BMキャピタルに業務停止処分


社長、今回はBMキャピタルという運用会社に業務停止処分が出たそうですが、ご存じでしたか。

ええ、BMキャピタルについては昔から知っていますよ。

昔からですか。お客様からご相談を受けたこともあるのでしょうか。

はい。当社のお客様の中にもBMキャピタルに投資されている方がそれなりにいらっしゃいます。

そうなんですね。今回のニュースでは具体的にどのようなことがあったのでしょうか。

金融庁のホームページに情報が掲載されていますが、結論としては業務停止処分です。1,816名から約223億円を調達していたようですね。

国内では合同会社スキームを通じて資金を募り、海外で運用することを「ヘッジファンド」と呼んで資金を集めていたということらしいです。
このような話は何度も聞いたことがありますね。

「合同会社」という言葉が気になりますね。合同会社の社員権で資金を集めてFX運用をするというのは、どこかで聞いたことがあります。

「エクシア」とまったく同じ仕組みですよね。無登録でファンド持分を募集したことで停止処分になったわけです。
今回は合同会社の社員権スキームだけでなく、ステルスマーケティングも問題になりました。

「BMキャピタルのヘッジファンドはすごくいいよ」という記事がネット上にたくさん載っていました。
「BMキャピタルのヘッジファンドは年利が一度もマイナスになったことがない」などと実際に運用していない人が誇大に宣伝していたのです。

そうだったのですね。処分は4月25日付で金融庁のHP上に公表されたようですが、社長は以前から注意喚起されていたのですね。

わかりきった話だよね…
後から言うなと言われそうなので、社内で注意喚起をしていた当時のチャットを貼りたいくらいなのですが、以前から言及していました。
直接質問するのが申し訳なく思い、担当コンサルタントに聞いたらしいのですが…
帝国データバンクなどの情報をお持ちでしたら共有してほしいです。
- クラウドバンク
- みんなで大家さん
- COZUCHI
- BMキャピタル

中身を見るまでもなく、「BMキャピタルはやめた方が良い」と答えました。
エクシアと同じく合同会社の社員権のスキームだとすぐわかりますね。
2022年の6月だと、おそらくエクシアも今の状態になっていない頃かと思います。
合同会社の社員権スキームで、あのような宣伝をしている会社はダメなのです。
▼エクシアについて詳しく語っている記事はこちら

だったら「この会社は危険だ」とはっきり言っていただいた方が投資家も助かるとは思いますが、名指しで断言するのは難しい面もあり、強い警告を出しづらい事情もあります…
▼登録者限定のメルマガでは、名前をぼかして言及しています

▼動画で確認したい方はこちら
合同会社の社員権スキームは危険

該当スキームには十分注意が必要だということですね。

そのとおりです。合同会社スキーム自体が悪いわけではありませんが、資金の使途と情報開示が不透明な場合は大きなリスクになります。
合同会社でも出資を募ることは可能であり、株式会社の「株式」に相当する「社員権」を発行できます。実際、合同会社でも最大499名まで出資者を募ることが認められています。ココザスでも過去に合同会社を通じた事業経験があります。
ただし、問題となるのは「出資の目的と実態」です。
たとえば、「この事業をやる」という明確な目的があり、それに応じたリターンを出資者に還元するモデルであれば、法的にも健全です。
しかし、BMキャピタルのように、実態としては出資を集めて運用・投資を行う、いわばファンド運営に近い形となると話は別です。
このような形態は、金融商品取引法上の「ファンド」と見なされる可能性があり、金融庁から「無登録営業(法逃れ)」として指摘されるリスクがあります。

合同会社そのものは合法でも、実態がファンドなら金融商品取引法の規制を受けるわけですね。

おっしゃるとおりです。資金調達手段としては許容されますが、運用内容や情報開示が不透明な場合は大きなリスクが生じます。

ちなみに、合同会社で発行できる社員権は499名までですよね。その制限も守られていなかったのでしょうか。

形式的には守っていても、実際には複数の合同会社を束ねて実質的にそれ以上の人数から資金を集めるケースがあります。その場合、実質的には公募と同じで規制逃れと見なされてしまいます。

なるほど…。投資家側もスキームの構造を理解したうえで判断しなければいけませんね。

おっしゃるとおりです。高利回りの広告に惑わされず、資金用途とリスク説明が十分かどうかを必ず確認していただきたいと思います。

合同会社スキームでも、事業内容が明確で返済計画があり、情報開示が適切なら問題はないわけですね。

はい。当社でも過去に合同会社を用いて事業資金を集めたことがありますが、事業計画とリスク説明を徹底し、投資家の皆さまにご納得いただける形を取っています。

今回の件を教訓に、投資家の皆さんもより慎重に判断していただきたいですね。
合同会社の社員権スキームはよくポンジスキームに用いられる

こうした投資案件は8〜9年前から続いていると伺います。長期運用の実績があると、投資家はつい「大丈夫だろう」と安心してしまいがちですよね。

はい。過去の動画でも話しましたが、ポンジスキームが何年で破綻するかを計算する簡便なロジックを公開しました。その計算通りに進みましたね。
一般的に7年程度は持ちこたえてしまうケースが多いのです。


しかもBMキャピタルは、利回りが5%未満のファンドもあったと聞きました。利回りを抑えることで長期存続してしまう、という側面もあるのでしょうか。

ええ。その数字をスプレッドシートに当てはめれば、なぜここまで持ちこたえたのかが一目瞭然です。

配当が出ないというより、そもそもの仕組み自体に問題があるということですね。

ええ。現在、返金を求めている投資家の方々が資金を受け取れていないという声を耳にします。

営業停止で新規募集ができない状況ですから、資金繰りは厳しいはずです。本来であれば運用が順調なら返金は可能なはずですが……。

私個人の見立てでは、全額が実際に運用されているわけではなく、返金は難しいでしょう。

では取り組んでいる投資家は今後どのように対応すべきでしょうか。

まずは資金の返還請求を続けるしかありません。ただし戻ってこない可能性は高いと思っています。したがって、このニュースの今後の推移を注視すべきです。

まだ“始まり”の段階ということですね。

“地獄の始まり”かもしれません。実質的にファンドであるにもかかわらず、無登録で合同会社の社員権スキームを用いた――これが本質的な問題です。


後を絶たないポンジスキームの被害…騙されないためには?

「ヘッジファンド」とうたっていた以上、日本国内では許可が必須ですよね。

その通りです。無許可でファンド運用を行うこと自体が違法。やってはいけない投資の典型です。
こうした案件が後を絶たないのは残念ですが、結局は視聴者・投資家がどう行動するかにかかっています。

免許取得のハードルを理由に無登録で始めてしまうケースが多いのでしょうか。

理由はどうあれ、金融商品取引業の登録をせずに資金を集めて運用するのはアウトです。免許取得が「面倒」だからでは済まされません。

エクシアの件も記憶に新しいですが、なぜBMキャピタルは大丈夫だと思われたのでしょうか。


ゲートウェイ成田の土地価格について詳しく解説しています

利回りが8〜10%程度と“控えめ”だったため、誇大に見えなかったのかもしれません。あるいは派手な接待がなかったからかもしれませんが、本質は同じです。

結局、ファンド免許なしで投資資金を集めている時点でリスクは同等ということですね。
投資の鉄則①:スキームの合法性を見極めよう

ええ。「利回りが低いから安全」という理屈は通用しません。同じスキームであれば結果も同じ。投資家の皆さんには、まず“登録の有無”を確認する習慣をもっていただきたいところです。

大切なのはスキームの合法性を見極めること――というわけですね。

その通りです。一緒なんですって。

結局、仕組みは同じなんですよね。数年後にはまた似たような案件が現れて、たとえば「利回り3%で、真面目な金融出身の社長が運営しています」とアピールしてくる──そして多くの投資家が再び惹きつけられてしまう。

しかも「合同会社の社員権です」と言われると、表面的には合法に見えてしまう。だからこそ本質を見抜かねばなりません。

仕組みをしっかり吟味しないといけないわけですね。
投資の鉄則②:最大損失を常に意識すること

そうです。私たちは何度もお伝えしていますが、「最大損失」を常に意識すべきです。もしこの投資が失敗した場合、どこまで失うのかを理解しておくことが重要です。

このスキームだと、最大損失はゼロ──つまり元本全額を失う可能性があると学びました。

そのとおりです。「ゼロになっても許容できる」と納得したうえで投資するなら問題ありません。しかし「返ってこないなんて困る」という方は、そもそも投資判断が甘いと言わざるを得ません。
投資の鉄則③:金融庁登録の有無を必ず確認しよう

無登録であれば法的にアウトです。当社(ココザス)グループには、関東財務局の登録を受けた金融商品仲介業者があり、海外の大手ファンド商品を正式に取り扱っています。もし何かトラブルがあれば、金融庁に駆け込める体制です。

世間でよく見かける案件は、そうしたバックアップがないわけですね。

ええ。謝罪債や金銭消費貸借契約の形を取っていても、実質的に脱法的なスキームが散見されます。こうした話に手を出さないことが、結果的に自分の資産を守る近道です。

金融庁のホームページには「無登録で金融商品取引を行う者の名称等」というリストが掲載されているそうですね。過去に問題を起こした事業者が一覧になっているとか。

はい。誰でも閲覧できますので、投資を検討する際は必ずチェックすることをお勧めします。
金融庁のサイトは誰でも閲覧できます。平成22年以降の無登録業者リストがテキストで残っていました。代表者の氏名も検索すればずっと表示されます。

引用|金融庁「無登録で金融商品取引業を行う者の名称等について」
今回、BMキャピタルもそのリストに掲載されました。仮想通貨関連などの投資詐欺案件も多数並んでいますので、投資の勧誘を受けた際は、最低限このページで過去の処分歴を確認してほしいです。

誰でも簡単に調べられるわけですね。

ええ。それでも「この案件は大丈夫ですか」といった相談は後を絶ちません。資産形成チャンネルの概要欄に私のLINEを載せていますので、気軽に相談していただければと思います。実際、BMキャピタルについても、これまで何件も「やめた方がいい」とお伝えしてきました。
投資の鉄則④:ネット上で勧誘される話の大半は避けた方が無難

率直に申し上げると、ネット上で勧誘される話の大半は避けた方が無難です。本当に有望な案件は、インターネットではなく、信頼できる富裕層のネットワーク内で共有されるものですから。

BMキャピタルに関しては、今後の動きを追っていく必要がありますね。

そうですね。4月25日付で無登録業者として公表され、新規資金の募集は事実上不可能になりました。もし全額返金が実現すれば「法令は守れなかったが投資家を守れた」という評価になるかもしれませんが、万が一返金できなければ最悪の結末です。

続報が入り次第、また動画で取り上げましょう。

本日はここまで。ありがとうございました。