太陽光を売却する人が増えた要因
視聴者さんからお問い合わせがありました。
太陽光発電を所有しています。
売却するタイミングはいつぐらいがいいですか?
という内容です。
売却のベストなタイミングはあるのでしょうか?
最近売却を考えてる人がすごく多いですね。
今回は「太陽光の売却タイミング」をテーマにお話していきましょう。
ココザスでは、2017年から太陽光の低圧の発電所をご紹介し始めましたが…
今から4年前、5年前、つまり2019年・2018年あたりに購入していただいた方がすごく多いのです。
太陽光発電投資には、節税効果もある消費税還付というスキームがあります。
太陽光発電投資を始めて翌年度に何百万円も税金還付が受けられるというものです。
2019年・2018年あたりに購入した方は、消費税還付を受け取り、それにプラスして毎年それなりにキャッシュフローも出しました。
そして、残債もどんどんどんどん減ってきて…
「今、売却査定を出したら、もしかしたら数百万円の利益が出るんじゃないか?」と。
そんな時期に差しかかっているので…
というのが多分大前提の話としてあります。
しかし、若干のネガティブ要素もあります。
例えば、いま金利は上昇傾向です。
これは、そもそも日銀が決定している政策金利(今までマイナス金利政策を取っていたもの)を、少しずつ上げてきています。
ローンを変動金利で組んでいる人もいますよね?
そうすると、以前1.7%で組んでた方が1.75%になり、次に1.80%になったとします。
このように、上がってきているというのはネガティブだと思うのです。
アプラスやジャックスの信販系ローンは、2020年頃から「変動20年」が始まりました。
変動20年の前は「固定15年」というローンで組んでいた方が多いでしょう。
固定15年をやっていた方が、消費税還付を使った場合…
なので「金利も上がってるし、そろそろ利確するか…」という方が多いのかな?と思います。
他にも、出力抑制という話があります。
太陽光発電投資をやってるで、九州の物件をお持ちの方は、2023年結構悩まされたと思います。
電力会社が「1kwhあたりいくらで買いますよ」というのが決まっている「FIT法」というものがあります。
しかし、金額は約束されていますが「電気が余っているので、買いませんよ」と、抑制されてるわけです…
そうなってくると、投資家であるあなたは電気をたくさん作ったにも関わらず誰も買ってくれないという、ひどい状態なのです。
こんなことが九州では頻繁に起きた。
今年はそれもあって、売却相談が来ることもあります。
あとは2022年4月かな?
撤去費用を積み立てしなければならないっていうので…
義務付けられたやつですね。
そうです。
フィット期間は元々20年ですが、残り10年になったタイミングから最後のパネルを野ざらしにして逃げちゃう人がいるのでは?という懸念から…
「お金をちゃんと積み立てて、最後に100万円ぐらいの積み立て金でちゃんと撤去のお金も出そうね」というのが2022年4月1日に法律施行されました。
ココザスでは法律がなされる前から「そのまま放置していいので、お金はかかりませよ!」という説明は当然していません。
「最後は恐らく100万円ぐらい必要になると思うので…」と、シミレーションに載せていました。
うちが紹介した方は絶対シミレーションに載っていると思うので、ぜひ見ていただければと思います。
撤去費用が必要ないと思ってる方からすると、FITの後半10年間。
そうですよね…
「なんで100万円必要なんだ!」と思ってしまいますよね…
「聞いてないよ!」という話ですよね。
このように様々な要因が結構あります。
なので「売却をちょっと考えようかな…」という感じで、うちにも多くの相談が日々入ってきますね。
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売却は◯年度を目安に考えよう
色々な問い合わせが来ていますし、今回の質問もそうなのですが…
何年後に売却すればいいのか?タイミングはありますか?
