ここは注意したい!不動産投資の失敗事例
今日は「ここは注意したい!不動産投資の失敗事例」について、教えていただこうと思います。
こうやって見ると、ツイッターではシンボリックマンションというか…
マンションの話が好きですね。
内田:そうですね。
リスナー様から「地方でもシンボリックマンションは下がらないのか?」ときました。
吉崎:地方全てとはいいませんが、地方の中でもそこそこな場所で、希少価値が高いもの。
内田:やはりマンションは希少価値なのですね。
別のリスナー様からも「絶妙な存在価値の三河安城駅にも億ションの需要はあるのかな?」ときました。
吉崎:おかしくはないですよね。
内田:また別のリスナー様から「前橋駅は高崎線ではなくて、栃木と横でつながる両毛線だから液が小さい」と。
吉崎:そうですね、新前橋駅から分岐しますからね。
前橋駅は大きな駅ですが、そこで上越線と両毛線で分岐するので駅が小さい。
その周りに沢山マンションが建っているというのは、それこそシンボリックですね。
内田:リスナー様から「駅前物件で億ション、地方で億ション投資用って買ってペイができるのかな?」と。
吉崎:そんなにできないと思います。
これは良い質問ですね。
やはり、賃料がそれほど取れないと思いますので、そんなに良い投資とは思えないですね。
“貸す”という前提では。
内田:あくまでも、持っている人の?
吉崎:そうです。
持っている人の価格は下がり難いという事がいえますが、“貸して”という意味ではそんなにペイできるとは思いませんね。
内田:貸して、そんなに高い賃料が取れないのだとしたら、投資価値という意味では少し違いますよね?
吉崎:そうですね、その“貸す”という意味での投資は…
“持っておく”という意味では良いかもしれません。
大きく下がらないと思いますので。
注意ポイント|インカムゲイン狙い
さて、不動産投資の失敗事例についてです。
「これを聞いて注意して下さいね!」という事になると思いますが…
不動産投資には色々な投資のスタイルがあって、先ほどの地方億ション等はまさにステイタスで買うとか、自分で持っていて保有しておく事に価値がある。
内田:それで、中々値段も下がらないし、投資で上手く行くのでは?と思って買うと、少し違うなと…
これはある意味「失敗する可能性もある」という事ですね。
吉崎:貸すという事でいくと失敗する可能性があるという事です。
これは東京でとても良い場所の物凄くビカビカの良い分譲マンション等を買っても、物凄く利回りは悪いですよ。
80〜90平米くらいの大きくて3億円しますという様なものを貸しても、そんなに取れないですから。
利回りは凄く悪いです。
なのでやはり不動産投資(貸すための投資)は、インカムゲイン狙いでの投資の場合、このパターンはあまり向いていません。
内田:目的が「貸してお金を取りたい」のならば、違う物件になる訳ですものね。
吉崎:そうですね。
値上がり期待なのであれば分からないですけれどもね。
でもタワマン節税など…
来年以降は厳しくなると思いますが、今日この時点ではまだまだいけますので。
内田:色々な意味合いがありますものね。
吉崎:節税目的で、来年変わらない前提で話すと、節税目的でもこれは良いという事になります。
そういう意味で、不動産投資の失敗事例は、まずもって今の話です。
失敗をするパターンは、何の目的か定まっていないパターンです。
内田:目的がはっきりしていないと失敗してしまうよ、と。
吉崎:値上がり期待など…
株式もそうではないですか?
配当狙いとか、優待狙いとか、グロスとか。
長期保有をしていて3倍・5倍を狙っていくのとでは、やはり目的が違いますよね。
内田:そうですよね。
結局目的がはっきりしないで買ってしまうので、短いスパンでやろうとしたのに、塩漬けになってきてうまくいかなくなるとかですね。
吉崎:同じパターンですよね。
グロスの株で、上場してまだ間もないものに対して、配当が全然出ない等、それは出ませんよね。
内田:それは無理ですね…
吉崎:そういう事です。
そういう目的をちゃんとしましょう、というのがまず一つですね。
注意ポイント|ランニングコスト
それと二つ目の考え方は、ランニングコストがどうか?
