流行りのエンジェル税制とは?
最近非常に流行っている「節税商品」があります。
今回はその話をしたいと思うのですが…
細川さんは「エンジェル税制」を知っていますか?
全く、知りません。
どういったものなのですか?
「エンジェル投資」とは、これから伸びるのではないかな?というベンチャー企業に対して少額を出資します。
その企業の株を持つことで、ベンチャー企業を盛り上げていこうよ!ということです。
その投資をしている方の事を「エンジェル投資家」などと呼びます。
そしてこの行為をすることに対して…
数年前から仕組みが始まっているのです。
動画で確認したい方はこちら
優遇措置(1)
どんな優遇をしてくれるのですか?
端的に言うと2つの優遇措置があります。
1つが「優遇措置A」としましょう。
設立5年未満の企業に対して投資する場合、対象企業に投資した金額から2,000円を引いた額をその年の総所得の金額から控除することができます。
しかし、上限金額が決まっており総所得金額の40%か…
あと800万円という固定された金額のどちらか少ない方が上限ということになっています。
そのため、ほとんどの人にとっては「所得金額の40%」と考えた方がいいのかな?と思います。
これが「優遇措置置A」です。
優遇措置(2)
次に「優遇措置B」です。
こちらは設立10年未満の企業に対して投資した時に投資額全額をその年の他の株式譲渡益から控除されます。
内容は非常に分かりづらい部分があるので、下記サイトも参考にしてください。
「優遇措置B」の上限はありますか?
「優遇措置B」の上限はありません。
他にやってる株式投資の利益額の中での話だからです。
なので他で利益が出ていたらそれを消せるということですが、色々と条件があります。
対象企業の株式の6分の1以上が外部に出ているというような条件です。
つまり弊社のようなオーナー企業で「オーナーがほとんど株を持っています」という企業は対象外だったりします。
外部資金を預かり、それで一気に伸ばしていこうという企業が対象なのです。
このような税制があると、スタートアップもどんどん盛り上がっていきそうですね。
国の狙いがまさにそこですよね。
若い会社にどんどんどんどん投資をして「伸びていけば国の発展につながるよね」というところです。
エンジェル投資家の資金を受け入れる企業としても、メリットがある。
投資してもらいやすくなりますから、有り難い話ですよね。
そして、そういうところに投資する人はある程度の所得がある方です。
所得がある方からすると、節税になるならどんどんどんどんベンチャー企業への投資をしたいですし…
そしてその結果、日本という国が良くなれば政府もいい話です。
エンジェル税制を利用した恐ろしい節税コンサル…
しかし、ちょっと落とし穴がある感じがしませんか?
どういうところですか?
例えば、会社の起業家サイドと投資をする投資家サイド。
ここが元々の知り合いで、信頼関係もものすごくできているとします。
そうするとエンジェル投資家が会社に投資して、投資してもらった側が健全な成長資金のために使わずに会社側でちゃんと費用計上できるようなコンサルや業務委託の契約で投資家サイトに裏で戻したとしたら…
節税のメリットが得られたねという話になりますよね?
察しの鋭い悪知恵の働く人はすぐ考えると思います。
そして、最近もっともっと悪い連中が出始めているのです。
“節税コンサル”を名乗る人達が空箱の会社を立ち上げて、エンジェル税制の適格会社になるために1/6ぐらいの株をまず出すのです。
「私は節税コンサルをやっている会社の人間です」と言いますが、結局は関連会社なのです。
ここに投資をしてもらう。
「細川さん、こんにちは!利益が出ましたね!税金大変ですよね?」と。
「エンジェル税制という優遇措置がありますので、出資してくれたら裏でお金を戻すことができますよ!」今のパターンだった場合、投資した細川さんのニーズって何になりますか?
「節税がしたい」ということですよね?
そうですね。
では、間に入った節税コンサルのニーズは何だと思いますか?
「儲けたい」ということでしょうか…?
では、細川さんが仮に3,000万円入れたとします。
でもこれが戻ってこなかったら良くないですよね?
だって、シンプルにエンジェル投資をしたいわけではありませんものね?
もし3,000万円の利益があったとすると、所得税は33%を持っていかれてしまうのです。
では所得税を約1,000万円としましょう。
細川さんが何も考えず、何も手を打たなかった場合。
それが嫌だったから、細川さんは節税コンサルに声をかけたわけです。
「その1,000万円が節税できたら、その金額の中から300万円だけ利害をください」と。
細川さんには、2,700万円戻るという、こんなモデルなんです。
それはどうやって戻すのですか…?
本来はエンジェル投資をしているので、戻る資金ではありません。
それをあからさまなやり方でマネーロンダリングしたら国税局も黙っていません。
しかし、駄目ですが何社か経由してうまくお金を動かそうと思ったら動かせてしまうのです。
当然、バレることがありますよ?
バレた場合、投資した側(つまり細川さん)にものすごい大きなリスクがあります。
何だと思いますか?
捕まっちゃいますね…
脱税で捕まり、額によっては刑務所に入れられてしまうわけですよ。
それはちょっと困りますね…
捕まった話と税金の話は別ですからね。
さらにですよ。
1,000万円を脱税したけれど、重加算税といって35%増しになるのです。
さらに脱税をしたのはもう何年も前の話です。
なので、1年あたり14.6%の延滞税がかかります。
さらに起こり得る最悪な状況とは?
しかし、もっともっと大きなリスクがあります。
というか今の話にはちょっと抜けがあるんです…
脱税で捕まるだけだったらいいんですよ。
良くはないですけど…
まだマシなんですよ!
さっきの話で、ちゃんと2,700万円戻ってきた場合、持ち逃げされたらどうなるのか?という話です。
これはかつて流行ったドローン節税だったり、トビの足場だったりパチンコ台とかのチームと全く一緒です。
「節税になりますよ!ドローンを買ってください!」と言ってお金を払うと、このお金が何かを迂回して戻ってくるのです。
手数料だけ落としてね。
「だから節税になりますよ」という話だったのですが、これもこっちが結局飛んじゃうという話がたくさんありました。
700万円を浮かすことができることを求めにいったのに、700万円浮くどころか3,000万円を失ったという話になるのです。
ちなみに持ち逃げされて、3,000万円が0円になりますよね?
そして、僕は捕まってるわけじゃないですか?
さらにここから僕が払うのですか…?
察しが鋭いですね。
お金が持ち逃げされたのは知ったこっちゃないので、国税は細川さんに脱税額の1,000万円をまず取りにき、重加算税も貰います。
そしてここ数年間逃げていたので、その分の延滞税も年数分を取りに行きます。
手元に1円もないにも関わらず、2,000万円がなくなり、それに加えて逮捕される。
でも、上手くいった場合は700万円の節税になります。
これはリスク・リターンは合っていますか?リスクが大きすぎませんか?という話なのです。
怖いですよね…
もう踏んだり蹴ったりで人生終わりですよね…
だったらしっかりと納税して税金を払いましょう!という話です。
本当に真っ当に生きた方がいいと思います。
ちなみに今の事件が起きた時、節税コンサルタント安藤は細川さんの前にはいません。
労働の成果として私は300万円の手数料を頂きましたから、あとは何かあったとしても「だって脱税したのあなたでしょ?」という話なので。
助けてはくれない…
助けるはずないですよ。
だって節税コンサルタントですから。
もちろんあまりにもひどい節税コンサルタントがいたら逮捕されると思います。
そして、これからそういう逮捕者がいっぱい出てくると思う。
一方で証拠がなければ逃げ切れるケースもたくさんあると思うのです。
そして、脱税した本人は脱税する気がなく、甘い話に乗っただけだと思います。
でも場合によっては逮捕されるし、延滞税含めて追徴されるのは当たり前です。
だからこれは絶対にやらないで欲しいのです。
ターゲットは富裕層や社長が多いですね。
甘い話が来たら信頼できる人にご相談を
社長自体も、こういった節税系はしていないのですか?
エンジェル投資は何件かやったことありますが…
「この起業家と近付きたいな」とか「本当に社会的意義があるな」と思って、伸びてほしい気持ちと、もちろん先々当たったらリターンも欲しいなと。
なので、国が推し進めてる動きどおりの純粋な動機でエンジェル投資でやっています。
ただね要件を満たしている会社に投資をしたことがないので…
エンジェル税制を実際投資家サイドとして使った事はまだありません。
他には、かつて節税保険が流行っていた時に何度も提案を受けてますよ。
これは今となっては大正解でした。
国がもうアウトを出したのでね。
節税商品は投資する側だけが大きなリスクを抱えていて、提案しているコンサルタントはリスクなく利益が得られる。
だからこれからもこういう甘い話は私の元に多分たくさん来ると思います。
いろんな話がある中で「結局やらない」で済んだのはなぜですか?
ほとんどの人が真っ当に生きていると思いますが、私もそうです。
目先の小さなお金のために生きてるわけではありません。
なので、私は絶対に乗りません。
むしろ甘い話を持ちかけてくる人間に嫌悪感すら感じます。
ココザスという会社が世の中のためになるためだけに、僕は自分の時間を使っているわけですから。
私は真っ当にこれからも生きていこうと思っていますが…
ちょっと細川さんは流されやすそうだから、変な節税商品をやってはいけませんよ…!
ちゃんと注意します!
やる前には必ず相談してくださいね。
わかりました…!
近くに相談ができる人がいればね、こういうことも防げると思います。
しかし、多くの方は相談できる人があまりいないと思います。力
“節税コンサルタント”という方は、名刺にはいろいろな資格が書いてあるし、それっぽいこと言うから信じちゃうのです。
もし甘い話があった時は、この記事を思い出していただきたいです。
そして、LINEからご連絡いただければ、私の方でそれに対してもケアの視点でアドバイスをさせていただければな思っています。
よかったらお気軽にご相談ください。
今日は最近かなり周りで話を聞くようになったので…
「エンジェル税制を悪用した節税スキーム」について話をさせていただきました。
ありがとうございました。