株価はナゼ上がるのか?本質を理解しよう
株式投資に取り組むときに「ここは見た方がいいよ」という指標はありますか?
あれば、教えていただきたいです。
まず株式投資を始めるにあたって、1番大事なことは…
これを理解することです。
ここの仕組みをわかってない方が意外に多いんじゃないのかな?と思うのです。
細川さん、株式の価値はなぜ上がったり下がったりするのか、分かりますか?
例えば会社の業績が良かったりすると上がったり…
不祥事など何かマイナスなことが起きた時には下がってしまうのかな?という風に思っています。
そうですよね。
表面上の話をすると、需給バランスなんです。
どういうことかというと、買いたい人がたくさんいると値段は上がります。
そして、売りたい人がたくさんいたら値段は下がります。
これが表面上の話です。
例えば、株価が1,000円の株があったとします。
それを「1,010円で買いたい」という板が、積み重なってるわけです。
他にも「少しもっと高い金額でも買うよ」だったり「ここまで下がったら買うよ」など、色々な買いのオーダーがあります。
もっと強気に「1,500円だったら売り注文出しておくよ」など…
大げさな話ですが、そうするとその売り注文はいつまでたっても多分売れません。
もっと今の株価に近いところで、利益確定なのか?損切りなのか?は、分かりませんが「売りたい」人がたくさんいる。
そうすると、取引が成り立つので下がっていくってというそう話なのです。
まず、これが表面上の話です。
ただもっともっと本質的な話をしていくと…
業績とは何のことかを指していると思いますか?
その会社の利益でしょうか?
そうですね。
1番本質的にはやっぱり純利益です。
純利益というのはしっかりと本業で稼いで…
そして本業以外の収益損失、これらも全て加味した税引前当期純利益という数字に対して法人税がかかります。
そして法人税を払った後(純利益税引後)のこの利益に対して、株価は動いていきます。
これが本質的な話です。
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必ず見るべき指標 (1)
これから株式投資を始める方にぜひ押さえていただきたい2つの指標があります。
この2つの数字だけは知っておかないと、株式投資をやってはいけないのでは?と思うほどです。
株式投資をやっている方は多分毎日のように見ている数字だとおもいますが…
まず一つ目。
会社が1年間頑張って仕事をすると純利益がたまります。
そしてこの純利益の蓄積が純資産と言って、利益剰余金の積み上げで純資産が膨れ上がっていくわけです。
このチャンネルで何度か話しているバランスシートでいうと、右下に資本金があり、その上に利益剰余金が上がっていく。
この純資産は株価と言いますか、時価総額ですね。
時価総額というのは、株価×発行株式数です。
わかりやすく言うと、その会社をまるまる買うために必要なお金のことです。
時価総額1兆円と言うと、1兆円あればその会社をまるまる買い取ることができるのです。
1兆円の時価総額の会社があったとします。
純資産が1兆円だと、これはPBRが1.0倍です。
時価総額が1兆円の会社の純資産が1兆円、金額が同じなので1.0倍になるのです。
つまりこの純資産の何倍の株価がついているのか?というのが、この株価純資産倍率という数字です。
これを考えると、若い会社(伸び盛りの会社)というのはPBRという数字が5倍にも10倍にもなる傾向があります。
まだ純資産が貯まってない、社歴があまりないので、そういうことですね。
しかし、期待されていて時価総額が1兆円ついているとします。
例えば、純資産が2,000億円なのに1兆円の時価総額になるとPBRは5.0倍になります。
例えばPBR0.5という会社があったとしたら…
これはオススメな会社になるということですよね?
ものすごくいい視点ですね!
おっしゃる通りです。
純資産が1兆円貯まっている会社の時価総額が5,000億円しかないとこうなります。
細川さんは5,000億円を頑張って集めてきて、この会社を丸ごと買うわけです。
買った瞬間に解散したら1兆円の価値があるって事ですものね。
そうですよね。
5,000億円も得をすると言うか…
保有現金がどうだ等、色々な話があるので一概には言えませんが…
ただイメージとしては本当にそういうことです。
そういった会社はあるのですか?
PBRというこの倍率を1倍以上にしようと…
要は1倍以下ということは、株主に全く期待されていないということになるのです。
「こんな会社を上場させていていいのか?」という話があって、PBRを1.0倍に上げていこうと、こんな取り組みをしています。
日経平均 225銘柄の平均PBRは?
