴染みのある所を選べ?
これは借りる時も買う時も、大体そのパターンで皆様は現在も行動されているし、その方が分かり良いと思います。
慣れ親しんだ場所で、物件は賃貸でも購入でも選んでいくというのが良いのではないかという風に思います。
これから上京する人はどこに住むのが良いのか
初めて東京に来るぞ!という方も中には居ると思うのですよ。
そうすると馴染みは無いじゃないですか。
そんな方はどうしたら良いのですか?
先ほど言ったように、大学なら大学の側とか、沿線の側に住む
内田:「大学が地方だった!」という方は?
吉崎:その時は最初に住んだ時に色々考えて…
でも、なんとなく2つのパターンがあって、下町のような所は学生に人気ですよね。
定食屋があったりだとか。
内田:物が安かったりしますからね。
吉崎:値段だけではなくて、やはりフレンドリーさ、親しみ易さがあったりするのではないですか?
一昔前でいうと下北沢や、先ほどの三軒茶屋など…
内田:私も最初、三軒茶屋だったのですよ。
長く住みましたけれども、やはり八百屋さんや魚屋さんやお肉屋さんが一緒になっていて、そこのおじさん達が可愛がってくれたのですよ。
吉崎:「これ持って行いけ!」みたいなね。
内田:そうです。
お魚を綺麗に切っておいてくれたりだとか。
そういう所はやはり馴染みがあって、何か良いなあと思いますよね。
吉崎:最近だと門前仲町とか、そういう雰囲気がありますよね。
そういう親しみ易い所に住まれる方が多いのですが、やはり学校の側というのが圧倒的に多いのではないかと思います。
内田:そうなると、その後もその近辺にという風になるのですか?
吉崎:長期的なライフスタイルを考えたらやはり公園とか…
少しのんびり家族で過ごせられるような場所が近所にある所が、結果的に親しみを持てる場所なのではないかと思います。
内田:公園だったり、病院だったり、あとは学校。
吉崎:小学校とかですね。
内田:大学ではなくということですね。
あとスーパーマーケットなど、少しずつ変わってきますけれどもね。
吉崎:そういう長期的な視点で住まい選びは考えて行く必要があります。
つまり、今独身の時に住んだ場所の辺りにずっと住む可能性があるという事です。
内田:きっと円を広げて行くような感じにはなるのでしょうけれどもね。
そういうのをポイントに、という事ですかね。
吉崎:それで選ばれたら良いのではないかと思いますね。
放送局 :ラジオNIKKEI第1
放送日時:毎週月曜日〜水曜日 17:00~17:50
※ 本コーナーは毎週月曜日のコーナーです
番組公式サイトはこちら
番組のアーカイブ配信はこちら
※ 本記事はラジオNIKKEI第1「吉崎誠二の5時から“誠”論」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2022年11月14日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています