不動産投資ローンと住宅ローンの違いを理解する
不動産に関する融資には、自宅用不動産の購入のための「住宅ローン」、別荘などでは、「セカンドハウスローン」、土地活用などでの賃貸住宅建築では「アパートローン」、そして賃貸用マンション(区分・一棟)などを購入する際の「不動産投資ローン」、などの種類があります。
このなかで、1番馴染みのあるのが「住宅ローン」でしょう。
どの金融機関でもローン商品のある(つまり競争が激しい)住宅ローンは、金融機関はこぞって低金利を打ち出しています。
その一方で、かつては個人投資家向けに融資を行う金融機関が少なかったのがアパートローンや不動産投資ローンです。
しかし、不動産投資が広く一般化したことで、ここ10年くらいは収益不動産向けの融資をする金融機関が増えてきました。
不動産投資ローン、あるいはアパートローンの金利は、住宅ローンに比べて、1%程度高めに設定されていることが多いようです。
一般的にローンの返済原資は、住宅ローンでは借りる人の収入、収益不動産のローンは賃料収入と、異なりますので審査のフォーカスも微妙に異なります。
住宅ローンは、融資を受ける方が自ら住む為のローンですので、審査は、借りる人にフォーカスされます。
職業や年収といった返済力や信用力を中心に審査されるようです。
一方、収益不動産用ローン(アパートローン・不動産投資ローン)は、賃貸物件の収益性、事業安定性と物件の担保力がフォーカスされます。
これらに住宅ローンの審査と同じように融資を受ける方の審査が加わるという構図です。
そもそもローン金利とはどのように決まるのか
ローン金利は、おおざっぱに言うと、変動金利は短期プライムレート、固定金利は長期(10年)国債金利(あるいは長期プライムレート)に金融機関のリスク相当分と利益分の金利を上乗せして決まります。
このうち、リスクとは1)貸倒リスク、2)繰り上げ返済リスク、3)他への乗り換えリスクの3つです。
変動金利はどのように決まるのか
変動金利は、融資期間中、銀行の基準金利が変化するごとに上下する金利ですが、その金利は各金融機関が「短期プライムレート」を基準にして、一般的には半年ごとに利率の見直しを行っているようです(もちろん、その他の要因もあります)。
短期プライムレートとは、銀行が企業に融資する上で、業績面で好調な優良企業に適用する最も優遇された金利のうち、1年以内の短期間で貸し出す際の金利のことを言います。
その短期プライムレートは、金融機関同士がお金を貸し借りする際に適用される「市中金利」に連動します。
さらに、その市中金利をコントロールしているのが、日本銀行が設定する短期金利「政策金利」です。
不動産関連系ローンの変動金利は、一般的に日銀が金融政策決定会合で決める政策金利に影響されるというわけです。
固定金利は、どのように決まるのか
固定金利は、1年、3年、5年、10年、あるいは全期間固定など、定められた期間中の利率が固定されている金利です。
不動産関連ローンの固定金利は長期国債金利あるいは長期プライムレートの影響を受け、長期プライムレートは、一般的に、長期間を見据えた物価上昇可能性や政策金利の見通しなどに大きく左右されます。
概ね、新発10年物国債の影響を受けると言われています。
アパートローン金利、不動産投資ローン金利は、同じ条件でも金融機関によって金利に大きな差が出ることが散見されます。
金利が0.5%変わるだけで、返済利息の金額の差は大きくなるため、しっかりと情報を集めて、それらを見極めた上で、金融機関を決定するようにしましょう。