太陽光発電投資の節税対策

太陽光発電投資で節税効果を得るにはどのような対策があるのでしょうか?
主な対策を3つ説明していきます。
(2)青色申告を選択する
(3)課税事業者になって消費税還付を受ける
(1)経費として計上する
太陽光発電投資にかかった諸々の費用は経費として計上可能です。
経費の額が多くなればそれだけ、支払う税金も少なくなります。
手軽にできる節税対策ですが、日頃から経費を意識しておくことで、節税効果は高まるでしょう。
毎年国に納める所得税額は、次の計算式によって求められます。
課税所得(売上-経費-各種控除額)×所得税率
つまり、経費の額が多くなれば、それだけ課税所得額が少なくなります。
その結果、支払う所得税額も安くなるのです。
節税対策には、経費の額をいかに大きくするのかがポイントになります。
●経費として計上できるのは?
太陽光発電投資において、経費として計上できるものはどのようなものでしょうか。
例を挙げて説明していきます。
交通費、水道光熱費、メンテナンスに必要な道具の購入費
・ メンテナンスを外注した際の費用
点検費、修繕費、清掃費、水道光熱費、接待費
・パワーコンディショナの電気代
経費として計上できるものはできるだけ計上することで、支払う所得税額を減らすことが可能です。
●太陽光発電の導入時にかかる設置費用は減価償却費で計上できる
太陽光発電の設備は減価償却として経費計上ができ、節税につながります。
減価償却とは、固定資産の帳簿上の価値を時間の経過にあわせて、少しずつ経費化していく手続きです。
つまり、太陽光発電の設備を導入した年だけで経費を計上するのではなく、設備を使用できる期間内に分割して経費を計上していくことになります。
減価償却資産を何年で費用として配分するかを定めたのが法定耐用年数です。
太陽光発電設備の耐用年数は17年間です。
減価償却の方法ですが、個人事業主は定額法が適用されます。
定額法とは、文字どおり毎年決まった金額を償却していく方法です。
例えば、太陽光発電設備を1,000万円で購入した場合、1,000万円を17年間で償却していきます。
よって、1年間に計上できる減価償却費は次のとおりです。
1,000万円×0.059(1/17)=59万円
売上から59万円の減価償却費を引けるため、課税所得を少なくすることが可能です。
このように、減価償却費を計上することによって節税につながります。
(2)青色申告を選択する
青色申告を選択することによって、最大で65万円の青色申告特別控除を受けることが可能です。
青色申告には、「10万円控除」「55万円控除」「65万円控除」の3種類があり、それぞれ控除を受けるための条件があります。
簡易簿記などで帳簿付けを行い、決められた期間保存することで適用されます。
・55万円控除
複式簿記によって帳簿付けを行うことで適用されます。
・65万円控除
「55万円控除」の要件に加えてe-Taxによる申告または、電子帳簿保存を行うことで適用されます。
「複式簿記は難しそうだし、できるか心配…」と感じる人もいるかもしれません。
しかし、会計ソフトを導入することで最初は複式簿記の知識がなくても、知識をつけながら帳簿付けできます。
青色申告者になるためには所得税の青色申告承認申請書を税務署に提出しましょう。
申請書は国税庁のホームページからダウンロードできます。
ちなみに、青色申告を行うためには個人事業主になる必要がありますので、個人事業主でない場合は開業届を一緒に提出してください(開業届も国税庁のホームページからダウンロードできます)
(3)課税事業者になって消費税還付を受ける
課税事業者になって消費税還付を受けることで、大きな節税につながります。
しかし、節税額が大きい分、手続きが少し大変な面もあります。
まずは制度を理解して、還付を受けるべきかどうか考えてみましょう。
●そもそも消費税還付とはどのような仕組み?
私たちは買い物をしたときに、消費税も一緒に支払いますよね。
しかし、事業者でなければ、税務署に消費税を直接納めたことはないでしょう。
そこで、消費税還付の仕組みについて理解していただくために、まず消費税はどのように納められているのか仕組みを説明していきます。
消費税は「売上にともなう消費税」から「仕入れにかかった消費税」を引いて納税を行うのです。
例を挙げて考えてみましょう。
例えば、スーパーで本体価格500円のお肉が売れた場合。
10%の消費税(50円)がかかり、お客が支払った合計額は550円です。
スーパーは本体価格400円のお肉を仕入れていたとしたら、消費税は40円になります。
スーパーが仕入れに使用した総額は440円になります。
スーパーは「売上にともなう消費税(50円)」から「仕入れにかかった消費税(40円)」を引いた10円を納税する必要があるのです。
しかし、「売上にともなう消費税」が「仕入れにかかった消費税」よりも少ない場合、税金を払い過ぎていることになります。
そこで国から多く払い過ぎてしまった分の還付が受けられます。
これが「消費税還付」の仕組みです。
太陽光発電事業において、還付金額は以下の式で算出できます。
(年間の太陽光発電における収入-太陽光発電のための経費)÷1.1×10%(消費税)
太陽光発電のオーナーは、設備などを購入した際に「仕入れにかかった消費税」を支払います。
そして、発電した電気を売った際に「売上にともなう消費税」を電力会社から受け取るのです。

消費税還付のメリット

消費税還付の手続きを行った場合、どのようなメリットがあるでしょうか。
多額の消費税還付金を受け取れる
まずメリットとして挙げられるのは、多額の還付金を受け取れる可能性がある点です。
ご存じの方もいるかもしれませんが、太陽光発電投資を行う場合、かなりの確率で消費税還付を受けられます。
「仕入れにかかった消費税」の方が「売上にともなう消費税」より多くなるケースが多いため、消費税還付を受けやすくなっています。
なぜなら、太陽光発電設備は高額のものが多く、売電収入は長期間を見据えてリターンを出していくものだからです。
つまり、高額な設備投資費用に比べれば一年間の売電収入のほうが低く、消費税還付で返ってくる金額は100万円単位になることも期待できます。
償却資産税の節税効果がある
固定資産税の1つである償却資産税の節税対策にも有効である点もメリットになります。
償却資産税とは、土地・家屋以外の事業用資産に課税される税金です。
設備投資時の処理次第で資産の課税評価額を抑えられ、償却資産税の負担が軽くなることがあります。
消費税還付の対象となるものは?

太陽光発電を行う上で、仕入れにかかる費用のうち消費税還付の対象となるものを把握しておきましょう。
例として以下のものが挙げられます。
・設備設置のための工事費用
・セミナー参加費
・メンテナンス費用
※ローンの利息部分は消費税の課税対象外となるため、還付の対象にはなりません
土地の購入代金は消費税が課税されない(非課税)ため、注意しましょう。
消費税還付の手続きをするためには

消費税還付を受けるためには、課税事業者になる必要があります。
消費税の支払いが免除されている免税事業者であれば、そもそも消費税を納める義務がなく、還付も行われないからです。
個人事業主が課税事業者になるためには、次の(1)から(3)の条件のうち、いずれかを満たす必要があります。
(2)2年前の1月1日~6月30日の間(特定期間)に、課税売上高と人件費(給与等)の合計が1,000万円以上になる
※なお、資本金1,000万円超の法人を設立した場合は、原則として設立当初から課税事業者となります
(3)「消費税課税事業者選択届出書」を提出した
条件のうち、(1)や(2)は新規で事業を始めるのであれば、売上はまだ発生していないので当てはまりません。
しかし(3)の「消費税課税事業者選択届出書」の提出は、新規で事業を始める人にも提出できます。
手続きは非常に簡単で、税務署に「消費税課税事業者選択届出書」を提出するだけです。
青色申告を行うのであれば、「所得税の青色申告承認申請書」と一緒に提出することも可能です。
消費税還付の注意点

次に、消費税還付の注意点を3つ紹介していきます。
経費計上や青色申告と比べて、専門的な知識が必要になるため、正しい情報を集めることが大切です。
(1)キャッシュフローは3年間のトータルで見る
消費税還付を受けた場合、原則としてその後2年間(合計3年間)は課税事業者を継続しなければなりません。
この間に売上が増えると、今度は消費税を納める必要がでてくる可能性があります。
したがって、キャッシュフローは3年間のトータルでプラスになるかを見極めることが重要です。
(2)免税事業者に戻るのに3年かかる
一度「課税事業者選択届出書」を提出して課税事業者になった場合、原則として3年間は免税事業者に戻ることができません。
消費税の申告義務が続くため、課税事業者になるかどうかは、事前によく検討することが大切です。
課税事業者と免税事業者のそれぞれにおけるメリット・デメリットを見極めて、選択する必要があります。
免税事業者であれば、課税事業者ほど複雑な手続きをしなくていいのはもちろん、消費税の納税義務がないのがメリットといえるでしょう。
一方で課税事業者になれば、消費税還付は受けられますが、手続きを行うのには手間がかかります。
時間の捻出が難しいこともあるでしょう。
そのような場合は、税理士に手続きを依頼する選択肢もあります。
(3)消費税課税事業者選択届出書を提出するタイミングに注意
「消費税課税事業者選択届出書」は、課税事業者としての適用を受けたい年の前年12月31日までに提出する必要があります。
例えば、2026年から課税事業者になりたい場合は、2025年12月31日までに届出を提出しなければなりません。
期限を過ぎると、翌年から課税事業者になることはできなくなるため、提出のタイミングには十分注意が必要です。
まとめ

太陽光発電投資で利益を最大化するためには、節税対策も大切です。
経費計上や青色申告と比べて、消費税還付は節税効果が期待できる分、手続きの負担も発生します。
ミスなくお得に節税対策を行うためには専門的な知識を身につけることが重要です。
ココザスでは太陽光発電投資の節税対策に関する知識を持ったアドバイザーも在籍しています。
太陽光発電投資の販売店ではないため、中立的な立場からのアドバイスが可能です。
相談することで、投資に必要な専門知識を深めることにもつながります。
最適な投資戦略を考えるために、まずは不明点などを相談しながら正しい情報を集めていきましょう。
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