変わる首都圏の投資用マンションの供給エリア
今日は「変わる首都圏の投資用マンションの供給エリア」について話していきます。
「ワクワク人生」ワクワクと書いていただいていますので…
ワクワクするような話をしていこうと思います。
内田:是非、お願いします!
吉崎: 2002年1年間で発売1年間に発売された投資用のマンション。
何物件ぐらいだったと思いますか?
不動産経済研究所の調べで、首都圏全体では56物件、2,820戸なんです。
ちなみに投資用を取っ払って、新築マンション全部ではいくらぐらいあったでしょうか?
その何%くらいが投資用と言っても、今や垣根がなくなってきましたが…
内田:そうなんですよね。
吉崎: 投資用ではないですね…
ワンルームとかコンパクトマンションを中心に、投資用ではないか?と思われるようなマンションは何割ぐらいだったでしょうか?
内田:4分の1(25%)くらいではないでしょうか…
吉崎: 正解は約9.5%です。
つまり、1年間ではざっくり3万を少し切るぐらい…というような状況になっているのです。
この投資用のマンションの発売戸数はここ4〜5年で6,000部屋くらいで推移しています。
特に2013年以降、部屋数でいくと、6,000〜7000部屋ぐらいで推移している。
たまに8,000部屋(8,000戸)の時がありますが、概ね6,000部屋ぐらいで推移していますね。
価格はちょっとずつ上がってきています。
2013年頃から、平米単価で大体100万円を切るぐらい。
98万4,000円ぐらいの数字でしたが、2022年は121万円平米単価なので、平米単価で2割増。
坪単価で見ると、だいたい今400万円弱ぐらいの390万円ぐらいで推移しています。
どんなエリアに建てられるのか
首都圏全体ですが、いうまでもなく…
首都圏の中でも、投資用マンション・賃貸用のマンションなので、大体街の真ん中(いいところ)に、建設されることを見ても考えればすぐわかることですね。
というところで、どんなエリア(区、市の単位)で建てられているのでしょうか?というところですね。
それはやっぱり便利なところで、人気の街ですよね。
吉崎: 2009年以降のベストファイブ。
府・市の単位で見ると、ほぼ全てが東京23区です。
2009年〜2022年まで13年間の中で、延べ13年✕5位=65の中で…
横浜市中区が2回、川崎市川崎区が1回、川崎市中原区が1回。
合計それぞれ4回です。
それ以外の61回分は、東京23区です。
内田:ちらほら、神奈川県も出てきたということですね。
吉崎: しかし、2021年分だけを見ると…
上位5エリアのうち、3位と4位は東京23区以外で適地がないということですね。
内田:そうですよね。
ずっと吉崎さんは「適地がない」と、おっしゃっていますものね、
吉崎: 東京都では横浜市南区や河原市中原区が3位、4位だったというところですが…
次に2023年、上期。
冒頭にお伝えした数字「2022年に1年間の発売された新築マンションの戸数が2,820戸」は、言い間違いでした…
2023年上期の数字が、2,820戸です。
なので掛ける、ザクっと2倍すると6,000戸ということです。
この2023年上期(1月〜6月)に供給された新築マンションの戸数合計2,820戸のうち、上位ランキング1位・2位・3位はどのあたりでしょうか?
内田:神奈川県ではなく、埼玉県など違う地方にいってしまうのではないでしょうか?
1位:横浜市南区
2位:横浜市中区
3位:横浜市神奈川区
すべて、横浜なのですね…!
吉崎: そうです、すべてオール横浜です。
全体に占めるこの3地区の割合は32.3%で、3戸に1戸は横浜になります。
続いて4位に常連の江東区、5位は川崎市中原区で、ベストファイブのうち1つだけ東京23区ですね。
内田:もうないのですね、一段とないのですよ。
吉崎: あるのですが、あってもすごく高い。
そして利回り的には合わないのです…
内田:そうですよね。
だから本当に「適地」なのですよね。
価格も適してないとダメ、場所も適していないとダメ。
吉崎: 価格が何で上がってきているのか?というと、一般的な分譲マンションは細くてもいいのですが…
総戸数を少なくとも分譲マンションを建てようとするのが高く売れるからとか…
再びインバウンド需要が増えてきたので、ビジネスホテルを建てようか…ということで。
競争がさらに激化している。
2023年の後半が始まっており、まだデータは出ていませんが…
恐らくこれも横浜・川崎の家と同じように、3割ぐらいを占めるのでは?と思っています。
内田:簡単に流れは変わらないでしょうね。
これからの適地は?
これは面白いデータがあります。
2021年にその兆しが出て、ここでもお話した気がしますが…
2020年まではほとんど東京23区ばっかりなのに、2021年に「今兆しが出ましたよ!」という時に、何でこの解説をしたのか?というと…
2013年以降の10年間(ざっくり10年間)で、2021年がちょっと下がるのです。
初めて下がる。
その理由として郊外、特に23区じゃなくなったから。
単価が下がったと…
吉崎: なので、首都圏の投資マンションの平均価格はちょっと下げ気味になった。
だけれどもその裏では、横浜や川崎になってきていますからね。
内田:そうですよね。
だから決して下がってるわけじゃないのですよね。
吉崎: 場所が変わってきた。
更にその価格も今上がりつつあって、横浜・川崎の投資用マンションの価格、新築マンションの価格も上がりつつある。
今年は、恐らく2022年も少し上昇しましたが、また上昇しそうです。
これはつまりエリアが変わって、本来は東京23区に比べて安いようなエリアにも関わらず、さらに値段が上がり…
こういう数字を見ても、ものすごく不動産投資熱は高いな!という感じがしますね。
内田:そうですね。
広がっていって、なおかつ上がっていっている。
吉崎: 毎年、この調子が続くと2023年〜2025年あたりは川口・船橋・市川など…
内田:本当に、東京を取り囲むように、昔の頃はドーナツみたいな…
そうなってきますよね。
吉崎: 今、一棟ものの買い物件は、松戸・市川・船橋など沢山ありますからね。
3階建てぐらいで、いわゆる、サラリーマン大家さんが昔買っていたようなあのタイプはもう東京23区では買えません…
その流れはこの後、投資用のワンルームマンション系でも間違いなく来そうだ!というようなご報告でございます。
今コメントに「横浜中心部は古い建物が多いので、それを取り壊して新しいのを建ててますね。」と。
いわゆる適地ですね。
内田:そうですよね。
確かに歴史のある建物も結構ありますし、壊しちゃいけないものもあるんでしょうけれど…
だからそういうところにいい物件がポンっと建という可能性はありますよね。
吉崎: 築地の周り、新富町の辺の古い建物が多かった土地もどんどんマンションになっていますものね。
要は、そういうことです。
こういうデータを丹念に追いかけていくと見えてくるんじゃないかな?と思います。
内田:本当そうですね。
価格だけを見て「下がっている!」なんて判断はしてはいけませんね。
まずはその建っている土地をしっかりと把握しておき、数値から見ないと理解できませんね。
吉崎: もう1つ、マンションの価格はずっと上がってきているのですが…
供給戸数を見ると、概ねさっき言ったように6,000戸前後で推移しています。
内田:平均的な数字ですね。
吉崎: ずっとここ10年ぐらいそうなのです。
多少若干はありますが、つまりこれも「需要はそこそこあるんだけれども、適地がない中でディベロッパーがいいところを何とか探してきてやっているんだ」という苦労の跡も見えますよね。
内田:そうですね。
私の周りでも都内に住んでた人で、横浜に移り住んだ人が結構いたり…
後、横浜で住んでた人もまたいい物件ができたから移る、という人たちもすごく増えています。
なんか「横浜、熱いな!」と思っているんですよね。
吉崎: 「千葉市美浜区はまだ土地が無駄に余っているから、高層マンションを作っている最中ですね」とか…
どんどんどんどん広がってる感もありますよね。
内田:そしてどんどんどんどん手が届かなくなってって感じがしますよね…
吉崎: 頑張って仕事しましょう…!
内田:頑張りましょう!
放送局 :ラジオNIKKEI第1
放送日時:毎週月曜日〜水曜日 17:00~17:50
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※ 本記事はラジオNIKKEI第1「5時から“誠”論」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2023年8月28日(月)放送
※ 日経ラジオ社の承諾を得て作成しています