米国債はどこで買える?主な購入ルート

米国債は、一般の日本人投資家でも手軽に購入できる金融商品です。
ただし、「どこで」「どのように」買うかによって手数料や利便性、為替対応が異なるため、ここでは、代表的な3つの購入ルートを詳しく見ていきましょう。
・米国証券口座を利用する方法
・投資信託・ETFを通じて買う方法
1つずつ紹介します。
| 項目 | 日本の証券会社 | 米国証券口座 | ETF・投資信託 |
|---|---|---|---|
| 購入方法 | SBI証券・楽天証券などを通じて外貨建て債券を購入 | 米国の証券会社で直接購入 | 日本の証券会社でETFや投資信託を購入 |
| 手続きの難易度 | 簡単 | 難しい | 簡単 |
| 必要な口座 | 証券口座+外貨預り金口座 | 米国証券口座(海外送金口座も必要) | 証券口座のみ |
| 最低購入金額 | 約1,000ドル〜(証券会社により異なる) | 額面1,000ドル単位から | 数千円〜(投信なら1万円以下も可) |
| 銘柄の豊富さ | 中程度 | 非常に豊富 | 多様 |
| 為替手続き | 証券会社で自動処理可能 | 自分で送金・両替が必要 | 不要(円建てで投資可能) |
| 利息の受取方法 | ドル建てで定期的に支払い | ドル建てで受取(自分で管理) | 分配金または再投資(円建て) |
証券会社(日本の証券会社)
最も手軽で安全に米国債を購入できるのは、日本のネット証券会社を通じた方法です。
SBI証券や楽天証券、マネックス証券など主要なネット証券では、外貨建て債券の取扱いがあり、円をドルに両替して米国債を購入できます。
為替手続きや税務処理も自動化されており、初心者にとって安心感があり、購入の流れは、以下のようにシンプルな手順です。
1.証券口座と外貨預り金口座を開設する
2.円をドルに両替する
3.取扱中の米国債を選んで購入する
特定口座を利用すれば、利息や為替差益にかかる税金も自動で計算されるため、確定申告の手間もかからないという特徴があります。
一方、各社で為替手数料や最低購入金額が異なるため、口座開設する証券会社はしっかり比較しなければいけません。
また、購入タイミングによっては取扱銘柄が限定されることもあるため、あらかじめ販売スケジュールを確認しておくと良いでしょう。
米国証券口座を利用する方法
より自由度の高い運用をしたい人には、米国の証券会社を通じて直接購入する方法が適しています。
現地の証券口座を開設し、米ドルで米国債を購入します。
現地取引なので、取扱銘柄が豊富で、発行直後の新発債にもアクセスできるのが大きな利点です。
一方で、米国口座開設には英語での申請や米国納税者番号(TIN)の申請が必要な場合もあり、日本居住者が利用する際には一定の制約があります。
また、為替送金の手数料や税務申告を自分で対応しなければならないため、慣れていないとハードルが高く感じられるでしょう。
そのため、米国証券口座を利用するのは、海外取引に慣れた上級者や、複数の債券をポートフォリオで運用したい投資家におすすめです。
投資信託・ETFを通じて買う方法
少額から米国債に投資したい人は、ETFや投資信託を通じて間接的に投資するのが最も簡単な方法です。
例えば、「iShares 米国国債ETF(AGG・IEF・TLTなど)」や「三菱UFJ 米国債インデックスファンド」などを購入すれば、1万円程度から複数の米国債に分散投資できます。
ETFや投資信託を通じた方法では、為替取引や利息受け取りの手続きは不要で、通常の株式と同じ感覚で取引できます。
分配金は自動で再投資されるタイプもあり、長期運用にも向いているのです。
ただし、間接投資であるため、債券そのものを保有するわけではありません。
また、運用管理費用がかかる点や、ETFの場合は市場価格が常に変動する点に注意が必要です。
とはいえ、少額・簡単・分散という特徴があるので、これから米国債投資を始めたい初心者におすすめな購入ルートです。
必要な準備|購入に必要なものと口座の種類

