土地白書とは?
今日は「令和6年版の土地白書について」伺っていきます。
土地白書というのは毎年1回発行されます。
昨日通常国会が閉会しましたけれども、この通常国会の終盤戦のところで土地基本法に基づいて土地の関する動向とか、どういうふうに土地に対する政策をしたのかとか、今後どういうふうにしていこうかとかというものを白書としてまとめたものを国会に提出するんですね。
原本でいくと確か120枚ぐらいのワード資料で結構きれいに作っていて…
多分コンサル系の会社が外注で綺麗に作っているんでしょうけれども。
その121ページ分を全部説明するとこの番組半年分ぐらいかかりますので、今日はそのうちいくつかのポイントをまとめて話していきます。
まずこの土地白書、120何枚ですから10万文字ぐらい。
グラフの量によるけれども少なくとも本を1冊分ぐらいあるよね。
基本的には3部構成になっていて、1部が土地に関する動向。
2部が去年こんなことをしましたよっていう土地に関して講じた基本政策、第3部が今年こんなことをしようと思ってますということの3つに分かれています。
これは毎年細かく見ています。
出たばっかりだけど、今日から見始めていますが、空き時間とかに見ようと思っているです。
内田:大作ですからね。
時間がかかります。
吉崎:最初の1部で地価の動向や土地取引の動向とか沢山のグラフが出てきますので、そこを見れば今現状の不動産の市況が大まかに分かりますが、当然そんなに長期で見ていませんので、短期的な分に関しては少なくともそこでわかるというところです。
ちょっとその中から特徴的なところを幾つかお伝えしておきます。
土地取引の件数
地価に関しては、もう話をしていますので、1回省きましょう。
土地取引の件数ですが、これだけ不動産市況が活況となれば意外と土地取引も多そうなイメージがあるんですが、横ばいです。
これは全国で見ても東京圏や首都圏、大阪圏のどのエリアも大体横ばい。
地方県は凄い地価が上がって活況のイメージがあるけど、数だけ見ると取引の件数だけ見れば横ばい。
これは少し意外でした。
内田:意外ですね。
吉崎:これは実は去年も一昨年もコロナで多少ぶれましたが、コロナ禍を除けばここ10年ぐらいあまり変わっていない。
不動産価格はめっちゃ上がっているので、動いてそうですよね?
でも件数だけ見れば、マンションじゃなく土地だけの話ですが、土地の取引値も変わらずです。
内田:やっぱり人口が限られているせいでそんなにいろんなものがどんどん売り買いされてるってことじゃないんですかね。
吉崎:多分そうですね。
人口つまり需要が集中してきているので、我々みたいに東京で普段から活動してる層を見れば、町の真ん中を動いているなと思いますけれども。
分かんないけど、恐らくこれは八丈島に僕らが住んでいる人からすれば、土地取引の数ってそんなに変わってないよと。
内田:多分うちの田舎を考えたとしても、そんなに活発に行なわれてる感じはしないですよね。
昔ながらにみんな住んでます。
吉崎:昔ながらに売る人は売って、買う人は買ってたと思います。
不動産投資額について
それと二つ目に、海外投資家の不動産投資額は中国人の方々や台湾の方々が買っていると言われているじゃないですか。
でも2023年に30%以上減少。
これはREITも海外投資家勢は売り越しですからね。
こんなに上がってきているのに、その都度売り抜けたってことじゃなくて?
吉崎:REITは多少あるかもしれないけれど、もしかしたら機関投資家の海外機関投資家はその可能性もあるかもしれないけれども、多分資産資本の移動だと思います。
アジア勢の取引が確かに多いとは言われるんだけど、これ金額ベースで見れば大きな機関投資家が〜というのはそれほどないんですね。
ニセコがどうとか、東京のタワーマンションがどうとかって言っても数億円とかの話ですから。
機関投資家がバーンとどこかの東京のビルを買いました。
例えばマネックスが入っていたパシフィックナントカがシンガポールでファンドを買っていたけれど、あれ何1,000億をボンと買うみたいなのが活況にならないと、これは伸びてこないです。
今そういうことは、そんなに多くないんですね。
令和2年、2020年ぐらいがピークで少しそこから減っているというのが今の状況。
国土交通省によれば。
内田:意外ですね。間違えているはずはないですから。
吉崎:これJLLラサールの資料を元に、国土交通省が作ったみたいです。
国内不動産投資額に占める割合は去年令和4年、2022年の時は26%だったのが2023年は17%に低下ということで減っているということですね、全体的に。
内田:意外な内容が多いですね。
吉崎:意外というか件数ではないからね。
何1000億を一個買うとそれだけで随分伸びます。
東京のタワーマンションは韓国の人がいっぱい買っていますとか、額によっては多くないわけです。
次も大きな特徴の取引の特徴として、オフィスビルはここにきて落ち着いてきているよというデータがあるというとこですね。
今後の取り組みについて
あとは取り組みに関して。
「今年何しましたか」「来年何しますよ」ということに関しては、色々挙げています。
僕も何度か言っていますけれども、かなり前向きに良い取り組みをしています。
特に空き家絡みに関しては、いろいろな新しい取り組みをしてます。
以前の放送でも話しましたが、空き家を利用した緑地を作ったりとか、広場をつくったり家庭菜園を増やしたり。
それと、空き家の所有者と空き家をそのエリアで地域活動をしたい方々の利用促進のためのマッチングをしたりとか、そういうのも国土交通省としては取り組んでいて、もう既に始まっています。
内田:いろいろやっているんですね。
見えないところで。
吉崎:人口減少はもう確実にこの先も行くわけですから、その中でどのように使うべきなのかということについて、国交省はさっきの空き家もそうですが去年の施策も今年の施策も多く取り入れています。
空き家や人口減少下においてどういう風に不動産を有効活用にするのかということに関しては、かなりページを割いて書いていますので、ぜひ一度お時間ある方は見られたらいいんじゃないかなと思います。
内田:そうですね。
土地絡みの未来が、しかも確実な取り組みがしっかり見えてくる可能性ありますよね。
吉崎:文字を読むのが嫌じゃない方は。
国の資料なので無料ですから。
内田:膨大ですけれど、今土地のところを教えてもらいましたから、今年のその政策についてしっかり読むっていうのは面白いかもしれませんね。
吉崎:またそこで面白くなったものがあったら、取り上げてみます。
※ 本記事はラジオNIKKEI第1「5時から”誠”論 NEXT」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2024年6月24日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています