区分所有不動産とは
今日は、「区分所有不動産、小口化不動産のメリット」について伺っていきます。
区分投資について、安藤さんは色々アドバイスされているかと思います。
実物不動産においては区分マンションに投資するタイプと、一棟ものに投資をするタイプと2パターンあると思いますが…
それぞれこういう方には区分マンション、こういう人には一棟もの、どういう風に分けておられますか?
不動産投資全般に言える事ですが、自己資金。
要は持っている預金でやるものでは無いという所が大前提としてあります。
結局は金融機関さんがいかにローンを出して下さるか、という所に全て依存してしまう。
アパート等の一棟不動産は当然部屋数が大きいので金額が高いと、そうすると金融機関のローンの借り入れの金額が高くなるので、年収が1,000万円以上、できれば1,500万円は欲しいです等と銀行さんは仰られます。
そうすると、年収1,000万円ですから取り組める方がシンプルに全人口の内の4%未満になってしまう。
という所で、一般的にサラリーマンの方等が、まず不動産を始めたいという時は区分所有不動産から始める。
今の情勢としてはこういう風になっているかな、と思いますね。
土地の所有権、建物の所有権、それぞれの所有権があります。
建物の所有権は建物を1人で所有しているとそのままなのですが、まず例えば内田さんが母と父と三人で所有するとこれは共有名義、という形になります。
堅固な区切りがちゃんと確りとあって、一個一個が仕切られている。
独立した部屋として仕切られている物件を区分と言い、それを所有するマンションです。
内田:例えば、二世帯住宅等はそういう事ですか?
吉崎:二声帯住宅の場合はどう名義を分けているかによって変わってきます。
共有名義の場合は普通の一棟扱いです。
別で登記をしていて「堅固だ」という風に最初から認定を受けていれば区分所有もできます。
安藤:1番世の中で一般的に知られているのはワンルームマンション投資ではないでしょうか?
内田:なるほど。
ああいう風に、しっかりと1部屋が分かれているものですね。
吉崎:タワーマンションも、投資用で買っている人は区分マンション投資の1つではあります。
内田:マンション投資等はそれに入る、という訳ですね。
安藤:そうですね。
なので、それの1部屋だけを持つのか、それとも全部で100部屋、100世帯分あったとして塊を持つのかなので、やはり取り組める年齢層など、資産規模で全く変わってきます。
一棟収益やアパート等と言いますが、対象となる方がそもそもそんなに多くない。
それで、最近サラリーマンの方に区分マンション、区分所有不動産の投資が結構流行っていましたよね、というのがここ5年くらいでしょうか。
吉崎:いや、それこそ黒田さんの金融緩和政策のような所なので、2013年の後半くらいから広まってきていたと思いますね。
特に新築の投資用のマンションが少なかった時なので、中古が波及したのもその頃ですね。
小口化不動産とは
その一方で、小口化不動産ですよね。
小口化というのは、まず区分所有マンションもある意味小口化物件なのです。
実物の小口化されたものが区分マンションのイメージ。
小口化商品というと、一般的には証券化された商品です。
イメージでいうと、ゴルフの会員権のようなもの。
最近人気があるのは不動産クラウドファンディングのように言われる、不特法(不動産特定共同事業法)というものがあります。
一口10,000円からできる不動産投資が最近かなり流行ってきていますね。
吉崎:そうですね。
かなり小刻みに切って、普通100万円くらいのものが多いと思いますが、10,000円からもあるのは事実ですよね。
内田:100万円にしても、沢山の方達が投資していて「皆で」という事ですね?
吉崎:そうです、それに応じた分の配当が得られるということです。
J-REIT等に系統は似ていますよね。
内田:今はそれが凄く増えているのですか?
吉崎:元々はJ-REIT等の不動産ファンドから始まってきましたけれども、最近は不動産特定共同事業法の資格の認定を受けた事業者がそれをできるようになってきています。
そういう事業者が自ら組成をして、小口化投資商品を売られているというのも増えてきましたね。
内田:実物があるものですから、何となく、少し安心感があるような気がするのは私だけではないはず…
安藤:そうですね。
一般的にそう思われているので、不動産投資の入り口として、例えば区分所有不動産。
都心部のワンルームマンションですと2,000~2,500万円くらい掛かったりします。
そう考えると一口100万円だったとしても「預金感覚で始められる」というのがメリットだと思います。
内田:そうですよね。
「まだまだ値上がりするぞ」と言った風に思えたりする。
安藤:ただ、一般的にファンド的な売り方で「100万円投資したら1年後に償還です」「100万円が戻ってきます」と。
それプラス5%の運用益が戻ってくるという様なパターンが多いので、本当に証券化された、ファンドを買っているという様な感覚の方が多いと思います。
吉崎:先ほどその値段が上がるか下がるかは、J-REIT等はそうですけれども、基本的には償還ですね。
かなり細かくいうと、匿名組合タイプと、任意組合タイプと2つパターンがあります。
(話をするとこれは明日まで掛かりますので割愛しますが…)
先ほどの一口1万円のようなものは匿名組合型、先程安藤さんが仰っていたように数か月や一年等で返すタイプ。
小規模投資が可能なのはこちらです。
任意組合型は皆で共同事業として、例えば御年輩の方がお金を出し合って家を建てるグループホームの様な、ざっくりというとあれを小口化された商品のイメージですよね。
これから小口不動産は増えていくのか?
