ペアローンとは
今回は視聴者の方から質問が来ていますので、社長に質問を投げかけようかと思います。
30代会社員です。
住宅購入を考えており、ローンを組む際に奥さんも会社員で働いてるのでペアローンを組むか迷っています。
その場合の注意点はありますか?
「ペアローン」という言葉をご存知ない方もいるのかなと思うので、まずそこをお伝えします。
例えば1億円の物件の住宅ローンを組もうとした時、安藤・細川が夫婦だったとしましょう。
安藤:5,000万、細川:5,000万円と、それぞれがそれぞれの与信でローンを組み、1つの物件を買います。
こういうやり方になるのです。
住宅の所有権がそもそも共有名義になります。
その住宅を50%ずつ持っているという、そういう流れになるのです。
一般的な住宅ローンは世帯の代表者が1億円を組むという形になります。
そうではなく、親子でもいけるはずですが…
家族の中で2人で組むというのが「ペアローン」です。
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ペアローンは活用する方が良い?
共有名義になるということが、どういうことか?と言うと…
住宅の所有権の基本は名義人が全て持つことになります。
しかし、ローンの債務を追っているのが半々なので、半々で持ちましょうというやり方です。
それぞれが銀行さんと契約をするのですね。
ということは「収入が低くて希望の物件を持てない」という方が協力者と一緒にペアローンを組むことによって希望額の融資を受けられるというイメージで合っていますか?
そういうことになります。
ただ、いま細川さんが言ったことを満たしたいのであれば「収入合算」という方法もあります。
旦那さん側の名義で組むことが多いのですが…
例えば年収が500万円、奥様も500万円の場合は合算して1,000万円になりますよね?
この合算した金額で私だけの名義で借りるというやり方もあります。
世帯年収が1,000万円、その10倍で1億円の物件という風にやるのか?
それとも5,000万円+5,000万円で1億円とやるのか?
この2つの方法があるのです。
収入合算というやり方は聞いたことがありましたが…
全て一緒のことかと思っていました…
全くの別物ですよ!
ローンの契約数がペアローンの場合は2本になり、収入合算の場合は1本になります。
連帯保証人もペアローンの場合はお互いに入ります。
収入合算の場合も、結局一緒か「与信だけ貸してね」ということになります。
債務義務を負っているので、ペアローンをもし使うのであれば…
育児とのバランスもあると思いますので、基本的にペアローンは同じような所得だったり、今後のビジネスキャリアも同じような生き方をしていくことがある程度決まっているご夫婦・ご家族に適していると一般的に言われています。
例えば、僕がすごくバリバリと働き、稼ぎがどんどん増えていったとします。
しかし、細川さんは仕事をサボってどんどん収入が下がり、挙句の果てにはリストラされちゃいました…
そうなると、ペアローンを持っていたら辛いですよね?
僕もローンを契約しているので、払わないといけないですものね…
しかも僕と同じ年収の時に組んでいるので、同じ額の支払いとなるとかなり苦しくなりますよね?
そうすると、妻である細川さんは僕に対してどうしますか?
義人さんにお金を貸してもらって払っていくことに…
そうじゃないとだって大変ですよね?
そうなってくると「ペアローンでこういう風になって、こういう話をしただろう!」というような、喧嘩の元になってしまいます。
繰り返しますが、同じような年収で、同じようなキャリアになりそうだなという時はペアローンはアリです。
と言いますか、ペアローンという組み方はかなりアリなのです。
収入合算も良いのですが、ペアローンは最近仕組みが非常に改善されてきていてます。
若い方の利用もとても多く、いまデータを見ていますが2023年度の調査では、全世代で8.9%がペアローンを使っているようです。
これはすごい話だなと思っています。
他の世代では5%ぐらいしか使っていないのかな?という気がしています。
物件価格が上がってきていますが、年収がそこまで上がらないので…
そういった要因もありますよね…
あとは私はXの効果が大きいのでは?と思っています。
最近では女性の方も投資アカウントを作ってNISAなど、情報の交換をしています。
その中で、お金のリテラシーがどんどん高まっているのです。
男性・女性ともに20代の方がすごく勉強しているのです。
そこで「ペアローンっていいよね」ということを聞いた場合「じゃ、それでやろうよ!」と。
奥様側も資産を作っていくことができるわけです。
若い世代の利用が多い?メリデメを解説
ただ家を真っ二つにはできないので、デメリットもあります。
細川と安藤が変化して「これから別の道を歩みましょう」となった時に「ここに壁を作るぞ!」ということは無理です。
なので、これはデメリットなのですが…
メリットの方が大きいかな?とも思っているので、それぞれ伝えていきます。
ペアローンのメリット
借り入れの可能額を大きくできることです。
1人では買えない物件を2人の力を合わせることによって増やすことができます。
これが単純にメリットです。
あと、それぞれの名義で買っていますので、住宅ローン控除も分けることができて僕も細川さんもちゃんと節税ができます。
働いていればそこから控除を受けられるのですね。
主契約者が2名になるので、それぞれができますよね。
自分だけだと控除額をフルで利用できない場合があったりすると思いますが…
お互いが控除対象になると、大きなメリットだと思います。
あともう1つは、夫婦それぞれ(親子でもいいです)返済条件が決定できます。
全く別物のローンになるのです。
契約が2つなので、義人さんに8,000万円を組んでもらって私が2,000万円など…
そういったアレンジなどもできるのですか?
そうですね。
また、お金のリテラシーも違いますよね?
例えば、今後は金利が上がっていく気がするので「私は固定金利にして35年セットしちゃいたい」「僕は変動で行く!直近目先の支払いを減らしたい!」など…
それぞれを銀行さんと話せばいいので、家族間でリスヘッジが取れるのです。
これが主なメリットです。
ペアローンのデメリット
例えば細川さんが育児に専念するために仕事を休んだり退職をしたとします。
すると収入がなくなるというケースがあった時が1番困るのでは?と思っています。
特にどうしても女性は出産周りで少し仕事を抜けることがあります。
そこをどう考えていくのか?
先ほど20代の方が非常に増えていると言いましたが、その方々はすでにお子さんがいるのか?いないのか?が気になります。
まだいなかったり、既婚でお子さんを産まない選択もどんどん増えている中で、もしかすると先のことをそんなに考えてなくてやろうにしてる可能性もあるのではないか?と思うのです。
これはやっぱりデメリットの1つとして考えておかなければいけません。
あとは先ほども言いましたが、細川さんと僕が別の道を歩いていくとなった時にどうするか?です。
先ほどのように壁立てていうわけにもいかないので…
そうなると、やっぱり家を売却するのでしょうか?
実際に知っているケースは売却しました。
なんか「微妙だな…」と思って…
今までずっと一緒にいた2人が行う最後の作業が住宅をより高値で売却することでした。
連携しながら頑張る、そんなご夫婦がいらっしゃいました。
旦那さん側が引き受けるケースもあります。
残債も減っていると思うので、銀行さんに奥様分の持ち分を買い取ります。
そこの分に対し「ローンを出してください」と、こういう交渉をしていきます。
組んだ時に比べたら残債は減っていますし、、きっと年収も増えています。
そうなった時に全部を自分で抱える。
しかし「独り身になって3LDKの戸建てはいらない」ということも結構あったりするのです。
なので、売却のケースが多いような感じがしますね。
あとは諸費用が2名分かかります。
契約は2つなので、その分かかるということですよね?
そういうことです。
司法書士への登記手数料や銀行の手数料など、あらゆるものが2本かかってきます。
金融機関によっては手数料が高いところもあるので、そうなると夫婦の合算で見たら1本の方が安かったのでは?ということが多々あります。
この辺りがメリット・デメリットです。
団体信用生命保険はどうなるの?
住宅ローンだと「団体信用生命保険(団信)」と言われるものがあると思いますが…
ペアローンの場合はどうなるのですか?
基本的な考え方としては全く別のローンを2本家族内で持っています。
団信というのは私に万が一のことがあった場合、私のローンはなくなります。
残された細川さんは私の分のスペースが使えますね。
自分に残ってる5,000万円は残っていますよね…
それは残ります。
一億円で組んだものの残債が8,000万円になったとしましょう。
その時、私が高度障害になってしまったら4,000万円分がなくなり、自分のローンはもちろん今まで通りです。
自分の分はちゃんと払いましょうね!と…
今後もずっと払い続けるのですね!
しかし、その時に私が仕事を辞めていたり、育休に入っている時などは結構大変になりますよね…
これはリスクですね。
やはり女性の方が仕事を離れる可能性というのはどうしても高いわけです。
なので、残された細川さんは自分のローンを自分で返していかなければいけません。
ここが本当にリスクなのです。
ただ、朗報があります。
ニュース記事になっていました。
「りそな銀行やペイペイ銀行が〜」という書き方をしていますが、他の銀行もこれから追随してくると思います。
「一方に万が一のことが起きた場合、相手の残債も0になる団信を導入すると発表した」とのことです…!
これはスゴイことです。
先ほどの例で言うと、安藤に万が一のことがありました。
そうなった時に、細川さんの残債もゼロになるのです。
私の分も当然ゼロになりますので…
万が一、片方が亡くなってしまった時に住宅がまるまる残るのです。
これは結構画期的というか…
すごく面白い商品なのでは?と思っています。
さらにペアローンを組む方がどんどん増えていきそうですね…!
これは増えそうですね。
ペイペイ銀行に関しては2024年6月、もうすぐですね!
「ペアローン向けの団信として、新たに死亡や癌で配偶者の残債までも0にする保険の提供を始める」と…
「このような団信の提供というのは日本の銀行で初めてとなる見込みです」とも書いてあります。
カーディフ生命保険というところがやるようです。
ただ、この記事にも書いてますが…
結局、団信の保険は裏に保険会社がいるわけです。
となると、金利の中に保険料が組み込まれていて、それで保険会社は成り立っているという話になります。
なので、上乗せ金利分がどれぐらいになるのか?ということです。
どれくらい高くなるのか…
癌以外の病気の場合は働けない状態が12ヶ月以上続くと借入れ残高を0にするという保険がつくようなので、かなり良いと思います。
しかし、手厚い保険なのでそれなりに金利が高くなりそうだな…という気がします。
その場合は自分の今の入ってる保険の見直しも必要になりますね。
それはこれから考えていけばいいと思います。
住宅の団信にここまでの手厚い保険保証がついているのであれば、今入っている掛け捨ての生命保険や医療保険。
この辺を見直し、ご自身のお財布トータルで金利の中に保険料が入っていることを考えた上で辞めることもできるかもしれません。
なので、トータルで考えていきましょう。
いま見ていると、りそな銀行、埼玉りそなも2024年10月から癌と診断された際に〜とあるので、医療保険がついてるような団信ですね。
第一生命保険も同様の保険商品を銀行向けに売り込み始めたとあるので…
一気に伸びていくのではないかな?と思います。
しかもペアローンを組むことによって、自分の求める住宅が持てますしね。
消費者の方からすると「結構いいな」と思うと思います。
あともう1つ、不動産業界として考えた時に物件価格が上がり続けていて「誰が買えるんですか?こんな状態で?」と言われ続けています。
しかし、住宅は売れ続けてます。
なぜかと言うと、こういうローンの組み方など、新しいものがどんどん出てきてるからです。
「これだったら組めるね」という形で購入者が後を立たない。
つまり、悪い側面を見ると、住宅価格がまだまだ上がり続けるということです。
他の例でいくと…
40年ローンやネット銀行で50年ローンなども提供し始めました。
住宅は数十年間平気で持つので50年でも良いのかもしれませんが…
細川さんが今から50年ローンを組んだらどうなりますか?
僕は90歳ですね…
社長は何歳ですか?
僕は88歳ですね。
まだココザスをやっていると思います(笑)
と話が反れましたが…
そういった住宅ローンの幅が広がることによって不動産がまだまだ売れます。
まだまだ売れるということは、まだまだ金額を上げても良いということになってきたりもしますので…
買える方は早めに買った方がいいんじゃないかな?と。
ポジショントーク抜きでそんな風に思います。
銀行のこういう動向からも今後の不動産価格を読めたりするので、そういう観点でもこのニュースを見ていただければなと思っています。
マイナス金利解除になり、ローン金利の今後の動きがちょっと気にはなっています。
新しい団信が出てくるのは良いのですが、上乗せになるのか?
それを含めて変動金利がすごく上がっていった時に、月々の支払いが重くなるのではないか?など…
この辺も踏まえて考えていただきたいので、プロのファイナンシャルプランナーに相談をした方がいいと思います。
よろしければ、FP資格を持ってる人間がたくさんいますので、気軽にご相談いただければと思います。
今回は「ペアローンで新しい住宅ローンの仕組みが出ました」というニュースを解説させていただきました。
ありがとうございました。