会社員の方がやっているケースが多いので、個人事業主や法人ではなく個人の方のケースでお話しましょう。
タイミングは「3年」というのが1つの目安になります。
3年というのも少し難しくて「3年度」という話です。
例えば、2020年度に買った方は2020年1月1日〜12月31日までが2020年度です。
この20年度、そして21年度・22年度。
つまり、2022年12月31日まで、2年1日から丸3年の間。
ここで「課税事業者登録」をします。
そうすると納めた消費税が戻ってくるので、購入した翌年度に100万円〜200万円ぐらいのメリットを受けています。
太陽光の1つのメリットですよね。
そうですね。
今の話でいくと、2020年・2021年・2022年と、抜けた2023年1月1日に売却すると…
3年度は課税事業者になって、4年目から非課税事業者免税事業者に戻した上で売却をする。
そうすると売却時に2,000万円の物件だとすると、うちの200万円ぐらい(内税)を課税事業者であれば得た消費税なので、渡さなければいけません。
しかし、免税事業者に戻っているので…
だから1番たくさんのお金を払って払った消費税が多い。
つまりそれで還付が得られるのですが、そこだけ得た後に免税事業に戻し、そちらでは税金を収めなくて済む。
ここの差を狙ってるのがこの消費税還付スキーム。
このタイミングが1つ辞めるきっかけになるんじゃないかな?と思います。
うちも3年経ったぐらいのタイミングで、一旦お客様に連絡したりもしますよね。
「今これだけの収益が上がっています」
「節税効果がこれだけあると、仮に売却したとしたらこれぐらいの金額なので、こういう風に手離れできますよ」など…
ここが1つのターニングポイントになることを覚えていただきたいです。
この記事は2024年1月公開だと思いますが…
2021年1月1日〜12月31日の間に買った人で消費税還付を受けた方。
2021年・2022年・2023年、ここで3年です。
恐らく2022年の5〜6月に還付を受けて、こういう方は“今やめるタイミングですよ”と…
査定をするタイミングということでしょうか?
そうですね。
“やめる”は言い過ぎですね。
「いま売ったらいくらになるのか?」をぜひ見ていただきたい。
そういうタイミングです。
売却時の注意点
売却時の注意点はありますか?
いま「課税事業者の期間」という話をしました。
課税事業者になっているということは、太陽光発電を始めた時に税務所に「課税申告届」という「課税事業者になりますよ」という届を出してるのね。
きっと税理士さんに全部任せていると思います。
そうなると、その税理士さんに相談してから売却して欲しいのです。
1番大事なポイントは…
課税事業者のままだと、最後2,000万円で売却した時の約200万円の消費税を収めないといけません。
なので、免税業者にすることを必ず税理士に相談していただきたいです。
・自分で切り替えないといけない
・切り替えた上で売却するかの検討をするべき
この2点が重要ですね。
年末の時点で「免税事業者になろう」という届けを出しておくと、翌年の1月1日からの新年度が免税事業者になれるのです。
2023年に届けをしていないと、免税事業者になってないので2024年の1年間は課税事業者のままなのです。
すぐには売れないということですね…
先ほどの税金の部分を考えると、売るべきではないのです。
なので、もし売却を考えていて消費税還付を受けているという方は、2024年中に免税事業の届けを出して、2025年の1月以降に売る。
今年はそこに向けての計画を立てていくというのが、いいと思います。
この辺は少し難しいので「自分はどうなっているんだろう?」という方は気軽にLINEで連絡ください。
うちのコンサルタントから「いつが良さそうですよ」というアドバイスをさせていただきます。
目安を過ぎている人はどうすればいい?
タイミングは「3年」という話ですが…
例えば、すでに3年を過ぎて4年・5年と持っている方。
その方々は、いま相談して売るのがいいのか?もう少し、1〜2年伸ばして売った方がいいのか…
この点はどうでしょうか?
太陽光の特徴として、不動産と違う点があります。
なぜかと言うと、太陽光の発電投資が成り立っているのは、先ほども出たFTI法という20年間電力を固定価格で買い取ってくれる制度があります。
買い取りの期限は皆さんの物件次第ですが…
20年という余命なのです。
だんだん減っていくので、増えることはなく確実に減っていく。
では、この中のいつ売るのか?
正直10年も持ってしまうと、残存10年の物件を買う人がいるのか?という話になってきます。
なので、そこまで持つのであれば最後まで持った方がいい。
だって、これからも太陽光で稼いでくれるのですから。
パネルは保証が25年など、FITを超えてからも発電するような高性能のものが多いと思います。
私の感覚的には7年ぐらいまでに売却をするか?しないか?を決める。
こんな感覚なのかなと思います。
土地もすごく辺鄙な場所が多いですよね?
土地の価格が上がることもないので…
たまたま熊本で反動体の工場が沢山できていて、土地の価格が2倍くらいになっているエリアがありますが…
あのエリアにある土地は、もうラッキーパンチですよね。
もしかしたら上がるかもしれない。
それにフィットもどんどん無くなっていきますし、物は設備ですから。
パネルは精密機器なので、元気になることもないのです。
しかも、野ざらしですものね…
老朽化していく一方です。
なので「売ろうかな?」と頭の中に出たタイミングが検討のタイミングであり、もうすでに遅いかもしれません。
だったら当初の契約した時に決めた通り、20年間のフィット期間全ての電力を買い取ってもらう。
それでキャッシュフローをいっぱい稼ぐ。
そういう考えでもいいと思います。
では5年経った時に査定した方が「2年後にまた査定して、その時に検討しよう!」と考えても良いことはないのですね…
なので、そう考えると早いうちに査定をまずしてみる。
しかし、1点だけ注意点といいますか、今の自分の意見を覆す側の意見があります。
例えば2023年度の売電実績が悪かった場合。
「もう1年待ってみる」という選択肢が出てきます。
なぜかと言うと、基本的に皆さんがお持ちの物件は2人目のオーナーだったり、今1人目のオーナーのケースもあるかもしれませんが…
そういう物件なので、次の方が3人目や2人目のオーナーだったりするわけです。
この人が何を持ってあなたの発電所を評価するのか?というと…
「あなたの発電所はどれだけ発電したか?」
そして「電力会社からいくら入ってきたのか?」これを持って金額を決めます。
査定に響くということですね。
2023年が出力抑制の影響で、当初描いてた売電収入よりも低いという場合。
しかし2024年は日当たりも良くてだいぶ盛り返したとしましょう。
そうすると、売却の金額が上がるのです。
だったら「もう1年待つ」ことも選択肢に入ってくるんじゃないかな?と思います。
ただ、いずれにしても2024年どうなるのか分かりませんよね…
そうですね…
今回のまとめ
それも含めて、今の段階から業者に相談をしていくのが良いと思います。
うちの場合、自社で「どんどん買い取らせてください!」という提案をすることもあります。
しかし、うちがあんまり値段を出せないケースもあります。
例えば、お客様が「2,000万円で売りたい!」と言っているのだけれど…
うちとしては「1,900万円でないと買い取れません」という事はよくあります。
そうですね。
次の方に売るためにも、商品化しないといけませんものね。
うちも少し加工した上で売却するので、合わない場合があります。
実際そうなった場合、うちよりも高い額で買い取ってくれる業者がないか?
周りにそういう業者の知り合いもたくさんいるので、周りの業者を紹介します。
もしかしたら「2,000万円は出ないかもしれないけれど…あなたの希望に合っているかもしれない」と…
いずれにしても太陽光の出口を考え始めてる方がいらっしゃったら、お気軽にLINEから連絡ください。
うちで査定をしたり、業者さんを紹介したり…
色々な選択肢をご提示することができると思っております。
今回は話しませんでしたが、売却益が出ると言っても税金の話があるわけです。
太陽光は設備なので、17年間で定率の償却といって保有した1、2、3、4年目最初の頃にガーっと下がるような…
たくさん費用を計上しているのです。
つまり今のあなたの発電所は、例えば2,000万円で買ったけれど1,000万円ぐらいの帳簿上の価値になってる可能性があります。
それを1,600万円でもし売却したとしたら…
1,600万円と1,000万円の差額の600万円が益金になります。
こうなってくると200万円ぐらいの税金かかってくることも考えて、本当に売るべきなのか?そうじゃないのか?
これを分かっている人間に相談してから、手放して欲しいなと思っています。
今回は「太陽光の売却が増えてきているよ」ということで…
もし売却検討されてるような方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談いただければ親身になって対応できればなと思っております。
ありがとうございました。