新築の一棟アパート投資で成功するポイントは?

新築の一棟アパート投資は、不動産投資のなかで人気のある投資と言われています。
一棟まるごと所有することで、収益のコントロールがしやすく、物件の管理や修繕計画も自分で調整しやすいのが特徴です。
ここでは、新築の一棟アパート投資の概要とメリットについて説明しましょう。
新築の一棟アパート投資とは
不動産投資は、主に次の4種類に分類することができます。

新築の一棟アパート投資は一棟投資に分類され、物件が新築か中古か、木造かRC造かの構造、個室の間取り、敷地所有の有無などの条件を加味して投資していくことになります。
新築の一棟アパート投資のメリット
他の不動産投資と比べて、新築の一棟アパート投資のメリットは次のものが挙げられます。
(2)好条件で融資を受けやすい
(3)大規模修繕が不要
(4)賢く節税しながら資産形成ができる
(5)立地や建築設計の自由度が高い
(1)新築なので借り手が見つかりやすい
不動産市場では新築物件のcが高いので、中古に比べると入居率が高いうえ空室も発生しにくい傾向があります。
空室率は収益性を考える上で非常に重要です。
空室が続くと家賃収入が減少し、ローン返済や維持費の負担が重くなるため、安定した収益を確保するにはできるだけ空室を避けることが求められます。
(2)好条件で融資を受けやすい
融資では担保価値が重視されるため、新築物件は中古物件に比べて評価が高くなります。
その結果、長期・低金利の好条件で融資を受けやすくなるというメリットがあります。
また、新築物件は資産価値が高いため、審査の通過率が上がる傾向があります
有利な条件が見込まれるので、金融機関の融資メニューを比較してできるだけ良い条件のものを選択しましょう。
(3)大規模修繕が不要
新築物件は、経年劣化による修繕の必要がないため、しばらくは維持コストを抑えられるのが大きなメリットです。
一方で、中古物件の場合、劣化が進んでいると入居者募集の前に大規模な修繕が必要になる場合もあります。
国土交通省の「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」によると、RC造と木造のいずれでも新築後10年目までは大規模な修繕は不要とされています。
この期間には修繕費が抑えられるため、その分収益を確保しやすくなります。
なお、このガイドブックは長期的な投資計画を立てる上で有益なものとなっています。
入居者や管理会社と長期の管理維持計画を作成する際の参考になるでしょう。
参考|国土交通省「民間賃貸住宅の計画修繕ガイドブック」
(4)賢く節税しながら資産形成ができる
不動産投資では、物件の購入や運営にかかる費用を経費として計上できるため、節税をしながら資産を築くことが可能です。
特に新築物件では、減価償却費を活用しやすく、税負担を抑えながら収益を確保できるのがメリットです。
また、金融機関からの融資を活用すれば、手元資金を大きく減らさずに投資を進められるため、自己資金を効率よく運用できます。
不動産所得と他の所得を通算して税負担を軽減する方法もあり、賢く運用することで長期的な資産形成につなげられます。
(5)立地や設計の自由度が高い
新築の一棟アパート投資は、立地や間取り、設備仕様を自由に設計できるため、ターゲット層に合わせた戦略的な投資が可能です。
例えば、単身者向けのワンルームを中心にしたり、ファミリー層を狙って広めの間取りを確保したりなど、需要に応じたプランを採用できます。
また、土地から選んで建築できるため、競争力のあるエリアで投資を進められるのも新築ならではの強みです。
中古物件と違い、建物の状態を気にせずに最適な立地を選べるため、長期的に安定した賃貸需要を見込むことができます。

新築の一棟アパート投資のリスク

新築の一棟アパート投資のリスクも確認しておきましょう。
(2)施工上の品質を担保する必要がある
(3)適正な賃料を設定する必要がある
(4)売却時の流動性が低いことがある
(5)物件の競争力が時間とともに低下する
(1)初期費用が多額となる
一からアパートを建築するためには、物件の企画、立地場所の選定、建築設計から始める必要があります。
区分所有と異なり規模も大きいので、多額の初期費用が必要です。
しかも、募集から入居まで期間もかかり、建築中は収入がないことからその間は資金回収ができません。
また、物件の敷地となる土地の購入が必要な場合には、さらに費用がかかるので採算性の検討が必要です。
(2)施工業者を選定し、品質を担保する必要がある
施工に際して信頼できる業者を選定する必要があります。
単に費用の見積もりを行うだけではなく、施工不良はないかの実績の確認やアフターサービスも含めて考慮しましょう。
また、物件がイメージ通りとなっているか、地域や想定利用者のニーズに応じた間取りになっているか、設計や施工管理上のアドバイスを設計士や建築士などの専門家より受けられるとよいでしょう。
さらに、容積率や建ぺい率などの法的規制も把握が必要です。
建築業者なら当然わかっていると安心していたのに、完成後に建て替えを余儀なくされることもあります。
用途地域などの細かい条件を含め、あらかじめ市区町村に確認も行いましょう。

(3)適正な賃料を設定する必要がある
新築時に設定した賃料は「新築プレミアム」と呼ばれ、期間の経過につれ下落していきます。
最初の賃料は適正か、その後の下落率をどう見積もるかは、投資計画を作成する上で重要な要素です。
類似の物件や立地地域の相場観も的確に把握しておきましょう。
(4)売却時の流動性が低いことがある
一棟アパートは、区分マンションなどに比べて売却の難易度が高くなる傾向があります。
特に、売却時の市場環境や物件の立地、収益性によっては買い手がすぐに見つからず、想定よりも売却期間が長引く可能性があります。
また、一棟アパートは投資家向けの物件となるため、一般の居住用不動産と違い、購入希望者が限定されるのも流動性を下げる要因の一つです。
出口戦略を慎重に考え、将来的な売却のしやすさも見据えた投資判断が必要になります。
(5)物件の競争力が時間とともに低下する
新築物件は設備やデザインが最新であるため、築年数が浅いうちは人気があります。
しかし、築年数が経過すると、より新しい物件と比較され、競争力が低下する傾向があります。
特に、周辺に新築物件が増えると設備や間取りのトレンドが変わり、相対的に見劣りする可能性があるため、入居率に影響を与えることもあります。
新築の一棟アパート投資の注意点

新築の一棟アパート投資を行う際の注意点を説明します。
(2)市場の動向を的確に把握する
(1)投資計画を綿密に作成する
新築物件では融資期間も中古物件より長くなるので、長期にわたる投資計画が必要となります。
企画から初期投資、運用経費、空室リスク、投資後の処分まで見据えて長期的に判断するようにしましょう。
特に賃料の設定は、投資の利回りに大きく影響するので慎重に行います。
当初の新築プレミアムからの下落率の設定には注意が必要です。
綿密な投資計画作りは、金融機関や税理士など専門家の力も借りながら作成しましょう。
(2)市場の動向を的確に把握する
不動産投資では周辺地域の不動産市場価格や、居住する住民の年齢構成や行動パターンなど多くの情報を的確に把握することが大切です。
最初にここを見誤ると、運用してから空室が目立ったりして後悔することになりかねません。
駅からの距離や学生・子持ち家庭の割合など地域の事情を考慮するとともに、最近の売買実績も調べておきます。
個人で行うには難しい面もあるので、不動産業者や土地家屋調査士など専門家の力も借りてできるだけ多くの情報を得るようにしましょう。
新築の一棟アパート投資のための物件を入手する方法

新築の一棟アパートの入手方法の流れを順に説明します。
1|投資計画の策定
投資目的を明確にし、回収までの計画を作成します。
家賃収入と入居率、修繕計画、のちのちの物件処分まで考慮しましょう。
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2|融資の確認
金融機関などに融資条件の確認を行います。
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3|物件の選定
購入の条件が決まったら、実際に物件の選定を行います。
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4|見積もり
売主から見積もりの提出を受け、ほかに追加すべきことはないかなど内容の精査を行います。
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5|売買契約
売主と金額などの条件で合意したら売買契約を締結します。
契約時には不動産事業者のほかに金融機関担当者や司法書士、税理士などの同席を求めることがあります。
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6|管理会社の選定
賃貸経営がうまくいくかどうかは、管理会社にかかっています。
入居者対応や物件管理を適切に行い、投資者の意向を理解してくれる業者を選びましょう。
長期的な付き合いになるため、信頼できる会社かどうかを見極めることも大切です。
新築の一棟アパート投資はこんな人におすすめ

新築の一棟アパート投資はこんな人におすすめです。
(2)投資できる土地を所有している人
(3)借り入れが可能な人
(1)副業で稼ぎたい人
不動産投資を専業でしているデベロッパーなどとは違って、個人で行っている人は副業で大きな利益が上がらなくても確実に稼ぎたい、しっかり節税したいという人が多いと思います。
給与所得や事業所得がある方が不動産投資をしていると、副収入となるばかりでなく、もし不動産事業が赤字でも所得を通算して納税額を抑えることが可能です。
1:副業でしっかり稼ぐ
不動産投資が軌道に乗っている場合は安定した収入源として期待できます。
手元にキャッシュを残しながら、投資資金を回収し、次の投資につなげることも可能です。
新築物件は需要が高く戦略的に価格設定ができるので、特におすすめとなります。
本業のほかに副業による収入もあれば、将来の経済不安へのリスク回避も図れるでしょう。
2:他の物件や所得と通算して節税する
初期投資が大きかったり空室が目立ったりして、事業に赤字が出ている時期もあるかもしれません。
しかし、他の物件で不動産投資をしていれば、お互いの合計で利益をならすことができるので安心です。
もちろん本業が別にある方にも節税効果があります。
不動産所得と本業の損益を通算して、課税所得額を減らすことができる場合があるのです。
(2)投資できる土地を所有している人
新築の一棟アパート投資では、一から建設費がかかるので初期投資が多額になります。
資金調達は主に金融機関からの借り入れで行いますが、借り入れ額が少ないに越したことはありません。
もし、遊休土地を所有しているのであれば土地購入費が不要です。
その上にアパートを建設して、資産の有効活用を図るのはおすすめと言えます。
(3)借り入れが可能な人
不動産投資は自己資金と融資資金で行います。
新築の一棟アパート投資は、多額の資金が必要となることは繰り返し説明してきました。
何らかの事情があり今以上に金融機関から借りられない場合は、投資を諦めざるを得ません。
しかし、他の事業をしていたり資産を持っていたりするなどで金融機関に相談しやすい人にはおすすめの投資となります。
融資さえ受けられれば、手持ち資金はそれほど必要ではありません。
新築物件は返済期間が長期であるなど好条件の融資が多く用意されています。
また、中古物件と違い大規模な修繕も不要で、今後の修繕は積立金から捻出できる可能性が高くなります。
個人の信用と担保物件の評価で借り入れができる方は、投資の好機となることも考えられるでしょう。
新築の一棟アパート投資はパートナー選び

新築の一棟アパート投資は、まとまった初期費用が必要な投資です。
また、詳細な物件調査や将来にわたる投資計画、施工や管理の業者選び、購入後のメンテナンスなど考えると個人では難しい場合があります。
その場合は、税理士やファイナンシャルプランナー、宅地建物取引士、司法書士、金融機関、不動産会社、管理会社など多岐に関わる専門家の助けが必要です。
投資の際には、ぜひ信頼できるパートナーを選びましょう。
具体的な事業計画がなくても、必要なことをまとめて専門家に解説してもらえる不動産投資セミナーも開かれていますので、機会があれば参加してみましょう。