ココザスの決算書を初公開します
資産形成チャンネルで他社の商品の評価や「こういうところが危ないよ」というような発信をしていますが…
「実際、ココザスさん自身は大丈夫なの?」という問い合わせをいただきました。
ココザスは6月末が決算になります。
6月末決算の会社は8月末に申告するので、まだ決算の正確な数字ではありませんが、ざっくりの数字で良ければ話しましょう。
ぜひ聞きたいです。
現金がないなどになっていなければいいですが…
私は嘘をつけない人間なので、そのまま話しますよ!
中小企業の決算書を見る上で重要なポイントの学びとして、ココザスの決算書を使って説明していきますね。
財務三表とは?
(2)P/L(損益計算書)
(3)CF(キャッシュフロー計算書)
ここ3つをまとめて財務三表という言い方をします。
CF(キャッシュフロー計算書)に関しては、中小企業の会計を見る上ではそこまで重要視しません。
そのため今回は、BSとP/Lについて触れていこうかなって思います。
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BSでお金の動きを読み取ろう
BS(バランスシート/貸借対照表)の見方として、大切なポイントがあります。
どこの動きを見るのでしょうか?
こういうところを見ます。
・借入金がどうなっているのか
・流動資産がどう変わってるか?
BS(バランスシート)は、創業から今日までの累積の数字です。
P/Lは「損益」なので、一会計年度の中の切り取った数字になります。
つまり、P/Lだけを見ていると「この1年は非常に業績が良かったけれど、昔はよくなかったよね」という部分は見えません。
世の中の中小企業の経営者の中にはBSを見られない方が結構いますが…
私が1番好きなのはBSです。
創業社長の思いだったり、思想みたいなものがBSに現れるからです。
自己資本比率
ではココザスのBSについて、見ていきましょう。
まず、ココザスというメインの法人単体の決算書も重要ですが、グループ会社が何社かあるので連結も大事になってきます。
そして見るべき重要な指標は今までもお話していますが、おさらいしながら見ていきましょう。
自己資本比率と呼ばれる総資産に占める純資産の割合です。
これが15%を切ってくると「ちょっと良くないんじゃないの…?」というのが一つの目安です。
ココザスで言うと3期前が24.1%、2期前が23.7%、直近で約29%です。
自分の中で守ろうと思ってるラインは当然守りながら経営をしてますよ。
今はココザス単体の話ですが、連結にすると直近で言うと25%や26%くらいになります。
少し下がるのですが、どうしてか分かりますか?
グループ会社で、不動産関係をやっているからでしょうか?
細川さん、だいぶ勉強してきましたね…!
その通りで、グループの中に不動産会社を保有しています。
その不動産会社が借り入れをして、不動産を販売用に仕込んだり…
物件を建てていて、その物件を販売した時にBSがスッキリするというモデルなのです。
常に億単位の物件を何件か持っているため、その影響です。
不動産会社は自己資本比率が低くなりがちになりますね。
流動比率
次はどちらかというとキャッシュフローに影響してくる話になりますが…
ぜひ見ていただきたい指標が「流動比率」です。
これは1年以内に現金化できる流動資産と、1年以内に支払わなければいけない流動負債というもの。
ここのバランスです。
流動資産が1億円:流動負債が1億円になってたら、100%です。
1年以内に返すお金が1億円、手元に現金化できるものが1.5億円あると、これは流動比率が150%ということです。
今後1年で資金繰りがマイナスになってしまうことはないだろう…というので私が1つの指標としてるのは「150%」です。
ココザスで言うと、332%〜260%で、直近で284%になります。
連結は先ほど言った通り、不動産事業をやっており短期借入金もあるため、ぐっと下がって200%です。
1年以内に3億円を支払わないといけませんが、6億円のキャッシュと同等物があるというような…
そういうラインを意識して経営しています。
流動資産の比率
もう1つ重要な指標があります。
バランスシートの総資産に対して、1年以内に現金化ができる流動資産がどれぐらいを占めているか?です。
これが不動産会社だと長期投資をしていたり、あとは工場を持っていたりすると、固定資産(現金化しづらい資産)が60%〜70%くらいあり、現金が30%ぐらいしかなかったりするんですね。
ココザスは70%ぐらいを維持してます。
連結でいっても、81%です。
これはなぜかというと、ココザスは長期保有の物件を持つのではなく、すぐ販売するための物件を仕込んでいるのです。
販売用の商品・仕掛かり品というような形で持っているので、全て流動資産になります。
なので、1年以内に全部の物件が建ち上がり、それを売却するので現金同等物になるのです。
バランスシートの厚みのうち8割が流動資産なので、我ながらかなりピカピカだな…と今見て思える数字でした。
ほとんどがキャッシュと同等物なので、資金繰りの心配は全くないことになりますね。
固定比率
固定比率はあまり重要視はしないのですか?
固定比率も重要視していますが、重要度は少し落ちるかな?と…
固定比率が何かと言うと、純資産(返さなくていい債務性のないお金)なのです。
それに対して固定資産(工場の設備投資や長期投資)のバランスがどうなっているのか?という値です。
1億円の純資産があって固定資産が5,000万円しかなければ、固定比率は50%です。
これはいいことなのです。
逆に言うと1億円の純資産しかないのに、3億円の固定資産があったとすると、固定比率が300%になる。
要は自分たちのお金以上のものを使って投資をしてるという事なのです。
バランスシートの右側を見てもらうと純資産が下にありますが、ここは返さなくていいお金です。
その上にあるのは固定負債と流動負債。
この辺を活用して投資をしているという事になるので、固定比率は低い方がいいのです。
自分たちが稼いできた利益剰余金や資本金の中でしか投資をしない。
ココザスは3年前が120%、次に107%、次に102%です。
しかし、連結すると70%ぐらいまで落ちます。
不動産業をしているココ・ホームや、金融の会社は固定資産を全然持っていませんので。
グループの連結で見た時には70%というラインなので、無茶な投資はしていませんよという話になりますね。
借入を見るときの基準値は?
こういう借り入れはダメだ!この額はダメ!など、そういう基準はあったりしますか?
借り入れに関しての向き合い方で私が決めているルールが2つあります。
まず、例えば借り入れ金に対して…
あとはキャッシュだけではなく、販売用の商品。
つまり借り入れをして買った不動産をすぐに売却することができたら現金に変わるじゃないですか?
保有現金分の有利子負債という指標がまず1つ大事です。
保有現金分の有利子負債が100%だとすると、実質無借金なのですよ。
もし銀行さんに「お金を返せ!」と言われた瞬間に、その日に振り込めるということです。
ココザスの数字をお伝えすると、昔は約90%を維持してました。
これはどういうことか?と言うと、1億円の現金を持っている中で借り入れが9,000万円しかないということです。
返そうと思えばいつでも返せて、尚且つ1,000万円の現金が残るっていうラインです。
なので100%を切っているという事はもう全く問題ないということです。
その次の年が107%、その次の年(直近)が181%まで上がっています。
181%だと、返せないですよね…?
はい、返せません…
これは何かと言うと、借入の金額が増えたわけではなく、現金が減りました。
最近、太陽光発電所をバンバン買っています。
そして買ったものを2〜3ヶ月後に売却するということを、売主という立場で動いているのです。
なので奥単位で商品を結構な金額持っているのです。
ただこの商品はすぐ現金化されるのです。
1年以内というより、本当に2〜3ヶ月で現金化される流動資産を分母において、分子に有利子負債を置いた時の値。
3年前が87%、次の年が86%、次の年がなんと80%を切っています。
実際、買って販売することによって、以前仲介で動いてた時よりも、利益率が上がったりという事もありますので…
全然リスクを感じないレベルの話で、収益構造が変わってきたという感じでしょうか。
これを連結で見た場合は、ココ・ホームの方でも結構な物件を持っていたりするので、有利子負債と現金の比率で言うと、直近で140%ぐらいです。
これを流動資産と有利子負債でバランスさせた時にどうなるか?というと、もう70%を切っています。
なので、何があっても大丈夫みたいな…そんなラインですね。
バランスシートに関しては、私はオタクなので…
かなりしっかりと数字を見ながらやっています。
「見せて!」と言われたら見せられるくらい、我ながらピカピカといいますか、自分としては安全圏で推移しているというのが現状です。
P/Lの見方
P/Lはどうなのでしょう?
P/L(損益計算書)の見方は、まず売上があって、そこから売上原価を引くと粗利益が残ります。
売上総利益という言い方もしますが、この粗利が実際に会社に残ってるお金です。
例えば魚屋さんがお魚定食をお客さんに出しますよね?
顧客である我々は、お昼ご飯を食べる時に1,000円支払います。
原価が300円ぐらいとして、1,000円の売上から300円を引いた「700円が粗利」です。
まずここまで視聴者の方はぜひ覚えていただいて…
この700円から店主やアルバイトの人件費。
あとは家賃や割り箸などを使っているのであれば、そういった消耗品。
このかかるコストを販売費及び一般管理費、販管費と言いますが、経費のことですよね。
それを引いて、残った金額が営業利益という話です。
営業利益の後にも、銀行から借り入れをしている支払いの金利や…
飲食店はコロナがあったので、助成金の収入等もあったと思うのです。
そういう助成金・補助金の収入を合算して算出した利益が経常利益(ケイツネ)です。
その後に特別利益、特別損失などを計算して、税引前当期純利益っていうものが出る。
どこが重要なのか?というと、企業の規模を図る1つの指標としては…
売上はココザスで言うと、2.4億円→3.8億円→5.1億円→9.8億円という感じです。
30%ずつぐらいで伸ばしている感じですね。
ここにココ・ホーム(不動産業)を入れると、建物をそのまま売ったりしていますので、、もっと金額上がっていきますけど10数億円じゃないでしょうか。
重要なのはやっぱり粗利益
取り扱ってる商品でも、売上高が変わってくるということですね。
全然変わるので、正直、売上高は意味がないと思っています。
重要なのはやっぱり粗利益です。
それで言うと、4年ぐらい前が約1.2億円。
そこから2億円→2.5億円→3.5億円→4.3億円と…そんな感じじゃないでしょうか。
数字を聞いてもいいのか?悪いのか?
なかなか判断がつきませんね…
見るポイントとしては、30%などで伸びてる会社は「まあ、伸びているよね」という評価にはなると思います。
しかし伸びてることがいいのか?というと、そうではありません。
伸びているという事は、お金がどんどん回っています。
そうなると一般的には…
「ぐんぐん伸びているから、大丈夫なんだ!」とは、捉えないでいただきたいです。
もっと言うと、去年よりも今年の方が30%多く魚定食が売れたとします。
夜にはアルコールの需要もあって、それも売れました。
500円で飲むハイボールの原価は50円もかかっていないので、粗利率がさらに上がるわけです。
でも多くのお客さんを捌くためにアルバイトの人員をたくさん増やしてたら赤字ですよね?
近くに別の店舗を借りないと間に合わないとなると、家賃も2倍になる…
そんなことを言っていると、これは経営としては悪化しているわけです。
つまり、営業利益や純利益もちゃんと見ていきましょうという話です。
では、ココザスの利益はどうなっているのか?と言うと…
期によりますが、1,000万〜4,000万円くらいという感じですね。
社長としてこの数字に納得している…?
社長として、そこは納得のいく数字なんですか?
営業利益を出そうと思うと、細川さんに「ごめん」と言って頭を下げて「お給料なしで!」と言ったら営業利益が上がりますよね?
そうですね…
それで営業利益を作ったところでは意味がありません。
その利益は経営者の思想が現れると思っていまして…
うちで言うと大手のラジオ局のスポンサーをやってみたり、プロスポーツチームのスポンサーをやってみたり…
結構、広告費を色々なものに使っているのです。
それは道楽のためにやっているのか?と言ったらそうではなくて。
要は未来にもっともっと伸びるために、今お金を使っているのです。
これを使わなかったら利益を残せるのです。
しかし、会社を永続的に成長させ続けたい。
例えば新卒採用もするわけじゃないですか?
新卒の方々に来てもらって、色々なことを教えることが多い。
もちろん彼らが収益に貢献する事もありますが、どちらかというといい会社を作るために人に先行投資したいって思いが強いのです。
自分たちの未来のことを信じているので「今期節約して利益を残すぐらいであれば、先々のためにお金を使いたいな」というのが私の思想です。
そういう意味で、僕はあまり利益は重要じゃないなと…
決算書に表れない価値や財産
今話した数字は帝国データバンクや東京商工リサーチに登録してる方であれば見られるものです。
嘘偽りない数字を今話しましたが、決算書に表れない価値・財産。
ここにも目を向けてもらいたいなと思っています。
例えばココザスという会社とお客様の関係性は、バランスシートに載らない資産です。
僕の中ではここにものすごい価値があると思っています。
この動画や記事も多くのお客様に見ていただくと思いますが、お客様がものすごく応援してくださっている。
そして私も時間の許す限り、色々な方と直接お会いして話をしています。
この関係性に意味があると思っています。
本当にそうですよね。
どなたがコメントしたか分からない「ココザス大丈夫なの?」というコメントに、ここまで結構詳しく答えて…
社長としては自信があるからってことですよね。
自信はあまりなくて…
「常に足りないな」と思っています。
これはそもそもの人間性の問題で逃げも隠れもしたくないと。
いつ何時、誰の挑戦でも受けると、某プロレスラーの言葉ですが、これが僕の人生のモットーです。
今の全然至らない自分すらも隠すことなくさらけ出して、ありのままで勝負していきたいという、そんな思いがあります。
「自信あるんでしょ?」と言われたことに対して回答すると、未来の自分に対する自信はあります。
「30年後、日本を世界を変えられるような事業家になれるな」という思いはありますが、今は客観的に見たらダメダメじゃないでしょうか。
今すごい名言みたいなことを言いましたね…!
今回の動画や記事で、お客様としてはココザスを知ることができますし。
投資をする方は今回話したことをポイントとして、決算書を見ていくのが重要ですよね。
ただ、最終的には決算書に載らないところで働いてるメンバーだったり…
作っている空気感やブランドなど、そういうところを見て投資するかどうかを判断してもらいたいですね。
自分の創業期を振り返ってみた時にはっきり言って人様に言えるような経営状況ではありませんでした。
借金だらけで、キャッシュを全然持っていない。
でも「そういう会社には投資しちゃいけません!」なんていうことを、実際そういう経験をしてきた私が言ってはいけませんよね。
ボロボロのうちを信じて投資してくれた方々がいるから、お客様になっていただいた方がいるから、今の私たちがいるわけです。
「若い会社だから応援したい!」という思いで商品を買うのもいいと思いますし、私もよくそういうことをやってます。
結局、創業者と会社のチームメンバー。
この方々がどういう思いでどんな風に世界を良くしていきたいのか?ここをやっぱり見ようというのが、今回の結論になります。
今回は少し長くなってしまいましたが…
史上初、ココザスの財務諸表を見ていきました。
ありがとうございました。