株式投資で見るべき指標2つ
株式投資に関してお客様から質問をいただきました。
「株式投資には色々な会社さん(銘柄)がありますよね?社長はどんなところを見ながら銘柄選定をしていますか?」ということです。
今回はよく言われる簡単な話をしようかなと思います。
1つが「ファンダメンタル分析」で、もう1つが「テクニカル分析」です。
大きくこの2つを押さえていくと良いのでは?と思います。
“ファンダメンタル”という言葉から…
僕はちょっとストップしてしまっているのですが…
これを説明していくと結構毛嫌いされる内容になってしまう(要は難しい内容になってしまう)ので…
なるべく簡単にしていきますね。
僕でも分かるようにお話いただけると助かります。
動画で確認したい方はこちら
ファンダメンタル分析とは
まずファンダメンタル分析からお話します。
どういうものなのか?と言うと、企業の業績であったり将来性。
こういったものを予想して現在の株価が割安か否か?これを判断して投資材料にしていく方法です。
細川さん「バリュー投資」は分かりますか?
「伸びしろがある企業に投資する」というイメージなのですが…
そうですね。
有名なところだと世界一の投資家と呼ばれているアメリカのウォーレン・バフェットさん。
あの方がずっと取り組んでいるのがバリュー投資です。
要は中長期目線で行っていく投資法のことです。
バフェットさんは「企業の成長性」を見ているのです。
当然、決算書を読み解くスキルが必要です。
この資産形成チャンネルでも何度もお話しましたが…
例えば貸借対照表、バランスシート、プロフィットロス(P/L)、損益計算書。
あともう1つはCF(キャッシュフロー計算書)などを読み込んで、企業が正しく成長しているか?を読み解くスキルが最低限必要です。
企業分析をする時に株式投資では有名な2つの指標があります。
割安か割高かを判断する2つの指標です。
PERは株価収益率ですが、株価を一株当たりの利益で割っていくという話なのですが…
東証のスタンダードの平均が14倍ぐらいになっていますよね。
時価総額、あとは1年間の当期純利益で計算ができます。
1,000億円の純利益が上がってる会社の時価総額は東証のプライムの平均で言うと1.4兆円です。
14倍なんですね。
これで割高かどうかを判断していくのです。
これは株価と一株当たりの純資産という計算です。
すごく分かりやすく言うと、バランスシートの右下を見ると純資産の部があります。
要はもう企業の返さなくていいもの(株主のもの)です。
ここの値が1兆円だったとしましょう。
資本金プラス、今までの蓄積の利益が1兆円です。
それに対して時価総額(会社まるまるの価値)が1兆円だったとすると、PBRは1倍になります。
すごく有名どころの2つですが、このPERとPBRを見ながらやりましょうという話なのです。
しかし、これだけ見て株式投資が勝てるのであれば、誰でも勝てるし超簡単ですよね?
でも実際は全然そんなことはないのです。
実際の企業のIR情報を見てみよう
私がいつもやっている事は、企業の分析です。
私が今すごくいいなと思っている会社があるので、その企業を見ながらお話しますね。
「SHIFT」という企業を知っていますか?
聞いたことがあります。
このSHIFTという会社がどういう状況にあるのか?というような話なのですが…
ファンダメンタル(業績)の分析をしていきましょう。
こういったネット証券の四季報を見ていくと…
この企業は売り上げが伸びていますね。
着々と右肩上がりな方なのかな?と…
とてつもないスピードで伸びていますよね。
127億円だった売り上げが、毎期40%くらい伸びていますよね?
大きくなったにも関わらず、成長率が落ちてないわけです。
これが売上、いわゆるトップラインと言われるものですね。
利益は成長企業なので、あんまり出してない。
127億円の売上に対して、10%は出ており純利益もしっかりと伸びていっています。
つまり当たり前ですが、1株当たりの純利益がひたすら伸びている。
配当を出してないじゃないか!?というような話がありますが…
アメリカのGAFAMも最近は勢いが衰えてますが、彼らも配当を出してなかったのです。
配当を出すぐらいだったら事業に投資して、これをやってくれ!ということを求められるのです。
ここだけ見ればいいのか?というとそうではありません。
私はIR情報を見ています。
IR情報は、企業ホームページにあります。
色々なものが出てきますが、今お話したものは「決算短信」を見れば良いです。
直近のものを見て、売上営業利益なども書かれてますが…
これは以前の記事でも散々お話していると思うのですが…
前期末とQ3が終わったところとの比較をします。
細川さん、BSで押さえるべきポイントを覚えていますか?
流動資産比率、純資産比率などの色々な比率を見るのが大事ですよね?
流動比率と自己資本比率ですね。
BSで自己資本比率はどうなのか?と言うと…
463億円のうち281億円なので、6割〜7割ぐらいあるということですね。
しかし、上場企業の場合は自己資本比率はあまり重要ではありません。
ブレない、潰れるはずないのです。
株式で調達してるから50%を超えてる会社が多いのです。
流動比率は1年以内に払わなければいけないお金と、1年以内に現金化できるものです。
これが100%を切っています。
つまり流動負債の方が大きい会社は上場企業ではほとんどないので…
どっちかというと、これは前年度との比較を見ていくという感じになります。
P/Lで言うとYoY(イヤーオンイヤー/前年同期比)というやり方になります。
Q3までを比較して、そして「着実に伸びているよね」という点を見るのです。
これがまとまってるのが、ネット証券のページだったりしますね。
他にも見なければいけないものは色々とあります。
KPI(キーパフォーマンスインジケーター)というのは、重要だと思っている指標のことです。
これの開示義務はないのですが…
もうあらゆるKPIが出ています。
エンジニアを派遣したりしているのですが、単価がどんどん上がっている。
単価も上がって登録エンジニアも増えて、売上が上がりますよね。
だから重要なKPIがこの辺なのです。
こうやって企業を分析していくのがファンダメンタルという分析方法です。
ファンダメンタルは企業の分析だけではなく、他にもあります。
それは何かというともっとマクロな話になります。
マクロの要因は何なのか?というと、経済成長率がどうなってるのか?大きなマーケットはどうなってるか?話ですが…
「雇用統計」など、イメージつきますか?
失業保険の申請件数、結構重要なスケジュールがいっぱいあるのかと思いながら見たり…
うちは不動産業をやっているので、アメリカの不動産価格の推移を見たり…
日本の失業率や、よく聞く有効求人倍率など。
こういったものを見ながら今のマーケットのトレンドを予測することもしなくてはいけませんね。
テクニカル分析とは
もう1つは「テクニカル分析」と言いますが、何か分かりますか?
“テクニカル”と言うと、もっと難しく専門的な感じがしますし…
今まで説明したのがテクニカルにあたるのかな?思っていました…
1番簡単なところで言うと「ローソク足」です。
陽線・陰線などとも言います。
株価のチャートはこのローソク足で作られてるのです。
ローソク足とは何なのか?の説明はさすがに省きますが…
このローソク足を見ながら、やり方だったり、移動平均線を見ていきます。
移動平均線は「10日平均」や「5日平均」だったりしますが…
5日、25日、75日の平均を使って「この25日の平均よりも上にいるのであれば、株価は上がり続けるよね」というような…
「下を突き抜けたから、B地点でここから明らかにトレンドが変わっているよね」など、この移動平均線に対してどうクロスするのか?というような話です。
これにも技の名前がついています。
ゴールデンクロスや、デッドクロスと言って…
25日線と75日線で短期の方が上に突き抜けたらゴールデンクロスでこっから上がるのですが…
そういう観点でさっきのオススメ銘柄の「SHIFT」を見ていくと、10年のチャートですが…
S&P500みたいに、どんどん株価が上がっていますね。
長期で見ていくと25日平均と50日平均で出していますが、短期線が上にありますね。
もっと細かな線で見ていくと「このプロセスクラッシュが突き抜けたタイミングから上がるよね」とか…
簡単に言うと「こういうチャートの動きを分析しましょうね」というのが、テクニカル分析です。
デイトレーダーがやってるように…
ずっとチャートを見てる?というようなものが、テクニカル分析なのですね。
よく「スイングトレード」などと言いますが、数日や2〜3ヶ月の単位で売買を行うやり方があります。
後は「デイトレード」で、まさに細川さんが言った1日単位ですね。
これでやる場合は「ローソク足がヒゲを出した!」とかね。
あとローソク足が動いていく中で「窓を開けた!」とか。
前日の終値よりも圧倒的に高いところから始まり値がつくことです。
どちらかというと、過去の統計学に基づいて人間心理はテクニカル分析をもとにやっていくわけなので…
「みんな窓を閉めるように動くよね」というやり方です。
そういう観点で見ていくと、今まで私が「優良銘柄だな」と思って株式をホールドしていたような銘柄が、実は狂い始めていたりする兆候が出てくるのです。
例えば、サイバーエージェント。
先に言いますが、今は株価が不調です。
長期で言うとこれだけ上がってた。
ここから先がなければ、SHIFTみたいなものだったのですが…
要因はAbemaだったりするのですが、完璧にデッドクロスしているので、このタイミングで売っていればどうにかなっていますよね。
「1,800円で売っていて、半分下がらないで済んでいたよね。」とか…
「ここでゴールデンクロスしてるよね?ゴールデンクロスした後はやっぱり上がっているよね。」とか。
結果論ですが、ベタにゴールデンクロスしたから1,000円で買って、2,400円まで持ってられるのです。
でも1,000円で買ってデッドクロスすると2,000円なので…
チャートを分析していけば結構株は勝てるよということです。
今はものすごく、分かりやすく簡単に言ってます。
このテクニカル・ファンダメンタル両方を駆使してやっていこうねというのが、いい株式投資のやり方だと思います。
企業の上背が1番重要
なので、結論はチャートも見ますし、マクロの経済環境も見ます。
今日私が取り上げたSHIFTや、サイバーエージェント。
こういった会社の決算分析を通常読めるという感覚も必要です。
あともう1点、ビジネス感覚があると株はより勝てるな!という気がします。
1番わかりやすいと言うと、ペッパーフードの「いきなり!ステーキ」です。
すごく今下がっているのですね。
8,000円だった株価が100円です。
ここで買っていた人はどうなるの?という話なのですが…
移動平均線の25日線からあまりに上がってしまうと、下がってくるというのは覚えておくべきなのですが…
そういうことだけではなく、そもそもあの時期いきなり!ステーキを出店しすぎたのです。
どこにでもありましたものね。
店員さんがあまり研修されてないような方が働き出したり…
肉のクオリティが落ちたな…とか、値上げしてきたな…など。
もう消費者離れが続いてるのがなんとなく分かりましたよね。
その感覚(ビジネスの嗅覚)は株価を当てる力に直結します。
テクニカルとファンダメンタルは両方重要なので、両方やった方がいいです。
ではこれらが面倒な人や「自分ではできないよ!」という人はどうすれいいと思いますか?
投資信託など、その道のプロに任せる…?
そうですね。
結論はプロに任せる。
それは投資信託のようにファンドのように、あらかじめポートフォリオが組まれているものをまとめて買うというやり方でもいいと思います。
私は面倒なタイプなので、グループの中にIFA(金融商品仲介業)があるので自分専属のトレーダーが付いてるような感覚ですね。
その担当者にすべての作業をやってもらって、オススメの銘柄を教えてもらう。
私は決算短信を読めるので、さらっと見ていいなと思ったら買う。
なのでIFAだったり、証券会社の担当者。
こういった方にお願いをしていくのが面倒くさがり屋の方には1番いいと思います。
しかし任せっきりにしてしまうと、もしかしたらね全盛期のいきなり!ステーキを勧められて買ってしまいますよね?
すごい伸び盛りだ!と思って、買ってしまいますね…
IFAの人から言われたら任せきりではやっぱダメなのです。
「いやいや、これってちょっとPER高すぎますよね?」とか「25日移動平均線からこんなに乖離してるわけだから、どっかのタイミングで呼び戻ししませんか?」というような。
これくらいの知識をつけておくべきなのです。
難しい話なので、最後まで読んでいただいてる方は少ないとは思いますが…
本来は今回お話した事を完璧にわかった上でIFAに任せればすぐに資産が増えていきます。
「自分でわからないものは買わない」そして「最低限の知識をつけましょう。」
今回は「私がどうやって株式の銘柄選定をしているのか?」という具体例をお話しさせていただきました。
ありがとうございました。