アメリカと日本でREITが下がった!
今日は「金利上昇へ、今後の不動産投資」について考えていきたいと思います。
X(旧Twitter)でも皆さん書いてくださっていますが…
アメリカと日本の両方でREITが“ガクン”と下がりました。
内田:そうみたいですね。
吉崎:米国債がほぼ5%、日本の国債も1%までいっていませんが、0.9前後。
内田:じりじりと来ていますよね。
吉崎:そしてドル円が150円を一瞬超えましたが、今は149.6円ぐらい。
何か一昔前から見たら、えらい数字が出ていますよね。
内田:確かに…
吉崎:そんな中でアメリカの住宅ローン金利が10月頭で7.5%です。
アメリカは固定金利で買う人が多いので、20〜30年物の住宅ローンで7.5割超。
当然、米国債が5%近かったらレートも5.3や4ぐらい。
それにプラス2%を乗せるはずですので、そう考えると7%…
「そうだよね」っていう数字ですよね。
果たしてそんな数字で「いい買い物したの」という方が、どんだけいるのって感じね。
内田:本当にそう思います。
吉崎:7.5%なので、借りた金額の倍くらいあると…
凄いですよね。
1億円で買ったら2億円ぐらいを払うというようなところ。
これはもう2000年以降では最高水準の金利になっていると。
内田:そうですね。
先週、新築住宅の販売件数が発表されましたが、すごいいい数字ですよね。
吉崎:賃金も上がっているし、全体的には上がっているので、ある程度数字を維持しているけれども、住宅ローンの申請数は減り気味です。
内田:中古がやっぱり在庫がないので、新築の方へという流れがあるようですけどね。
金融政策決定会合の開催
その中で日本の金融政策決定会合が今週末でしたっけ?
今日と明日で行われています。
明日のお昼過ぎには。
吉崎:どうなんですかね?今回も見送り?
内田:私に聞きますか?
見送りが多いようですが…
ただ、事前の情報では物価見通しを引き上げるんじゃないか?というのが出たり。
後はYCCの幅を再修正するんじゃないか?というのがニュースとしては浮上しています。
吉崎:現在の色々な金融市況や数字を見ていると、「今回はもう行かないんじゃないか?」みたいな感じの雰囲気ですか…
もしも仮にですが、YCCのイールドカーブコントロールの10年国債の許容範囲を上げるとすると…
投資用不動産が若干下がる可能性があるんだよね。
キャップレートの構成要因を考えた時に、リスクフリーレート(10年物国債のレート)とエリアプレミアム(これはエリアそれぞれですが…)
それプラス、不動産の固有リスクプレミアムが3%〜3%ちょっとぐらいなので…
合計すると、今1%とすると、4.◯%ぐらいなんですかね?
今、それよりも低い数字で取引をされている。
実取引レートとキャップレートの差があるので、その分を吸収できる範囲なのですが…
それが僕の今の見立てでも0.2から0.3位の範囲です。
それと、長期金利が1.25%を超えるかどうか?が一つの目安だと思っています。
1.25%を常に超えるような雰囲気になってきたら、かなり状況は変わってくると思います。
元々マイナス金利だったこの-0.15や0.ちょっととかですから…
さっきのそのショックを受け入れる範囲はやっぱりあっても0.2〜0.3ぐらいですから。
0.75%から考えると1%を超えると許容範囲をオーバーする。
0.25ぐらいが見えてきたら「アレアレ?」という雰囲気が流れる。
そうすると若干崩れる可能性があるというような感じ。
政策金利で多分恐らく今回も上げないでしょうから…
内田:そうですよね。
その辺をこういじっていくのは、まだまだ先のことじゃないですかね。
吉崎:これも多くの方が見立ての通り、3月・4月の春闘が行われて云々上の時ですけれども…
「4月末の金融政策決定会合ぐらいであるかもね」というところです。
ただ見ていると、小売の数字とか悪いですよね。
上がっている割には、そんなにいい数字が出ないですよ。
内田:これだけ物価高でもジワジワ来ていてですから…
そろそろちょっと苦しくなってきたというのもあるかもしれません。
今後、財政出動がある?
とすると、財政出動があるかどうか?
GDPギャップを埋められたりとか変わるので…
「もう財政出動しようぜ!」というつもりはありませんが…
可能性的にあるのは財政出動をした後に全体的に上がっていく、マクロ経済の典型的な話ですが、そうすると数字的には伸びてきて、指標が整う。
そうする時には上がるかもしれないというような状況です。
今の状況で喜ぶ人はどれぐらいいるのでしょうか?
これでももしもそうなったとしたら、喜ぶ人はいないと思いますし…
と言ってもずっとこれを続けるわけにはいかないですしね。
そうですよね…
やっぱり正常化というのはしたいところでしょうね。
吉崎:もう明らかに需要が減るので、絶対に水を差されるだろうね。
内田:そうだと思います。
吉崎:もう一方でアメリカの不動産の価格が落ち着き…
これで下がってくる可能性があると、CPAが下がる可能性がある。
その流れになってくると、アメリカはだいたい32〜33%位の帰属家賃と民営家賃の寄与率もあるので、こう育ってくると必ずCPAが下がる。
これも遅行性もありますが、下がってくる。
そうすると、アメリカの利上げがあと1回あるのかな?ないのかな?という話で…
そして、どこかのタイミングで利下げみたいな話になってくる可能性がある。
多分、年をまたいだ辺りには議論になってくる。
それは間もなく、近いのかもしれないなという感じですね。
その時は金利も変わってくるので、150円ぐらいがピークだろうね…?
内田:どうなんでしょうね…?
分かりませんもう(笑)
吉崎:すごいですよね!
ドルユーロ円とか157円や158円なので、海外旅行とか行けたものじゃないですよね…
内田:すごく高いそうですよ。
ホテル代など、色々なものを入れるとコロナ前の1.5倍ぐらいかかるらしいですね。
吉崎:金もすごいですよね。
1万円はまだ超えていないのでしょうか…?
内田:東京はすごい近いところまでいきましたね。
吉崎:金が1万円って凄いですよね…!
数千円だったイメージがありますが…
内田:いや本当にそうですね。
お金の逃げ場所がどんどん変わってきている感じがしますよね。
僕も不動産の専門家として言うと、こうしばらくこれが続くとREITはちょっと苦戦するだろうね。
これどうですか?
REITだけじゃなく、全体的の不動産もマンションの売買っていうところもやっぱり…
さっきの水準から国内ではどんなところから意識されるのでしょうか?
吉崎:長期金利が1.25%が1つの目安。
政策金利の大きな目安。
海外のお金は多分為替が崩れれば入ってくるのが減りますから。
不動産が業界的な米国債の金利が高くて流れているREIT関係者を除けば、実物不動産を使っている方々は「このままでいてくれ!」と、みんな思っているのではないでしょうか?
もう最終局面と思ってる方も多いけれども…
ただ色々なアンケート調査を見ていても、まだまだ伸びるっていうアンケート調査が多いのです。
「金利が上がったとしても一気に上がらないだろう」という予測の方々がほとんどですから、日本のね。
まだ楽観視というのが多いなと思いますね。
アメリカの住宅価格が下がってきたら、1番怖いのはアメリカの住宅メーカーを買いまくっているハウスメーカー。
内田:日本では積極的にね。
そういう風に動いてる…
吉崎:そこの株価が心配でちょっと下がってきましたよね…
内田:その辺を警戒し始めている可能性があるということですね。
放送局 :ラジオNIKKEI第1
放送日時:毎週月曜日〜水曜日 17:00~17:50
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※ 本記事はラジオNIKKEI第1「5時から“誠”論」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2023年10月30日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています