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ポンジスキームは5〜7年で確実に破綻する|投資詐欺の王道ポンジをロジカルに考えてみました

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ポンジスキームは5〜7年で確実に破綻する|投資詐欺の王道ポンジをロジカルに考えてみました

投資詐欺の王道「ポンジスキーム」
投資家からお金を集め「配当金」という名で還元しますが…
実際には集めたお金を投資家に配っているだけ。
運用しているように見せかけて投資家の信用を得てお金を騙し取る詐欺の手口です。

よく考えると、取り組む前に「おかしいな?」と感じるポイントもありそうなのですが…
まだまだ騙されてしまう方も多いのが事実です。

そんなポンジスキームを見破るべき一つの指標を今回ロジカルに解説していきます。
実際におこった過去の事件も紹介していきますので、動画をチェックして今後騙されないために見る目をつけていきましょう!

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投資詐欺がなくならない…

投資詐欺がなくならない…
細川
細川

最近も「PCR検査キットの事業詐欺」で何十億を投資家様から集めたというようなニュースを見るのですが…
やっぱり詐欺事件はなくならないですね…

安藤
安藤

悪い人はいつの時代もいますね…

あとはその人たちに誘われて安易にお金を出してしまう。あまり深く考えていない一般個人がたくさんいる。

この構図はもう何十年も前から変わっておらず、いつの時代も同じような手法で騙されてしまう人がいます。

細川
細川

商品が変わるだけで、仕組みは一緒なのですね…

安藤
安藤

大元の仕組みが全く変わりません

投資詐欺は大抵の場合、ボンジスキームと呼ばれているお金を集めてそのお金を吐き出す
これによって成り立っていることがほとんどです。

まず手順として…
たくさんの方からお金を集めます。

その時の歌い文句としては「年間何%〜何十%の利回りを出します!」というケースが多いですね。
そういう甘い話を持ち出してお金を募る。
それに対して「お金が入ったら運用していきますよ!」と。

運用して増やすことができる。
ここの部分は時代によって、ケースによって全く内容が変わります。

今回のPCRの話でいくと、これはポンジスキームではなく、国に対する助成金・補助金の詐欺だと思いますが…
集めたお金で助成金詐欺事業をしていたわけです。

それがあるからこそ「集まったお金に対して配当をつけて還元することができますよ」という、同じようなパターンでした。

基本はこの流れです。

動画で確認したい方はこちら

2000年以降のポンジスキームの事件を紹介

2000年以降のポンジスキームの事件を紹介
細川
細川

利回り10%や20%となるとやっぱり飛びついてしまうのでしょうか…

安藤
安藤

通常は有り得ませんが…
「利回り10%以上!20%以上!」という話があると、おいしいという風に思ってしまう方が多分いらっしゃるのでしょうね…

ポンジスキームは実際に事業を行っているケースもあれば、最初から自転車操業をやるつもりで全く事業実態がないケースもあります。

これは捕まった時の罪の重さ、懲役の重さで分かれるのですが…
最初から騙すつもりだった場合は、10年を超えているケースが多いのです。

しかし、一生懸命事業をやっていたけれど途中から資金繰りがまずくなってきて…
違法なやり方でお金を集めて、最後まで苦しみ頑張ったとします。
この場合だと、5年以下の懲役になることが多いなという感じがします。

まぁ、しかしどちらも結果的にポンジスキームですね。

細川
細川

泣くのは投資家さんですね…

安藤
安藤

投資家のお金が全て溶けるという話です。

新たな出資金が入ってくるから、過去の配当を出すことができる。

この時点でやっぱり自転車操業じゃないですか?

投資詐欺は何十年も前からこのパターンで繰り返されてきています。

元々マルチ商法やネットワークビジネスをしてたような方が仕事を変えて、ポンジスキームで大型のお金を集める。
仕組みを開発するケースが多いなという風に思います。

ポンジスキームの実例(1)

ポンジスキームの実例(1)
細川
細川

何十年も前から投資詐欺はあるという話でしたが…
今までどういった事件があったのでしょうか?

安藤
安藤

大昔の話を持ち出してきてもご存知ない方も多いと思うので…
2000年以降に事件化された事件をいくつかピックアップしていきたいと思います。

まず2006年に事件化した「平成電電事件」です。

これは、多額の出資金を集めて通信の設備を購入してグループ内で貸し出してリース料を配当に回す。

この会社自体はまともな会社で、ADSLとかNTT東日本西日本の電話加入券の販売とか光通信などをやっていたような真っ当な通信事業です。

一口1,000万円ぐらいで資金を集めていました。
集めた資金総額は20億円いかないくらいですね。

「ちゃんとした会社」と先ほど言ったように、この会社は最後破産した後にですね当然その悪さをした人達は逮捕されました。

ただ会社自体は日本テレコムに事業譲渡されて、日本テレコムのことをソフトバンクがその後吸収合併しましたね。
Vodafoneジャパンがソフトバンクモバイルになって…という流れの中で今はソフトバンクになった。

そんなちゃんとした会社でも経営が苦しかった時にポンジスキーム的にお金を集めていた時があるのです。

平成電電事件

最後は破産という形なので投資家の方は損失を被りました。

重要なのは、何年間このスキームが続いたのか?です
2003年〜2005年ということで、2年か3年ぐらいしか続いていません

細川
細川

その時に自転車操業のようになっていたのでしょうね…

安藤
安藤

「この時にそのスキームで資金を集金していた」ということですね。

ポンジスキームの実例(2)

ポンジスキームの実例(2)
安藤
安藤

2つ目は、これは記憶にあるかな?と思います。

2007年のL&Gという会社がありました。

2007年のL&Gという会社がありました。
「エンテン」という独自の通貨を発行してお金集めてた事件を知っていますか?

細川
細川

聞いたことがありませんね…

安藤
安藤

たくさんニュースになったのですが、電子マネー形式の疑似通貨。
そして元本を保証する通貨なので、100万円を預けてくれたら3ヶ月ごとに9万円を払うのです。

なので年利36%という説明で、日本国内の多くの高齢者の方が中心でした。
協力金という名前で出資を募っていたようです。

非常に大きかったので、社会問題になりました。

元本の保証をしていたということで2001年〜2007年くらい、6年間ぐらい持っていますね。

似たような事件で…

この時期に、同じような話があって…
私は覚えていたのですが「ワールドオーシャンファーム」は聞いたことありませんか?

ワールドオーシャンファーム
細川
細川

“ファーム”ということは、農場ですか?

安藤
安藤

フィリピンで魚介類の養殖などをやっていたようですが…

フィリピン国内のエビ養殖事業に出資をしてくれたら1年で倍の配当を出す、匿名組合型の出資形態でお金を集めていたようです。

彼らが言ってたのは「東京ドーム450個分の広い養殖場がある!」という話だったのですが、実は無かったということが、とあるテレビの取材で公になったのです。

そこから一気に資金繰りが悪くなったっていう流れですね。

細川
細川

元々、事業形態がなかったと…

安藤
安藤

「一部やっていた」というパターンだと思います。

被害者の和:3.5万人

これも大型で、2005年〜2008年の3年でダメになっています。

ポンジスキームの実例(3)

ポンジスキームの実例(3)
安藤
安藤

次は日本史上、1番多くの被害を出したかな?と思うのですが…

「アグラ牧場」です。

「小牛が毎年産まれるので、そこに投資をすると多額のリターンが望める」と…

これは一頭400万円ぐらいの金額で和牛を売っていました。
時価の10倍以下ぐらいだったみたいです。

なのでとにかく売ることで稼いでいたという感じですが…
ここはですね今までのパターンと少し違うのが、一生懸命事業を営んでいたのです。

日本全国28箇所、直営の牧場を運営して牛を14万頭ぐらい飼育していました。

年利も4%〜8%ぐらいで、事業の実態に応じてリターンを出す。

「アグラ牧場」です。

これは1番多くのお金を集めた事件でしたね。
1990年頃から2011年まで真っ当な事業としてやっていたからこそ、20年ぐらい続いてます。

細川
細川

後半で回らなくなってきたということですね…

安藤
安藤

最後は2011年、震災の年ですね。

震災の色々な風評被害や那須・東北に近いところに直営の牧場を持ってたりもしていたので…
それもあって東北震災の後は和牛が売れなくなった。

それで東電を訴えたりもしてましたね。
ただの悪あがきという感じで、多額の負債で終了しました。

他の事件は…?

他の事件は…?
安藤
安藤

他にも様々な事件がありました…

1:ジャパンライフ

次に「ジャパンライフ」が2018年。

磁気ネックレスを貸し出すという予約商法ですね。
元本保証の6%、約1万人から2,100億円。
これも2003年〜2018年と、かなり長くやりました。

他はこの後立て続けに捕まっている事件ですが…

2:テキシアジャパンホールディングス

テキシアジャパンホールディングス。

2013年から活動を始めて2018年まで、5年ぐらいで破綻しました。
元本保証で36%、1万人から460億円を集めています。

3:ケフィア事業振興会

次に「ケフィア事業振興会」です。
細川
細川

どんな内容ですか?

安藤
安藤

干し柿や干し芋の農業系のオーナー商法で、これも本当に大きな事件でしたね…
2010年頃〜2018年という感じでした。

ケフィア事業振興会

4:フリッチクエスト

安藤
安藤

資産形成チャンネルでも数回取り上げましたが…

「フリッチクエスト」

実態のない海外での資産運用で出資を募る。
年利48%。被害者は3,300人で、200億円…
これも2016年頃から5年ほどで破綻しました。

4:エクシア合同会社

「エクシア合同会社」

逮捕者は出ておらず裁判中ですが、FXで多額のリターンを出しているので、そこに出資してください!というような名目でした。
月2〜4%くらいという話だったので、年率で24〜48%くらいでしょうか…
1.2万人で、700億円ぐらい。

そこそこのスマッシュヒットだったという感じですが…
2015年ぐらいから活動を始めて、2022年頃に資金繰りが破綻しました。

他にも、最近グランシールドという会社も取り上げましたが…
コンゴの金投資もありましたね。

上げだすとキリがないですね…

細川
細川

毎年どんどん出てきますね…

安藤
安藤

暗号資産系でいくと…

「ジュビリーエース」や「マイニングエクスプレス」

数100億円単位で、これも全て手法が一緒なのです

なので、これからも同じようなスキームが繰り返され、多分逮捕者が出ます。
なぜか?と言うと、日本は詐欺罪に対しての罪がね甘すぎるのです。

細川
細川

先ほど冒頭でも言った、5年か10年くらいが…

安藤
安藤

5年、10年経てば出てこられるのです。

しかも、不当に集めたお金が数億円、数十億円ぐらいだったら、海外などにうまく隠して換金できますから。
そういうことをやって表に出てきた後、隠してたお金で悠々自適に暮らす。

こういうスキームに手を染めて逮捕される方が結構多いのです。
今行ったような方々も、昔詐欺罪で逮捕されています。

エンテンの社長もそうですね。
ジャパンライフもそうですが、80歳を超えているので、こういうことしかできないのでしょうね…

ポンジは長くは続かない?計算してみよう

ポンジは長くは続かない?計算してみよう
細川
細川

いくつかポンジスキーム事件を説明していただきましたが…
意外と長く続かないものなのですね。

安藤
安藤

早いと5年持たず…
すごく長く持っても、10年を超える会社はなかなかありません。

これがなぜなのか?
数字で計算していけば、すごく簡単に分かることなのです。

細川
細川

どういうことですか…?

安藤
安藤

僕が今からポンジスキームをやろうと思っているとしましょう。

今年から営業を開始します。
なんとなく2040年まで持たせていますが、100億円を集めるモデルにしてみましょう。

・100億円を毎年毎年集め続けるモデル
・配当の率は年間20%出します
・運営費用は10億円ぐらいかかります

そうすると、100億円の集金をし続けるためにはそれなりな従業員基盤も必要ですから…
あとは大体こういう会社のトップや役員陣は贅沢しています。

夜の街で散在しています!みたいなね…
なのでお金がかかるので、10にしました。

あとは社員だけではなく、外部の方に対して紹介報酬を払っていく。
そうでないと、100億円は集められないと思います。
なので集めた代理店への手数料もいれると…

仮に、この100億円集め続ける仕組みで1年間に10%は離脱者がいるという風に考えたとすると…

5年・6年目から赤字になります。

さて、どこの数字を変えればポンジスキームは長続きするでしょう?

細川
細川

これで言うと、6年目から入金を200億にすれば長続きする…?

安藤
安藤

営業が頑張って、毎年毎年50億円ずつ集める金額が増えたとしましょう。
それでも3年ぐらいの延命にしかなりません。

ということは、離脱率を減らす。
それでもあまり意味がありませんね。
仮に全く離脱しなかったとしても…

7年くらいで破綻してしまってるわけですよ

離脱は実際にするので離脱した時の残高を見ていただくと…
前年の残高から離脱した時の元金を全部返さなくてはいけません。

1:元金を返し、配当金も出す
2:運営費を賄って、成功報酬部分もパートナーに対して払う
3:集めた集金額の150億円が最後に入る

こういう計算式になります。

なので、この中でどう回していけばいいか?と言うと成功報酬部分を下げる。

それだとしても10年で潰れてしまうわけじゃないですか…

しかし、成功報酬部分を出さないとなると、正直集め続けるのは難しいので…
ということは、結局ポンジスキームをやっていくと長くて10年でキャッシュがなくなるようにできているのです。

配当金を少なくするといけますよ…?
ただ「配当は10%です!」と言うと、ここまでの集金はできないかもしれないですよね?

細川
細川

そうですね…

安藤
安藤

そうすると営業増加が多分ないでしょうから、12年目ぐらいにキャッシュがなくなる。
ここから分かる通り、ポンジスキームは続かないのです

配当金を48%も出してる会社がありましたよね…?
あれは「どうやるの?」という話です。

ただその代わり、集める金額が一気に増えたとします。
彼らは成功報酬とか確かに出していましたが、これでも3年目ですね。

ほぼ数年で破綻します。

この数字を色々と当てはめていくと、絶対に頓挫しない優秀なポンジスキームを開発することができるんじゃないかな?と思っています。

細川
細川

集めてちゃんと他で運用しているのかどうか?も重要ですよね?

安藤
安藤

もちろんそうですね。
仮に運用していたとしましょう。

運用の成績はすごく無難さ5%で回せたとしましょう。
これが収入として入りますよね?
少し延命できますが…ただあんまり変わりませんね

ただあんまり変わりませんね
細川
細川

そうですね…
5%で運用して、配当金が24%の時点でおかしいですけどね…

安藤
安藤

差の話ですよね…
なのでこの差をいかに少なくするのか?みたいな話になってきます。

では、運用10%でいきましょう。
しかし、これでもダメですね…

では、15%…
いや正直あまり変わりませんね…
自分らで運用で回したとしても10年ぐらいで破綻します。

ただ24%の配当を払わなければいけないわけなので、同じように24%を稼いだら一生続くのか?というと、そうではなく離脱者もいます。

そして自分たちでお金を食いつぶしてしまっています。
あと集めてもらった資金に対して代理店報酬を出しています。
これらの要因からやっぱり持たないという話です。

この仕組みが分かった時に、同じような話を振られたときに「10%・20%・30%の配当が出ますよ!」と言われてやる方がいけないよねと…
これが結論になります。

今回のまとめ

今回のまとめ
細川
細川

こういった商品は5年、10年…
それ以上続くことは無理なのですね。

安藤
安藤

いま出した通りですね。

もし何かに投資をしようと考えている場合、その事業モデルが10年以上継続しているのか?
ここをチェックするだけでも、あなたがポンジスキームに巻き込まれる確率は大きく減ります。

細川
細川

利回りが20%、30%というのも、さっき見た通り絶対続かないですものね…
逆に、10年15年と続いていれば安心して投資してもいいということですか?

安藤
安藤

「10年以下はやめましょう」という話なのですが…
10年以上経ってるから安心して投資していいか?というのは、全くそういう話ではありません。

というのが、その会社が20年30年と持っていたとしても、ポンジスキームになっている事業モデル(集金システム)自体は去年から始まっているかもしれませんよね?
ここが大事なのです。

会社の歴史が〜とか、この名前がついてる商品が〜、20年続いてるから〜だから安心だという話ではありません。
それまでは真っ当に細細とやってた可能性があるのです。

しかし、何かのきっかけでポンジスキームに手を出してしまい、そこから悪さを始めたという場合。
結局、先ほど見たように5年〜7年ぐらいの間でほぼ止まります。

これからも様々な事件を取り上げていきますので、見てもらいたいのですが…
いま数字で出した通りなのです。

5年〜7年で止まるようにできている。
なので、長く続いているから安心とは思わず、集金システムはいつからやっているのか?これをしっかりとチェックしましょう

チェックしましょう

騙されないためには「ビジネスモデルを解読できる」その能力が必要だよということです

また具体例を出しながら、このチャンネルで発信していけたらなと思っています。

今回は「ポンジスキームのからくり」について説明させていただきました。
ありがとうございました。

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