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投資のリスクを計る尺度とは?|5時から“誠”論 2023年5月1日放送

ー ワクワク人生 COCO the Styleとは?
ラジオNIKKEI第1で放送中「5時から“誠”論」の番組内コーナー。
人生100年時代を豊かで「ワクワク、生きる」ためには一体どうすればいいのか?
結婚・お子様の誕生・転職・リタイア・住宅購入など、個人のライフイベントを充実させるヒントをリスナーの皆様と一緒に探していく時間です。

この記事の取材協力者

吉崎 誠二

不動産エコノミスト

吉崎 誠二

SEIJI YOSHIZAKI

不動産エコノミスト、不動産企業コンサルタント、CREビジネスコンサルタント
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーション、CREコンサルティング、などを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演。
また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演を毎年多数行う。

・レギュラー出演
 ラジオNIKKEI:5時から“誠”論(月~水:17時~)
 ラジオNIKKEI:吉崎誠二のウォームアップ 830(月:8時30分~)
 テレビ番組:BS11や日経CNBCなどの多数の番組に出演

URL: https://www.yoshizakiseiji.com/

投資のリスクとは?

投資のリスクとは?
内田
内田

今日は「投資のリスクを計る尺度とは?」というテーマでお送りしていきたいと思います。

リスクって、分かっていた方が良いのではないですか?
それも、早めに分かった方が良いです。
例えばリーマンショック等になりそうな時であったり、早めに知っておけば、それなりの対処ができるわけですよね。
そういうものを、どうしたら察知できるのか…
何かシグナルの様なものがあるのではないか、という所を今日はお二人に教えていただこうかなと思っています。

吉崎
吉崎

意外とこれは、固い。
リスクは、金融、あるいは投資の世界では予想外、想定外。
想定外がリスクの意味です。
想定内の「起こるべくして起こった事はリスクとは呼ばない」というのがリスクの考え方です

内田:そうなのですね、想定外をリスク。

吉崎:「これくらい下がるであろう」を超えて下がっているとリスクですよね。

内田:今回も金融システム不安等はものすごいスピードだった訳ではないですか?
ものすごい額のお金が引き出された訳ですよね。
それはだからFRBとしては想定外だったと言っていましたけれども。

吉崎:それは想定外だったという事ですね。
想定内の事においては、読み込んでそれに対する対処ができる、という風に投資では考えると。
学問的にはですよ?

内田:しかし、我々個人投資家レベルだと、私レベルとなったらですよ?
中々その想定できる範囲はすごく少ないと思うのですよね…

吉崎:逆に株でいうとロングとショートを組み合わせるなど、オプションを組む
コール・プットやフォローを組み合わせると、理論的には感応できる訳ではないですか?
理屈では、ですよ。
そんなに上手くはいかないけれども…

リスクを察知するシグナル

リスクを察知するシグナル
内田
内田

しかし中々、全員の方々がそう上手くはできない訳ですから、何か察知できたら良いなと思う訳です。

「こういう事が起こったら、こういう数字が出てきたら、少し注意ですよ!」という様なものを、教えていただきたいと思います。
ただ、投資というとやはり色々あって、不動産と株式だと、やはり時間軸が違うではないですか。
なので「時間軸に分けて少し考えた方が分かり易いかな…」と思うのですよね。
長めだと、やはり不動産でしょうか?

吉崎
吉崎

そうですね。
例えば、バレーボールの時(1989年の年末)にピークを付けて、それ以降下がっていきますが、不動産は1991年発表分の地価公示が東京等で1番高かった。
1991年の発表が3月ですが、価格時点で1月1日。
厳密にいえば1990年の終わり、最後くらいが1番高かったという事で、そこには1年の時差がありますよね

もっというと、地方の不動産はもう少し後でピークを迎えておりますので、もう少し時差がある
あと1年半後くらいにピークを迎えているので、そういう意味ではもう1つ時差があるという事です。
これは裏を返せば、不動産同士で見れば、東京等の価格下落が、或いは価格上昇が起これば、時差的に地方にいく。
要は、首都圏、東京圏、名古屋大阪圏、地方圏という順番ですね
上がる時も、下がる時も。

都心のシグナルになる2つの要素とは?

