高級車の99%は法人名義ってホント?

本当に99%が法人名義なんですか?
だいたいそうですね。 高級車って価格が高いので、ほとんどが法人名義です。
僕の知り合いでも個人で所有している人もいますが、圧倒的に法人名義が多いです。
高級車って、街中で見かけると「すごいな」と思うじゃないですか。
でも実は、あれほとんど法人なんですよ。
たとえばガソリンスタンドで働いていた経験がある人なら分かると思います。
車検証を見ると、ほぼ「株式会社〇〇」と書かれています。
へえ、そうなんですね。
僕も以前スタンドで働いていたことがあって、そのときによく分かりました。渋谷とか港区あたりでは、本当に毎日のように高級車が入ってきます。
車検証を見ると、ほぼ全部法人名義なんですよ。
富裕層の車に対する基本的な考え方

富裕層にとって「車」は、単なる移動手段や嗜好品ではありません。以下の3つの視点から車を戦略的に捉えています。
1. 消費ではなく“資産運用”の一種
高級車は購入直後に価値が下がると思われがちですが、人気モデルや限定車などは市場価値を維持または上昇させるケースもあります。
富裕層は将来的なリセールバリューを見越して車を購入し、車を資産の一部として位置付けています。
2. 車は“信用力”を可視化するツール
ビジネスシーンにおいて、どのような車に乗っているかは、無言のメッセージになります。
高級車=成功者という印象は根強く、商談や人脈形成においてポジティブな影響を与えることがあります。
富裕層は、車を“信用力を補完する装備”と捉えています。
3. 節税・経費化の対象としての車
法人名義での車両購入により、減価償却・保険・燃料代・車検費用などを経費として処理できます。
富裕層の多くが事業を行っており、この節税メリットを積極的に活用しています。
実際、「車は法人で持つのが当たり前」とする思考は、経営層の常識になりつつあります。
法人名義で高級車を購入する4つの理由

高級車の大半が法人名義で購入されるのには、明確な合理性があります。
ここでは、富裕層が実践している「法人名義による4つのメリット」を紹介します。
(1) 節税(減価償却・経費処理)
法人で車を購入すれば、車両代金を数年にわたって減価償却でき、税負担を軽減できます。
さらに、ガソリン代・自動車保険料・車検・修理費用なども業務に関連していれば経費として計上可能。
実質的な支出負担を減らせるのが最大の魅力です。
たとえば中古の輸入車を買うと、1年でその全額を経費にできるケースもあります。
つまり、車を“満額を経費として計上できる”のです。
へぇ、そんなことができるんですね。
はい。 新車の場合は「耐用年数」というのがあって、6年間かけて少しずつ経費にしていく必要があります。
たとえば1,200万円の車なら、1年あたり200万円ずつ経費として計上する、という形です。
でも中古車の場合、すでに耐用年数が切れていれば、1年で全額を経費に落とせるんです。
だから、毎年車を買い替える経営者がいるんですよ。
「去年と違う高級車にまた乗り換えてるな」と思ったら、実はそういう仕組みで動いているわけです。
なるほど。利益を圧縮しているということですね。
そうです。 たとえば3,000万円の利益が出たときに、1,000万円の車を買えば、その分経費で圧縮できます。 法人税率がだいたい30〜40%くらいだとすると、単純に300〜400万円の税金を減らせる計算になります。
なるほど、それで法人名義が多いわけですね。
そういうことです。 ただし、もちろん何でもかんでも買えばいいという話ではなく、実質的な収支が大切です。
つまり「節税目的だけの無駄遣い」はNGです。
ポイントは「価値が落ちない車を選ぶ」ことなんです。
(2) ビジネス上の信用力強化
高級車を保有していることは、取引先や顧客に対して「信頼感」や「成功している企業」という印象を与える効果があります。
特に役員車として導入することで、会社のブランド価値や代表者の印象を高める戦略として活用されます。
(3)プライベートとビジネスの兼用が可能
業種や運用方法によっては、ビジネスとプライベートで車を兼用することも可能です。
たとえば営業や外出業務に使う車を、休日に家族で利用することも問題ありません。
もちろん使用割合に応じた経費計上の調整は必要ですが、柔軟な運用が可能です。
(4)法人契約による保険・リースの優遇
法人名義での車両契約では、自動車保険の割引や、法人向けリースプランの利用といった優遇措置を受けやすくなります。
複数車両の管理や、長期リースによるキャッシュフローの安定化など、経営視点でのメリットも大きいです。
お金持ちの車の選び方は価値が落ちない車かどうか

価値が落ちない車、というと?
たとえば、1,000万円で買った車を1年後に同じくらいの価格で売れて、また次の車に買い替えられるようなケースですね。
それなら利益を圧縮しつつ、実質的な損はほとんどありません。
そういう車も実際に存在します。
芸能人がよく乗っている「ベンツGクラス(ゲレンデ)」なんかはその代表格です。
人気が非常に高く、むしろ新車より中古の方が高くなることもあるほど。
他にも、ポルシェ911なんかも人気ですね。
価値が落ちにくく、流通価格も安定しています。
フェラーリもそうなんじゃないですか?
確かにフェラーリも値崩れしにくいですが、あれは 税務上は経費として否認されるリスクが高いです。
税務調査が入ったときに、「それ会社の業務に使ってますか?」と突っ込まれやすい。
営業車としてフェラーリで行くのは、ちょっと無理がありますよね(笑)。
2ドアやオープンカーなど、完全に趣味性の高い車は「業務用」として認められにくいんです。
なるほど。じゃあ、どんな車なら認められやすいんですか?
やはり4ドアのセダン系です。 ベンツならSクラスやEクラス、Cクラスあたりですね。
営業車としても通りますし、見た目も落ち着いている。
国産車ならレクサスやアルファードも人気です。
どちらも値落ちしにくく、売却時も高値で戻ってくる傾向があります。
なるほど。うまく売却益を繰り返すことで、節税につながるわけですね。
そうです。節税しながらも価値を保つ車を選ぶ。これが一番“利口なやり方”なんです。
節税だけではなく、実質的な収支を意識しよう

表面的な経費削減よりも、“最終的にいくら手元に残るか”に目を向けることが大切です。
会社員の方でも、こうしたお金の知識を知っているかどうかで、人生に大きな差が出ます。
有名な本に『なぜ社長のベンツは4ドアなのか』というものがありますが、あれは本当におすすめです。
結局のところ、「値落ちしにくいもの」「資産価値のあるもの」にお金を使いましょう。
ここまでのお話を聞くと、「節税になる」とはいえ、やはり“リセールバリュー(再販価値)”が大切になってきますね。つまり、「節税だけではない」という話はそこにつながるわけですね。
そうなんです。節税だけを目的にしてはいけないんです。
たとえば、1,000万円の車を買って法人税を300万円削減できたとしても、1年後にその車の価値がゼロ円になっていたら本末転倒じゃないですか。
会社を始めたばかりの人ほど、税理士さんなどから「節税のために車を買いましょう」と言われることが多いんです。
僕も以前、「そろそろマセラティいかがですか、安藤さん」なんて言われました(笑)。
でも、そういう“見栄えのするもの”を買っても意味がないんですよ。
1,000万円使って法人税を300万円圧縮できても、現金1,000万円は確実に減っています。
それなら、300万円税金を払ってでも、残りの700万円を会社の内部留保として貯めた方がよっぽど健全です。
なるほど。節税額だけ見て満足してはいけない、と。
そう。 大事なのは“表面上の節税”じゃなくて、「結局いくら手元に残るのか」という実質的な収支なんです。
たとえば、1,000万円で買った車が2,000万円に値上がりする確信があるなら、借金してでも買う価値がありますよね。
それは“良い投資”なんです。
つまり、「リセールバリューが高い=価値が落ちにくいもの」にお金を使う。
これが本質です。
節税になるからといって高級外車を買いましょう、というのは間違ったアドバイスなんですよ。
確かに、そこまで考えずに買ってしまう経営者も多そうですね。
そう、実際かなり多いです。“節税目的”だけで買ってしまうケース。
でも、ちゃんと理解して買っている人は、経理や会計、財務の仕組みまで分かったうえで判断しています。
僕ももし将来フェラーリを買ったとしても、「こいつ調子乗ってるな」とは思わないでくださいね(笑)。
ちゃんと価値のあるモデルで、資産として成り立つと確信できた場合だけです。
もし“確実に5,000万円まで上がる”と分かっているモデルが出たら、僕も迷わず買いますよ。
そういう合理的な投資判断ができれば完璧です。
法人名義購入を検討する際のチェックポイント

高級車を法人名義で購入することには多くのメリットがありますが、すべての人にとって無条件に有利とは限りません。
以下の5つの観点から、自分がその恩恵を受けられる立場にあるかを確認しましょう。
(1)業務使用の実態があるか?
法人名義で経費処理を行うには、「その車が事業に使用されている」という実態が必要です。
例えば営業や取引先訪問など、業務上の使用目的が明確であるかを整理しましょう。
(2) 減価償却と耐用年数の理解
車両の購入費用は一括で経費計上できず、数年間にわたって減価償却処理されます。
例えば普通車は6年、軽自動車は4年など、耐用年数を理解したうえでキャッシュフローに与える影響を把握することが大切です。
(3)税理士に相談しているか?
節税目的での法人名義購入には、税法に基づいた適正な処理が求められます。
税理士の助言を受けながら、購入方法・経費計上の割合・帳簿管理まで一貫した体制を整えましょう。
(4)リース vs 現金購入、どちらが自社に合うか?
法人で車を導入する場合、リース契約のほうが初期費用を抑え、経費処理がシンプルになることがあります。
一方、現金購入は減価償却を通じて費用化できます。自社のキャッシュフローや節税方針に合った方法を選びましょう。
5. 維持費・保険・駐車場などの諸経費も経費処理できるか?
保険料、ガソリン代、車検・整備費用、駐車場代なども業務利用が明確であれば経費として認められます。
これらの支出項目ごとに記録を残し、必要に応じて証明できる体制を構築しておくと安心です。
具体的なおすすめ車種と活用事例

お金持ちの車選びは、価値が落ちにくいかどうかが鍵です。
ここでは、法人でも業務利用としての説明が通りやすく、かつ再販価値の高い車種を厳選して紹介します。
(1)特に価値が落ちにくい車種
・メルセデス・ベンツ Gクラス(ゲレンデ)
・新車よりも中古価格が高騰することもあり、極めて高いリセールバリューを持つ。
・法人名義での所有も多く、役員車としての説得力も十分。
・ポルシェ 911
・スポーツカーでありながら“実用性のある2ドア”として一定の業務利用説明も可能。
・車好きの経営者が選ぶ「資産性重視」の一台。
・ベンツ Sクラス・Eクラス・Cクラス
・特にCクラスやEクラスは維持費も現実的で、節税・資産価値のバランスが良い。
・Sクラスは重役車・社長車としてのイメージが強く、見た目の威厳も抜群。
・レクサス LS・ES・NX
・レクサス車はリセールも非常に安定しており、資産としての保有に向く。
・特にLSは高級セダン、NXは高級SUVとして法人向けニーズが高い。
・トヨタ アルファード
・グレードや装備次第では、新車価格を上回る値で取引されることもある。
・ファミリー用途や接待・送迎にも最適で、説明もしやすい。
(2)フェラーリやランボルギーニのような趣味車の注意点
・2ドアやオープンカーは「本当に業務に使っているのか?」と指摘されやすい。
・税務調査時に否認リスクが高く、慎重な判断が必要。
まとめ

今日のまとめです。
高級車が法人名義なのは「節税になるから」。
買うなら価値が落ちにくい車(ベンツGクラス、ポルシェ911など)。
節税額より「最終的にいくら残るか」が大事。
会社員の方でも税金の知識を知っているかどうかで、人生の差は大きく変わります。
そして「なぜ社長のベンツは4ドアなのか」という書籍も非常におすすめです。
結局のところ、値落ちしない資産を持つことが一番の防衛策です。
本質を見極めてお金を使う。大切なことですね。
そうですね。今回もご覧いただきありがとうございました。
