投資詐欺がなくならない…


最近も「PCR検査キットの事業詐欺」で何十億を投資家様から集めたというようなニュースを見るのですが…
やっぱり詐欺事件はなくならないですね…

悪い人はいつの時代もいますね…
あとはその人たちに誘われて安易にお金を出してしまう。あまり深く考えていない一般個人がたくさんいる。
この構図はもう何十年も前から変わっておらず、いつの時代も同じような手法で騙されてしまう人がいます。

商品が変わるだけで、仕組みは一緒なのですね…

大元の仕組みが全く変わりません。
投資詐欺は大抵の場合、ボンジスキームと呼ばれているお金を集めてそのお金を吐き出す。
これによって成り立っていることがほとんどです。
まず手順としてはたくさんの方からお金を集めます。
その時の歌い文句としては「年間何%〜何十%の利回りを出します!」というケースが多いですね。
そういう甘い話を持ち出してお金を募る。
それに対して「お金が入ったら運用していきますよ!」と。
運用して増やすことができる。
ここの部分は時代によって、ケースによって全く内容が変わります。
今回のPCRの話でいくと、これはポンジスキームではなく、国に対する助成金・補助金の詐欺だと思いますが…
集めたお金で助成金詐欺事業をしていたわけです。
それがあるからこそ「集まったお金に対して配当をつけて還元することができますよ」という、同じようなパターンでした。

基本はこの流れです。
動画で確認したい方はこちら
ポンジスキームは長くは続かない!計算してみよう


どのポンジスキームの事例を見ていても、意外と長く続いていないですよね。

早いと5年持たず…
すごく長く持っても、10年を超える会社はなかなかありません。
これがなぜなのか?
数字で計算していけば、すごく簡単に分かることなのです。

どういうことですか…?

僕が今からポンジスキームをやろうと思っているとしましょう。
今年から営業を開始します。
100億円を集めるモデルにしてみましょう。
・100億円を毎年毎年集め続けるモデル
・配当の率は年間20%出します
・運営費用は10億円ぐらいかかります
そうすると、100億円の集金をし続けるためにはそれなりな従業員基盤も必要ですから…
あとは大体こういう会社のトップや役員陣は夜の街で散財しているなど、贅沢をしています。
そのお金も含めて、運営費用を10億円にしました。
また、社員だけではなく外部の方に対して紹介報酬を払って100億円を集める営業部隊を雇わなければなりません。
そうでないと、100億円は集められないと思います。
なので、代理店への手数料も計算に入れましょう。
仮に、この100億円集め続ける仕組みで1年間に10%は離脱者がいるというふうに考えたとすると…
下記のエクセル資料のような計算式になります。

計算を見ると、5〜6年目から赤字になりますね。
これが大抵のポンジスキームが5年以内で崩壊しているカラクリです。
さて、どこの数字を変えればポンジスキームは長続きするでしょう?

これで言うと、6年目から入金を200億にすれば長続きする…?

営業が頑張って、毎年毎年50億円ずつ集める金額が増えたとしましょう。
それでも3年ぐらいの延命にしかなりません。
仮に全く離脱しなかったとしても、7年で破綻します。

離脱は実際にするので離脱した時の残高を見ていただくと…
前年の残高から離脱した時の元金を全部返さなくてはいけません。
1:元金を返し、配当金も出す
2:運営費を賄って、成功報酬部分もパートナーに対して払う
3:集めた集金額の150億円が最後に入る
こういう計算式になります。

なので、この中でどう回していけばいいか?と言うと成功報酬部分を下げる。
それでも10年で潰れてしまいます。

しかし、成功報酬部分を出さないとなると、正直集め続けるのは難しいので…
もちろん、配当金を少なくすると少しは長続きしますが、「配当は10%です!」と言うと、ここまでの集金は通常できませんよね?

そうですね…

そうすると営業増加が多分ないでしょうから、12年目ぐらいにキャッシュがなくなる。
ここから分かる通り、ポンジスキームは続かないのです。
どの選択肢を取っても、立ちゆくことは難しいでしょう。
ということは、結局ポンジスキームをやっていくと長くて10年でキャッシュがなくなるようにできているのです。
この計算がわかると、配当金の利率でポンジスキームに気付ける?
配当金を48%も出してる会社がありました。
高額な配当金のおかげで集める金額が一気に増えたとします。
彼らは成功報酬とか確かに出していましたが、これでも3年目で破綻する計算になります。


この数字を色々と当てはめていくと、絶対に頓挫しない優秀なポンジスキームを開発することができるんじゃないかな?と思っています。

集めてちゃんと他で運用しているのかどうか?も重要ですよね?