米国債を購入するには、いくつかの事前準備が必要です。
日本の証券会社を通じて購入する場合でも、本人確認書類の提出や口座の種類の選択、そして外貨を扱うための専用口座の開設が欠かせません。
ここでは、購入に必要な書類と口座の種類、そして外貨口座の準備について詳しく解説します。
米国債購入に必要な基本書類と本人確認
米国債を購入するための必要書類は、どの購入方法を選ぶかによって異なります。
多くの場合、証券口座の開設が前提となるため、本人確認書類やマイナンバーカード、銀行口座情報などが必要です。
| 購入方法 | 書類のカテゴリ | 具体的な書類例 |
|---|---|---|
| ① 日本の証券会社 | 本人確認書類 |
・運転免許証 ・マイナンバーカード ・健康保険証+住民票 など |
| マイナンバー確認書類 |
・マイナンバーカード ・通知カード ・マイナンバー記載の住民票 |
|
| 銀行口座情報 | 出金用銀行口座(ネット申込時に入力する場合が多い) | |
| 外国証券取引同意書 | オンライン上での同意書提出 | |
| ② 米国証券口座を利用 | 本人確認書類 |
・パスポート ・運転免許証 |
| 現住所確認書類 | 公共料金請求書・銀行明細(3ヶ月以内・英語表記) | |
| 税務関連書類 | W-8BENフォーム(米国非居住者の証明・オンライン提出可) | |
| ③ 投資信託・ETFを通じて購入 | 証券口座開設書類 | 本人確認書類・マイナンバーカード・銀行口座情報 |
| 投資説明書類 |
・投資信託説明書(交付目論見書) ・販売説明書 など |
上記のほかにも必要書類が求められる場合があります。
詳しくは開設する証券会社へ確認しましょう。
特定口座・一般口座・NISA口座の違い
米国債の運用を始める際は、特定口座・一般口座・NISA口座の3つのうち、どの種類の証券口座を使うかを決めておくことが重要です。
| 口座の種類 | 税金の扱い | 利点 | 注意点 | 推奨層 |
|---|---|---|---|---|
| 特定口座(源泉徴収あり) | 売却益・利息の税金(約20.315%)を自動計算・自動納税 | 確定申告不要で手続きが簡単 | 特になし(ほぼデメリットがない) | 初心者・手軽に運用したい人 |
| 一般口座 | 利益は自分で計算し確定申告が必要 | 自由度が高く、損益通算もしやすい | 明細管理や税計算が必要で手間が大きい | 上級者・自分で損益管理したい人 |
| NISA口座(新NISA) | 一定額の利息・売却益が非課税 | 長期運用で税金ゼロ。複利効果が最大化 | 米国債がNISA対象か事前確認が必要 | 少額・長期投資を非課税で行いたい人 |
最も一般的なのは「特定口座(源泉徴収あり)」で、売却益や利息に対する税金(約20.315%)が自動で計算・納税されるため、確定申告が不要になります。
初心者はこの口座を選んでおくとよいでしょう。
一方、「一般口座」は自分で損益を計算して申告する必要があり、上級者向けです。
取引明細を自分で管理する手間がありますが、損益通算などを自分の裁量で行いたい人に向いています。
また、非課税で運用できる「NISA口座(新NISA)」を使えば、一定額の範囲内で利息や売却益に税金がかかりません。
ただし、すべての証券会社で米国債をNISA対象として扱っているわけではないため、対応状況を事前に確認する必要があります。
外貨預り金口座(米ドル口座)の開設が必要
米国債は米ドル建ての金融商品であるため、購入には「外貨預り金口座(米ドル口座)」の開設が必須です。
この口座は、日本円を米ドルに両替して保管しておくためのもので、米国債の購入資金や利息の受け取りに使われます。
多くのネット証券では、証券口座を開設すると同時に外貨口座も自動で作成されますが、別途申し込みが必要な場合もあるので確認しておきましょう。
外貨口座は為替タイミングを自分でコントロールすることができます。
円高の時期にドルを買っておけば、為替差益を得ながら米国債を有利に購入できます。
また、外貨のまま利息を再投資できるため、長期的に米ドル資産を増やしたい人にも便利です。
ただし、証券会社ごとに為替手数料が異なるため、コストを抑えたい場合は手数料の安い証券会社を選ぶようにしましょう。
米国債を購入できる主要ネット証券比較