これは中古マンションで、物凄く古いマンション等を買うと、利回りが良いものがある。
価格はそれほど高くなくて、賃料はそこそこ取れる。
しかし、修理修繕に費用が掛かりまくる。
そうですよね。
建て替え等が入ってきたらどうしようという感じですよね。
吉崎:建て替えになると少し話は別なのですが、修理修繕で費用が掛かります。
大規模修繕等で掛かるパターンがある。
ランニングコストが掛かってしまうパターンの場合は、一見「賃料÷投資金額」で見れば良い利回りかもしれませんが、ちょこちょこお金が出て行って、お金が掛かる。
内田:例えば給湯器が駄目になったとか…
吉崎:まさに私は今、築15年くらいのマンションが何個かありますけれども、ついこの間12万数千円の給湯器取り換え費用を払いました。
内田:エアコンが駄目になったとかですね。
吉崎:エアコンもこの間やりましたね、11万円くらい払いましたよ。
内田:そういうものが、少しずつ出ていくと…
吉崎:大体築年数でいくと、12〜3年から20年くらいに掛けてちょこちょこ出ていきます。
その年数のものを買うと、買った瞬間にちょこっと出たりする。
内田:そういうものが、ボディーブローの様に効いてきますよね。
電話が鳴ったら「また何かマンションであったのではないか?」とかですね。
吉崎:仰る通り。
あと入居者からクレームが入ったら「壊れているのですぐ直してください!」とか。
私はこの間、湿度が云々といわれて…
内田:湿度?
吉崎:私に掛かってきてはいませんが、管理会社に掛かってきたみたいで「少しやり替えますか?」と言われました。
「幾らくらいするのか?」と言うと「20万円くらい掛かると思いますけれども…」と。
内田:私も幾つか気になる所があるのですよ、今住んでいる所で…
なので、電話しようかな?と思っています。
吉崎:持っているオーナーさんはびくびくしていますね。
内田:そうですよね。
吉崎:という事で、ランニングコストが掛かり過ぎてしまいそうな物件。
これは先ほど言った築年数のもの、あるいはもっというと、全然リフォームや一度も手を加えられていない物件は、築年数が経つと結構その可能性があるので要注意、という事だと思います。
この他にも沢山失敗するパターンはあるのですが、まず今日この目的をはっきりさせようという事と、ランニングコストの所は、まず多くの方々がミスをするパターンなのですね。
それで、蓋を開けてみたら結果的に「大して儲かっていないのではないか!」となる訳です。
ではこれをどういう風にするかというと、まず目的をはっきりしてみましょう。
これは分かり易いですね。
値上がり期待、株と同じですね。
何を目的としてその不動産投資をするのか、という所をはっきりさせる。
これは、何が良いのかは人それぞれなので…
内田:ざっくり分けたら、インカムゲインなのか、キャピタルゲインなのかという、その2つの分け方で良いですか?
あとは節税で多く分かれるという所だと思います。
ここはそれぞれにお任せしましょう。
「目的をはっきりさせましょう」という事ですね。
吉崎:1個に絞らなくても良いのですが、これとこれを狙おうと。
だとすると「この物件が相応しいよね」というのが見えてくると思いますし、不動産会社さんにこの様な物件を探しているという時も、不動産会社さんも「じゃあこれが良いのではないですか?」といってくれやすくなる、という事だと思います。
内田:それがはっきりしてから、次はランニングコストを考える訳ですけれども…
吉崎:先ほど地方の億ションの話が出ましたが、その話を引っ張ると、当然面積が広くて上層階の物件は管理費用が高くなります。
管理費用はどの部屋も同じ値段ではありませんので。
内田:それは知らなかったです。
吉崎:広さによって違いますから。
内田:そうなのですね。
平等に、なのかと思っていましたが、それは結局平等じゃないですものね。
吉崎:不公平ですよね…
狭い部屋と広い部屋では、あるいは不動産価値が違う部屋で同じ管理費用はない。
同様に、修繕積立金も同じ費用ではありません。
という事で、それを踏まえた上で、それも出費ですから、それもランニングコストという事になります。
ワンルームマンションはあまり変わらないですね。
少し違うのですが、基本誤差の様なものです。
内田:階によって違うとか、角部屋とか?
