上手くいったことは隠しておきたい
例えば、ある方が総額100万円で購入したある銘柄の株式が、1億円(100倍!)になったとすれば、ネットの記事で「〇〇社の株式を、かつて100万分購入して、気が付いたら1億超えていました!」と誰かに伝えたり、ネットで書いたりするでしょうか。
「儲かった、やったー」くらいの表現で留めることが一般的でしょう。
一方で、「失敗したこと」や「想定と異なったこと」は、誰かに聞いてもらいたいもので、結構リアルに大げさに伝えることが多いようです。
「上手くいったこと、儲かったこと」はあまりおおっぴらにせず、「上手く行かなかったことは」、あちこちに言う(行動するかどうかは別として)、というのが、多くの人の心理でしょう。
失敗したことは、誰かのせいにしたい
そもそも、人は自分が損を被った時に、その決定は自分がしたにも関わらず、他人のせいにすることが多いように思われます。
投資に関することでは、よく耳にします。
無理やり押印させられた、無理やり頭金(手付金)を振り込まされた、というのなら大きな問題ですが、そんなことは、現代ではほぼあり得ません。
つまり、「自分で決断して投資した」なのです。
「あの銘柄、値上がりしそうだよ」という評論家の意見を聞いて株式購入したけれど、購入後しばらくして暴落した時に、「あの評論家に騙された!」などと評論家に対して文句を言っても始まりません。
他人のせいにしても、損したお金が返ってくるわけではないし、他人のせいにすれば次回以降に成功する可能性がへります。
「どんなことも、人のせいにしても始まらないよ。すべては自責でかんがえないと。」とかつて恩師に言われた言葉が思い出されます。
自分で判断し、自分で決断するために
ここまで、エコノミストっぽくないお話をしてきました。
不動産投資つまり賃貸用物件の購入においては、紹介など人的なつながりから購入する方も多いようですが、基本的には、業者の方や専門家からの情報を多く集めることが、スタートです。
不動産投資において「自分で判断」して投資を行うためには、
(2)不動産投資に関する体系だった理論を最低限は理解する
(3)目安となるいくつかの指標を分析する
少なくとも、以上の3つの事を行うべきだと思います。
そして、もしすでに不動産業者の方と打ち合わせ(営業を受けている)をしているならば、担当者の方に(1)〜(3)を分かりやすく説明してもらいましょう。
間違っても、「私(=営業担当者」も3戸持っていて、上手くいっていますよ」や「私のお客様は、このようにして、上手くいっていますよ」と、成功事例があるから大丈夫ということを伝えることに終始するような会社(担当者)から、投資用の物件を購入することはやめましょう。
これから不動産投資を始める方へ
それでは、これから不動産投資を始める方は、どうすればいいのでしょう。
まず、セミナーに行ったり、論理的に書かれている不動産投資に関する書籍やネット記事を多く読んだりして、情報を多く集めることからスタートしましょう。
成功体験ではない、理論に基づいて述べられている情報に多く触れることで、情報感度が高まります。
不動産投資おける「情報弱者」ではなくなることが、不動産投資を成功させる第一歩だと断言したいと思います。