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カーシェアのAnyca(エニカ)がサービス終了|シェアリングサービスは難しいのか

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カーシェアのAnyca(エニカ)がサービス終了|シェアリングサービスは難しいのか

遊休資産の活用という観点で注目されている、様々なシェアリングサービス。

その中でも車のシェアリングサービス「Anyca(エニカ)」
多くの方が一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
しかし、2024年いっぱいでサービスが終了するという発表がありました。

知名度もあったサービスだと思いますが、なぜサービス終了になってしまったのか?
シェアリングサービスについて、色々とお話していきます。

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この記事の監修者

安藤 義人

ココザス株式会社 代表取締役CEO

安藤 義人

YOSHITO ANDO

2016年に個人向けライフデザイン(人生設計)事業を行うココザス株式会社を創業。
現在は事業領域を広げ、資産形成・転職支援・住宅関連の3つの事業を通じて、世界中の人々がワクワク生きていける世界を作るため、日々経営に没頭中。
2022年からは活動拠点を海外にも広げ、モンゴルに現地法人を設立し不動産業のライセンスを取得。

自身も10代の頃から株式投資をスタート。
新築収益アパート投資やモンゴルの不動産投資、国内スタートアップへのエンジェル投資など幅広く投資を行なっている。

URL: https://twitter.com/cocozas_ando

  • 書籍:3週間で身につく日本人が知らないお金の常識|2020年11月3日発売
  • 書籍:モンゴルがいま熱い!|2024年2月26日発売

Anycaがサービス終了

Anycaがサービス終了
安藤
安藤

最近のニュースでびっくりしたことがあります。

少し時間は経ちましたが…
Anyca(エニカ)っていう個人向けのカーシェアプラットフォームのサービスがなんと2024年12月一杯で撤退するのです

細川
細川

Anyca(エニカ)は大きなプラットフォームのイメージなので意外でした。

Anyca(エニカ)は大きなプラットフォーム
安藤
安藤

カーシェア業界においては正直1番認知度が高いのがAnyca(エニカ)だと思っています。

細川
細川

やっぱり、そうですよね。

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安藤
安藤

2015年9月にDeNAというIT企業がサービスの提供を始めました。

2019年2月にSOMPOグループホールディングス、損害保険、損保ジャパン日本興亜などの上のホールディングスです。

2019年2月にSOMPOグループホールディングス、損害保険、損保ジャパン日本興亜などの上のホールディングスです

こことDeNAが合弁会社を一緒に作り、その会社がサービスの提供をしているのが現状です。
株式会社DeNA SOMPO Mobilityという会社名はあまり有名ではありませんが、Anyca(エニカ)を運営していたということなので…

株式会社DeNA SOMPO Mobility

9年も続けてきたサービスが撤退となるなんてびっくりですよ。

動画で確認したい方はこちら

考えられる原因は?

考えられる原因は?
細川
細川

原因は明確にありますか?

安藤
安藤

明確ですが、細川さんから見てAnyca(エニカ)は大きな会社のそれなりのサービスに見えてました?

細川
細川

そうですね。

安藤
安藤

実は内部の財務状況を見るともう真っ赤だったわけです
Anyca(エニカ)決算公告で調べると出てきます。

株式会社DeNA SOMPO Mobilityという会社が出てきますが、見ていくと24年3月期、準利益が約6.3億円の赤字です。
23年3月は7.1億円の黒字になっていますが…
その前の年が8.4億円、その前の年も8.4億円ということで毎年毎年8億円という単位でどんどんどんどん赤字が膨れ上がりました。

直前で言うと利益剰余金が21億円のマイナスということなのでずっと垂れ流してたということなのですよ

利益剰余金が21億円のマイナス
細川
細川

ユーザー数も何十万人もいるわけですよね。

安藤
安藤

Anyca(エニカ)の発表だと91万人と書いてありましたね。

プレスリリースがありますが…

当初想定していた規模にはもう遠く及ばずという書き方をしています。

車業界を好転させるポテンシャルがあったが、結果としてサービス終了を決定いたしましたということです。
Anyca(エニカ)を活用して素敵なカーライフを送っていた…
つまり借手側の人もたくさんいたと思います。
ただ、その方々はそのサービスがなくなったとしても生きていけますよね。

細川
細川

別のところで借りればいいということですね。

安藤
安藤

車を借りるサービスは他にもたくさんあります。

ただ、Anyca(エニカ)の良かった店は、カスタムしている特殊な限定車などを個人から借りて乗れていたので…
レンタカーの「わ」ナンバーではなく、まるで自分の車だと見栄を張れるような部分はあったとは思うのです。

カーシェア投資は儲かるの?

カーシェア投資は儲かるの?
安藤
安藤

それよりも打撃が大きいのは…

Anyca(エニカ)で車を貸し出して副収入を得ていた人たちがまずいんじゃないでしょうか?
細川
細川

それは貸し手がお金を払って貸しているということですか?

安藤
安藤

そんなことはありません。

細川
細川

収入だけが入ってこなくなるということですね。

安藤
安藤

ただ手数料を間でプラットフォーマーは当然抜いてますから…

と言ってもプラスになった部分からちょっとひかれて入ってくるって話なのである意味良い副収入になっていました。
そういう方もいるんじゃないかなと思いますよ。

細川
細川

それがもうゼロになるという…

安藤
安藤

「Anyca(エニカ)がなくなったらどこで貸す?」というぐらいそれなりなサービスにはなっていたと思います。

細川
細川

でもなんでこれはうまくいかなかったんですか?

安藤
安藤

結局のところ…

自分が持ってる大事な車を水知らずの人に貸したいって思いますか?
細川
細川

人それぞれだと思います。
貸したい方がAnyca(エニカ)を利用してたのかなって思うんですが…

安藤
安藤

あんまり集まらなかったということですよね。

細川
細川

そういうことですか。

安藤
安藤

マーケットサイズとしてそこまでいかなきませんでした。

しかし、Airbnbはどうなのと思うのです。

Airbnbは元々の始まりは家の自分が使っていない部屋を貸すみたいな話で、途中から1棟貸しや自分が旅行に行ってる間に貸し出すことをしています。

今で言うとCOCOZASも貸別荘を日本全国で展開しています。
Airbnbを使って集客をすることもあるわけです。

確かに悲惨な事件が最初の頃起きたりもしましたが、車ほど精神的抵抗がないのです

細川
細川

どこに違いがあるんですか?

安藤
安藤

結局、家は1日誰かが使ったからといって寿命は縮まらないじゃないですか。

細川
細川

痛まないとか言いますよね。

安藤
安藤

実際、パーティーの床にテキーラがいっぱいこぼれてしまったなどの被害もありましたが、Airbnbはうまく対応してきたのです。

全額の補填や保証などをやってきました。

そもそも耐久性が強いものを貸し出すのであればなんとか成り立つのです。
でも車はどうでしょうという話なのですよ。

細川
細川

家と比べると3年とかで買い換えるという話もよく聞きます。

安藤
安藤

車は走行距離で走れば走った分だけもう元には戻らないです。

寿命が縮まっている感覚になります。
特に高級車とかはなおさらそうなんですよね。
走った分だけどんどん価値が下がります

だから走行距離が短めの方がリセールバリューが高いみたいな話なのです。
そういうものをあんまり人に貸したくならないじゃないですか?

保証や保険などあるみたいですが、損害保険がキモになりますよね。
ぶつけたりとか色々あるわけです。
それのカバー範囲が難しかったみたいなのですよね。

傷つけられたらどうするんだというので…
なかなか心理的なハードルを超えられなかったと思います。
貸し出しをしている車の中にかっこいいなって思う車が確かにあるのです。
何人かのオーナーさんだけそれなりな収益を得てたと思います。

細川
細川

貸し出してる車の種類がキモということですか?

安藤
安藤

種類や年式もですね。

自分が使っていない時に誰かに貸し出して収入を得る、お小遣い稼ぎのような部分はあります。

遊休資産の活用です。

前に同じような仕組みで「トケマッチ」の話をしたと思います。
時計はまさにこのシェアリングビジネスに合っているのです
なぜかというとリセールバリューの点だけで言うと合っているからです。

細川
細川

消耗しないからということですか?

安藤
安藤

傷つきますが、ロレックスの特にオーバーホールと言って磨きをかけるとビカビカになります。
何十年前のものだったとしても同じです。

車はエンジンやトランスミッション、クラッチなど消耗品で作られた機械なのです。
時計は100年動くような精密機械で時計職人が作っていて外見は磨くたびに新品になるということでリセールの観点で言うと時計はやりやすいです。

ただ持ち運びがしやすいのでシェアリングビジネスには向かないという結論です
「トケマッチ」のような悲惨な事件が起きてしまった意味で言うと家は持ち運びもできないのでシェアにあっていると思います。
車でどうにか市場を作れないかなと思って、私もこのカーシェアの業界を注視していましたが結局ダメでした。

シェアリングエコノミーで成功するサービスとは

シェアリングエコノミーで成功するサービスとは
細川
細川

借りる方はこれがなくなっても別で借りればいいって話ですが…
よくあるオリックスレンタカーなどのレンタカーとはまた違うんですか?

安藤
安藤

オリックスや有名なとこで言うとタイムズカーシェア。

COCOZASも営業マンがね営業行く時や物件案内に使ってますが…
Anyca(エニカ)は根本的に違います

要はAnyca(エニカ)はCtoCのプラットフォームがそのまま他の車持ってる人と繋がるわけですよ。
これを繋いでいるマッチングサービスです。
タイムズカーシェアとかはパーク24っていうあの会社が持っている資産を使ってもらっているということなのでレンタカーとカーシェアの違いって何?という話なのです。

店員がおらず無人で取りに行けるのがカーシェアとなっているだけです。
オリックスとかで言うと同じような仕組みでパーキングに置いている無人で接客がないのがカーシェアのようなそれぐらいの違いでしかありません。

なので遊休資産の活用という感じではなく単純に資産のレンタルです
そういう意味で言うとAnyca(エニカ)は画期的で使ってない時間、使ってない場所そこを新しい経済に変えていこうっていう取り組みだったので大きな社会実験ではありましたけども…
惜しかったですね。

DeNAは今までも新たな取り組みもしながら撤退戦も何度もやってきています。
M&Aした会社のキュレーションメディアがダメだった時も…
薬機法で引っかかっちゃいました、WELQとかMERYなどすぐに売却をして100億円近い特損を出して撤退みたいなことをしています。

だから持ったところでずっと赤字体質から抜け出せないのでさすがに9年やって損切りということなのではないかと考えています。
タイムズに身売りの話も持っていったとは思うんですけども、サービスの仕組みが違いすぎて残念な結果になりました。
年末までに僕は1回か2回また使おうかなと思っています。

細川
細川

本当ですか。
Anyca(エニカ)でカーシェア投資をやっていた方にあったことありましたが…

安藤
安藤

カーシェア投資は成り立っていましたか?

細川
細川

2年前ぐらいですが、その方は儲からなかったと言っていましたね。

安藤
安藤

シェアリングエコノミーという考え方自体が儲けのためではないのです

細川
細川

だとすると何のためにやるんですか?

安藤
安藤

遊休資産の活用です

どうせ使ってないなら誰かに貸すことも遊休資産の活用しましょうということなのですよ。
ここで数万年円が入ったらいいですよね。

細川
細川

副業としていいですね。

安藤
安藤

お小遣いかせぎだとして、空いている時に1万5000円とかで車借りてくれるんだったら30日で45万円入りますよね。

これが何度も言いますが「シェアリングエコノミー」という考え方なのです。

細川
細川

投資の観点で増やそうと思って車を買い、それを貸し出していこうというのは違うのですか。

それは割に合わないです。
安藤
安藤

例えば車に乗らないのであれば駐車場代金、保険、車検などあらゆるコストがかかります。

このあらゆるコストをたまに貸し出しして得ていく売上で賄おうと思っても残らないです。

細川
細川

使わないのであれば貸した方が得だよねということですね。

安藤
安藤

この考え方の元祖は赤坂とかでよく見かけますが…

夜はスナックやバーで、昼行くとカレー屋さんですというように全然運営母体が違うところがお店を回している。
要は、開いてるところを貸して収益を最大化させるという考え方です

完全にカーシェアはそうでしたから自分が使わない時間がたくさんあるんですよ。
そこで入ってきてて良かったなっていう方々がちょっと悲しむかなっていうぐらいであってそもそも何かを買って回そうというのは成り立ちません。

1個だけ成り立つなと思うのは不動産です。

壊されるリスクも少ないわけですから。

不動産の場合は1,000万円で買った不動産に200万ぐらいリノベをして1,200万円の原価のものを貸し出していったら毎年なんと300万円ちゃんと売上が上がりますという物件が合ったとします。
そうすると4年で回収できるのです。
つまり表面利回り25%みたいなことが普通に成り立つのですよ。

不動産は唯一成立します

しかも不動産は価値が落ちづらいですから。
1,200万円のものを数年後に売るとしても1,200万円に近い金額で売れるケースが多いです。

車は違います。

走れば走るだけどんどん落ちていきます。
残価設定のローンなどどれだけリセールバリューが高いと言われてる車でも3年後に60%です。
40%負けます。
40%負けた金額で買い戻しを約束してくれたりするわけなのです。
その運用をしている数年間の間に40%以上稼がなきゃいけないわけだから無理です。
カーシェア投資の甘い話に踊らされちゃだめですよ

投資はあくまで不動産のような実物資産でやっていくのが良くて…

基本的に動かせるもの動産での投資はリスクが高いというのが私の考えです

なので使えない時に収益を生む発想自体は面白かったなと思っていて、これが形を変えてまた別の状態が生まれたりとかすると考えているので…
勉強のために年末までAnyca(エニカ)が使えますから。

最後の最後に売り上げが上がると思いますよ。

いろんなサービスが出てきていますが、経済の勉強のために1回使ってみるといいんじゃないかなと思います。

カーシェア投資やこれに代わる他のシェアリング投資も出てくると思うので…
また機会があれば解説します。

ありがとうございました。

この記事の監修者

安藤 義人

ココザス株式会社 代表取締役CEO

安藤 義人

YOSHITO ANDO

2016年に個人向けライフデザイン(人生設計)事業を行うココザス株式会社を創業。
現在は事業領域を広げ、資産形成・転職支援・住宅関連の3つの事業を通じて、世界中の人々がワクワク生きていける世界を作るため、日々経営に没頭中。
2022年からは活動拠点を海外にも広げ、モンゴルに現地法人を設立し不動産業のライセンスを取得。

自身も10代の頃から株式投資をスタート。
新築収益アパート投資やモンゴルの不動産投資、国内スタートアップへのエンジェル投資など幅広く投資を行なっている。

URL: https://twitter.com/cocozas_ando

  • 書籍:3週間で身につく日本人が知らないお金の常識|2020年11月3日発売
  • 書籍:モンゴルがいま熱い!|2024年2月26日発売
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