トランプ氏が勝利した2016年の大統領選挙と日本の株式市場
2016年の大統領選挙では、共和党トランプ氏と民主党ヒラリークリントン氏が争いました。
事前の予想ではヒラリークリントン有利となっていましたが、ジワジワと勢いのついたトランプ氏が勝利しました。
日本時間では水曜日の午前から、各州の開票状況が見えはじめ、各州に割り当てられた選挙人の数の合計が、徐々にトランプ氏が有利な状況になってくると、「どんな過激な政策を行うのか」という警戒感からか、株価は大きく下げ始めました。
日本の株式市場が開かれている時間が、ちょうど開票が進む時間と重なっていたために、トランプ氏の数字が伸びるごとに、日経平均株価が下がっていく様子が思い出されます。
一方、この頃の不動産の市況は2106年の1月末にマイナス金利となり、日銀は一段と金融緩和策を強め、不動産市況は好調が続いており、トランプ氏の勝利による動揺は、ほとんどありませんでした。
2024年の大統領選挙トランプ氏の公約
選挙はまだ先ですが、世界にインパクトある発言を繰り返しているトランプ氏ですので、「もし」に備えて、トランプ氏が今回の選挙で掲げる公約をおさえておき、事前に対応を想定しておくといいかもしれません。
トランプ氏の公約は「アジェンダ47」としてまとめられています。
主な内容は、関税引き上げ、自動車・エネルギー産業の保護、など、保護貿易政策が多くあり、日本企業も影響を受けるものと思われます。
また、米国第一の外交復活、対中への強硬な外交姿勢についても言及されており、こちらも日本に影響が大きいものと思われます。
日本製鉄によるUSスチール買収計画バイデン現大統領も反対意思表明
大統領選は秋に行われますが、8カ月近く前に両党の候補者が決まるという、かなり異例の状況となっています。
つまり、すでに大統領本選挙が事実上スタートしているということになり、その影響がすでに出始めました。
以前から、トランプ氏は反対の意向を表明していた、日本製鉄が昨年12月に合意したと発表したアメリカの大手鉄鋼メーカー「USスチール」を約2兆円で買収する計画ですが、3月14日には、バイデン大統領が「USスチールは国内で所有、運営されるアメリカ企業であり続けることが不可欠だ」とする声明を出し、外国企業による買収には否定的な考えを示しました。
いうまでもなくバイデン氏は現職の大統領であり、民間企業の買収計画に現職の大統領が直接言及するのは極めて異例で、これはまさに鉄鋼系企業に労働者の票を意識しての発言と思われます。
世界第4位の日本製鉄は、アメリカでのシェアを高める狙い目論見が、このような選挙の具により、変更を余儀なくされる可能性が出てきました。
日本の不動産市況に与える影響は?
選挙はまだだいぶ先で、接戦が予想され、どちらが勝利するかは直前まで分からいと思われます。
24年後半の日本の不動産市況は、近く予想される金利上昇に伴う、①投資環境の変化②現在よりも円高になる可能性が高く、外国人投資家の投資スタンスの変化 がどれくらい影響を与えるかが大きなポイントとなります。
そして、秋の大統領選の行方次第で、アメリカの金融政策に変化があれば、これも大きな影響を与えことになるでしょう。