日本から米国債を購入する場合、主要ネット証券を利用するのが最も便利で安全です。
ここでは、SBI証券・楽天証券・マネックス証券の3社の特徴や購入手続きの違いを詳しく解説します。
SBI証券・楽天証券・マネックス証券の比較表
米国債を購入する際に利用できる主要ネット証券は、それぞれ取扱銘柄や手数料、サポート体制に特徴があります。
投資スタイルや利便性に応じて選ぶことが重要なため、以下の表にそれぞれの特徴をまとめました。
| 項目 | SBI証券 | 楽天証券 | マネックス証券 |
|---|---|---|---|
| 取扱米国債 | 外国債券(新発・既発) | 外国債券(新発・既発) | 外国債券(新発・既発) |
| 最低購入額 | 約1,000ドル | 約1,000ドル | 約1,000ドル |
| 為替手数料 | 1ドルあたり4銭 | 1ドルあたり4銭 | 1ドルあたり5銭 |
| 取引手数料 | 購入額の0.495%程度 | 購入額の0.495%程度 | 購入額の0.5%前後 |
| 購入方法 | ネット・アプリで完結 | ネット・アプリで完結 | ネット・アプリで完結 |
| 外貨預り金口座 | 必須(自動開設可) | 必須(自動開設可) | 必須(自動開設可) |
| メリット | 手数料が安く使いやすい | 楽天ポイントが貯まる | 豊富な情報提供とサポート |
| デメリット | ポイント還元なし | 情報量がやや少ない | 為替手数料がやや高め |
各証券会社のメリット・デメリット
もちろん各証券会社のメリット・デメリットも異なるため、以下の表にまとめました。
| 証券会社 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| SBI証券 |
外貨手数料が低く、米国債購入もネットで完結。 取り扱い銘柄が多く利便性が高い。 |
楽天ポイントなどの付加価値は少ない。 |
| 楽天証券 |
楽天ポイントで取引が可能。 初心者でも使いやすい操作画面。 |
SBI証券に比べて情報量がやや少なめ。 |
| マネックス証券 | 外貨建て情報が豊富で、サポート体制が充実。 | 為替手数料がやや高め。 |
米国債の取扱タイミングと購入手続きの違い
取扱タイミングは、各証券会社とも新発債は発行スケジュールに合わせて購入できます。
既発債は常時取引できますが、銘柄や残高に制限がある場合があります。
1.証券口座+外貨預り金口座の開設
2.円をドルに両替
3.取扱銘柄の中から購入したい米国債を選択
4.注文確定後、購入完了
注意点は、為替タイミングによって購入コストが変動するため、円高時にドルを買うのがおすすめです。
また、各社のアプリ・ウェブ画面で操作手順が異なるため、初回購入時は事前に確認すると安心です。
米国債の買い方をステップごとに解説

米国債を購入する際は、順序を踏んで手続きを行うことが大切です。
ここでは、3つの主要ステップに分けて、具体的な手順とポイントを紹介します。
2.取扱銘柄の確認と選び方
3.為替手続きと購入の流れ
1つずつ確認しましょう。
証券会社での口座開設
米国債を購入するには、まず証券口座と外貨預り金口座を開設する必要があります。
米国債はドル建てで取引されるため、外貨を扱える口座がなければ購入できません。
主要ネット証券のSBI証券、楽天証券、マネックス証券では、口座開設と同時に外貨預り口座も作成可能で、手続きはオンラインで完結します。
口座開設には、先ほど紹介した本人確認書類とマイナンバーの提出が必要です。
開設が完了すれば、証券会社の取引画面から米国債の購入準備を進めることができ、資金を入金すればすぐに取引が可能となります。
取扱銘柄の確認と選び方
米国債を購入する際は、銘柄ごとの利回りや償還期間、種類を確認して、自分の投資目的に合ったものを選ぶことが重要です。
米国債には短期(T-Bill)、中期(T-Note)、長期(T-Bond)、物価連動型(TIPS)があり、それぞれ利率や満期までの期間、特徴が異なります。
購入画面ではこれらの情報が確認でき、比較しながら銘柄を選ぶことが可能です。
また、新発債と既発債で購入方法や数量制限が異なる場合があるため、注文前に確認する必要があります。
利回りや期間のバランスを見ながら、長期的な運用計画に沿った銘柄選びを心がけましょう。
為替手続きと購入の流れ
米国債を購入するには、まず証券口座内で円をドルに両替する必要があります。
ドル建てでの取引となるため、両替のタイミングによって購入コストが変わるため、為替相場を確認して有利なタイミングで手続きを行うことが大切です。
両替が完了したら、購入したい銘柄を選び、数量を入力して注文を確定します。
注文が完了すると、利息の受け取りや償還時の元本返還もドル建てで管理される流れです。
米国債にはどんな種類がある?

米国債には、償還までの期間や利息の仕組みによって複数の種類があります。
ここでは、代表的な4つの米国債の種類とその特徴を解説します。
・中期国債(T-Notes)
・長期国債(T-Bonds)
・物価連動国債(TIPS)
1つずつ確認していきましょう。
| 種類 | 償還期間 | 利率 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 短期国債(T-Bill) | 4週〜1年 | 利息なし(割引発行) | 短期間で安全に運用可能。利息は償還時に元本との差額で受け取る。 |
| 中期国債(T-Note) | 2年〜10年 | 年利固定(クーポンあり) | 定期的に利息を受け取れる。中期間の資産運用に適する。 |
| 長期国債(T-Bond) | 20年〜30年 | 年利固定(クーポンあり) | 長期運用向き。利息収入が得られるが、金利変動による価格変動リスクも大きい。 |
| 物価連動国債(TIPS) | 5年〜30年 | 物価連動(インフレ率で元本調整) | インフレリスクをヘッジ可能。利息は調整後の元本に応じて変動する。 |
短期国債(T-Bills)
発行期間は通常4週間、13週間、26週間、52週間などで、利息は定期的に支払われません。
額面より割安な価格で購入し、償還時に差額を利益として受け取る仕組みです。
例えば、額面1,000ドルのT-Billを950ドルで購入し、満期時に1,000ドルを受け取る形になります。
信用度が高く、流動性も非常に高いため、短期間の運用やリスクを抑えたい投資家に人気です。
ただし、期間が短いため利回りは低くなる傾向があります。
中期国債(T-Notes)
安定した収益を得やすいのが特徴で、投資期間のバランスが取りやすい債券です。
代表的な銘柄は10年債で、金融市場では金利動向の指標として注目されます。
米10年債利回りは株式市場や為替相場にも影響を与えるため、ニュースや投資レポートで取り上げられることが多いです。
T-NotesはT-Billsよりも利回りが高く、短期と長期投資の中間に位置する運用商品です。
長期国債(T-Bonds)
利息は半年ごとに支払われ、長期的な安定収入を目指す投資家に適しています。
期間が長いため、金利変動の影響を受けやすく、相場状況によっては価格が大きく変動するリスクもあります。
しかし、長期金利が高い局面で購入できれば、長期にわたり有利な条件で投資できるメリットがあります。
多くの投資家は、将来のインフレや金利動向を見据えて戦略的に活用しています。
物価連動国債(TIPS)
通常の債券ではインフレが進むと実質利回りが下がりますが、TIPSは消費者物価指数に連動して元本が増減するため、インフレリスクを回避しやすくなっています。
利息は半年ごとに支払われ、調整後の元本に基づいて算出されるため、物価上昇局面でも実質的なリターンを維持しやすいのが特徴です。
一方、デフレ局面では元本が減少する可能性があるため、主にインフレ対策として利用されます。
米国債はどんな人に向いている?

ここでは、米国債がどのような投資家に向いているのかを3つのタイプに分けて解説します。
・為替リスクを取っても利回りを得たい人
・分散投資の一部に組み込みたい人
1つずつ確認して、該当するかチェックしましょう。
安定運用を重視する
米国債はアメリカ政府が発行するため信用度が高く、元本の安全性が比較的保証されています。
利息も定期的に支払われるため、株式のように価格変動の大きい資産と比べて安定した収益を得やすいのが特徴です。
特に、投資元本を守りながら着実に利息収入を得たい方や、リスクを極力抑えた資産運用を行いたい方に適しています。
短期運用でも長期運用でも、安定性を重視する投資家に向いているでしょう。
為替リスクを取っても利回りを得たい人
米国債はドル建てでの取引となるため、為替の変動リスクがあります。
その分、日本円での利回りは変動しますが、為替リスクを許容できる方にとっては、国内債券より高い利回りを狙える魅力があるのです。
為替変動の影響を見越しながら購入タイミングを選ぶことで、資産を効率的に増やすことも可能です。
円高や円安のタイミングを意識した戦略的な投資に向いています。
分散投資の一部に組み込みたい人
米国債は株式や不動産などリスク資産との相関が低く、ポートフォリオの分散効果が期待できます。
特にリスク資産の変動を抑えながら安定収益を確保したい場合に有効です。
国内外の債券や株式、投資信託と組み合わせることで、総合的なリスク管理が可能になり、中長期的な資産運用の一部として活用しやすい商品です。
米国債を買う時の注意点

米国債は安全性が高く、安定した利息収入が見込める金融商品ですが、購入時にはいくつかの注意点があります。
ここでは、代表的な3つの注意点について詳しく解説します。
・金利上昇局面での債券価格下落
・流動性・途中売却の制約
1つずつ確認しておきましょう。
為替リスクと為替手数料
米国債はドル建てで取引されるため、円とドルの為替変動によって日本円での損益が変動します。
円高のタイミングで購入すると円換算の利回りは下がり、逆に円安の場合は利回りが上がるため、為替相場の影響を受けやすくなります。
また、購入時や売却時には為替手数料がかかる場合があるので、これらのコストを含めた上で投資判断を行うことが重要です。
金利上昇局面での債券価格下落
米国債は市場金利と逆相関の関係にあり、金利が上昇すると債券価格は下落します。
特に長期債では金利変動の影響が大きく、購入後に金利上昇局面を迎えると、途中売却時の価格が下がるリスクがあります。
金利の動向や景気サイクルを把握した上で購入することが大切です。
長期運用の場合は、利息収入を目的に保有し、価格変動の影響を受けにくい戦略を採ることも1つの方法です。
流動性・途中売却の制約
米国債は基本的に安全性が高いものの、途中で売却する場合には制約や手数料が発生する場合があるのです。
特に取扱いの少ない銘柄や既発債では、希望のタイミングで希望の価格で売却できないことがあるため注意しましょう。
また、売却価格は市場価格に連動するため、購入時より低くなることもあるので、購入前に取引ルールや手数料を確認し、流動性リスクを理解した上で投資計画を立てることが重要です。
米国債の購入タイミングはいつが良い?

米国債を購入する際には、タイミングを見極めることが重要です。
ここでは、購入タイミングの考え方を3つのポイントに分けて解説します。
・為替相場(円高・円安)の影響
・投資目的に応じた長期・短期の判断
1つずつ紹介します。
金利サイクルと景気動向をチェック
米国債の購入タイミングは、金利サイクルと景気動向をチェックして決めましょう。
米国債は市場金利と密接に連動しており、金利が上昇すると債券価格は下落し、金利が低下すると価格は上昇する性質があります。
そのため、購入タイミングを考える際は、景気動向やFRB(米連邦準備制度)の利上げ・利下げの見通しを確認することが重要なのです。
景気後退局面や利下げ局面では債券価格が上がりやすく、購入に適したタイミングといえます。
金利サイクルを把握して、長期運用でも短期運用でも有利な条件で債券を取得できるようにしましょう。
為替相場(円高・円安)の影響
米国債はドル建てで取引されるため、円ドルの為替相場もタイミングを決める重要な要素です。
円高のタイミングで購入すると、日本円換算での利回りは低くなりますが、将来円安になった場合には利益が増える可能性があります。
逆に円安で購入すると円換算での利回りは高くなりますが、円高に振れるリスクも抱えることになります。
為替相場の動向をチェックし、リスク許容度や投資目的に合わせた購入タイミングを選ぶことがポイントです。
目的に応じた長期・短期の判断
米国債を購入する際は、投資目的に応じた長期・短期の判断を考慮して決める必要があります。
安定した利息収入を重視する場合は長期債が適しており、金利変動を利用して利益を狙う場合や資金を短期間で回収したい場合は短期債や中期債が向いています。
さらに、分散投資の一環として複数期間の債券を組み合わせることで、金利や為替のリスクを抑えつつ、ポートフォリオ全体の安定性を高めることも可能です。
まとめ

米国債は、アメリカ政府が発行する信用度の高い債券で、安定した利息収入を得たい方や分散投資を行いたい方に適した金融商品です。
購入方法は、日本のネット証券を通じた外貨建て債券、米国証券口座での直接購入、ETFや投資信託を介した間接投資の3通りがあり、それぞれ手続きやコスト、為替対応に特徴があります。
投資前には、口座開設や外貨預り金の準備、購入銘柄の利回りや償還期間の確認が重要です。
また、為替リスクや金利変動による価格変動、途中売却時の制約も理解しておく必要があります。
初めて米国債に投資する際は、自身の投資目的やリスク許容度に合った購入方法・タイミングを、ファイナンシャルプランナーに相談して確認することが、安全で効果的な運用への第一歩となるでしょう。
ココザスはファイナンシャルプランナーとして米国債を始めとした、投資や資産運用のサポートを行っております。
また、お客様の資産状況や家族構成、将来的なライフプランから適切な投資計画のアドバイスを行います。
さらに税金アドバイスや余剰金作りのための家計の見直し、保険やローンなどについての相談も承っておりますので、ぜひ一度ご相談ください。