吉崎:そうですね。
少し違うものもありますが、似た様な感じです。
修繕積立金も似た様な感じで、そんなに気にする事はないという事ですが、その費用を見ておかなければいけません。
あと高い利回りの物件は意外と修理修繕に費用が掛かる。
内田:そうですね。
築年数はやはり凄く大事で、それまでにどの様なリフォームをしたり、設備の入れ替えをしたり等というのも、買う前に分からないですよね。
吉崎:不動産会社さんに聞けば教えてくれると思います。
ただ、これを国交省も制度的にしようという事で、昔の言い方で言うと枯れ木ネット。
家の歴を充実させようと、今度は不動産IDという形で今は大々的にやっておりますが、これは大方制度ができてきていて…
もう少しでリリースされると思います。
本当は2023年の頭にやると言っていたのですが、少し伸びている様ですが、これが導入されるとそういうものが分かる様になってくる。
内田:大事ですよね。
車だって中古車は事故歴みたいなものがちゃんとあって、それによって価値が全然違ってくる訳ではないですか。
吉崎:同じ事ですよね。
内田:見た目が一緒でもね。
それと、年数でいうと、先ほどのキャピタルゲインを狙う場合も、インカムゲインを狙う場合も、長期保有でなければどこかで売却する訳です。
売却する時に、次のローンが組めるかどうか?
築25年くらいの物件を買い、そこから15年保有しました。
そうすると築40年ですかね…
その時売ろうと思っても、融資が付くかどうかが分からないのですね。
金融機関の価値担保の判断によりますが…
それは売るというよりは、買ってくれる人、という事ですね。
ローンが付くかどうか、という事で。
吉崎:買ってくれる人が、金融機関からローンを引っ張ってこられるかどうかですね。
内田:これはやはり年数が結構いってしまうと、ローンが付きにくくなりますか?
吉崎:一応、RC物件は耐久年数47年になっておりますので、一応付きます。
しかし、かなり制限される可能性がある。
内田:担保物件になるかどうか?価値ですよね。
吉崎:逆に「築40年くらいの物件を買いました」とするとどうでしょうか?
凄く安かったとするではないですか「800万円くらいでした」と。
じゃあ「キャッシュで買いますよ」と言う人もいる訳です。
買ったのは良いけれども、次に売る時に、もう次の方もキャッシュで買わなければいけない訳です。
キャッシュで買う人を探さなければならない。
内田:そうか…
ローンが付かない可能性があるから。
吉崎:という事もありますので…
そういう担保価値が、手放そうかなと想定しているその時にちゃんと維持されていて、融資が付きそうかどうか、という所もしっかり見ておかなければなりません。
結果的に、半永久的に持つ様になった時に、それがずっと価値があれば良いのですけれども、マイナス不動産になる可能性がある。
内田:そうですよね。
吉崎:これも大きな落とし穴です。
内田:しかし、何かできれば40年を超えた物件は避けたいな、と個人的には思ってしまいますけれどもね。
吉崎:入居する側として?買う側としてですか?
内田:買う側としても、入る側としても。
吉崎:勿論そうですね。
だとすると、その手前で売っておきたいですよね。
内田:売っておきたいです。
吉崎:そういう事も、不動産会社さん、管理会社さんと相談しながら決めていかなければならなくて、そういう目利きも大事でしょうね。
内田:年数も、結局は目的と絡みますよね。
吉崎:インカムと、保有の期間と関わってくると思いますね。
内田:しかし、こういう40年以上のものも、普通に売りに出ていたりするのですね。
吉崎:もちろん、東京には沢山ありますよ。
内田:本当に、少し不安になってしまいますけれどもね。
狭いマーケットになってしまう様な気がしますけれど…
吉崎:それでも、東京等は良い値段が付いていたりするのですよね。
内田:そこは「少し落とし穴もあるぞ!」というのは。
吉崎:東京のものは「資産価値がある」という事で、ある程度金融機関も貸しますからね
しかし、いつまでそうかは分からない。
あと賃料がそこそこ取れますからね。
築60年の物件とかも多少はありますよ。
内田:そうなのですね。
ちゃんとリフォームをして、今はリノベーションというのですか?お洒落にして住む、というのもブームですけれども。
吉崎:そういう事も含めて「失敗事例」というよりも「ここに注意して買いましょう!不動産投資をしましょう!」という所について解説をしてみました。
内田:失敗しない様にご注意ください。
放送局 :ラジオNIKKEI第1
放送日時:毎週月曜日〜水曜日 17:00~17:50
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※ 本記事はラジオNIKKEI第1「5時から“誠”論」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2023年5月15日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています