配当金月3万円を目指すポートフォリオ

ここでは配当金で月3万円を目指すポートフォリオと必要な投資額の目安を紹介します。
構成銘柄
月3万円の配当金を目指すのにおすすめの銘柄は、以下の3つです。
(1)三井住友フィナンシャルグループ
(2)三菱HCキャピタル
(3)三菱商事
これらの銘柄はすべて業界の大手企業であり、安定性が魅力です。
三井住友フィナンシャルグループや三菱HCキャピタルは金融業界で高い成績を維持し続けており、配当金も安定しています。
商社最大手の三菱商事も安定的な配当金を提供しており、財閥グループはその信頼と実績によって、投資家から高い評価を得ています。
なおかつグローバルに事業展開も行っていることから、今後も高い配当金が期待できる銘柄です。
約750万円程度の投資資金が必要
配当金で月3万円を目指すためには、750万円程度の投資資金が必要です。
配当利回りが4%と仮定すると、750万円で運用すればひと月3万円の収入になる想定です。
もちろん配当利回りは銘柄によって異なるうえ、高い配当利回りの銘柄へ投資すれば投資資金を抑えることもできます。
先程紹介した3つの銘柄の配当利回りは、2025年3月時点で以下の表の通りです。

おおよそ4%前後となるので、約750万円あれば月3万円の目標は達成することでしょう。
配当金月5万円を目指すポートフォリオ

続いては配当金で月5万円を目指すポートフォリオと必要な投資額の目安を紹介します。
構成銘柄
月5万円の配当金を目指すのにおすすめの銘柄は、以下の4つです。
(1)三菱UFJフィナンシャル・グループ
(2)KDDI
(3)日本たばこ産業(JT)
(4)ブリヂストン
4つの銘柄に関しては多くの方がご存じあることでしょう。
三菱UFJフィナンシャル・グループは、メガバンクとしての安定感と信頼性から多くの投資家が長期運用している銘柄でもあります。
KDDIは通信業界でトップクラスであり、日本たばこ産業(JT)は世界有数のタバコメーカーとしても知られています。
ブリヂストンは世界最大級のタイヤメーカーであり、そのブランド力と安定した業績は世界から高い評価を得ています。
このように、業種が異なる銘柄へ資金を分けておくと、万が一業界の問題などが発生して配当金が下がったとしても、他の銘柄でカバーすることが可能です。
約1,500万円程度の投資資金が必要
月5万円の配当金を目指す場合、利回り4%と仮定すると、約1,500万円の投資資金が必要です。
仮に、利回りが5%であれば1,200万円の運用資金となりますが、配当金3万円より大きな金額になるのは必然です。
前述の4つの銘柄の配当利回りは、2025年3月時点で以下の表の通りです。

配当金10万円を目指すポートフォリオ

最後に、配当金で月10万円を目指すポートフォリオと必要な投資額の目安を紹介します。
構成銘柄
月10万円の配当金を目指すのにおすすめの銘柄は、以下の3つです。
・NEXT FUINDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信
・【米国株】ノースウエスト・ナチュラル・ガス
・【米国株】エクソンモービル
NEXT FUINDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信は、日経平均株価の構成銘柄のうち、予想配当利回りの高い50銘柄で構成されているため、日本企業に幅広く投資できます。
【米国株】ノースウエスト・ナチュラル・ガスはワシントン州をメインに商業・住宅分野に天然ガスを供給する会社で、69年連続で配当を実施している歴史と実績のある銘柄です。
【米国株】エクソンモービルはエネルギープロバイダー及び化学メーカーであり、創業140年を超える歴史ある会社です。
配当金10万円となると、多額の投資資金が必要となりますが、高配当利回りの銘柄へ投資すれば、達成が難しい金額ではありません。
日本株より米国株の方が配当利回りが高いケースも多いので、海外銘柄も検討してみると良いでしょう。
約3,000万円程度の投資資金が必要
月10万円の配当金を目指す場合、利回り4%と仮定すると、約3,000万円の投資資金が必要です。
しかし、米国株の中には配当利回りが6%、8%、または10%を超える銘柄も多く存在します。
もちろん配当利回りだけで選ぶのではなく、企業の実績や安定性も大切なので、利回りだけで選ばないように注意しましょう。
前述の3つの銘柄の配当利回りは、2025年3月時点で以下の表の通りです。

配当金ベースでのポートフォリオの作り方

ここでは配当金ベースでのポートフォリオの作成方法を紹介します。ステップとしては以下の3つになります。
(2)配当の周期性を確認する
(3)配当利回りを考慮して銘柄を選ぶ
配当金は、課税対象となるうえ、受け取れる時期が銘柄によって異なります。一つずつ確認して自分に合った方法を見つけましょう。
(1)税額計算から逆算する
日本株の場合、配当金に対して「20.315%の税金」がかかります。
これらの税金を考慮しておかないと、手元に残る金額が少なくなるため注意しましょう。
日本株で月5万円(年間60万円)の配当金を受け取る場合、約12万円の税金が課せられるため、手残りは約48万円になります。
つまり、約75万円の配当金が得られる日本株であれば、税額が約15万円となるので、60万円の手残りになります。
さらに米国株に関しては、先に10%の源泉徴収が行われるため、より手残りは少なくなるのです。
米国株の配当金にかかる税金の計算シミュレーションを、具体的な例を挙げて説明します。
1. 米国での源泉徴収- 米国株の配当には 10%の源泉徴収 が適用されます。
→10万円 × 10% = 1万円(米国での税金)
2. 日本での課税- 残りの 9万円 に対して、日本での課税が発生します。
→所得税:9万円 × 15.315% = 13,783円→住民税:9万円 × 5% = 4,500円→合計:18,283円
3. 外国税額控除の適用- 米国で支払った 1万円 は、日本の確定申告で「外国税額控除」として適用可能。
– 控除額は 最大10% まで認められるため、所得税の一部が軽減されます。
最終的な税負担
| 米国源泉徴収 | 10,000円 |
| 日本の所得税 | 13,783円 |
| 日本の住民税 | 4,500円 |
| 外国税額控除 | ▲10,000円 |
| 合計税負担 | 18,283円 |
このように、米国株の配当金には 二重課税 が発生しますが、確定申告で外国税額控除を適用することで、最終的な税負担を軽減できます。
とはいえ、必ず逆算してから目標配当金を算出するようにしましょう。
配当の周期性を確認する
企業によって配当の支払い月が異なるため、異なる月に配当を支払う銘柄を組み合わせることで、毎月配当を受け取るポートフォリオを作ることができます。
日本企業の場合は3月決算が多く、その場合は6月と12月に配当支払いが支払われるケースが見受けられます。
一方米国株は、四半期ごと(年4回)に支払われる企業が多いので、うまく組み合わせておくと、毎月安定した配当金を得られます。
配当利回りを考慮して銘柄を選ぶ
最後に配当利回りを考慮して銘柄の選定を行います。
配当利回りはネットに掲載されているので、投資額から逆算することで得られる配当金の金額がわかります。
ひとつの銘柄に投資するのではなく、複数の銘柄に投資して、毎月配当金を得られるようにしましょう。
また、初心者の方は高配当利回りの銘柄に注視する傾向にありますが、万が一保有している企業の実績が悪化すると、配当利回りはおろか株価が暴落して資産を減らすリスクもあります。
そのため、まずは自分でも知っている企業や歴史ある企業など、会社自体が安定している企業を選ぶと良いでしょう。
ポートフォリオを作る際の注意点

配当金ベースのポートフォリオの作成方法を紹介しましたが、注意点も3つあります。
(2)日本株と米国株を組み合わせる
(3)投資資金以上の余剰金は必要
ひとつずつ確認してからポートフォリオを作成しましょう。
(1)業種を分けた銘柄で構成する
業種を分けた銘柄でポートフォリオを構成するのは、リスク分散の観点から重要な戦略です。
同じ業種の企業は、共通の市場要因に影響を受けやすく、一斉に株価が下落する可能性があるためです。例えば、製造業のみに投資していると、景気後退時に業績悪化が連鎖しやすくなるリスクが伴うのです。
一方、景気敏感株(製造業、輸送業)とディフェンシブ株(ヘルスケア、公益事業)をバランスよく組み込むことで、市場の変動に強いポートフォリオを作成できます
(2)日本株と米国株を組み合わせる
日本株と米国株を組み合わせることで、リスク分散や収益向上の可能性が広がります。
日本市場と米国市場は異なる経済環境や政策の影響を受けるため、一方が不調でももう一方がカバーできる可能性があります。
日本株だけのポートフォリオだと、円の為替変動に強く影響されますが、米国株を組み合わせることでドル資産を持つことができ、リスクを分散が可能です。
米国株には世界的な成長が期待できる企業が多く、配当利回りも高めです。一方、日本市場には安定した企業が多いため、資産を守るという点で強みがあります。
また、米国株は四半期に支払う企業が多い一方で、日本株は年に2回と少なく、周期も似ています。
毎月安定した配当金を受け取るためにも、日本株と米国株を組み合わせることをおすすめします。
投資資金以上の余剰金は必要
当然ながら投資資金以上の余剰金は必要です。
月3万円の配当金を目指すために1,000万円の投資資金で運用される方は、その倍以上の余剰金は持っていたほうが安心です。
投資余力があることで、市場の下落時にも冷静な判断ができるようになるため、不要な売買を避けられます。
また、急な医療費、修理費、失業などの不測の事態に備え、投資資金とは別に「緊急資金」として現金を保有していた方が良いでしょう。
初心者の方は利益を増やすことばかりを意識しがちですが、投資には保証がないため、大きな損失を招く可能性もあります。
余剰金があれば投資を途中で取り崩さずに済み、長期運用の継続が可能になるため、ある程度資金を貯めてから始めましょう。
まとめ

今回は配当金の金額に合わせた銘柄や、投資資金など、配当金のみで生活できるポートフォリオの作成方法と注意点を紹介しました。
配当金だけでの生活に憧れる方も多いですが、それなりの資金力が必要です。
さらに分散投資や日本株と米国株の組み合わせなど、ある程度の知識が求められるため、初心者の方はファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談することをおすすめします。
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