もちろんそうですね。
仮に運用していたとしましょう。
運用の成績はすごく無難をして5%で回せたとしましょう。
これが収入として入りますよね?
少し延命できますが…ただあんまり変わりませんね…


そうですね…
5%で運用して、配当金が24%の時点でおかしいですけどね…

差の話ですよね…
なのでこの差をいかに少なくするのか?みたいな話になってきます。
では、運用10%でいきましょう。
しかし、これでもダメですね…

では、15%…
いや正直あまり変わりませんね…
自分らで運用で回したとしても10年ぐらいで破綻します。

ただ24%の配当を払わなければいけないわけなので、同じように24%を稼いだら一生続くのか?というと、そうではなく離脱者もいます。
そして自分たちでお金を食いつぶしてしまっています。
集めてもらった資金に対して代理店報酬を出しています。
これらの要因から、どう計算しても数年しか持たないという話です。
この仕組みが分かった時に、同じような話を振られたときに「10%・20%・30%の配当が出ますよ!」と言われてやる方がいけないと判断していただけるのではないかと思います。

2000年以降のポンジスキームの事件を紹介


利回り10%や20%となるとやっぱり飛びついてしまうのでしょうか…

通常は有り得ませんが…
「利回り10%以上!20%以上!」という話があると、おいしいという風に思ってしまう方が多分いらっしゃるのでしょうね…
ポンジスキームは実際に事業を行っているケースもあれば、最初から自転車操業をやるつもりで全く事業実態がないケースもあります。
これは捕まった時の罪の重さ、懲役の重さで分かれるのですが…
最初から騙すつもりだった場合は、10年を超えているケースが多いのです。
しかし、一生懸命事業をやっていたけれど途中から資金繰りがまずくなってきて、最後まで苦しみ頑張ったとします。
この場合だと、5年以下の懲役になることが多いなという感じがします。
まぁ、しかしどちらも結果的にポンジスキームですね。

泣くのは投資家さんですね…

投資家のお金が全て溶けるという話です。
新たな出資金が入ってくるから、過去の配当を出すことができる。

投資詐欺は何十年も前からこのパターンで繰り返されてきています。
元々マルチ商法やネットワークビジネスをしてたような方が仕事を変えて、ポンジスキームで大型のお金を集める。
仕組みを開発するケースが多いなという風に思います。
実例をもとに計算してみよう


他にも様々な事件がありました…
1:テキシアジャパンホールディングス

2013年から活動を始めて2018年まで、5年ぐらいで破綻しました。
元本保証で36%、1万人から460億円を集めています。

2:フリッチクエスト


資産形成チャンネルでも数回取り上げましたが…
実態のない海外での資産運用で出資を募る。
年利48%。被害者は3,300人で、200億円…
これも2016年頃から5年ほどで破綻しました。
▼ 年利48%だとどの項目を削ってもかなり厳しい計算に…


3:エクシア合同会社

逮捕者は出ておらず裁判中ですが、FXで多額のリターンを出しているので、そこに出資してください!というような名目でした。
月2〜4%くらいという話だったので、年率で24〜48%くらいでしょうか…
1.2万人で、700億円ぐらい。
そこそこのスマッシュヒットだったという感じですが…
2015年ぐらいから活動を始めて、2022年頃に資金繰りが破綻しました。

他にも、最近グランシールドという会社や、コンゴの金投資も取り上げました。
挙げだすとキリがないですね…

毎年どんどん出てきますね…

暗号資産系でいくと…

数100億円単位で、これも全て手法が一緒なのです。
なので、これからも同じようなスキームが繰り返され、多分逮捕者が出ます。
なぜか?と言うと、日本は詐欺罪に対しての罪が甘すぎるのです。

先ほど冒頭でも言った、5年か10年くらいとのことでしたね。

5年、10年経てば出てこられるのです。
しかも、不当に集めたお金が数億円、数十億円ぐらいだったら、海外などにうまく隠して換金できますから。
そういうことをやって表に出てきた後、隠してたお金で悠々自適に暮らす。
こういうスキームに手を染めて逮捕される方が結構多いのです。
今回のまとめ


こういった商品は5年、10年…
それ以上続くことは無理なのですね。

いま出した通りですね。
もし何かに投資をしようと考えている場合、その事業モデルが10年以上継続しているのか?
ここをチェックするだけでも、あなたがポンジスキームに巻き込まれる確率は大きく減ります。


利回りが20%、30%というのも、さっき見た通り絶対続かないですものね…
逆に、10年15年と続いていれば安心して投資してもいいということですか?

「10年以下はやめましょう」という話なのですが…
10年以上経ってるから安心して投資していいか?というのは、全くそういう話ではありません。
勘違いしないでいただきたい点は、その会社が20年30年以上の歴史があったとしても、ポンジスキームになっている事業モデル(集金システム)自体は去年から始まっているかもしれませんよね?
ここが大事なのです。
会社の歴史が〜とか、この名前がついてる商品が〜、20年続いてるから〜だから安心だという話ではありません。
それまでは真っ当に細々とやっていた可能性があるのです。
しかし、何かのきっかけでポンジスキームに手を出してしまい、そこから悪さを始めたという場合。
結局、先ほど見たように5年〜7年ぐらいの間でほぼ止まります。
これからも様々な事件を取り上げていきますので、見てもらいたいのですが…
いま数字で出した通りなのです。
5年〜7年で止まるようにできている。
長く続いているから安心とは思わず、集金システムはいつからやっているのかをしっかりとチェックしましょう。

騙されないためには「ビジネスモデルを解読できる」その能力が必要だよということです。
また具体例を出しながら、このメディアで発信していけたらなと思っています。
今回は「ポンジスキームのからくり」について説明させていただきました。
ありがとうございました。
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