小口化不動産…
ざっくりとまとめると、これからはそれがどんどん増えて行くという流れで間違いはない訳ですかね。
そうですね。
法律自体は確か1994年とかに施行されていて…
区分マンションが最近流行っているのと同じで、ここ5年くらいでその不特法の免許を取っている事業者が増えてきています。
不動産クラウドファンディングと、最近聞く様になったのではないでしょうか?
そうですね。
クラウドファンディングはネット上でできるもので、クラウドをするかどうかは別としても、小口化された商品は2016年~2017年辺りから増えたな、というイメージです。
特に、先ほどの任意組合型の方は相続等でも使えますので、リゾートの会員権。
ああいったイメージに近く、それで使えるので、そういう意味では実物不動産は節税に仕えて、匿名組合型の小口のものは使えず…
一方、ちょうど2つの良い所取りのような感じになっているのですね。
厳密には違いますが、分かりやすい例でいうと、ハーベストクラブとかその様なイメージ。
相続もできるというタイプです。
内田:では、小口からできる・少額からできるというメリットも勿論ありますが…
節税等もできるという様なメリットが色々ある訳ですね。
小口化不動産の注意点
しかし、注意点が1点あるな、と私は思っています。
小口化されているからこそ、対象となる不動産、例えば1億円の物件を100人で割っているとします。
それで一口100万円だったりするのですが、自分が購入側だとする、100万円の投資という風に見えているではないですか?
1億円の物件の妥当性という様な所が少しぼやっとしてしまうケースがありまして、少し割高に購入してしまうケース等が実際起きています。
「1億円の物件がちゃんと利回りが回っているのか?」「そもそもその物件は不動産投資として良いのか?」という様な所はちゃんと見た上で100万円の投資をしないと、少し怖いな、というケースも実際はあります。
単純計算ではできないけれども、1億円の物件を100万円で、100人が居ると1億円ですからね。
もちろん経費や手数料が掛かるのでその様な訳にはいきませんが、それが、実際に価値は70万円くらいなのでは?という事が在り得るという事ですね。
仰るとおりです。
7,000万円の物件が1億円で売られている可能性があるという事ですよね。
70万円と100万円の違いだと、小口投資家としては30万円の差なので、そんなに大きく見えない。
ただ3,000万円と考えると大きいですよね?という所が実際あります。
対象となる事業がどんなものなのか見ないと「怖いな…」と思いますね。
吉崎:一方で、物件はこういう風な形でちゃんと多くの方から認可を受けて、多くの方々からお金を集めています。
今の安藤さんの話はかなり極端な話だと思いますが、一方で、目利きができているのではないか、と思う人もいるのですよね。
その物件を自分で目利きする訳では無いので。
内田:プロがちゃんと目利きしてくれているという事で。
吉崎:4%ならば4%。
大体、手数料など色々ありますから、大抵が実物不動産よりも少し利回りが低いのですよ。
しかし、4%ならば4%で私も返します、と。
元本割れのリスクがありますけれども基本的には4%ならば4%で戻しますと言っているので、やる方もそれなりのものを選ばないと、取れないではないですか?
そういう意味ではあまり考えずに…と言えばおかしいけれども、取り敢えず行っておく、といった感じくらいには行き易いですよね。
安藤:ハードルは大分下がりますよね。
吉崎:自分達で見に行くのも面倒臭いし、特に地方の方はわざわざ東京にきて物件を見に行くなんてできないではないですか?
そういう意味で、地方の方々はメリットが大きいですよね。
内田:確かにそうですね。
安藤:あと、出口が1年後とか3年償還などと決まっているので、例えば実物の1億円不動産を持ったら1年後に必ず売れるのかというと…
もちろん市況とかがありますので。
吉崎:下がっているかもしれないですしね。
安藤:本当に取り組み易いので、そういう意味ではメリットの方がやはり圧倒的に大きいかな、と思います。
なので、まだまだ流行りそうですよね。
吉崎:これは流行ると思いますし、色々なバリエーションが出てくるでしょうね。
住宅だけでは無く、色々なアセットクラス等も出てくると思いますね。
内田:そうすると、これからもどんどんと投資しやすいものができあがってくる、ということになるのですね。
吉崎:そうですね。
安藤さんの会社でも組成をいつか考えていると思いますけれども…
安藤:不動産だけではなく、都認可の関係等で、組成できるものは既にやっていたりします。
中にはジェット機の投資を小口で…とか。
吉崎:何でもあるのですね。
安藤:そういうものも出始めていますよ。
吉崎:トラックの小口とかね、今は何でもありますよ。
安藤:色々なものが小口化されていて投資商品になると。
内田:だから、投資したいものに少額、小口で投資できるというメリットがありつつ、しっかりした販売元という組成している所で投資していく、というのが1番良いのでしょうね。
目利きもしてくれるし、というね。
吉崎:それが全てです。
やはり、よく見かける「会社は大丈夫か?」とか、そういう所は流石に厳しいかもしれないですね。
そういう意味では数が増えれば増えるほぢ、その会社の信用性は変わってくるのではないか、それは物件選びと同じですよね。
実物不動産でもね。
内田:確かに、選び方は一緒なのかもしれないですね。
放送局 :ラジオNIKKEI第1
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※ 本記事はラジオNIKKEI第1「吉崎誠二の5時から“誠”論」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2023年2月6日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています