今回はNHKの決算分析を行います!
この撮影は2024年一発目ですが…
昨年はチャンネル登録者が1万人を超えたり、資産形成チャンネルからたくさんお問い合わせもいただきましたね。
今年は登録者3万人に向けて頑張っていきましょう!
頑張りましょう!
年末はゆっくりできましたか?
年末の1回、このときくらいしかNHKを見ていませんが…
紅白を見てゆっくりしましたね。
今日は、そのNHKに対して言いたいことがあるのです…!
実は昨年末ぐらいに視聴者さんからメッセージをいただきました。
「安藤さんはよく企業の決算分析をしますよね?調べて欲しい企業があります。NHKです。」と言われて…
考えてみたらNHKは僕も紅白しか見ませんが、お金を払わなければいけませんし「何なんだろう?」と思って、自分も興味があったので、めちゃくちゃ調べてみました。
今回は調べた情報を話していきたいと思います。
動画で確認したい方はこちら
そもそもNHKってどんな会社?
結論から言うと、NHKという会社・団体は…
どういうことでしょうか…?
NHK=ファンドと考えてください。
紅白をやっている会社ではなく、ファンドなのです。
僕のイメージでは「テレビ局」のイメージでしたが…
ファンドなんですよ。
なぜなのかは徐々に説明していきますね。
NHKは「日本放送協会」の頭文字をとってNHKです。
株主は誰だと思いますか?
国営というか…国のものなのかな?と…
それはかなり誤解されていて…
NHKは政府、つまり国から独立した公共の放送事業隊という特殊な団体なのです。
運営財源はどこから出ているか、分かりますか?
国民の皆さんから…?
「全ての視聴者の皆さんからいただいたお金で賄ってます」と本人たちも書いています。
「公平に負担していただくよう、放送法で定められています」と「政府の他財界などいかなる固有の団体から出資も受けていません」とも書いていますね。
ただ「一部政権放送の実費とか国際放送の実費を政府から出資を受けている」というのがあるみたいですが…
資本関係的に行くと。そういったところとは切り離されているという風に書かれています。
どんなことが書かれているのか?というと…
「受信料制度」は、どこからも受けていません。
半官半民や国営放送というような誤解をされていますが「そうではない」と明確にNHKのページに書かれています。
そんな団体なわけですが、彼らがどんな会社なのか?
決算がホームページ上にアップされているのです。
企業と同じで、過去の財務諸表が全部載っているのです。
平成18年(2006年)までと、直近は2022年がアップされているので、ホームページ上には16年分あります。
重要なポイントだけをいくつか読んでみようかなと思います。
NHKって、すごく大きな会社なのですが…
従業員はどれくらいいると思いますか?
何千人もいるのかな…?と…
1万人を超えています。
あとはグループの関連団体などを合わせると、1.6万人を超えているということでした。
1.6万人を超えているというのは、製造業のメーカーとかでそこそこ大きい規模ですよね。
NHKの収益構造はどうなっているの?
では、売上高はどれぐらいの会社だと思いますか?
名のしれた会社だと…
1兆円規模でしょうか?
そこまではいきません。
直近の2022年に上がってる数字を見ると…
約7,000億円の売上です。
そこに対して支出が6,700億円ぐらいあり、企業で言うところの営業利益を300億円ぐらい出している。
これが、NHKの業績なわけです。
どこを見れば分かるのか?というと…
決算のページの中に、こういう風に決算概要というものがあります。
これを見ていくと企業と全く一緒で「損益決算書と売上販管費で引いたもの」
これが営業利益に当たるもので、300億円弱を出していることが分かります。
他にもかなり細かい情報が色々出ています。
バランスシートを見てもらうと…
これは100億円単位なので、1.3兆円のバランスシートの厚みがあります。
1.3兆円の厚みのうち、8,865億円が純資産です。
つまり68%の自己資本比率ですね。
すごいですね…!
負債の部分を見てみると…
借入れ金がないので、当然ピカピカとしか言えない「めちゃくちゃ業績がいい会社」というのがNHKの実態です。
そもそもNHKの売上は何によって構成されているか分かりますか?
受信料かな?と思うのですが…
その通りで、受信料収入がメインです。
先ほど言った約7,000億円の売上のうち6,800万円が受信料収入です。
ほぼ全てが受信料収入ですね。
結構面白いなと思ったのが、支払い世帯数です。
4,003万円世帯は回収ができていません。
よく「家に取り立てが来る!」というような話があったりしますが、取り立てを頑張っているわけです。
ここの比率を高めることが彼らの収益増につながる。
収益構造は結構簡単な数字で、日本の世帯数はそもそも4千数百万世帯です。
そのほとんどの世帯に支払い義務があります。
受信料は月額1,100円、1年間(12ヶ月)は1,3200円です。
「年間の受信料×約4000万世帯」という計算をしていく…
またプラスアルファで、衛星通信のセットなど色々あるのです。
これでざっくりと6,700億円ぐらいの収入になるビジネスモデルなのです。
では先ほどの数値と大体近い数字になるのですね?
未回収が141万世帯と書いてあります。
141万世帯×13,1200円が上昇余力という話なので…
回収を頑張れば、186億円の数字が増えるという感じですね。
この186億円は今ない数字なのでまると上乗せできるでしょうから…
そうすると営業利益もダイレクトにオンできるんじゃないかな?と思います。
なかなか儲かってますね…!
社長もよく調べましたね!
すっごい数字を取るのが大変だったのですが…
表にもまとめたいなと思って、いくつかの年に分けて数字を見てみました。
平成18年(2006年)、平成28年(2016年)と2022年。
決算書のフォーマットも昔と今とで全然違うのですが…
数字を全部読み込んできたので、主要なところだけ数字を伝えていきます。
2022年は先ほど言ったように…
受信料の収入が重要で、6,725億円。
2016年当時は今よりも多かったでしょうか?少なかったでしょうか?
多かったイメージがあります。
最近はテレビを見ない世代というか…そんなイメージです…
受信料収入の推移を伝えていくと…
2016年の決算書の数字を見ると、6,769億円となっています。
ほとんど変わりがありませんね。
6,769億円が6,725億円…
さらに遡って2006年に行くと7,325億円の収入があります。
7,325億円→6,769億円→6,725億円という推移です。
重要なポイントは現金プラス有価証券の数字。
どんどん増えていき、2006年のタイミングだと1,890億円です。
それが3,108億円になり、そして5,386億円になり…
内部留保がどんどん溜まっているということです。
BSの厚み自体は増していますが…
自己資本比率は65%→66%→68%と、非常に高い水準でどんどん改善しています。
営業キャッシュフローに関しても、大体1,000億円ぐらいコンスタントに取り続けています。
フリーキャッシュフローというのは、設備の大型投資をした年はそこで減ってしまうので、あまり重要ではないのですが…
本業で1,000億円のキャッシュを作り続けています
なかなかすごい会社なのですが、決算書を読み込んでいくと面白いのが平均給与もなんとなく割り出せました。
人件費総額と従業員数が書いてあったので、それを割り算したのですが…
いくらだと思いますか?
500万円〜700万円くらいでしょうか?
ハズレ…!
1人当たりの平均は1,600万円を超えています。
計算の仕方が正しいかどうかわからないのですが…
全体の人件費がそうなっているので、上の人たちだけが何億円・何十億円貰っているのかもしれません。
でもとにかく他の企業の平均年収もこのように割り出すわけなので…
めちゃくちゃ高給取りな会社であることは間違いないと思います。
なぜNHK=ファンドなの?
ここからが私の言いたいことなのですが…
彼らは利益を別に残す必要もないので、残ったら人件費で取っているのでは?という話なのです。
毎年営業キャッシュフローで1,000億円ぐらい出ているわけで、利益ベースで言っても300億円くらい出しています。
それを蓄積し続けた結果、内部留保がどんどんどんどん溜まっていっている。
そんな会社にも関わらず、公益法人という枠組に該当するのでNHKの本体には…
連結の決算をすると下に株式会社を持っています。
その連結決算だとしても、法人税を1年で24億円ぐらいしか払っていない。
これはあり得ないことです…
お金が残っていくのですね。
お金がどんどん残って利益剰余金がたまり狂っています。
彼らのバランスシートはどうなっているか?と言うと、溜め込みがすごい。
剰余金も溜まってきていますし、金融資産の残高がとてつもない額になってきています。
金融資産の残高をどうやって見るのか?と言う、本当に時間がある人は是非見ていただきたいのですが…
この決算書の色々な内訳を見ていくと、バランスシート(貸借対象表)で資産が見えてきます。
長期の有価証券、不動産もたくさん持っていますし…
こういう数字を全部足していくと、1兆円とは言いませんが、バランスシートの厚みが1.3兆円ですが、実はそのうちのほとんどが…
ということは、要は「ファンド」なのですよ…!
現金というよりは有価証券で持っている。
これを何で運用してるのか?と言うと、もちろん債券だったり安定的に配当利回りが取れるようなもので堅実に運営しています。
保有不動産の含み益が100億円以上あるのも…
国民全員(と、言っていいですよね?)から集めたお金。
このお金で総資産のほとんどが金融資産という、非常にファンド的なバランスシートを作り上げているのです。
やっと社長が冒頭で言っていたことが分かりました…
日本年金機構など、ものすごく大きなファンドですが…
NHKは資産のうちの大半を金融資産で保有していて、内部留保が溜まりまくっています。
そして、設備を大量に持っているので、通信設備は減価償却していく。
減価償却というのは会計に詳しい方なら分かると思いますが、キャッシュの支出を伴わない会計上の費用計上です。
購入した時、最初にキャッシュは出ますが、その後に費用は定額で割って計上されていきます。
その圧縮した後の利益が300億円と言っているわけです。
営業キャッシュフローは実際1,000億円ぐらい出ているわけですよね?
だから数百万円が減価償却で圧縮されている費用なのです。
つまり支払いも発生していない費用があって、もう溜まって溜まって仕方ない!とうような状態。
そこに金融資産の運用益や含み益が散々入っています。
すごい会社ですね…!
私が「言いたいことがある」と言ったのは、何年か前にNHKがお金を払っていない世帯に対して受信料の支払いを求める訴訟を起こしました。
命じたことによって徴収率が大幅にアップした。
業績上がったので受信料を支払う義務があると…
大晦日に紅白歌合戦を見ないで、格闘技を見てた方々もNHK代を取られているわけです。
にも関わらず、これだけ溜め込んでとんでもない資産がたまり…
それを金融投資に当てガッポガッポしてるわけです。
ちょっとやりすぎなのでは?と、私は思うわけです。
国民ほぼ全員から公平に集めるというのが、通信法で決まっていますよね?
でそこで集めたお金をファンドで運用して、平均年収1,600万円以上取るっていうのは…変じゃないですか?
広告やテレビで流してないので、みんなからお金を取らないと大変なのかな?という印象だったのですが…
他のチャンネルとの違いはそこですよね。
CMがないので、コマーシャル収入がない。
運営するには大変なので、受信料を払わないとと思っていましたが…
こんなに儲かっていたのですね…!
資産がたくさんあるので、そこの運用益だけでもそれなりにはなると思います。
販管費を約7,000億円、ほぼほぼ全部使っているのも良く分からないのですが…
とんでもない金額の交際費が積まれてるかもしれませんし…
ここは良くわかりません。
めちゃくちゃですよね…
(NHKさんに文句を言っても、チャンネルの趣旨と違うので言いませんが…)
今回の話で参考にして欲しい点があります。
それは「NHKのバランスシートの作り方」です。
すごく分かりやすく言います。
しっかり稼いでください。
NHKの受信料収入ですね。
そして、節税をしてください。
NHKの場合は納税義務がありません。
僕らの場合はありますから、専門家に相談しなければいけません。
稼いだのに税金をいっぱい払っていたら意味がないので節税もする。
そして、金融資産を貯め込んでください。
そして、不動産も買ってください。
不動産は買った後に値段が上がっていけば、そこはバランスシートに乗らない含み益になります。
100億円で買った土地が120億円になっていたとしたら、20億含み益を持っているわけです。
含み益は課税されないので、何かあったら売却してその時に初めて20億の差額に対して納税義務が発生します。
NHKがやっているのは非常に堅実な大型ファンドです。
理想的なビジネスモデルでありバランスシートだったので、資産形成チャンネルの皆さんに見てもらいたいなと思い、今回共有しました。
決算の解説は結構好評でして…
「この企業の決算分析をして欲しい!」というメッセージをよくいただきます。
なので決算分析して欲しい会社や団体。
もしそういったものがあればLINEから送っていただければ、順番に決算書類を読み込んでいこうかな思います。
何度も何度も聞いていると、細川さんも覚えてきましたよね?
そうですね…!
流動資産(1年以内に返さなきゃいけないお金)と、流動負債のバランスはどうだ?
どういうBSが潰れないのか?
など、段々と理解していくと思います。
みなさんも方も毛嫌いせず、とにかくこの話だけ聞いてればなんとなく覚えていきますから。
苦手意識がなくなったら実際に自分でIR資料を見ていく。
そうすると決算分析オタクみたいになって、そうなると株式投資でもやっぱり結果が出やすいです。
今回は「NHKがめちゃくちゃ収益を上げていて、巨大ファンドになっている!」そんな話をさせていただきました。
ありがとうございました。