内田:都心がシグナルになる。
都心のシグナルになるものはないのですか?

吉崎:そのシグナルは2つあります。
金利と、私が見ているのは失業率です

内田:失業率も影響するのですか?

吉崎:失業率というか、求人離れは賃金に影響していきますので
賃金が上がってこないと、実需物件が上がってこない
例えば各証券会社等が色々な経済指標カレンダー等を出しているではないですか?
「今週何々が発表されます」という様な。

内田:私持っていますよ!
為替手帳です。

吉崎:例えば消費者物価指数って星が3つとかでしょう?

内田:何かそういうものを付ける所もあります。
重要度でしょうかね?

吉崎:大体日本の取り方が悪かったりするのですけれども、失業率や営業求人倍率は、普通は星2つとかですよ

内田:あまり大きく動かないというイメージがありますし…

吉崎:特に失業率はどうやって載っているの?という様な所がありますから、あれなのですが…
失業率と有効求人倍率を私は見ています

アメリカの失業率と有効求人倍率は、結構星が2つくらい付いているではないですか。
日本はなぜ1つなのか?と思いますね。

内田
内田

確かに、国によって重要度が違いますよね

吉崎
吉崎

そもそもアメリカはCPI(労働局)が発表するでしょう?
なぜ日本は総務省が発表するのでしょうか?

内田:確かにそうですね。
そうすると、賃金も大事なシグナルになるのですね。
この辺り、安藤さんはどの様に見ていますか?

安藤
安藤

うちの会社(ココザスグループ)でいうと、お客様は会社にお勤めで、日々忙しく仕事をしながら投資もやっている。
そういう方の生活リズムの様なものを考えると、そこまで新聞を読み込む時間がなかったり…
そういった方がうちは多いので、そもそも長期投資をやっていますね。

内田:短期売買ではなくて、長期投資

安藤:不動産であれば「最低10年は持つよね」とか、それで35年後、残債が無くなって年金になるかもなど。
そういった尺度で物事を考えるのであれば、あまり今年来年の経済のブレはそんなに影響はしない。
株式などの金融投資も、つみたてNISAの枠を使って「15年〜20年でドルコスト平均法でリスクを下げられますね」という考え方の方が多いのです
そんなにうちのお客様でいうと、短期的なそこのリスクヘッジ等は見ていない方が多い。
ただ「大きな経済のトレンドだけは見ましょうね」ということを発信する様にはしています。

大きな経済のトレンドを見る為に必要なものとは?

大きな経済のトレンドを見る為に必要なものとは?
内田
内田

大きな経済のトレンドを見る為に必要なものとは、どういうものですか?

安藤
安藤

まずやるべき事、やれる事としては経済ニュースに全然触れていない方等は、新聞を読むのは多分大変だと思うのですね。

例えば日経電子版だったり、アプリで簡単に見られる様な、そういったものをまずインストールして、無料の記事を読むという所から始める
そうすると、なぜ為替が動くのか?など、その辺りの勉強ができると思います。
「まずはそこから始めましょう」という話をする事が多いですね。

内田:経済ニュースを見る事を習慣化していくのですね。
その辺りがやはり1番のポイントですか?

安藤:今まで全く触れてこなかった方からすると、多分テクニカルな指標を学ぶのは難しいと思いますので…

内田:経済が今どうなっているのか、これからどうなっていくのかというものを、見られる様にしていく、感じられる様にしていく事が、それこそがシグナルに繋がるという事ですね。

安藤:そう思いますね。
こういったラジオで、耳から聴くということも非常に良いと思います。
毎日この番組を聴いていたら、多分何となく“今後どうなるのか?”という事が分かってくると思うのですよね。
そこから始めるだけでも、やらないよりも十分なのではないかと思います。

内田:見続ける、聴き続ける事で、変化が分かるという事でしょうかね。
コツコツですね…!

安藤:あと、昔は自分で「今後の経済を予測し、それをノートに日付と共に書いておく」ということをやっていました

内田:それは少し長い目線で見るのですか?
すごく難しいですよね…

安藤:例えば株式が「この銘柄は1ヶ月後にどうなるか?」というミクロの話もそうですし、そこの勝率が上がってくると「これはいけるのではないか?」と。
結構このトレーニングは良かったですよ。

内田:そうすると、短い所から始めるべきでしょうかね。

安藤:1年後の事は分からないですからね。

内田:そうですよね。
1週間後、1ヶ月後、この株価はどうなっている?とか。
これは短期で見ると、どうですか?
またシグナルは違うもので感じる事になるのではないですか?

吉崎:そうですね。
不動産だけで見ると、そう短期で見ても、という所はありますので…

不動産で見るべきシグナルとは?

内田:不動産は長めな感じですよね。

吉崎:比較的にゆっくりで「動き始めたら逆に止まらない」というのもありますよね

内田:トレンドが出やすいのですね。
出てしまうと、出続けてしまう。

吉崎
吉崎

そういう事があるので、最初に見ておく。
あとは時差を読み解く、という事ですね。

内田
内田

時差ですか…?

吉崎:先ほどの、地方との時差です。
例えば、賃料と、着工戸数の推移。
この着工戸数は、ストックの数ですね。
賃貸住宅のストック数が増えてくれば、賃料の価格競争力は下がってくる訳です。
数が増えているとか、需給のバランス的に。

不動産では人口や世帯も大きな指標になる

吉崎
吉崎

もう1つが、人口であったり世帯であったりというものも大きな指標になってくる。

世帯が増えてくれば、当然住宅の需要が増してくる。
この間、国立社会保障、人口問題研究所から将来人口予測が出ていましたね。
あれらを見ていると「将来的にどうなりそうか?」というのが見えてくる。
あれを見たら「外国人がこんなに増えるのか…」という予測でしたね。

内田:そんなに増える予測なのですか?

吉崎:すごく増える予測でしたよ。
日本人の人口はすごい勢いで減っておりますからね。
あれだけ外国人が増えると、外国人向けのマンションとかを作るとすごくウケるのだろうなと思いました。

安藤:そうでしょうね。

吉崎:そんな予測が大きな声ではいえませんけれども、比較的外れるのでね。
社会保障、人口問題研究所の予測、過去など…
私は2009年くらいからずっとウォッチしていますが、まあまあ外れるのですよ。

内田:しかし、そういう特徴がある事を見続けているから分かる、という事ですものね。

吉崎:そうですね。
人口や世帯は不動産系では1番大きな重要指標でしょうね

株で見るなら、どこを見る?

内田
内田

株等を短く見るのならば、吉崎さん、一言でずばり何を見ます?

吉崎
吉崎

PRとPVR
私は比較的シンプルにそちらで見ますね。
「少し低すぎるな」とか。

安藤
安藤

私は短期売買をそんなにやらないタイプで、結構企業業績が伸びていっているか、という所で長期に合わせます

内田:本当に人それぞれですね。
続けるという事が、やはり1番。

吉崎:コツコツですね。

内田:そうですね、大事ですね。

5時から“誠”論
放送局 :ラジオNIKKEI第1
放送日時:毎週月曜日〜水曜日 17:00~17:50
※ 本コーナーは毎週月曜日のコーナーです
番組公式サイトはこちら
番組のアーカイブ配信はこちら

※ 本記事はラジオNIKKEI第1「5時から“誠”論」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2023年5月1日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています

この記事の取材協力者

吉崎 誠二

不動産エコノミスト

吉崎 誠二

SEIJI YOSHIZAKI

不動産エコノミスト、不動産企業コンサルタント、CREビジネスコンサルタント
社団法人 住宅・不動産総合研究所 理事長

不動産・住宅分野におけるデータ分析、市場予測、企業向けコンサルテーション、CREコンサルティング、などを行うかたわら、テレビ、ラジオのレギュラー番組に出演。
また全国新聞社をはじめ主要メディアでの招聘講演を毎年多数行う。

・レギュラー出演
 ラジオNIKKEI:5時から“誠”論(月~水:17時~)
 ラジオNIKKEI:吉崎誠二のウォームアップ 830(月:8時30分~)
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