今後の不動産価格
今日は「今後の不動産価格」について話していきます。
ものすごいざっくりですね。
不動産価格というのは、結構幅が広い。
内田:広いですね…土地もあるし…
吉崎:オフィスビルもあるし…
内田:ですよね。
今日は何に絞りましょうか?
吉崎:家がらみにしましょう。
賃貸住宅も含めた家がらみ。
投資用の不動産
まず、東京の投資用の不動産。
これをキャップレートという数字で推し量ることが一般的です。
今3点台の中盤から後半ぐらいの数字で、ワンルームやファミリータイプの投資用の物件は推移しています。
それと「これぐらいの利回り欲しいよね」というこをキャップレートで…
実際の取引利回りレートというのがあり、これが3.5ぐらいです。
なので、少し乖離があるわけです。
ちょっと低い。
確かにそうですね。
吉崎:その低いことを「これぐらい欲しいけれど、でもそんなにないから、もうちょっと利回り低い物件だけど、買おうか」というようなムードになっていくのです。
今の話は地方都市でも、福岡や札幌などの地方の主要都市でも似ています。
内田:差がある、乖離していると…?
吉崎:そういう状況ですので、つまりもう少し価格は上がりということですよね。
数字が上がって、範囲取引価格に収斂されていくと思います。
だから利回りや取引利回りは下がり、価格は上がるということです。
これが投資用の物件です。
ただ一方で金利が変われば、投資熱が少し冷めると思います。
イールドカーブ・コントロールの数字では影響は出ると思いますけど…
ふっとネガティブな反応に出ると思いますが、実質的に影響が大きく及ぶのは政策金利の方だと思います。
内田:そうすると、まだちょっと先ですかね。
吉崎:かなという感じですよね。
さっきの金利がふっと、チョウプラが動いたりした時にネガティブ要因は走りますが、実際はさっきの政策金利が動いた時がターニングポイントになると思います。
住宅実需用の不動産
一方で、住宅実需用の自分が住むような…
こちらは、当然市況にもよりますが大きな要因は所得です。
自分の所得?
吉崎:世帯所得ですね。
結婚している場合は、奥様の旦那様の含めたということですが、これが上がる傾向にあるかどうかというところだと思います。
内田:今のところ、賃上げが…
吉崎:良い感じではあります。
そして、先ほどの話の通り、金利の話はイールドカーブ・コントロールが崩れたら固定金利は動くと思いますが、変動金利は基本的に変わらない。
短プラレートですから変わりませんので、となれば金利のところはさっきと同じ話ということですよね。
あまり大きな変化はないというところですが…
ただもう1つ、所得と連動しているのが「年収倍率」です。
年収倍率は例えば1,000万の人がいたとしたら、今10倍とか12倍ぐらいですかね?
1億2,000〜3,000万円ぐらいを買う。
内田:なるほど。
吉崎:600万円の年収の場合、7,000万円〜8,000万円を買うという感じで、これは1つの目安としてですが、今はちょうどアッパーぐらいだと思うんですよね。
これ以上を掛けると厳しくなってくというような…
まあ、要は所得がずっとこの後増え続けるかどうか分かりませんものね。
内田:そうなんですよね。
今年は上がったけど、では来年再来年はどうなの?という感じ…
吉崎:当然恐らく企業も給料の考え方は変わってくると思いますので。
上げるときは上げるけれども、厳しい時は下げさせていただきます。
内田:そうですね。
しかも若い方は上がるけれども、ある程度年齢いったらどうなのってところがありますよね。
吉崎:というあたりも気にしておかなければいけないということですね。
そう考えた時にそろそろ年収倍率を見ればアッパーに来ているかな?と。
というところで、東京の実需のマンションは横ばいをしばらく維持、あと金利次第で下がるかもねという感じだと思います。
先ほど言ったのは、もうしばらくっていうような感じだと思いますね。
これは横ばいの期間も。
地方都市の地価は?
一方で地方ですが、これにはもう1つ法則があります。
大都市東京の都心、次は大都市部の大阪や名古屋やなどの大都市。
そこから地方、そして地方の周辺という形で住宅価格の伝播化していくのです。
と考えた時に、今全国でも3月下旬か4月の上旬に開設しましたけど…
住宅地の地価を見ても、今の上昇率のトップはほとんど大都市の周辺ばかりです。
地方都市の周辺も札幌の周辺、福岡の周辺などばかりですね。
なので、地方都市の地価はこの後はしばらく上がると思います。
例えば東京で見ると「もうここは高いから、ちょっと、ちょっと」と…
内田:少しずつ少しずつドーナツが広がっている。
吉崎:大昔のバブルの頃は、高尾や高槻など…
ああいうところに家を求めて買ってたわけですからね。
皆さん通っていましたよね。
ああいう傾向はどうしても出てくるということで、地方都市は先ほどのお話の通りです。
大都市の価格は高止まりしている以上、その後は絶対に上がってくるというところでも遅れること1年2年という時差で下がるときは下がってくる可能性があるというところですね。
地方の投資は今上がってきているんですね。
東京などの大都市の利回りがすごく低くなってきているのです。
ちょっと無理して、ちょっと利回りは高い。
つまり、価格が安く、利回りが高いということは言うまでもなくリスクは高いってことですから。
「ちょっと地方に行くよね」という目で見ている人は、やはり多くて、先ほどの地方主要都市の周辺部の東証の物件にも触手を伸ばそうとする方が増えてきています。
なるほどね。
吉崎:目線的には今地方都市までかなり広がってきているということで…
やはりこういう話を聞くと、この後はどういう投資物件を買おうか?どういうREITに投資しようか?。
今のような話を聞いていただくと、少なくともここ1年2年はそんな動きだと思います。
内田:そうですね。
色々と循環してるんですね。
吉崎:これがサイクル理論ですよね。
誰かが本を書きましたね。
内田:吉崎さんが書きましたね(笑)
それを読めば、どの位置に今行って次何を求めていくのか、人々がそういうのが…
吉崎:見えてくるのですよ。
苗場大好きタケちゃんが編集してくれた本です。
2020年に出した本ですが、内容はあんまり変わってませんからね。
伝播の流れがサイクルを生むということですね。
内田:大事ですね。
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※ 本記事はラジオNIKKEI第1「5時から“誠”論」の番組内コーナー「ワクワク人生COCO the Style」の内容を抜粋/改変したものです
※ 2023年6月26日(月)放送
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