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国民の持ち家と賃貸物件の志向動向について|5時から“誠”論 2023年9月25日放送

ー ワクワク人生 COCO the Styleとは?
ラジオNIKKEI第1で放送中「5時から“誠”論」の番組内コーナー。
人生100年時代を豊かで「ワクワク、生きる」ためには一体どうすればいいのか?
結婚・お子様の誕生・転職・リタイア・住宅購入など、個人のライフイベントを充実させるヒントをリスナーの皆様と一緒に探していく時間です。

国民の持ち家と賃貸物件の志向動向について

国民の持ち家と賃貸物件の志向動向について
内田
内田

今日は「国民の持ち家と賃貸物件の志向動向について」です。

吉崎
吉崎

国土交通省が平成5年から毎年調査している「土地問題に関する国民の意識調査」があります

土地を所有していますか?、所有者不明の土地はありますか?等が前半にあって…
後ろの方は、今の住宅に永住したいですか?今賃貸物件に住んでいますか?持ち家に住んでいますか?このあとを将来的には賃貸物件がいいか?など…
そういう調査をしています。
これが平成5年からですから、30年近くもあるわけです。

国土交通省
土地・不動産・建設業:土地問題に関する国民の意識調査
https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/totikensangyo_tk2_000018.html

賃貸志向?持ち家志向?

賃貸志向?持ち家志向?
吉崎
吉崎

さて、内田さんは持ち家志向ですか?賃貸志向ですか?

内田
内田

私は「賃貸志向」ですね。

吉崎:それぞれどっちがいいのか議論が結構ありますが…
数字だけを追いかけている調査結果だけを見ると、いわゆる「積極的賃貸派」と呼ばれる賃貸住宅志向の人、収入があれども賃貸がいいよという方の割合がどんどんどんどん増えてきています
「賃貸住宅で構わない」あるいは「賃貸住宅の方が望ましい」と答えている方は、1番最新の調査で何%いたと思いますか?

内田:日本全国ですよね…?

吉崎:日本全国です。
年齢も結構幅広くとっているので、当然地方都市にいくと低くなると思います。

内田:そうだと思います。
私も田舎で育ってた時は「持ち家じゃないと!」と思ってましたが、こっちで暮らすようになってくと「いや、全然賃貸でいいよね」と思い始めたので…
半分もいないのではないでしょうか?

吉崎:最新の情報データでは15.1%です
実際に住んでいる人は別ですよ?
実際に住んでいる人だと、全国で62〜3%が賃貸住宅に住んでいますね。

内田:6割を超える方々が…

吉崎:逆ですね逆、持ち家です。
持ち家というような感じですから。

そう考えると、賃貸志向と実際のそれが志向かどうか?ということ。
あとは、実際に住んでいるかどうか?というのは別で…
いわゆる「積極的賃貸派」と呼ばれる方々の割合が15%くらいいらっしゃいます

内田:増えたとはいえ、まだまだ少数派ですね。

吉崎:しかし、平成6年・平成7年を見ると、8%や6%ですよ…?

内田:1桁だったのですね。
確かに家はちゃんと持つべきだと思ってましたが…
それが土地神話ってやつなのかもしれませんけれども…

吉崎:昔は土地建物について、両方所有したい割合が83%と84%。
平成8年に至っては88%ですから。

今、この土地建物を両方所有したいと考える人の割合は65.5%。
特徴的なのは、コロナ禍を経て、令和2年を境にして将来的には分からないという回答した人は、それまでコロナ前までは4%・3%・4%くらい続くのですが…
これは秋に調査されるのですが、この令和2年(2020年)の秋に調査したものです。

内田:では、コロナが始まってそんなに経たない頃ですね。

吉崎:その時は14.5%でした。
その翌年が16.7%とずっと来ており、最新でも13.5です。
ここを境目に、どうなのか?という回答する人が増えたことは特徴ですよね。

しかし面白いのは、持ち家志向がどんどんどんどん減ってきていることは事実です
つまり「賃貸積極的」の賃貸志向の方々は先ほど6〜7%から、15%に増えています
%でいくと、7%くらいが増えただけですよね。

一方で持ち家志向は85%ぐらいから65%ぐらいになりましたから、20%ぐらい減っているということです。

内田:そうですね。
これは結構減りましたね。

吉崎
吉崎

「分からない」という人は、どっちに転がるか分からないけれども、分からないという人と
積極的賃貸派の方が増えているというのが、今の状況で特に単独世帯一人で暮らす方々は東京でいうと約7割が賃貸住宅に暮らすと

単身世帯の方々がどんどん増えてきているということを考えれば、積極的かどうかは別として、実際に賃貸住宅の需要はこれから結果としてはかなり伸びる
ほぼほぼ間違いないと断言してもいいんじゃないかな?と思います。

つまり、賃貸住宅需要が増え続けるということですね。

内田
内田

そうですよね。
独り身だったら「賃貸でいいかな…」と思って。
もちろん、不安もありますが。

吉崎:しかし一方でかつては当たり前のように住まい(住宅)は所有するものだという時代から、最近では「大きなローンは背負いたくない」や「自由な暮らしをしたい」「時々引っ越しもしてみたい」など…
賃貸住宅の方が結果的に暮らしやすい・暮らしやすいんじゃないのと考える方が増えてきている

内田:そうですよね。
やっぱり大きなものを持ってしまうと…

吉崎:身動きが取りにくくなる?

内田:そうなんですよね。
もしずっと1人で、本当に突然私がいなくなったとして。
その後のことは誰かやってくれるのかしら?という、そういうのもありますしね。

持ち家志向に性別や年齢で差はあるのか

持ち家志向に性別や年齢で差はあるのか
吉崎
吉崎

男女で「持ち家志向」に違いがあると思いますか?

内田
内田

あると思います。
女性の方が、持ち家志向が強いのではないでしょうか?

吉崎:そんなに大きな差はないのですが、両方とも土地と建物両方を所有したいという結果です。
つまり持ち家志向の方々は、男性は69.3%、女性は61.8%です。
男性の方が住宅所有意欲は高い

内田:そうなんですね。

吉崎:気持ちが強いですよね。
一国一城の主、そういうことでしょうね

賃貸志向の方々は、あまり差が付かず、男性が15.2%・女性が15.1%でした。
最新のデータではそういうような状況です。

「分からない」と答えた人が面白くて…
どちらが多いと思いますか?

内田:男性ではないでしょうか?
でも、持ち家志向が強いのは男性でしょう…?
男性の方がやはり将来のことを考えているのでしょうか?
そういう意味では家に対して…

吉崎:そうですね。
いつかは家を買おうと考えている方は男性も多いというところですが…

内田:女性かしら?

吉崎:女性の方が「分からない」の回答は多いのです
結婚、出産、働き方など…

内田:環境が変わりますものね。

吉崎:ということで、男女の違いだと思います。

内田:これは、そうでしょうね…

年齢による違い

吉崎
吉崎

吉崎:もう1つ、年齢別ではどうか?という点ですが…
どう思いますか?

内田
内田

難しいですね…

吉崎:基本的には年齢が上がれば上がるほど、持ち家志向は強くなります
「昔はそうだったよね」というのがありますから。

内田:そうか、そうですよね。
育った環境ですよね。

吉崎:面白いのは40代前半の層が7割ぐらいで持ち家志向なのです。
幼稚園や小学校に入学するような世帯が多い。
「そろそろ自宅を持とうか…」と思うのでしょうね。

内田:お子さんも成長してきてね。

吉崎:「小学校もあるし、ここに住もうか」など…

内田:学校に通い始めたら、あまり移動はしないですものね。
そうすると、目安が付きやすいですよね。

吉崎:恐らくこういうタイミングで…
「この地域にある程度、定住しようかな」と考えるタイミングじゃないかな?と思います。

内田:所得も増えてね。

吉崎:大体「将来、俺はこんな感じかな?」というのが見えてくると思うのです。

言うまでもなくアンケート対象で1番低い年齢18歳です。
この18歳〜29歳という層が1番持ち家志向は低い

この世代になってくると、積極的に賃貸住宅に住もうという方は3割近くなってきます。
これは先ほどの「将来はどうなるのかな?」というのは分からないという点と、お子様がという点。
それともう1つは育ってきた環境。
この3つが相まって、これらの世代の方々も「積極的賃貸」が多いということになりますね。

内田:やっぱり、コロナ禍というのも影響があるのでしょうか?

吉崎:ここでぐっと変わるのです。
この前後で積極的持ち家派がガッと減っておりますからね…

内田:コロナがあまり気にしなくなった世の中で、はまた元に戻るのか?どうなのか?

吉崎:最近は「もう元へ戻った」と言ってもいいような状況で…来年次第だと思いますが…
それでもあまり変わっていませんね。
一方でもう今は持ち家志向は減っているのに、分譲マンションの価格が高くなっていますよね?
なぜだ?と感じていますよね…

内田:不思議ですよね。

吉崎:それはもう言うまでもなく、ある程度の持ち家志向の方々が積極的に買っているということなんだと思いますが…

内田:そうですよね。
まだ「圧倒的に持ち家志向」の人の方が多いのは確かですから。

吉崎:これがどんどん増えてきて、今の30代・20代…
30代の方々があと10年もすれば、家族を持って子供を産むという年齢に差し掛かってきますが、そういった方々がどっちに増えるのか?
かなりの割合で賃貸住宅(積極的賃貸派)が増えることは間違いないんじゃないかな?と僕は思います。

内田:やっぱり身軽さや、やっぱりこのコロナ禍において、遠くでも仕事できるという…
それもまた身軽だったりするじゃないですか。

吉崎
吉崎

ただね、忘れてはいけないことが1つあります
これは賃貸住宅そのもののレベルが上がっているということです

昔は賃貸住宅は若干“仕様がいまいち…”というイメージや、古くさい家みたいなイメージが強かったのですが…
今は賃貸専用マンション「これが賃貸住宅?」というような、ピカピカのマンションがいっぱいありますから。

内田
内田

分譲のところでも貸してくれるところも出てきましたしね。
持ってる方々が高齢化してきて、そこで住まないか貸すなどもありますけれどね。

吉崎:多分、色々な背景の中で大きな論争を呼びたくないなど、色々な積極的な賃貸の方々の思いの中では賃貸で充分じゃない?と
恐らく愛、主人ではなく、この住まいの中身でいい感じで満足していて、ハイレベルになってきたということです。

内田:確かにそれを今度長く直しながら住むとなるとやっぱり大変ですが…
少し古くなったら、また新しいところに引っ越しをして、またいいクオリティーでというのはありますよね。

吉崎:このデータには結構色々なことが載っているのです。
レポートだけでも70ページになっており、大作なのですよ。
毎年、毎年取っているデータなので、また来年でも取り上げてみたいなと思います。

内田:気になる方は、国土交通省ホームページへ行けば見られると思います。
今回取り上げたのは「令和4年度土地問題に関する国民の意識調査」ですので、探してみてください

5時から“誠”論
放送局 :ラジオNIKKEI第1
放送日時:毎週月曜日〜水曜日 17:00~17:50
※ 本コーナーは毎週月曜日のコーナーです
番組公式サイトはこちら
番組のアーカイブ配信はこちら

※ 本記事はラジオNIKKEI第1「5時から“誠”論」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2023年9月25日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています

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