お金

不動産クラウドファンディングのデメリット7選|簡単にできるリスク軽減法も解説

不動産クラウドファンディングは、多くの参加者から資金を集めて不動産に投資し、運用益や売却益を分配する投資法です。
少額から始められ、運営事業者が実際の管理や運用を行うため、不動産投資の経験がない方でも参入しやすい点が魅力です。

しかし、利便性の高さとは裏腹に、不動産クラウドファンディングには元本割れや資金拘束といったリスクも存在します。
本記事では、初心者が特に注意すべきデメリットやその軽減策に加え、他の投資法との違いもわかりやすく解説します。

最後まで読むことでリスクをしっかりと理解し、より良い投資判断につなげていきましょう。

中立的な立場で最適な人生設計をサポートします

中立的な立場で最適な人生設計をサポートします

ココザスではお金に関する悩みや疑問をしっかりとお聞きし、理想のライフプラン実現をサポートします。

<ココザスの強み>
・営業は一切なし、第三者の中立的で公平な立場でご相談に乗ります
・グループ会社に金融/不動産会社があるからこそ、机上の空論ではない解決策をご提案できる
・24の資格を持つ専門知識の高いコンサルタントが対応

<こんな方はご相談ください>
・貯蓄がなくて、将来が不安だ
・資産形成/運用したいけど何から始めていいのかわからない
・老後資金、教育資金、住宅ローン、保険のお金に悩みがある

プロのFPへ無料で相談する

この記事の監修者

持丸 雅士

ココザス株式会社|コンサルタント|FP

持丸 雅士

Masashi Mochimaru

突如起きた父親の入院・手術をきっかけにお金に対する不安を感じ、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。
ファイナンシャルプランナー技能士2級及びAFP認定を取得後、お金に対する正しい知識・情報を世の中に伝えていきたいと思い、個人向け資産形成コンサルティング事業を展開しているココザス株式会社へ入社。
資産形成で不安を抱えているお客様の視点に立ち、年間800人以上の資産形成のサポートを行っている。
また現在はセミナー講師として講演会を行うなど、正しいお金の知識を広げる活動にも取り組んでいる。

不動産クラウドファンディングで注意すべき7つのデメリット

不動産クラウドファンディングで注意すべき7つのデメリット

不動産クラウドファンディングには、投資初心者でも始めやすいという特長があります。

しかし、いくつかのデメリットを理解しておかなければ、大きなリスクに直面する可能性があります。

ここでは、不動産クラウドファンディングの代表的な7つのデメリットを解説します。

(1)元本割れの可能性がある

不動産クラウドファンディングは元本保証がなく、価格下落によって損失が発生する可能性があります。

主なリスク要因

・不動産価格の下落(例:経済危機や地域需要の低下)
・運用期間中の賃料収入減少

具体例

・リーマンショック(2008年):不動産価格が急落し、多くの投資家が元本割れを経験
・地域要因:人口減少エリアの不動産は価格が安定しにくい

不動産市場は経済状況に大きく影響されるため、価格変動リスクを理解する必要があります。

(2)基本的に途中解約できない

不動産クラウドファンディングでは、運用期間中に資金を引き出すことは基本できません。

そのため、資金の流動性(自由に現金化できるかどうか)が低い点がデメリットとなります。

資金が拘束される仕組み

・運用期間は契約で固定(3ヶ月~2年程度)
・投資家が途中で解約を求めても原則応じられない

例えば、医療費や生活費が急に必要になった場合でも、クラウドファンディングで運用中のお金はすぐには利用できません。

また、他の有望な投資案件が見つかっても、資金を移せないため投資機会を逃す可能性も考えられます。

(3)希望物件への投資が難しい場合がある

不動産クラウドファンディングでは、必ずしも希望する案件に投資できるわけではありません。

特に、条件の良い案件や高利回りの物件は競争率が高く、募集開始後すぐに枠が埋まることも少なくありません。

例えば、都心部や短期間で運用が終了する物件は投資家からの注目度が高く、申し込みが殺到しやすくなっています。

(4)融資が受けられずレバレッジを効かせられない

不動産クラウドファンディングでは、銀行融資を活用する「レバレッジ投資」ができません。

融資を利用できないため、自己資金内での投資に限定されます。

例えば現物不動産投資では、自己資金に加えて融資を活用することで、より大きな規模の投資が可能です。

一方、クラウドファンディングでは融資を利用できないため、少額から始められるものの、大きなリターンを狙うのは難しい投資法になります。

(5)節税効果が期待できない

不動産クラウドファンディングでは、現物不動産投資と異なり、節税効果がほとんどありません。

現物不動産との違い

・減価償却費や修繕費を経費として計上できない
・クラウドファンディングの利益は「雑所得」として扱われるため、税率が高くなる可能性がある

現物不動産では、毎年発生する減価償却費を経費に計上して、課税所得を減少させることが可能です。

一方のクラウドファンディングは、分配金がそのまま課税対象となります。

(6)事業者の倒産リスクがある

事業者の倒産は、投資家にとって最も避けたいリスクの一つです。

主な倒産リスク

・運営会社の財務基盤が脆弱な場合
・信託保全が適用されていない場合

信託保全とは、投資資金を事業者の資産とは別の口座で管理する仕組みのことです。

これがあると、事業者が倒産しても投資資金が守られ、投資家へ返還される可能性が高まります。

しかし、信託保全を採用していない事業者もあり、その場合は倒産時に資金を回収できなくなるリスクがあるため、事前に確認が必要です。

(7)短期間で大きな利益は得にくい

不動産クラウドファンディングは安定志向の投資であるため、ハイリターンは期待しにくいです。

安定志向の利回り設定

・平均利回りは3~8%程度
・利回りが高い案件でもリスクがともなうことが多い※

※補足●利回りが高い物件に見られる主なリスク地方の物件:入居者が見つかりにくい短期間運用の案件:想定通りの価格で売却できない可能性

不動産クラウドファンディングでは、仮想通貨や株式のように短期的な価格変動を利用した利益獲得は困難です。

長期的な安定収益を目的とした投資に限定されています。

デメリットを踏まえた上でのメリット

デメリットを踏まえた上でのメリット

不動産クラウドファンディングにはリスクがともなう一方、魅力的な特徴もあります。

資産運用を始めたい方にとって、利用しやすいポイントを紹介します。

(1)少額から投資を始められる

不動産クラウドファンディングでは、数万円程度から投資が可能です。

一般的な現物不動産投資には数百万円以上の初期費用が必要ですが、クラウドファンディングは1万円〜3万円程度の資金から参加できます。

初期費用の負担が軽いため、不動産投資に興味がある初心者でも挑戦しやすくなっています。

(2)運用の手間がかからない

不動産クラウドファンディングでは、運用や管理を専門の事業者がすべて代行します。

物件の管理や手続きに時間を取られる心配がなく、初心者でも気軽に始められる仕組みです。

現物不動産投資では、入居者対応や修繕の手配、契約更新の管理が必要になりますが、クラウドファンディングではそうした作業を事業者に任せられます。

利用者は定期的な報告を確認して、分配金を受け取るだけで済みます。

不動産に関する知識がなくても始めやすく、忙しい人でも気軽に取り組める点が魅力でしょう。

(3)利回りが比較的安定している

不動産クラウドファンディングは、株式投資などと比べて利回りの変動が少ない傾向があります。

株式市場のように日々価格が変動することがなく、契約時に決められた利回りをもとに安定した収益を見込める案件が多くなっています。

ただし、投資する案件によってリスクや期待利回りは異なります。

不動産クラウドファンディングのデメリットを抑えるための対策

不動産クラウドファンディングのデメリットを抑えるための対策

不動産クラウドファンディングには、元本保証がないなどのデメリットがありますが、適切な対策を講じることでリスクを軽減できます。

ここでは、初心者でも取り組みやすい具体的な方法を紹介します。

(1)余剰資金を使い、少額から始める

生活資金を投資に回さず、余剰資金を使うことでリスクを軽減できます。

予想外の出費や経済状況の変化があっても、生活への影響を最小限に抑えられます。

ポイント

・生活費や緊急時の資金を確保した上で、余剰資金を投資に回す
・初心者は、1万円から始められる案件を選び、無理のない範囲で参加する

(2)異なる資産と組み合わせてリスクを抑える

不動産クラウドファンディングに全額を投じるのではなく、異なる資産に分散させることでリスクを抑えられます。

分散投資の例

・REITと併用する:流動性を確保しながら不動産市場に投資できる
・株式を取り入れる:異なる市場の動きを活用し、リスクを分散できる
・債券を加える:値動きの少ない資産を組み合わせることで安定性を高める

このように資産の偏りを防ぐと、長期的な安定収益を目指せます。

(3)優先劣後出資の割合を確認する

優先劣後出資の仕組みを確認し、劣後出資の割合が高い案件を選ぶことでリスクを抑えられます。

劣後出資とは、運営会社が損失を優先的に負担する方式で、投資家の損失リスクを軽減します。

具体例

・劣後出資の割合が20%の案件では、不動産価値が20%下落しても投資家の元本に影響がありません
・劣後出資の割合が10%の場合、下落幅が小さくても損失が発生するリスクが高くなります

案件を選ぶ際には、優先劣後出資の割合がどの程度かを確認することが重要です。

(4)信頼できる事業者を比較・選択する

不動産クラウドファンディングでは、事業者の選択が投資リスクを左右する重要な要素となります。 

運営実績や必要な登録・許可の有無を確認し、口コミや資料を活用して比較することが大切です。

💡 選ぶ際のポイント
✔️ 登録・許可の確認
商品によって、第二種金融商品取引業(金融庁)や不動産特定共同事業法(国交省)の許可が必要。
各事業者が適切に登録しているか、公式情報で確認しましょう。
✔️ 信託保全の有無
万が一の倒産時に備え、投資資金が信託口座で保全されているか確認。
すべての事業者が採用しているわけではない点に注意。
✔️ 運用実績
これまでの投資案件の成績や、遅延・元本割れの有無などをチェック。
評判や口コミも参考に、実績の信頼性を判断。
✔️ 手数料や条件
利回りだけでなく、手数料体系や契約期間、優先劣後構造なども確認。
表面的な数字に惑わされず、条件全体を把握することが大切です。

十分な情報収集と比較を行い、信頼性の高い事業者を選ぶことで、投資リスクを最小限に抑えられます。

(5)長期目線で運用計画を立てる

不動産クラウドファンディングは、短期的な利益を追求するよりも、長期的な収益を見込んだ運用が向いています。

安定した利回りを目指し、突発的な価格変動に備えた資金計画を立てることが重要です。

💡 運用計画を立てる際のポイント
✔️ 投資期間を考慮する
不動産クラウドファンディングは、運用期間が固定されている案件が多いため、資金をいつ必要とするかを見極めた上で投資する。
✔️ 市場環境をチェックする
金利動向や不動産市場の変化に注意し、安定した運用が期待できるタイミングを選ぶ。

無理のない資金計画を立てることで、不動産クラウドファンディングを安定的に活用できます。

不動産クラウドファンディングとREIT・現物不動産投資との違い

不動産クラウドファンディングとREIT・現物不動産投資との違い

不動産クラウドファンディングには、REITや現物不動産投資にはない特徴があります。

ここでは、REIT、現物不動産投資との違いをわかりやすく比較し、どの投資手法が自分に合っているかを判断するための基準をお伝えします。

REITとの違い

不動産クラウドファンディングとREITには、流動性、運用コスト、分配金の仕組みに違いがあります。

以下の表で主な違いを整理しました。

主な違い

REITの場合、1日で売買が完了し現金化できる一方、不動産クラウドファンディングでは運用期間中は資金が拘束される仕組みです。

また、REITの分配金は流動性が高い反面、市場の変動により分配金が減少するリスクがあります。

どちらが向いているか
短期的な資金運用や、高い流動性を求める場合はREITが適しています。

一方、中長期的に安定した運用を目指す場合は、不動産クラウドファンディングが向いています。

現物不動産投資との違い

不動産クラウドファンディングと現物不動産投資には、初期費用や運用の手間、レバレッジ効果などで違いがあります。

これらの特徴については、前述した内容も含めて以下の表に整理しました。

特徴

現物不動産投資は、所有権を持ちながら資産規模の拡大を目指したい人や、手間をかけてでも収益性を高めたい人に向いています。

一方、不動産クラウドファンディングは、少額から始めたい人や手軽さを重視する人に適しています。

不動産クラウドファンディングが向いている人・向いていない人

不動産クラウドファンディングが向いている人・向いていない人

不動産クラウドファンディングには、初心者でも参加しやすい手軽さがある一方、特定の条件に当てはまらない場合には不向きと感じることもあります。

ここでは、クラウドファンディングが向いている人と向いていない人の特徴を簡潔にまとめます。

向いている人

不動産クラウドファンディングは、次のような特徴を持つ人に向いています。

(1)少額から投資を始めたい人
1万円〜数万円の少額投資が可能なため、まとまった資金を持たない初心者でも参加しやすい仕組みです

(2)中長期的な安定収益を目指す人
利回り3〜8%程度の安定収益を重視し、短期的な利益よりも計画的に資産形成を進めたい人に適しています

(3)運用に手間をかけたくない人
賃貸管理や修繕手配を専門事業者に任せられるため、忙しい人や手軽に不動産市場に参加したい人にも適しています。

向いていない人

一方で、不動産クラウドファンディングは、以下の条件に当てはまる人には不向きかもしれません。

(1)流動性を重視する人
運用期間中は資金が拘束されるため、すぐに現金化が必要な場合や短期的な投資を好む人には適していません

(2)短期間で高リターンを求める人
安定志向の利回り設定が特徴であり、レバレッジを活用した大きなリターンを目指す投資には向いていません

まとめ

まとめ

不動産クラウドファンディングには、元本割れのリスクや資金の流動性の低さなど、注意すべき点があります。

しかし、少額から始められ、運用の手間がかからないため、初心者でも取り組みやすい投資方法といえるでしょう。

リスクを抑えるには、余剰資金で投資する、異なる資産と組み合わせるなどの工夫が欠かせません。

また、REITや現物不動産投資との違いを理解し、自分に合った方法を選ぶことが大切です。

リスクとメリットを正しく把握し、慎重に判断すれば、不動産クラウドファンディングは将来に向けた資産形成の有力な選択肢となるでしょう。

この記事の監修者

持丸 雅士

ココザス株式会社|コンサルタント|FP

持丸 雅士

Masashi Mochimaru

突如起きた父親の入院・手術をきっかけにお金に対する不安を感じ、ファイナンシャル・プランナーの勉強を始める。
ファイナンシャルプランナー技能士2級及びAFP認定を取得後、お金に対する正しい知識・情報を世の中に伝えていきたいと思い、個人向け資産形成コンサルティング事業を展開しているココザス株式会社へ入社。
資産形成で不安を抱えているお客様の視点に立ち、年間800人以上の資産形成のサポートを行っている。
また現在はセミナー講師として講演会を行うなど、正しいお金の知識を広げる活動にも取り組んでいる。

保有資格

AFP(日本FP協会認定)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士

第一種証券外務員

この監修者の記事を見る

SAME CATEGORY

同じカテゴリの記事

RECOMMEND

この記事を読んだ人に
おすすめの記事

OTHER SEMINARS

この記事に
関連するセミナー

Page Top

FPへ相談されたお客様満足度97%!オンライン相談可!
お金のプロが中立的にアドバイスいたします。

無料で相談する