ちなみに日経平均は225銘柄ありますが…
この銘柄たちの平均PBRは何倍ぐらいだと思いますか?
1.0何倍に上げていこうというのであれば…
その水準に近いのかな?と思いました。
例えば1.1くらい?
そうですね。
現時点ではPBRは1.2くらいです。
純資産が1兆円ある会社は時価総額が1.2兆円ということで、一応は評価されている感じになりますが…
先ほどの若い会社はPBRが高くなりやすいのです。
東京証券取引所の中でも「プライム」というのが1番上にあります。
このグロース市場の平均PBRは何倍だと思いますか?
若い会社が入るので、標準よりは高いとは思います。
そうですね、4.1倍です。
だから成長が期待されているという事なのです。
アメリカ市場「NASDAQ」の平均PBRは?
日本のグロース市場にあたる、アメリカ市場でいうNASDAQですね。
NASDAQというのは、ハイテク銘柄ITの王者たちが上場してる市場です。
ここのPBRがどれくらいかというと4.4倍です。
だからもちろん成長を期待されていますよね。
このように市場によって全然違うのです。
なのでこのPBRをまず1つの指標にして…
つまり、1.0倍を切っているような銘柄で、かつ業績が伸びているというのがあれば、まあお買い得という事ですね。
4倍だと成長が期待されているので、買う方としては…
なんだか割高を感じちゃうのかなと思いました。
そういうことなのですよ。
NASDAQの数字で言うと、4.4倍になるので…
純資産が1,000億円ぐらいの会社のを買うのに、4,400億円が必要になってくるわけなので。
もちろん割高ですし、買った後にその会社の業績が伸びるとします。
伸びるということは、純利益を稼いでそして純資産が後から追いついてきてくれないと合いませんよね?
だから難しいところなのです。
もうすでに割高になってしまっている。
例えば、この前株価がものすごく急騰したNVIDIAはもっとすごい倍率が付いているのです。
株価が高くなってる=時価総額がすごい高くなっている。
100兆円を超えるような価値の会社になっていますから。
ただそんなに純資産はありません。
なので難しいところなのですが…
細川さんが今やるべきことはまだ見ぬ銘柄を毎日、会社四季報を見たり、ネット証券で探す。
そして、いい銘柄があったらそこに投資をしていく。
誰も知らない、気付いていないPBRが1.0倍割れている銘柄をもし見つけることができたら、いつか株価は追いついてくる可能性が高いですね。
必ず見るべき指標 (2)
もう1つ、ものすごく大事な指標がPERです。
これは株価収益率と言いますが、少し分かりづらいですね…
PER:株価収益率
PERが何なのかというと、PERに関しては毎日会社が稼ぐ純利益がありますよね?
1年間で1,000億円の純利益を稼いだとします。
そして、この会社の時価総額が1兆円だったとすると、PERは10倍ということです。
つまり「純利益の何倍の時価総額がついているか?」という値です。
これも割安や割高を判断する時の、とても重要な指標になってきます。
このPERも日本・アメリカの平均の数字をお伝えしましょう。
日経平均 225銘柄の平均PERは?
日経平均225銘柄の平均PERは今14倍くらいです。
1,400億円の時価総額の会社は1年間に100億円の純利益を稼いでいるということです。
ではもっと小さな規模だった場合。
1億円の純利益を稼いでいる上場したばかりの会社はこんな感じだと思いますが…
そういう会社は時価総額が14億円ということです。
PERが14倍、これが日本の平均です。
日経平均も少し前まではもっと高かったのですが…
最近、日経平均が33,000円を超えてきて「もうこれバブルなんじゃないか?割高だろう?」と言ってる人もいらっしゃいます。
でもそんなこともなく、まだPER14倍くらいなのです。
もっと評価された時は、PER20倍くらいの時代がありました。
では、もし20倍に当てはめるのであれば、今から40%くらいの伸びしろがあるという事なのです。
日経平均は14倍ですが、これから成長が期待されているグロース市場は何倍だと思いますか?
20倍くらいでしょうか?
日経平均の225銘柄は、トヨタ自動車やファーストリテイリングなど。
ものすごく大きな会社が入っているわけです。
グロース市場は新しい技術、これから伸びるぞ!会社がいっぱい入っています。
なんと今日時点で79倍ですよ!?
変な話、1億円の純利益を出している会社が79億円の時価総額になっている。
まさにそんな話なのです。
100億ぐらいの時価総額の会社がゴロゴロありますが…
その辺の会社の純利益はまだ1億円か2億円くらいしか出してない会社が多かったりします。
なので非常に割高には感じますよね。
このPERという指標ですが、少し考え方を変えると1億円で買った会社の元を取るのに14年かかるという事です。
14億円で買った会社が、毎年1億円の利益を出してくれるわけですよね?
だから14年経つと元が取れる。
会社をまるまる買ったら14年分の利益でまるっトントンになる。
そして、もちろんその会社の価値がそこに残ってるわけなので、会社を持ってる上で最初の投資資金を全部回収した。
これに14年かかり、グロースの場合は79年かかってしまう、そんなイメージです。
アメリカ市場「NASDAQ」の平均PRRは?
では、アメリカのPERは何倍だと思いますか?
日本よりは高いのでしょうね…
アメリカで日経225にあたるものはS&P500(500銘柄の集合体)でしょうかね。
S&P500だと、だいたい18倍ぐらいです。
そこまで大きくないのですね。
日経平均と比べてそんなに変わりません。
では、アメリカのNASDAQはどれぐらいなのかと言うと、なんと25倍です。
これにはどんな理由があるのでしょうか?
日本の場合、グロース市場と日経225に採用されるような銘柄というのは、会社の歴史や実力として大きな差があります。
グロースが登竜門みたいな感じで、小さな会社だけがある。
そして上がっていくと、一気に多分スタンダードを超えてプライムまで行き、そしてプライムで頑張ってると225に採用されるという感じですね。
しかしアメリカの場合、NASDAQというのは若い会社の市場ではありません。
アメリカはは業態で分けているのです。
NASDAQ市場はハイテク銘柄。
コンピューターとかのマーケットなので、例えばGAFAMと呼ばれる重鎮たちがそこに上がっています。
これから成長するという日本の切り分け方と、アメリカは業態での切り分け方。
でもう1つあるのが、ニューヨーク証券取引所にニューヨークダウという50銘柄があります。
例えばコカ・コーラ、ウォルマートなど、小売系のすごく歴史のある産業の会社が多いイメージがあります。
あとはNASDAQという感じで、業態で分けてるので実はあんまり変わらないというところです。
本日のまとめ
一旦、今日の話をまとめます。
大きく2つの指標これだけは絶対に覚えていただきたいです。
一つ目がPBR株価純資産倍率。
株価純資産倍率に関しては1倍を切っているという事は、ものすごく割安ということです。
1.0倍とかの会社が平均になっています。
二つ目がPERという指標です。
これは株価収益率と言って、時価総額を純利益で割った倍率です。
これは日本もアメリカも15倍、20倍のレンジに収まっている。
まだまだこれから伸びていく会社はどうしても数十倍、もっと高い倍率になってしまいますが…
この2つの掛け合わせで割安かどうかを判断しているのです。
この指標を見るのが、ファーストステップなんじゃないかなと思います。
そして今回1番覚えていただきたい点は…
やはり本質的には、利益を生んで価値を上げていくから株価が上がるのです。
ただし、成長企業の場合は今の利益は少ない。
そのため5年後、10年後に「この会社はどれだけ利益を上げそうか?この事業計画から書けるPERの倍率をかけた時に、これぐらいの株価が妥当だよね」と…
未来の業績を先食いして今の株価が決まってるのが成長企業です。
「10年後、これぐらいの利益を稼ぐだろう」という水準でもう今買われているので、そこに行かなかった場合は大暴落してしまいます。
なので初心者の方はグロース市場の株はちょっと値動きが大きいのです。
10倍の銘柄などもあるので、伸びたら本当に夢を見られます。
ただし安定的に配当を得ながら少しのキャピタルゲインを狙うというのであれば、日経225の銘柄を選んで行った方がいいんじゃないかな?と思います。
今回は「株式投資のすごく初歩的な部分」の話をさせていただきました。
ありがとうございました。